2022年10月 4日 (火)

産業医研修会

 日本医師会が認定している資格(?)に産業医があります。企業・事業所などの従業員の健康増進や作業環境管理などを担う役職で,ある程度以上の規模の企業では常勤医の設置が義務付けられている一方、小規模事業所では外部に非常勤の産業医を委嘱することになっています。この産業医の業務をする上で必須なのが前述の産業医の資格(?)です。常勤産業医はともかく非常勤産業医はたいてい地域の開業医が担うことが多いため、私のような勤務医にはあまり関係なさそうに感じられる資格です。ただ自分の病院にも産業医が必要で、それに任命されることがあったり、将来組織を引退した後、開業するわけではないけれども何か仕事を続けるうえで産業医というのは候補の一つです.そのためにもこの資格はあった方がいいと思い取得しています(この産業医、取る時が大変で全部で50単位の講習を受ける必要があり、その半分くらいは全国でも年に何回も行われない貴重な講義になります(自分はこれを受けるために土日をつぶして東京まで受講に出た)。

 資格を取ってしまえばお終いかというとさにあらず、更新のために5年で20単位の取得が必要になります。ただこれはそれほどハードルは高くなく、年に2回程度講習会に参加すれば取得できる数です。

 が、そこにコロナ禍がやってきました。産業医研修会は対面での講演を前提としているため、2020年、2021年辺りは予定されていた研修会の多くが中止に追い込まれました。中止にならなかったものも密を避けるために定員を大きく制限する形に… 結局産業医研修会を受講することが極めて難しくなってしまったのです。

 とはいえコロナ禍でオンラインの学会や研究会などは当たり前のように行われるようにになったのですから、産業医研修会もオンラインでやればいいのではという声は当然上がります。

 が、そこには簡単にそうはできない事情があるのです。産業医は社会と強くかかわる仕事です。その資格更新は適切に行われなければなりません。一方で世に行われているオンライン講演会の類は,自分のパソコンやタブレット等から講演会のサイトに接続さえすれば,あとは内職をしていても参加したことになります。自分が興味をもって参加する講演会ならば性善説が成り立ちますが、義務で受講するこうした資格更新の講習に関しては性善説は適応できません(楽をしようという人間が必ず現れる)。これが産業医研修会がオンラインで行われない理由です。ただ日本医師会でも、今後は画面での顔認証などを利用することでオンラインでもできるように計画はしているようです。その辺はどうなるのか興味深いところです。

 それはともかく私の産業医の認定期間ですが、2024年1月までとなっており残り1年3か月です。

 が、しか~し! 前回の更新からしばらくは余裕をかましていたのと、その後のコロナ禍で講習会が無くなってしまった影響から、2022年10月1日現在まだ1単位も取っていないのです💦

 さすがにこれはまずいと今日更新後初の講習会に行ってきました。場所は山梨県甲府市の山梨県医師会館です。どうして山梨なのかという声が聞こえてきそうですが、理由があります。山梨県産業保健総合支援センターは 

①月に何度も講習会が開かれている

②基本的に参加費無料

③直前でも空席がある という魅力があるからです.

Img_9273(写真1)山梨県医師会館

 東京や横浜の講習会だと人口が多いせいもありますが、無料の講習会はあっという間に席が埋まる、空席のある講習会は参加費が高い(中には参加費1万円などというぼったくりではというのもある)のです.甲府まで出向かなくてはなりませんが、当地からだと車で2時間なので、電車で1時間の横浜、1時間半の東京と比べてもそれほど苦にはなりません。

 というわけで、困ったら甲府というくらいここにはお世話になっています(笑)。

 今回のテーマは「生活習慣病予防対策」シリーズ①食事編でした。生活習慣病である高血圧、脂質異常症、糖尿病、フレイルと食事の関係についての講習でした。非常にためになるものでした。更新まであと1年、これからも甲府にはちょくちょく出かけることになると思われます。

Img_9274 Img_9276(左写真2)今回の資料、(右同3)ようやく最初のシールが貼られました

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2022年8月18日 (木)

医療相談その後

 通常の仕事の傍ら,月に1回市の保健センターでの医療相談業務に出かけています.主として自分の専門領域の病気や症状で悩んでいる患者さんからの電話相談に応じるのですが,先月の記事で書いたように新型コロナの第7波を受けて,かかって来る電話がみんなコロナ関係になってしまい、自分領域の電話が入り込む余地がなくなっています.数日前8月の出動日だったのですが,基本的には同じような感じでした.ただ7月は「発熱してしまったのですが、どこに行けば診てもらえるのでしょう」といった問い合わせが多かったのですが,8月は「発熱があったので自分で抗原検査をしたら陽性でした.どうしたらいいでしょう」という風に状況に変化が見られています.感染拡大を受けて自治体によっては抗原検査キットを配っているところもあるほか,薬局などで購入することもできるので,抗原キットがかなり出回っている世相を反映した変化だろうと思われます.発熱外来がひっ迫している状況を受け,神奈川県では若くてリスクの低い人に関しては自分で行った抗原検査の結果を利用して,自分で感染登録をする自主療養を選択できるようにしています.なるべく若くて元気な人は医療機関に行かず家で寝ていてくださいというわけです.

