2024年7月19日 (金)

大西洋岸旅行③

 一夜明けて7月15日、この旅行最終日となりました。

 この日は前日と異なり早起きで6時前に起床、朝一で朝食を済ませると7時過ぎにはホテルをチェックアウト、そのままスワコプムントを目指して北上します。この時間帯周辺は一面の霧、ナミビア大西洋岸は沖合の寒流で冷やされた空気が偏西風で寒い陸地に流れてくるため、ただでさえ冷えた空気がさらに冷え、ついには露点を下回るために霧になるという現象が起こります。今朝はまさにそういう気象だったというわけです。ナミビアといえばいつも晴れているというイメージがありますが沿岸部の朝にはこういう日もあるのです。

 そんなドライブをしているわけですが、その目的はこの日の午前中にスワコプムント発の砂漠の生き物観察ツアーに参加するためです。ツアーの集合時間が朝8時45分だったため、早めにホテルを出たわけです。前日のうちにスワコプムントに移動した方が楽なのにという声が聞こえてきそうですが、そうすると日中にワインが飲めなくなってしまうのです(笑)。

 それはともかく無事に8時半過ぎには旅行会社の事務所に到着、受付を済ませて待っていたらやがて1台の四駆がやってきました(こうした砂漠のツアーは基本四駆)。さっそく乗り込みますが、この後もう一組客がいるとのことで、市内のホテルに向かいます(このツアーは送迎付きなんですが、さすがにウォルビスベイのホテルまでは来てくれない 笑)。後から乗って生きたのは家族連れでした。

452080239_7864899630274000_8825396413403 Img_3240(左写真1)霧の砂漠、(右同2)生き物を探すガイド

 その後は砂漠へ、車は昨年11月にバギーを体験した場所から入っていきます。そのまま砂漠の内部を進み、少し茂みがあるところで停車、そのまま運転手兼ガイドが付近を散策しています。やがて我々に降りてくるように促し、そのまま茂みへ。彼が砂を掘り返していくと… おおっ、なんとミズカキヤモリが姿を現しました(まさか密かに埋めていたとかではないよな 笑)。これは一見カラフルな見た目ですが、砂漠という極めて過酷な環境で生きているヤモリで、今日のような霧の日に体に付着した水滴を舐めて水分補給していることで知られています(この日は残念ながら舐めているシーンはなし)。こんな希少種があっさり見られて感激です。

452513278_7864900110273952_7495064411632 Img_3247(左写真3)ミズカキヤモリ、(右同4)ペリングウェイアダー

 ヤモリの次は場所を替えてぺリングウェイアダーという毒蛇や、ナマクアカメレオンの観察ができました。蛇はさばくにとけこんだような色彩で意外に動きが素早く、間違って手出しをしたら確実に嚙まれるなと思いました(笑)。

452318196_7864899910273972_1569222754785 Img_3279左写真5)カメレオン、(右同6)霧が晴れてきました

 その後は砂漠のドライブ、この頃から霧が一気に晴れはじめ、周囲はいつもの砂漠の風景に戻りました(日中になり気温が上がったため露点を上回り霧が消えた)。この辺はあまり観光客が来ない場所なのか、周辺見渡しても人の足跡がなく、一面風紋が広がっていました(2019年に小田原医師会合唱団で取り上げた混声合唱組曲「風紋」(石井歓作曲)を思い出した)。

452080233_7864899646940665_2898581964005(写真7)記念写真

 ツアーはお昼前に終了、その後はスワコプムントしないで昼食を摂り(お寿司もある海鮮料理店)、その後ウィントフックに戻ったのでした。これが2024年冬の旅行となりました。

Img_3291 Img_3292

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2024年7月16日 (火)

大西洋岸旅行①

 今年の7月第2週末は当地でも連休(土曜日を合わせると3連休)だったため、大西洋岸に遊びに行ってきました。ナミビアの沿岸部の旅行は昨年11月(スワコプムント)、今年5月(リューデリッツ)に続いて3回目となります。今回はオットセイの繁殖地として有名なケープ・クロスから海岸沿いに南下してウォルビス・ベイを中心に観光する予定です。

 7月13日土曜日は朝9時ごろに自宅を出発、北西に向かいA1道路に合流しそのまま北上します(ナミビアの道路はAからDのランクがあり、前者ほど状態が良い)。日本だと市街地を離れても、県境とかでなければ何らかの生活の気配があるものですが(北海道除く)、ナミビアは市街地を出ると次の町までまったく人の気配がなくなります。ウィントフックを出て北に向かい、次の町であるオカハンジャまで75キロ一面の荒野が広がっていました。

 オカハンジャからはB2号線に左折しひたすら西に向かいます。再び荒野の中をひた走り、120キロほどでカリビブの町を通過、ここが首都と大西洋岸の主要都市スワコプムントのちょうど中間点になります(私はひそかにバラン星と呼んでいる 笑)。通常はここで休憩にするんですが、この日はさらに30キロ西のウサコスの町まで進んで休憩としました。日本だと高速にはサービスエリア、一般道には道の駅があちこちにありますが、ナミビアには基本そのようなものはなく、町のガソリンスタンドが唯一の休憩スポットになります(トイレや売店も併設されていることが多い)。ここで給油とトイレ休憩を済ませ再び西に向かいます。

Img_3015(写真1)制限速度100キロの砂利道

 B2道路をそのまま進むとやがて南西に方向を変えてスワコプムントに至るのですが、この日はウサコスから20分ほど走ったあと、分岐するD1918道路に右折しました。この日の目的地ケープ・クロスに行くにはスワコプムントを迂回するとかなりの遠回りになるからです(ナミビアでは多少距離が遠くなっても優良道路を走った方が時間的短いことが多いが、さすがに今回はそうではない)。D1918は全線砂利道ですが路面状態は比較的良く、制限速度も時速100キロに設定されています(とはいえ実際に100キロ出すのは勇気がいる)。沿岸部まで120キロ、途中に町は全くないのですが、お土産物のような屋台が出ていました。稀にここを通る観光客を相手にしているものと思われます。約1時間半で抜けましたが、途中対向車は数台見かけただけでした。

Img_3046 Img_3049(左写真2)塩の無人販売所、(右同3)1個20ナミビアドル(約160円)のようです

 沿岸部に出ると右折し海岸沿いを北上します。この道路C34は一応舗装道路ですが、簡易舗装といった趣で砂利道よりはましといった程度の路面状態でした。そんな道を走ること30分ちょっとで目的地のケープ・クロスの看板を発見、そこから海の方へ左折して向かいます。この道路わきにはところどころにピンク色の塩の塊の無人販売をやっているテーブルが数多く設置されていました。そんな道を進みながら目的地のコロニーに到着です。

