2007年5月 3日 (木)

イソビタンA

 だいぶ以前になるが,オロナミンCの類似品で,ミンナミンCという栄養ドリンクについて書いた.オロナミンCは大手製薬メーカー「大塚製薬」が出している,超メジャー栄養ドリンクである.一方のミンナミンCは「タムラ活性」というマイナーな会社から出ている.しかし味の方はなかなか良く,(個人的には)コカコーラから出ているリ○ルゴー○ドや,サントリーのデ○ビ○Cなんかよりよっぽど旨いと思う.

Minnamin タムラ活性のミンナミンC.キャッチフレーズは「ミンミンみんなのミンナミン」です.

 しかもこのミンナミンC,とっても安い.ウチの近くのドラッグストアで10本入り500円未満で売っている.これはテレビや雑誌などでの宣伝を全くやっていないためと思われる.すなわちメーカーの戦略としては,店で商品を見かけた人が,オロナミンCと勘違いして買っていくのを期待しているのだろう.いわばオロナミンCのネームバリューに便乗したパラサイト戦略である.一度商品を買ってもらえば,味の方はイケルから,リピーター率は高いと思われる.

 さて,先日近所のスーパーで,別のタムラ活性製品を見つけた.その名も

 イソビタンA

 リポビタンDとアリナミンAを足したような名前だ.ただ商品そのもののデザインはリポビタンなどに類似はしていない.ハチの絵柄(第二高等学校ではありません)がデザインされるなど,オリジナリティを出そうとしているようだ.しかもこの商品,リポDのような医薬部外品ではなく,ミンナミンC同様ただの栄養ドリンク(清涼飲料水)である.すなわち効果効能は表示できない.医薬部外品にするには厚労省の認可が必要だから,その経費すら惜しんだということだろうか(ちなみに値段は税込み60円であった).原材料を見るとハチミツや朝鮮人参エキス,ロイヤルゼリーなどが配合されているようだ.

Isobitan これがイソビタンAです.

 さて,肝心のお味の方は……,なんか甘いだけのような気がする.これならミンナミンCの方がいいやと思った私でした.

 追伸) タムラ活性のホームページ(タムラ活性株式会社)を見たら,イソビタンAⅡというのもあるらしい(しかもこちらは医薬部外品!),是非一度飲んでみたいと思った(どこで手に入るのかは不明).

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2006年10月 2日 (月)

モーツァルトとジェネリック

 ある薬の特許が切れたあとに,他社が発売する同一成分の薬剤のことをジェネリック医薬品(通称ゾロ)という.さらに我が家ではマイナーなメーカーから発売されたパクリ商品のこともゾロと呼んでいる.今年はモーツァルトイヤーということもあり,今回はモーツァルト絡みのゾロのお話です.

 オーストリアのお土産の定番として,モーツァルトクーゲルン(Mozart Kugeln)と呼ばれる丸いチョコレートがある.赤い箱に入った,モーツァルトの顔の絵が描かれた金紙に包まれたお菓子で,見たことのある人も多いと思う.オーストリア全土(主要観光地や空港など)はいうまでもなく,日本国内でも大きなデパートで扱っていることもあるし,ザルツブルグの現地ガイドの話では,中央アジアのカザフスタンでも目撃されてるという情報もある.それほど有名なお菓子なのである.

Zoro みんな一度は眼にしたことがあると思われる赤と金のモーツァルトクーゲルン.

 しか~し!この赤いモーツァルトの顔が描かれたモーツァルトクーゲルン,実はゾロ品なのである.本家のモーツァルトクーゲルンはザルツブルグにある”フュルスト”というカフェで作られたものであり,銀紙に包まれて全体的に青っぽい色調となっている.一つ一つ手作りらしく,形も真球には程遠く,値段も高めである(先発品だから当然か?).

Honke こちらが本家のクーゲルン.銀と青を基調としています.

  どうしてゾロ品のほうが有名になったのか?何でも,モーツァルトクーゲルンを発明したフュルストの主人が特許申請をしなかったためとか.かくして大手お菓子メーカーがこぞってモーツァルトクーゲルンをゾロゾロと発売したのであった.実際ゾロ品のクーゲルンは一種類ではなく,色調は皆,赤と金であるものの,何種類かある.今回写真に載せたものの他に,ミラベル社製のクーゲルンが特に有名である(毎日モーツァルトの案内人の山本耕史がモーツァルトの足跡を辿ってウィーンやザルツブルグを旅する番組が今月放送されるが,取材の時にこのクーゲルンを食べたのだろうか?).

Kugeln 先発品と後発品.並べると先発品のほうが大きめです.後発品はみな赤と金を基調としており,青と銀を基調とした後発品はないようです(本家にはばかっているのか?).

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2006年7月30日 (日)

ジェネリック医薬品

 最近ジェネリック医薬品(後発医薬品)という言葉を耳にする機会が多い.これは特許が切れた薬を他の製薬会社が製造・販売しているもので,値段が安いのが特徴である(開発費がかかっていないのだから当然といえば当然である).薬剤成分は一応先発品(オリジナルの薬)と同じということになっている(ただ臨床治験をやっているわけではないので先発品と同等の効果があるかは不明).このジェネリック医薬品,業界では”ゾロ”と呼ばれていた.なぜこんな言い方をするのかは不明だが,もしかすると先発品の特許が切れた後でいろんな会社がらゾロゾロと発売されるからかもしれない(実際ひとつの先発品に対してゾロは何十種類もある).

 本来は医薬品に使われるこの”ゾロ”であるが,我が家では世間一般のパクリ商品のこともゾロと呼んでいる.曰く,「バスクリンのゾロ,チキンラーメンのゾロ」など.そんなゾロ品の中で面白いと思ったのがここで紹介するミンナミンCである.一目見てわかるようにオロナミンCのゾロである.飲んでみるとオロナミンCより若干すっぱいような気がするが,これがなかなかイケルのである.少なくとも大手清涼飲料水メーカーから出ているオロナミンC類似品よりは旨いのではないかと思う.

P1010008  さてゾロ品の宿命として製造元は聞いたこともない会社が多いのだが,このミンナミンCは「タムラ活性」というよくわからない会社(オロナミンCの方は有名な大塚製薬).どんな会社だろうとインターネットで検索すると,昭和58年設立で資本金は5千万円,医薬部外品や健康食品を研究開発,製造販売しているらしい.製品情報も載っているがなぜかミンナミンCは無かった.

 ちなみにこのミンナミンC,そのお値段はというとなんと10本入りで495円ととってもお得なのであった(うちの近くのドラッグストアで購入した).

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