 ここ2週間ほどは首都圏などこれまで感染が拡大していた地域はやや縮小傾向を示すものの,地方ではむしろ拡大しているなど感染症流行のフェーズが徐々にに代わってきているのを感じます.とはいえ個々人ができる対策は以前と変わるわけではありません.まずは基本的なマスク,手指消毒等という基本に立ち返って徹底させていく必要があるのは言うまでもありません.

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2022年8月16日 (火)

帰国難民

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が始まって2年半,この間ウイルスは当初の武漢株から2021年春のアルファ株,同年夏のデルタ株,さらには2022年初めからのオミクロン株と変異してきました.特にオミクロン株に置き換わって以降は感染力は強いものの,従来株に比べて(ワクチン接種の効果も含めて)重症化率や死亡率が低下していると考えられており,各国ではそれまでの制限を撤廃する動きも見られるようになりました.それに伴い諸国間の往来も戻りつつあり,多くの国では入国時のPCR検査なども行われなくなりました.日本の大手旅行会社も徐々に海外旅行商品を出すようになっています.もちろん個人で航空券を購入しての旅行も可能でそうした旅行者も増えてきているようです.

 ただ一方で問題となっているのは,旅行先で感染してしまったケースです.現在日本政府は入国時の検査は行っていないものの,出国72時間以内に実施された陰性の検査証明を検疫所に提出する決まりになっており,これがないと航空会社は日本行きの便への搭乗を拒否することになります.このため旅行の最終段階で陽性が判明してしまった場合,帰りの飛行機に乗れないことになってしまいます.ここで重症化すればさらに大事ですが,幸い軽症だったとしても翌日すぐに陰性化することは稀であり,団体旅行の場合は離団したうえで少なくとも数日から一週間さらなる現地滞在を余儀なくされます.追加の滞在費の負担も大きいですが,帰国後仕事が入っていた場合などは職場への連絡や調整も必要になります.慣れない海外で,しかも病を抱えてこうした事態になるのは非常に辛いでしょう.

 それでも数日で無事陰性化すればいいのですが,コロナの場合症状軽快後でもPCR検査がなかなか陰性化しないケースもあります.この場合は陰性化するまでさらに帰国が延びることになります.最近はこうした症状は軽快したのに,検査が陰性化しないため飛行機に乗れない帰国難民が増えているのだそうです.

 ちなみに日本の在外公館では,こうした帰国難民対策として症状軽快後も複数回検査で陽性となってしまったケースで,真にやむを得ない場合に「陰性(検査)証明書が取得困難であることを確認する」旨を記した領事レターを発行することにしています(在フィリピン日本国大使館のケース).該当者は陰性の検査証明の代わりにこれをを提出することで飛行機に搭乗することになりますが,領事レターはあくまでも在外公館が航空会社に「この人は症状は軽快しており他人に感染させる危険性は低いのでよろしく頼む」と配慮をお願いする書類に過ぎないため,実際に飛行機に乗れることや日本に入国できることを保証するものではありません(乗せるかどうかの最終判断は航空会社ですし,入国の可否判断は入国審査官となります.もっとも日本人である場合は日本の空港に到着さえできれば法的には入国拒否にはならないハズですが).

 この領事レター,旅行者の間でも結構知られるようになったらしく,在外公館への問い合わせも増えているようです.しかし先述のようにこれはあくまでも真にやむを得ない場合にのみ発行されるものです.旅行者の中には早く帰国したい一心からか,1回陽性になっただけの場合や,まだ症状が軽快していないにもかかわらず領事レターの発行を希望する人もいるそうです(この辺は日本渡航医学会のメーリングリストで話題になっている).一部の人たちによるルールを逸脱した要請が在外公館に多数寄せられ,業務を圧迫する事態になるのは厳に慎まなければなりません.この辺のルールが変わるまでは海外旅行はまだ厳しいなと思ったのでした.