Img_3025(写真4)オットセイ繁殖地の入り口

 ここはナミビアでも有数のオットセイの繁殖地となっていて管理事務所もあります。受付で登録と入場料を支払ってからそのまま車で敷地内に入っていきます。数分で目指す繁殖地に到着、窓の外を見るとものすごい数のオットセイが寝そべっています。駐車スペースに車を停め、改めて外に出ると…

 すごい臭い( ゚Д゚)

P1010210 P1010188P1010209 P1010213 (左上写真5)一瞬昆布を干しているかと思いました、(右上同6)オットセイの大群、(左下同7)大あくび、(右下同8)カモメでしょうか

(動画)オットセイの様子

 事前の情報でかなり臭うとは聞いていましたが、これはなかなかのものです(とはいえすぐに慣れますが 笑)。鳴き声もけたたましく迫力があります。しばらく周辺でオットセイの群れを眺めていましたが、見ると前方に木道が設置されています。どうやらここからも見学ができる様子、見ると単独旅行者らしき人が歩いています。せっかくだから行ってみようとなり、木道に入りました。イメージは知床五湖でヒグマとの遭遇を避けるための施設ですが、あちらは電気柵もあって対策はバッチリなのに対し、この木道は本当に単なる木道です(一応オットセイ対策で木の格子が張り巡らされている)。こんなので大丈夫かと思いながら散策していたらなんと!前方にオットセイがいます。どうやら木道が壊れている場所があるらしく、そこから侵入したもようです。やり過ごせるかな?と思い近づくと、「ウ~」と唸って威嚇してきます。オットセイは本来は人間が近づくと逃げていくんですが、木道の中は狭いため彼らにとっても人間の接近は恐怖らしく、威嚇して追い払おうとするようです。仕方ないなと思い、来た道を戻るんですが、なんと!反対側にもオットセイがいます(同じように壊れた個所から侵入したもよう)。狭い木道の中で前後をオットセイに囲まれてしまった形です。「こりゃ困ったな」と思いましたが、ひとまずは様子を見て彼らが自発的に外出るのを期待します。

P1010197 P1010228(左写真9)木道入り口、(右同10)木道を占拠されました💦

 が、彼らも狭い木道のさらに狭い破損個所から偶然侵入したわけなので、出ていくのも偶然に任せるしかありません。しばらく待っていましたが出ていく気配がありません。なんかRPGのダンジョンにハマったような気分です。何度かやり過ごせないかなと思ったんですが、やっぱり威嚇されてうまくいきません。しょうがないので最終手段、木道の外に出て避難することに。ただ木道の駐車場側はびっしりオットセイが寝ているため、こちらから脱出した場合、最悪彼らを踏んづけてしまう可能性があります。一方の海側はオットセイの姿もまばらだったので、なんとか木道を乗り越えて外に出ることに成功、そのまま注意深く回り込み無事駐車場に戻ることができました(やれやれ)。

Img_3039(写真11)十字架のモニュメント

 ちなみにケープ・クロスという名前から想像できるようにここには十字架のモニュメントがあります。これは1485年にポルトガル人が西洋人として初めてナミビアの地を踏んだことに由来するのだそうです。

 オットセイに道を塞がれるという経験もあってここの観光は終了、来た道を戻り海岸線を南下します。1時間半ほどでスワコプムントに到着、ただこの日の宿泊先がさらに南のウォルビスベイだったので、ここには寄らずそのまま南下、結局夕方に無事ホテルに到着したのでした。

 この日から2連泊するプロテアホテルはウォルビスベイのウォーターフロント地区にあるホテル、部屋からは大西洋の夕陽が望めます。しばし休んだ後夕食は近くにある海鮮レストランに繰り出したのでした。

Img_3054 Img_3056 Img_3059 Img_3058(左上写真12)ウォルビスベイのウォーターフロント、(右上同13)ベイサイドのレストラン、(左上同14)生牡蠣、(右下同15)サーモンの刺身

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2024年5月 9日 (木)

リューデリッツ旅行④

 明けて5月4日、リューデリッツを去る日になりました。休みは明日いっぱいまであるんですが、なにせリューデリッツは遠く、ウィントフックまで800キロ以上あります。安全にたどり着きたいというわけで、復路も2日かけて戻ることにしているからです。

 そんなわけで出発はゆっくり、まずはホテルで朝食です。昨日はパスした卵料理もしっかりといただきました(この日どこからの集団が泊っていて、朝礼なのか何なのかをやっていて賑やかだった 笑)。

 朝食後荷物の片づけをしてホテルをチェックアウト、来たときと同じB4号線を東に進みます。1時間ちょっとで3日前に宿泊したアウスの町に到着、ここでガソリンの給与と休憩をします。ナミビアはもともと人口密度が極端に小さい国ですが、その中でも南部地域はさらに小さく、町と町の間200kmくらい砂漠で何もないところも多いので、給油できる時に給油するのが鉄則だからです。しばしの休憩後B4号を再び東進、2時間ほどでケートマンスフープに到着です。ここは初日にも給油&休憩をしたところですが、ナミビア南部では比較的大きな町です(ガソリンスタンドが複数あるほか大型スーパーもある)。時間的にもちょうどいいのでここで昼食を摂ることにしました。Googleマップでカフェを探していたら目の前にケンタッキー・フライドチキン(KFC)を発見、入ることにします(マックやスタバといったアメリカ系ショップがほとんどないナミビアですがケンタッキーだけはやたらあるのは、あの味がナミビア人の琴線に触れるからかなどと思っているのでした)。店に入ろうとしたら子供が「自分が車を見張っていてあげる」みたいなことを言ってきます。もちろんチップ目当てですが、「まあいいか」と同意しました(結局店内から自分の車が見える場所に座ったので自分自身で見張れるポジションでしたが、件の子供がちゃんと見張っているかを見張れることになりました(笑)。