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2022年7月22日 (金)

濃厚接触者の待機期間

 新型コロナウイルス感染の第7波に入っている世相ですが、今日国は新型コロナ感染の濃厚接触者の待機期間を変更する旨を発表いたしました。

 濃厚接触者の待機期間 5日間に短縮 社会経済活動の維持のため

 従来は原則7日間だったものを5日間に短縮するとのことです。記事には社会経済活動の維持のためとありますが、もちろん医学的な知見がベースにあるのはいうまでもありません。

 新型コロナウイルス(COVID19)感染症は当初潜伏期間が長いことが特徴で、感染から発症まで1週間以上かかることもざらでした。しかし変異株の登場に伴って徐々に短縮傾向を示し、2021年秋に出現したオミクロン株では大体2〜3日で発症するケースがほとんどとなりました。それでも従来株も残っていたことから7日間の待機が維持されていましたが、7月下旬に入り市中の株がほぼBA5(オミクロンの亜型)に置き換わったことを受けて今回の措置となったと思われます。

 ただ5日間というのは原則で、途中2日目、3日目の2回医療用の認可を受けた抗原定性キットを用いて検査を行い陰性が確認されれば3日目での解除も可能となっています(無症状であることが大前提。従来は4日目、5日目の検査で陰性なら5日目解除だったもの)。これは潜伏期間がほぼ3日以内でありその段階で無症状かつウイルスがある程度検出されなければ、その後発症する蓋然性は極めて低いということでしょう。注意が必要なのは待機解除に用いる抗原定性キットは必ず体外診断用医薬品でなければならず、通販などで見かける研究用と書かれたキットではダメだという点です。これは研究用とされているものは精度が保証されておらず、特に今回のような陰性を確認する目的には適さないからです(偽陰性が出る可能性が高いため)。これらのキットは有症者が自分で陽性であることを確認する目的ならばそれなりに有用です(低リスク者がこれで自己診断し自主的に自宅療養に入れれば医療機関への負荷も軽減できると思います。その場合解熱鎮痛剤などをどのように手配するのかという問題がありますが)

K10013731671_2207221918_0722192044_01_03  ちなみに待機日数の数え方ですが、感染者との最終接触日(同居者の場合は屋内隔離が開始された日)を0日とし翌日から1日、2日と数えて行きます。最終接触日が1日目ではありませんので注意が必要です。

 ともかく私たちにできるのは従来通りの基本的な感染対策であることは言うまでもありません。

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2022年7月19日 (火)

医療相談

 皇帝を名乗っている私ですが,それだけでは生活ができないため普段は医師をやっています.勤務先での診療に加えて隣県の応援当直や介護保険の審査員に加えて昨年からは市の保健センターでの医療相談も担当するようになりました.これは患者さんの病気の困りごとを直接専門の医師が相談に乗るという企画です.主催は地元の医師会地域医療連携室で,ホームページ上にカレンダーがあって,何日の午後は内科,ここは皮膚科などの設定がなされており電話をかけると,それら専門医に相談することができます.なので患者さんはあるいは予約して、あるいは直接電話して医師に相談する流れになります(普段なら).

 が,今日はいつもと様相が違いました.かかってくる電話かかってくる電話みんな「発熱してしまった!どこに行ったら診てもらえるんでしょうか」,「子がコロナ陽性になってしまったんだけど自分はなにをしたらいい?」みたいな電話がひっきりなしにかかってきます.新型コロナウイルス感染が急拡大している世相を受けていることは間違いありません.その種の電話が多すぎて,とても自分領域の電話が入り込む余地など全くないのでした.

 第7波に入ったと言われるコロナ感染ですが,個々人ができる対策は以前と変わるわけではありません.まずは基本的なマスク,手指消毒等という基本に立ち返って徹底させていく必要があると感じます.

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2022年5月22日 (日)

日本旅行医学会大会

 学会ウィークですが、6月18日~21日に行われた第63回日本神経学会学術大会に引き続き,5月21日~22日には第20回日本旅行医学会大会が開催されました.旅行医学とは「人の移動の安全と快適性を高める医学」と定義付けられています.医療者であり大の旅行好きである身としては,まさに自分のためにあるような学会です(笑).その存在を知った瞬間に入会し,その後試験も受けて現在は認定医にもなっています.

 2019年までは毎年4月に代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されていましたが,2020年の大会はコロナ禍で中止となり2021年からは5月にオンライン形式で行われるようになっています.今年もオンラインでした(オンライン開催はどこにいても参加できるメリットがありますが,リアルだと必ずあるランチョンセミナーがないのが残念 笑).今年のテーマは昨年に引き続き留学生の旅行医学でした.コロナ禍で国と国との往来が制限されており,なかなか留学のハードルが高くなっている世相ではありますが,今後徐々に往来が増えてくるだろうことから2年連続でこのテーマとなった模様です.