Img_2613(写真1)B4号線

 食事後はちゃんと見張っていた子供にチップを渡して出発、ここからはB1号線を北上します。ケートマンスフープから先もほとんど無人地帯を走ります。交通量は少なく、たまにすれ違う車の多くは大型トラック、鉄道輸送がほとんどないこの国の流通を支えているのはこうした大型トラックということになります(そのためガソリンなどは首都と地方での価格差が大きい)。そんな道路を2時間ちょい走り、これまた初日に立ち寄ったマリエンタールの少し手前を左折して20分ほど西進したところがこの日の宿泊先のアフリカ・サファリロッジです。そのまんまな名前が素晴らしいロッジです。駐車場に車を置き、チェックインをいてまず部屋へ。ロッジというだけあってコテージタイプの部屋が並んでいるのですが、なんと冷房付き! 初日のアウスやリューデリッツのホテルはエアコンなしだったので、こんな町はずれにエアコンがあるだけでもすごいなと思ったのでした。このロッジ、ホームページではゲームドライブがあるということが書かれ、駐車場にもそれらしい車が停まっていたため申し込もうとしたら「今日明日はやってない」とのこと。もしかしたらこの日は客が少ないので催行されないパターンかと思いました(実際この日は宿泊客が少なかった)。ただ、部屋からでも動物はたくさん見られるとのことで期待して部屋に戻りました。

Img_2667 Img_2663P1010170 P1010151 (左上写真2)プールもありますが水が冷たい💦、(右上同3)動物がいます、(左下同4)サイです、(右下同5)こちらはレイヨウの仲間

 その後バーでビールを飲んで寛いでいたら、なんと近くにサイが複数出現したではないですか! サイといえば2月に北部のウォーターバーグで観察しましたが、まさかロッジの中でみられる場所があるとはと感動したのでした(その他にもいろんな動物が見られた)。周辺は砂漠とサバンナが広がるロケーション、ほかに食事する場所もないので必然的に食事はロッジになります。この日の夕食は決められたコース料理でした(前菜がでメインがチキン)。料理のお供はもちろんワインですがこの日はスパークリングワインにしました(夕食中もサイが比較的近いところまで迫ってきた 笑)。食事後は動物を観察したり星空を眺めたりしながらゆったりとしたアフリカの時間を過ごしました。

Img_2634 Img_2639 Img_2640 Img_2645 Img_2628 Img_2653(左上写真6)レストランそばにもサイが、(右上同7)夕食のワイン、(左中同8)前菜、(右中同9)メインのチキン、(左下同10)夕陽、(右下同11)夜にはウサギが

 そして翌日はチェックアウト時間までゆっくりして、そのままウィントフックに戻ったのでした。

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2024年5月 8日 (水)

リューデリッツ旅行③

 リューデリッツの夜が明けて5月3日になりました。日本は憲法記念日の祝日ですがナミビアは普通の金曜日です(笑)。この日は午前中クルーズ船でペンギンの観察、その後は今回の旅行最大の目的であるエビ祭りを堪能するという日程です。

 クルーズ船の集合時間が午前7時45分と早いため、この日は朝食開始時刻とともに会場に入りました(ほぼ一番乗り)。このホテルの朝食はパンとハム、チーズ、コーヒーといったシンプルなものです(一応卵料理もあるのだがこの日は時間がないので省略)結局7時半ごろにホテルを出て桟橋に向かいます(ホテルから桟橋まで5分程度)、着いたらほかのお客さんはまだ来ておらずここでも一番乗りのようでした。

Img_2490 Img_2492(左写真1)クルーズ船、(右同2)出航です

 我々の姿を見つけた係員がやってきて受付を済ませます。料金を支払おうとしたら「それは後でいい」とのことでした。その後三々五々参加者がやてきて、結局この日の乗客は十数人でした(アジア系は我々のほかに中華系の人が数人いた)。定刻の8時に船は出航、一路ペンギンの島を目指します。昨日の記事でも挙げたようにリューデリッツは風が強く、特に海上は気候が厳しいので係員の案内で船内席に座っていたのですが、我々の日頃の行いがいいのかこの日はほとんど風がなく、明らかに船外席の方が快適そうに見えます。というわけで我々も船外席に移動しました。

P1010118 P1010091(左写真3)海鳥のコロニー、(右同4)ケープペンギンがいます

 桟橋を出た船は昨日見たシャークアイランドの岬を回り込むように西に進んでいきます。そのまま進んでいき、しばらくすると小さな島付近に停船します。どうやらここが目指す島のよう。見ると内陸の方にペンギンが寄り添うように集まっています。その数はどっちかというと少な目、話によると近年ペンギンが減少傾向にあるのだとか、もしかしたらこれも地球温暖化の影響なのかもしれません。船はその後周辺を散策、海鳥やイルカなども観察しながら元の桟橋に戻りました。

 下船後はいよいよCrayfish Festival(エビ祭り🦐)の会場へ。先ほどの桟橋そばのいわゆるウォーターフロント地区が会場です。ここにはたくさんの露店(?)が出店しかなりの賑わいを見せていました。ウォーターフロント地区に数十件の露店が立ち並んでいますが、だいたい前半部分がエビを中心に海鮮のお店で、後半が食品以外の雑貨店という感じです。またビールなどのアルコールを提供する店もありそこも大賑わいでした。

Img_2562Img_2571(左写真5)エビ祭り会場、(右同6)セレモニーが行われています

 我々も露店を眺めながら、よさげなお店でエビを焼いてもらって食べ歩きました(もちろんビールなどのアルコールもいただき昼間から出来上がっていたのは言うまでもありません)。ここのエビはさすがにロブスターというわけではありませんが、それなりのエビが1尾20~30ナミビアドル(日本円にして200円前後)で食べられるのでした。結局この日はペンギンクルーズの後は夕方までエビ祭り会場でうだうだしていました(笑)。途中政府の偉い人がやってきての公式ランチ(?)もあったようで厳重な警備も行われていました(これだけ警察が集まっていればこの日の当地の治安は問題ないのではと感じました)。

Img_2565 Img_2578 Img_5007 Img_2579(左上写真7)注文後エビを焼いてもらいます、(右上同8)焼きあがりました、(左下同9)エビを頂きます、(右下同10)嬉しそう

 夕方近くにいったんホテルに退却、一休みに続いてはこの町を代表する教会を見学に行きます。その名もFelsenkirche日本語に訳せば岩の教会となります(一般には岸壁教会という名前で呼ばれる)。

Img_2588(写真11)岩の教会

 町の高台に位置するドイツ風の教会です。外観だけなら一日中見られるのですが、内部が見学できるのは毎日夕方5時から6時の間だけ、というわけでこの時間にやってきました。行くとちょうどオープンしたところ、数人の参拝客が来ていました。この教会外観も素晴らしいのですが、内部のステンドグラスの美しさも中々です。またこの地からドイツ兵として出征して亡くなった方々についての記録も記されていました。

Img_2600 Img_2591(左写真12)教会内部、(右同13)美しいステンドグラス

 教会の見学の後は夕食の時間、この日はエビ祭り会場そばにあるレストラン"EssenZeit"(日本語に訳せば飯時か)で生牡蠣とステーキをいただきました(昨日今日で海鮮は散々いただいたので締めは肉 笑)。2日間リューデリッツを堪能した我々でした。

Img_2607 Img_2608(左写真14)生牡蠣、(右同15)牛ステーキ

 

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2024年3月20日 (水)

多摩動物公園

 今回の帰国直後は人間ドックを始め、歯科検診等を受診するなど主に健康系のフェイズでした。それらが一段落した3月20日は春分の日ということで、この日は東京日野市にある多摩動物公園に出かけました。東京の動物園といえば上野動物園が有名ですが、この多摩動物公園も規模が大きく、特に昆虫の展示に力を入れているところです。実はこれまで行ったことがなかった場所なので、この機会に行ってみることにしたのでした。

Img_1331(写真1)多摩動物公園

 新宿駅から京王線に乗り高幡不動駅で乗り換えて多摩動物公園駅で下車、目的地は目の前です。入り口でチケットを購入し入場します。ここから右手に進んでいくと昆虫館やライオン、キリンといったアフリカ系の動物エリアがあるのですが、そこは後の楽しみとしてまずはまっすぐ歩いて行きます。こちらには様々な鳥がいるエリアがあります。私は鳥にはあまり詳しくないのですが(そっち方面はKの専門)、インコやフクロウ、イヌワシやオオワシなどがいました。

Img_1335 Img_1341 Img_1347 Img_1348(左上写真2)ベニコンゴウインコ、(右上同3)フクロウ、(左下同4)イヌワシ、(右下同5)コウノトリ

 そこから進んでいくとオーストラリア園へ。ここにはコアラやカンガルーに加えて、最近ここにやってきたタスマニアデビルの姿がありました(まだ慣れていないため時間限定での展示)。絶滅危惧種で現在日本で見られるのはここだけという貴重なものです(知らずにきました(^^ゞ)。

Img_1354 Img_1364(左写真6)コアラ、(右同7)タスマニアデビル

 そしてこの頃から空模様が怪しくなり、やがてポツリ、ポツリと雨が降り出しました。朝は晴天だったことから傘を持ってこなかった我々です。仕方ないので近くにあった屋根のあるシフゾウ広場に避難、しばし様子を見ることにしました。ネットで天気予報を確認したところ、30分程度で小止みになるらしかったので一安心、その後本当に小雨になってきたので移動することにしました。今度は昆虫やライオンの方に行きたかったのでバスで入り口まで戻ることにしました(ここまで結構距離がある)。最寄りのバス乗り場であるオラウータンの館に行くと、ちょうどオラウータンがロープ渡りをしているところでした(近くの人が、「このまま逃げ出したりしないのかなぁ」と言っていた)。

Img_1374Img_1406 (左写真8)ロープを渡るオラウータン、(右同9)フラミンゴ

 無事にバスで入り口に戻り今度は昆虫園のあるエリアへ。ただ時間的にいい頃だったため昼食を摂ることにします。この日は昆虫園とアフリカ園の中間にあるサバンナキッチンというところでいただきました。ただ昼食時間帯で混んでいたため屋外の席になったのですが、この日は結構寒い日だったので震えながら食べることになりました(それでもビールはしっかり飲んだ 笑)。

 食事後はいよいよ昆虫園を見学します(ここは屋内なの温かいというのもポイント高い)。ここのメインはたくさんの蝶が舞っている昆虫生態園、暖かい温室の中、緑いっぱいの空間を蝶が舞う様子は、もしかして極楽浄土ってこんなところかもと感じました。一方昆虫園本館にはキノコを栽培することで知られるハキリアリの生態展示もあって興味深かったです。

Img_1387 Img_1397(写真10、11)昆虫生態園の蝶

 そうこうしているうちに夕方近くになったため動物園を後にして再び都心に戻ったのでした。

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2024年2月15日 (木)

ウォーターバーグ旅行③

 一夜明け、今回の旅行最終日となりました。この日は特にアクティビティの予定はないためゆっくりです。レストランの朝食ではこの日も目玉焼きを注文、ハムやチーズといったドイツ風の朝食とともにいただきました。一昨日の夕食からここのレストランで5回食事をしたのですが、スタッフはホール係が1名、厨房に1名の2人態勢です。これですべての食事の準備なんてできるわけがありません。思うに複数の系列ロッジを持っていることから、敷地内のどこかに給食センターみたいなところがあって、そこで作った料理を各ロッジのレストランに配送、レストランでは温かい料理の加温のみ行っているのではないか(あとは朝の卵料理)と思ったのでした(ということは敷地内全レストランで同じ食事となる)。

Img_1967 Img_2088_20240303094401(左写真1)庭から見るテーブルマウンテン、(右同2)ホロホロチョウ

 そんなことを考えながら朝食を済ませ、腹ごなしに敷地内を散策します。夏の時期ではありますが、標高の高さもあって非常に快適です。昨日はここに豹が現れたということで2匹目のどじょうならぬ、2匹目の豹を狙っていたんですが、残念ながらこの日は豹の登場はありませんでした(泣)。そんな感じで時間を過ごしているうちにチェックアウトの時間になりました。車に荷物を積み込んでレセプションに向かいます。途中昨日はダマラディクディクがいたエリアを通過しましたが、今日はほかに移動したらしく姿は無し、ただホロホロチョウがあちこちに姿を見せていました。

Img_1989(写真3)レイヨウがいます

 5分ほどでレセプションに到着、ここでチェックアウトを済ませてレシートを受け取ります。電波が届かない、電気が十分に使えないといったデメリットはありますが、日常から解放される空間としては非常にいいところではないかと感じました。ゲート口で先ほどのレシートを見せます。これはチェックアウト手続き(すなわち支払い)をせずに逃げ出す輩を防ぐ目的と思われます(過去にそんな輩がいたのでしょう)。ゲートを出るとそこは一般のグラベルロード、重機の通った跡みたなガタガタ道に悩まされながら西に進み、無事舗装道路に出た時は心底ホッとしました。そこからは来た道を引き返しオチワロンゴの街に戻ります。この日の目的は同地にあるクロコダイルファームの見学です。ここは昨年9月のエトーシャ旅行の際に立ち寄っているのですが、この時は食事のみでファームの見学はできませんでした。なので一度見学してみたいと願っていたわけです。