Dsc_0050_640x480 Dsc_0055_640x480(写真は過去のものです)

 講演の内容はウイルス変異のメカニズム,テロに遭遇した場合の対応,留学用ワクチン接種の話題,危険ドラッグの話題,エレベーターの地震対策等でした.自分自身にとっても興味深いテーマばかりで学びの多い時間となりました.

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2022年5月18日 (水)

第63回日本神経学会学術大会

 春は学会シーズン,今週は私の仕事上のメイン学会である日本神経学会の学術大会が開催されています.コロナ禍に入ってから学会はオンライン開催だったり,オンラインと実参加併用のハイブリッド開催だったりするんですが,一昨年昨年と徐々に実参加のウエイトを大きくしていて,今年は7~8割が実参加という印象です.今日は朝から会場となった東京の国際フォーラムに繰り出しました.

Img_8166 Img_8162(左写真1)学会の総合受付(だいぶ空いた時間帯です),(右同2)登録票と参加証(オレンジ色の神が平熱証明書)

 JR有楽町駅からすぐという好立地です.まずは総合受付へ.ここ2年定番の検温所で平熱を確認するとそれを証明するシールを受け取ります.続いては参加登録ですが,ここがなんと!長蛇の列,一昨年岡山での大会に参加した時はガラガラだったので,いかに今年は実参加が多いのかがわかります.登録は事前に用意した2次元バーコードを読み込んで名札や参加チケット等が印刷された紙を受け取るという基本的に人と接触しない形で行われます.本来ならそんなに時間がかかるハズはないんですが,若い参加者はともかく,高齢の大先生だとイマイチ手順が判らず係員を呼び出して… なんていることになるので,それが律速段階になっているようでした(結局9時20分に受付に付いたものの,完了したのは9時50分だった💦.

 その後は自分が受講を予定しているセミナーの会場へ.この日はパーキンソン病と白質脳症のお話でした.

Img_8163 Img_8164(左写真3)セミナー会場,(右同4)帝国ホテルの屋台

 セミナーが終了して外に出たらちょうどお昼時間,国際フォーラムの中庭(?)では帝国ホテルをはじめとする様々な移動販売車が並んでいました.

 午後からは別な用事があったため地元市内の保健センターへ.ここでお茶をいただいたのですが,そこに描かれていたのが熊本県を代表するキャラクターのくまもん,偶然この日の自分のネクタイと一緒だったので感激いたしました。

Img_8168(写真5)くまもん入りのお茶とネクタイ

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2022年2月 8日 (火)

専門医の更新

 現在日本神経学会の専門医を標榜している(?)私ですが、これを維持するためには学会の規定に従って単位を取得し5年ごとに更新をする必要があります.具体的には学会の主催する学術講演会や地方会への参加や発表,教育後援会の受講,関連した論文の執筆等です.それぞれについて1回何単位などという決まりがあり,5年通算50単位が必須単位になります.

 で来る2022年3月末が更新日ということで,先日学会の方から更新の手続きをしてくださいという案内がきました.単位はすでに足りているので所定の更新願の書類に必要事項を記入し送ればいいのですが,それと同時に更新料を納めなくてはなりません.その更新料が…

 30,000円!

Img_7298 Img_7299  ずいぶん高いな,更新の事務手続きにそんなにかかるとは思えないから,これは足元見てるな💦 まあ学会にも事務局があってそちらの人件費等お金がかかるわけですから,こういうところで儲けているんだなと思ったのでした.

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2022年1月11日 (火)

ワクチン3回目接種

 新年に入り新型コロナウイルス感染症の陽性者が増加してきている世相ですが,本日3回目のワクチン接種を行いました.

Img_7100

 自分の場合,2回目接種からちょうど8か月目でした.過去2回の副反応はというと,

・1回目 局所の痛みのみ

・2回目 局所の痛みと全身倦怠感,発熱なし

だったのですが,果たして今回はどうなりますことやら…

 1月17日追記: 結局2回目と同様、局所の痛みと全身倦怠感がありましたが発熱はありませんでした.

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2021年12月27日 (月)

コロナワクチン3回目の接種券

 年末も押し迫ってきましたが、昨夜帰宅したら新型コロナウイルスワクチン3回目用の接種券が来ていました.

Img_6935  医療従事者である自分は世間に比べて1,2回目の接種がやや早かったので3回目も早いというわけです.年明けに職場でまとめて接種する予定になています.1,2回目ともたいした副反応が出なかったので今回も大丈夫だろうと勝手に思っています.

 それにしても年末に至って首都圏の感染状況は拡大傾向にあるようです.これがデルタなど従来株によるものなのかオミクロン株によるものなのか,慎重に見極める必要がありそうです.

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