Img_1203(写真4)クロコダイルファーム

 受付で入場料を払い園内へ。ここでは適当に集まった人数毎にガイドが付いて案内するスタイル、ワニは子供から大人までサイズごとに飼育されている感じでした。ワニは凶暴な動物ですが、陸地に上がった状態ではさほどではなく、水辺にいる時が危険なんだそうです(なので飼育員は常に水辺から離れたところで作業をする)。ここで飼育されているワニは食用にされたり、皮などを加工されて出荷されてるとのことでした。

Img_1250 Img_1206(写真5,6)ワニです

 凶暴なワニとはいえ、生後間もない幼体はそうではないため、そうした幼体を抱いて記念写真を撮るコーナーなどもあったりします。結局1時間近くワニを観察して外に出ました。

Img_1215 Img_1222(写真7,8)ワニの幼体との記念撮影

 その後はせっかくここまで来たのだからとワニ料理を堪能します。私がワニステーキ、Kがワニのスペアリブと偶然9月と同じメニューでしたが当時の写真と見比べるとやや豪勢になった感じがしました(本当はビールをお供にしたいところですが、これから運転して帰るためコカ・コーラで我慢です)。

Img_1257 Img_2063(左写真9)ワニステーキ、(右同10)スペアリブ

 食後はそのまま帰宅へ、オチワロンゴを出た時は快晴の良いお天気だったんですが、南下するに従い徐々に雲が広がり、オカハンジャを通過するときには土砂降りに… 制限速度120キロですが、60キロ程度に減速して進みます(日本の高速道路なら50キロ規制になる感じ)。とはいえオカハンジャを通過して少し行くと、あっという間に晴れに変わりあれほど川のようになっていた路面も乾いていきました(この辺の変化の速さがナミビアっぽい)。結局夕方ごろには無事に帰宅しました。3日間でしたがとても充実した休暇になりました。

Img_2074_20240303094401(写真11)ひたすらまっすぐなナミビアの国道

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2024年2月14日 (水)

ウォーターバーグ旅行②

 一夜明けウォーターバーグの朝を迎えました。支度をして朝食会場となるレストランに向かいます。朝食はハムやサラダ、パンなどがブッフェスタイルで並び、そのほかに卵料理を頼めるスタイルでした(私は目玉焼き、Kはスクランブルエッグを注文)。朝から温かい料理をいただけるのは嬉しいです。

Img_1121(写真1)朝食の卵

 食事後この日は午前中にテーブルマウンテンに登るアクティビティに参加したかったため、レストランの係員に告げたところ、8時にレセプションに集合するようにとの指示を受けました。いったん部屋に戻って歩く支度をしてから自分の車でレセプションに向かいます。途中道端に小型レイヨウの一種であるダマラディクディクがいたので停まって見入っていたらいつの間にか追いついてきた後続車にクラクションを鳴らされてしまいました(泣 まあ追い越しもできない狭い道ですから)。

Img_1122 Img_2089(左写真2)レセプションへの道、(右同3)ダマラディクディク

 車を走らせ無事レセプションに到着、ここにはすでに先着していお客さんもいました。一緒に待っていたらガイドらしき男性がやってきて「Rhino Tracking?」と聞いてきます。ちなみにこれはサイを見に行くトレッキングです。我々が参加予定のはPlateau Hikeなので「No」と答えると、そこで待っていたほかの人たちと一緒に出掛けて行きました。この段階で我々だけが残されたので、もしかしてレストランの係員が間違えたのかと少し不安になります。ただその直後に別なグループとガイドが現れ、「これからPlateau Hikeを始める」みたいなことを言ったので安心して付いていくことになったのでした。このグループはドイツ人の家族らしく二人の息子が両親(結構な年齢っぽい)を連れてきてた感じでした。

Img_1123(写真4)レセプション

 レセプションを出発して高台にあるプラトーロッジ(我々が泊っているウィルダネスロッジとは同経営の別のロッジ)の方に向かって歩いていきます。結構な登り坂ですが車が通れる道なので足元は問題ないので普通に付いていけます。この日は朝から曇り空なので絶好のハイキング日和といえます(ナミビアのピーカンは湿度が低いので脱水のリスク大)。10分くらいでロッジの東屋みたいなところに到着、ここにはまだ工事中のプールがありました。ここからいよいよテーブルマウンテンに向かっての山登りが始まりです。ガイドが先頭になって登山道(といえるかどうか不明)を進んでいきます。基本岩場なので足元に注意が必要ですが、ドイツ人の老夫婦が同行しているためペースはゆっくりで助かりました(そうでなければ我々が律速段階になる可能性大 笑)。さすがに岩場の登りはきつく、喘ぎながら登る我々です。登山途中にはハイラックスの姿も見え、Kが喜んでいました。

P1010029 P1010039(左写真5)こんなところを登っていく、(右同6)野生のハイラックス

 大体30分くらいの登山で開けた場所に出ました。どうやらテーブルマウンテンの上に来たらしいです(意外にあっさりだった)。見渡すと絶景、足元はというと断崖絶壁です。日本だったら100%安全柵かロープが張られるところですが、そんなものはなく完全に自己責任というのがこの国のスタイルです(なので小さい子供を連れてくるのは危険)。ここのロッジのサイトの写真にもここで観光客が万歳した写真が出ていますが、自分たち本当にすごいところに立っているなと感動するのでした。過去にテーブルマウンテンとしてはベネズエラのロライマ山とケープタウンで登ったことがありますが、ロライマ山は山頂の中央付近だったので断崖は見ていないのと、ケープタウンは完全に観光地化されていたために感動の度合いが全く違います。万一ここから転落したらしばらく発見は難しいだろうなと思ったのでした。

Img_1127 Img_1149(左写真7)山の上からの景色、(右同8)展望所にて

 最初の展望地を堪能した後はテーブルマウンテンの上を歩いて次なる展望地へ。テーブルマウンテンという名前のように山の上は平らになっているため基本的に歩くのに難儀はしません。ただ木々が覆い茂っているため磁石がないと方角等はわからず、ここで放りだされたら遭難確定でしょう。その後展望地を2か所巡り眺望を堪能、うち1か所ではガイドが対岸の崖に豹がいるというのでみんな双眼鏡で一生懸命探していました(我々も探したがよくわからなかった 涙)。結局1時間強山の上を散策してから下山となります。こうした登山は登りよりも下りの方が難易度が高く、しかもこの時間帯から小雨がぱらつきだしてきたため足元も悪いため一同細心の注意を払いながら下ります(ドイツ人の息子たちは親を気遣いながら丁寧に下りていた)。結局登り以上の時間をかけてプラトーロッジに到着、ここからは自動車道なので一安心、11時半ごろに出発地点のレセプションに無事到着しました。

Img_1160 Img_1162(左写真9)崖スポット、(右同10)ちょっと怖いです

 ここでドイツ人一家とはお別れ、Kがトイレに行っているうちにレセプションでこの日夕方のRhino Driveの予約をしたのですが、この時朝ロッジのレストランにいた係員が興奮したように現れスマホを見せてくれました。そこにはなんと!豹が写っているではないですか、聞くところによればちょうど我々がテーブルマウンテンに登っていた時間帯にロッジの庭に豹が現れたとのこと、ちょうど自分の部屋の裏庭に豹が寝そべっていたのでした(見たかった!)。夕方の予約を終えて自分の車でロッジに戻ります。朝にダマラディクディクがいたポイントでは同じ個体と思われるものがたたずんでいました。

 ロッジの戻るとちょうどお昼時です。山歩きをしてお腹もすいてきたので昼食にしようとレストランに行きます。が、やってる気配がありません。通りかかった係員に聞いたら、40分前に予約しなければならないとのこと。時計を見たら12時20分だったので、それではと13時に予約を入れ、それまでは外のテーブルで寛ぐことにしました(周辺を散策したらタケノコが生えていた!)。

Img_1175 Img_1173(左写真11)中庭の竹藪、(右同12)タケノコが生えています

 13時ちょいすぎにレストラン前に車が到着、係員が食品用コンテナ(学校給食でパンを入れる容器みたいなの)を持って出てきました。多分あれに我々の昼食が入っているに違いないと思っていたら、数分後に予想通り食事が出てきました。この日は私がミートソースパスタ、Kはエンパナーダ(南米起源の総菜パンみたいなの)でした。

Img_1171Img_2091_20240303065901(左写真13)ミートソースパスタ、(右同14)エンパナーダ

 この後はしばらく部屋で休息、この頃から午前中の筋肉痛が出始めます(まあ普段使わない筋肉を酷使したから)。そして夕方の4時にレストラン前にRhino Drive用の四駆がやってきてそれに乗ります。ロッジを出発した後はレセプションを通過して午前中歩いたプラトーロッジへ、ここでもう一組の客を乗せたのですが、これがなんと日本からの観光客、いや日本人観光客、普通ウォーターバーグなんて来ないだろ(というか存在を知っている日本人が何人いるのか)と思ったのですが、聞くところによるとご家族がウィントフックで働いているとのこと。そ、そうだったのか、案外世の中狭いなお感動したのでした。

Img_1177 Img_1192(左写真15)ドライブコース、(右同16)ウィントフックへ向かう水路

 Rhino Driveはその名の通り、サイを観察する自動車ツアーです。趣旨としては朝見かけたRhino Trackingと同じですが、あちらは徒歩で行くのでこちらの方が断然楽です(笑)。我々を乗せた車はそのままロッジ敷地外へ、昨日の午後に自分がやってきた道を進んですぐにオフロードに入っていきます(さすが四駆)。しばらく行くと水路のようなところを通過、聞くとこのあたりの水源から採取した水をはるか南ウィントフックまで送っているのだとか。ウィントフックはあんなに乾燥しているのに蛇口をひねると普通に水が出るのが不思議だったんですが、こんなところに秘密が隠されていたのかと感動した瞬間でした。

Img_2090 P1010062(左写真17)キリン、(右同18)ダチョウのつがい

 その後キリンやダチョウなどを見ながらサバンナの奥地へ、やがて前方にサイ(白サイ)の姿が現れました。ここで停車し一同徒歩で近づきます(つまり朝のツアーはここまで歩いてくるということのよう)。なるべく彼らを刺激しないようにゆっくりと近づき写真を撮りました。聞くとサイは密猟のためにアフリカ各地で数を減らしており、ここでは公園職員が常に監視しているとのこと、確かに銃を持った係員の姿がありました(ウォーターバーグはテーブルマウンテンで囲まれた地形のため、こうした保護活動に適しているそうです)。結局2か所でサイを間近に観察し、その後こうしたドライブでは定番のドリンクタイムをしてこの日のドライブは終了しました。

Img_1179 Img_1182 Img_2092_20240303070201 Img_1193(左上写真19)白サイの群れ、(右上同20)車の陰から見ます、(左下同21)大迫力、(右下同22)飲み物タイム

 ロッジに戻るとちょうど夕食時間、レストランに行ったのでした(この日のメイン肉はビーフ)。

Img_1194 Img_1196(左写真23)この日のワイン、(右同24)メインディッシュ

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2024年2月13日 (火)

ウォーターバーグ旅行①

 しばらく投稿から間があいてしまいました。実は2月第2週末は3連休だったため、それを利用して北にあるウォーターバーグ国立公園に行ってきました。

 2月10日朝早めに家を出て高速道路をひたすら北上します。日本でもよく見かける片側2車線の高規格道路ですが、無料である一方で、時々人も歩いているというのが日本との違いです(自動車専用道路ではない!)。なのでたまに路肩を自転車が走っていたり、地元民が横断してきたりするのはちょっと怖いものがあります(制限速度は120キロ)。

 約3時間でオチワロンゴという街に到着、ここでトイレ休憩を兼ねてガソリンスタンドに寄ります。日本だと高速道路にはPAやSA、一般道でも各地に道の駅があってトイレに困ることはないんですが、当地はパーキングスポットはあってもトイレはないため、トイレがある休憩スポット=ガソリンスタンドになるのでした(なので小さな町にもガソリンスタンドが結構ある)。トイレと給油を済ませてオチワロンゴから真東に向かう細い道に入ります。この道は進むとすぐに砂利道になります。日本だと砂利道なんてよほど山奥の林道にでも行かなければお目にかかれませんが、ナミビアでは主要道路以外は砂利道が基本です(当地ではグラベルロードと呼ばれる)。小石が転がっていたり水たまりがあったりするのはまだいいんですが、予期しない段差があると車のサスペンションが壊れるのではという恐怖があるのでした。

 砂利道を進むこと50分ほどで、この日最初の目的地Cheetah Conservation Fundに到着です。ここは簡単に言えばチーターの保護施設で、様々な事情で野生にいられなくなったチーターが保護されているところです。チーターは気候の変化や人間の活動範囲の拡大等(密猟を含む)の影響で数が著しく減っているのです。ここではそうした貴重なチーターの姿を見ることができます。この日はチーターを観察するドライブと餌付けを観察しました。

Img_1054 Img_1072(左写真1)チーターの施設、(右同2)チーターがいます

 チーターの見学の後は昼食、この日は家から持参したお弁当をいただきました。

 昼食後は再びオチワロンゴに戻り少し南下、そこから左折して東に向かいます。この道は舗装道路ですが、30キロほど行った先からはまた砂利道に入っていきます。先ほどのチーターに向かう砂利道のような突然の段差はないものの、一面重機が通った跡のようなガタガタ道で、走りにくいことこの上ありません。その後2か所ほどゲートがあり、そこから国立公園内に入ります(ゲートでは車両のナンバーをチェックされる)。周囲には段々テーブルマウンテンが近づき気分が盛り上がります。

Img_1100 Img_1101(左写真3)ナミビアのグラベルロード、(右同4)ロッジの入り口

Img_1102(写真5)テーブルマウンテン

 約30キロほどそんな砂利道を進んでこの日の目的地、Waterberg Wilderness - ONE Namibiaに到着、ここは国立公園内にある民間のロッジです。入り口にもゲートがあり予約の有無を確認されます(ここは宿泊者以外は入れない)。もちろん予約は入れてあるので名前を告げてゲートを通過、構内の道路はこれまで以上の悪路でおそらくは四駆でない車が走れる最低限のレベルと思われます。約5分ほどでレセプションのある建物に到着、ここでチェックインの手続きをします。我々の宿泊するロッジはここからさらに2キロほど奥地にあること、朝食夕食のほか、希望があれば昼食も出せること、ここのアクティビティに参加したい場合はレセプションか、ロッジのレストランの係員に依頼すること等の説明がなされました。

 その後は再び車でロッジのある場所へ、本当に山奥です。時速20キロも出せないような悪路を進んでようやく開けた場所に到着、ここが我々の宿泊地ウィルダネスロッジです。レセプションから連絡がいっているのか係員が待っていました。ここで部屋の鍵を受け取り、まずは部屋へ入ります。室内には蚊帳付きのベッドと扇風機があります。ここは山奥で携帯の電波も届かないところなので、もちろん公共の電気は来ておらず、必要な電気は自家発電、したがってエアコンのような電力をたくさん使う設備はないのでした(もっとも標高も高い山奥なので扇風機で十分といううわさもある)。荷物を運び入れた後はレストランへ、夕食前のこの時間はケーキとお茶がふるまわれることになっているからです。ケーキのほうはこの後の夕食も考えて遠慮しましたがお茶はしっかり堪能しました(ちなみに携帯電話が圏外の地であるが、レストラン周辺のみホテルのWifiが飛んでいて、外部とのやり取りは可能)。

Img_1120 Img_1117(左写真6)こんな感じのロッジです、(右同7)部屋の内部

 しばしのお茶タイムの後は夕食前の運動を兼ねて、ロッジ周辺の散策コースを歩いてみることにします。片道1キロほどのアップダウンも少ないコースでいろんな植物が観察できるコースでした(この日はほかに歩いている人はおらず貸し切り状態(笑)。

 戻った後は夕食のためにレストランへ。前菜のスープとデザートは配られますが、それ以外のサラダやメインはブッフェスタイルでした(この日の肉はゲームミートとチキン)。ワインも一緒に頼んだことは言うまでもありません。

Img_1114 Img_1115(左写真8)レストラン、(右同9)この日のメインプレート

 こうしてウォーターバーグでの1日目の夜は更けていきました。

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2023年12月28日 (木)

オチワサファリロッジ

 ホバ隕石を見学しツメブに一泊した翌日12月25日、この日は前日とは違って朝から快晴でした。ホテルを出てまずはツメブの博物館を見学しようとしたんですが、なんと、休館! どうやら当地はクリスマスの日は休みになる観光施設があるようです。実はこの日は少し南のオチワロンゴにあるチーター保護センターも訪問しようと思っていたのですが、もしかしてそこもと思い調べたら、見事休園でした( ̄▽ ̄)。実はここ、オチワロンゴ中心部から砂利道で1時間かかるところなので、知らずに行ったら悲劇を迎えるところでした。

Img_1289(写真1)雨季の北部は青々としています

 さすがキリスト教国のクリスマスは本気度が違うなと感心しながら、仕方ないのでゆったりと進みながらオチワロンゴへ。以前エトーシャに行く途中に寄ったワニのレストランを思い出し、お昼はそこにしようかなどと繰り出したんですが… なんと、ここもお休みでした。この日はスーパーもお休みで、唯一開いていたケンタッキーフライドチキンでの昼食になりました(さすがKFC)。

 町の観光はあきらめて、この日は宿泊予定のロッジに早めに入って寛ぐことに決定、オチワロンゴ市街地から南へ30分ほど戻った場所にあるオチワ・サファリ・ロッジに行きました。ゲートをくぐって砂利道を10分ほど行くとレセプションに到着です。ここでチェックインの手続きをして、係員に引率されて部屋に向かいました。部屋は一般的なサファリのロッジという感じです。

Img_0977 Img_0851(左写真2)ロッジのレセプション、(右同3)ロッジの庭(鳥がたくさんいます)

 少し休んだ後はプールへ。快晴の青空の中のプールはとても気持ちがよかったです。

 そしてこの日の夕方は5時からサンセットゲームドライブに参加、園内の動物を見ながらサンセットビューポイントで日没を待つという企画です。個々の園内にはゾウやライオンはいませんが、キリンやシマウマ、クロサイなどが見られます。また鳥の種類が豊富なのも魅力で、鳥好きのKは大喜びでした。2時間弱のドライブの後サンセットポイントに到着、ここにはテーブルが用意されていて、ドライバーがテーブルクロスを敷き、各種飲み物とおつまみをセットしてくれました。めいめい好きなものをいただくわけですが、我々は当然のようにワインに走ります(笑い)。おつまみもチキンやビーフなどシンプルながらおいしいものでした。

Img_0903 Img_0876(左写真4)クロサイ、(右同5)キリン

 ここでお酒を飲みながらサンセットを待ちます。西の空はもちろん夕焼けですが、東側を見るとほぼほぼ満月が昇ってくるところでした。太陽の低さの割に月が高いのは夏至の直後で日が長いせいでしょう

Img_0920 Img_1442 Img_0922 Img_0917    (左上写真6)ビューポイント、(右上同7)飲み物の準備、(左下同8)サンセット、(右下同9)月の出

 やがて7時30分過ぎに日没、それにしてもこちらの日没は落ちてきたな~と思うと、最後ストンと落ちる感じが印象的です。その後はテーブルの上を片付けてロッジに戻ったのでした。その後は夕食という流れですが、Kが珍しく乗り物酔い(?)したのか具合が悪くなり、夕食はパス、自分一人で済ませました(結局戻ったころにはKも復活していた)。

 翌日は朝からのんびり、園内で鳥を探したりプールに入ったり、結局チェックアウト後も午後3時近くまで遊んでいました。これが2023年我々の2泊3日のクリスマス休暇でした。

Img_0926 Img_1253 Img_1520 Img_0972(左上写真10)レストラン、(右上同11)Kの朝食、(左下同12)鳥です、(右下同13)プールで気持ちよさそうな私

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2023年11月20日 (月)

スワコプムントのコンサート

 さて、パリ出張から戻った翌週はスワコプムントの教会で開催されたコンサートに行ってきました。

 スワコプムントは首都のウィントフックからほぼ真西に350キロ、大西洋に面した町、15年前にナミビアに観光に来た際にも立ち寄っています。350キロといえば東京から仙台、あるいは名古屋に相当する距離となります。新幹線の速達タイプを利用し時速300キロで走れば1時間半の距離ですが、当地にはそんな便利なものはないため基本的に自動車での移動になります(スワコプムントの隣町ウォルビスベイには空港があり、数少ないながらも空の便はある)。ナミビアには日本のような高規格自動車専用道路はありませんが、平地が多くて基本道がまっすぐなのと、人口が少なく交通量が圧倒的に少ないため、一般道とはいえ時速100~120キロで走れます。このため途中休憩をはさみながら走ってもだいたい4時間あればつく距離です。

 こちらに来てから、観光でウィントフック以外を訪れたのは9月末のエトーシャ国立公園でしたが、この時はガイド兼運転手を雇ってのものでした。今回は初の自力での観光となったわけです。スワコプムントのコンサートは、当地のドイツ大使館の後援によるもので、ナミビア国立オーケストラのメンバーによる弦楽四重奏曲のコンサートでした。こちらに来てから生の演奏会に飢えていた(笑)ため、うわさを聞いて以来ぜひ行こうと思っていたのでした。

 そして11月18日朝9時ごろに自宅を出発しました。Google Mapを見るとウィントフックースワコプムント間はまっすぐ西に向かう道路と、いったん北上してオカハンジャという街から回り込むような形になている道路があるのですが、真西のルートは途中の多くの区間が砂利道(当地風に言えばグラベルロード)となっているため、後者のルートの方が若干距離は遠いですが早く着きより安全なのでした。

 舗装された道路を特に渋滞することもなく走ります。日本ではこういう長距離路線にはパーキングエリアとか道の駅とかがあり、そこで休憩できますが、当地の道にはそうしたものはなく、代わりに木陰にベンチがあるだけの休憩スポットが定期的にあります。ただトイレがないため、トイレ休憩しようと思えば、町のガソリンスタンドを利用するか、青空トイレ(笑)ということになってしまいます。オカハンジャースワコプムント間は町らしい町が少ないため、町があればそこでガソリンスタンドによるというのが基本です。今回はウィントフックとスワコプムントの中間地点にあるカリビブ(ナミビアのバラン星と呼んでいる 笑)という町のスタンドで給油&トイレ休憩としました。

 予定通り4時間でスワコプムントに到着、町中にあったケンタッキーで昼食を取ります。ただコンサートまでまだまだ時間があったことから、隣町のウォルビスベイにフラミンゴを見に行くことにしました。実は15年前もフラミンゴ目的で行ったのですが、運が悪かったのかフラミンゴが一羽もいないという状況だったため、そのリベンジがしたかったのです。

 車で南下すること40分、フラミンゴがいそうな海辺に到着です。車を停めて行ってみると… おおっ!フラミンゴがたくさんいます。全盛期の何割なのかはわかりませんが、15年前は0でしたから、その時とは比較にならない数でした(よく見るとフラミンゴは一種類ではなく二種類います)。

Img_0580 Img_0583  フラミンゴ鑑賞の後はスワコプムントに戻り、まずはホテルにチェックインです。今回宿泊するのはドイチェスハウスという15年前にも泊まったホテルです。懐かしいからここにしたというのもありますが、実はコンサート会場がこのホテルの真裏にあるという近さからでもありました。15年前の記憶がだいぶ薄れていましたが、そんなに変わっていなかったように感じました(部屋のキーがカード式になっていたのは明らかな違いですが)。

Img_0595 Img_0596  しばし休んだのち、コンサートに向かいます。会場は教会なんですが、正確にいうと聖堂ではなく付属の青少年ホールです。入場無料なのでそのまま中に入るとすでに多くのお客さんが来ていました。ほとんどが白人でドイツ語を話していました。ナミビアはかつてドイツの植民地だった歴史があり、今でもドイツ系住民が多く暮らしています。スワコプムントは国内でもドイツ系コミュニティが大きい町らしく、今日来ている人たちはまさにそうなんだなぁと思いました。

Img_0597  時間になりコンサートの開演です。曲目はハイドン、モーツァルト、ベートーベンという古典派3巨匠の弦楽四重奏曲です。特にハイドンの通称「皇帝」と呼ばれる弦楽四重奏曲はその第2楽章が現在のドイツ国歌(当時はオーストリア国歌)の元ネタの変奏曲であることも、ドイツっぽさがより強く出ていたなと感じました。そのほかのモーツァルトやベートーベンも聞きごたえがありました(一方で楽章ごとに拍手が入ってしまうことなどからは地方のコンサートの限界を感じます)。

 終演後はホテルに戻りレストランへ、スワコプムントの海鮮に舌鼓を打ちました(海鮮スープが旨かった)。

Img_0598 Img_0599(写真)海鮮料理

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