2023年11月20日 (月)

スワコプムントのコンサート

 さて、パリ出張から戻った翌週はスワコプムントの教会で開催されたコンサートに行ってきました。

 スワコプムントは首都のウィントフックからほぼ真西に350キロ、大西洋に面した町、15年前にナミビアに観光に来た際にも立ち寄っています。350キロといえば東京から仙台、あるいは名古屋に相当する距離となります。新幹線の速達タイプを利用し時速300キロで走れば1時間半の距離ですが、当地にはそんな便利なものはないため基本的に自動車での移動になります(スワコプムントの隣町ウォルビスベイには空港があり、数少ないながらも空の便はある)。ナミビアには日本のような高規格自動車専用道路はありませんが、平地が多くて基本道がまっすぐなのと、人口が少なく交通量が圧倒的に少ないため、一般道とはいえ時速100~120キロで走れます。このため途中休憩をはさみながら走ってもだいたい4時間あればつく距離です。

 こちらに来てから、観光でウィントフック以外を訪れたのは9月末のエトーシャ国立公園でしたが、この時はガイド兼運転手を雇ってのものでした。今回は初の自力での観光となったわけです。スワコプムントのコンサートは、当地のドイツ大使館の後援によるもので、ナミビア国立オーケストラのメンバーによる弦楽四重奏曲のコンサートでした。こちらに来てから生の演奏会に飢えていた(笑)ため、うわさを聞いて以来ぜひ行こうと思っていたのでした。

 そして11月18日朝9時ごろに自宅を出発しました。Google Mapを見るとウィントフックースワコプムント間はまっすぐ西に向かう道路と、いったん北上してオカハンジャという街から回り込むような形になている道路があるのですが、真西のルートは途中の多くの区間が砂利道(当地風に言えばグラベルロード)となっているため、後者のルートの方が若干距離は遠いですが早く着きより安全なのでした。

 舗装された道路を特に渋滞することもなく走ります。日本ではこういう長距離路線にはパーキングエリアとか道の駅とかがあり、そこで休憩できますが、当地の道にはそうしたものはなく、代わりに木陰にベンチがあるだけの休憩スポットが定期的にあります。ただトイレがないため、トイレ休憩しようと思えば、町のガソリンスタンドを利用するか、青空トイレ(笑)ということになってしまいます。オカハンジャースワコプムント間は町らしい町が少ないため、町があればそこでガソリンスタンドによるというのが基本です。今回はウィントフックとスワコプムントの中間地点にあるカリビブ(ナミビアのバラン星と呼んでいる 笑)という町のスタンドで給油&トイレ休憩としました。

 予定通り4時間でスワコプムントに到着、町中にあったケンタッキーで昼食を取ります。ただコンサートまでまだまだ時間があったことから、隣町のウォルビスベイにフラミンゴを見に行くことにしました。実は15年前もフラミンゴ目的で行ったのですが、運が悪かったのかフラミンゴが一羽もいないという状況だったため、そのリベンジがしたかったのです。

 車で南下すること40分、フラミンゴがいそうな海辺に到着です。車を停めて行ってみると… おおっ!フラミンゴがたくさんいます。全盛期の何割なのかはわかりませんが、15年前は0でしたから、その時とは比較にならない数でした(よく見るとフラミンゴは一種類ではなく二種類います)。

Img_0580 Img_0583  フラミンゴ鑑賞の後はスワコプムントに戻り、まずはホテルにチェックインです。今回宿泊するのはドイチェスハウスという15年前にも泊まったホテルです。懐かしいからここにしたというのもありますが、実はコンサート会場がこのホテルの真裏にあるという近さからでもありました。15年前の記憶がだいぶ薄れていましたが、そんなに変わっていなかったように感じました(部屋のキーがカード式になっていたのは明らかな違いですが)。

Img_0595 Img_0596  しばし休んだのち、コンサートに向かいます。会場は教会なんですが、正確にいうと聖堂ではなく付属の青少年ホールです。入場無料なのでそのまま中に入るとすでに多くのお客さんが来ていました。ほとんどが白人でドイツ語を話していました。ナミビアはかつてドイツの植民地だった歴史があり、今でもドイツ系住民が多く暮らしています。スワコプムントは国内でもドイツ系コミュニティが大きい町らしく、今日来ている人たちはまさにそうなんだなぁと思いました。

Img_0597  時間になりコンサートの開演です。曲目はハイドン、モーツァルト、ベートーベンという古典派3巨匠の弦楽四重奏曲です。特にハイドンの通称「皇帝」と呼ばれる弦楽四重奏曲はその第2楽章が現在のドイツ国歌(当時はオーストリア国歌)の元ネタの変奏曲であることも、ドイツっぽさがより強く出ていたなと感じました。そのほかのモーツァルトやベートーベンも聞きごたえがありました(一方で楽章ごとに拍手が入ってしまうことなどからは地方のコンサートの限界を感じます)。

 終演後はホテルに戻りレストランへ、スワコプムントの海鮮に舌鼓を打ちました(海鮮スープが旨かった)。

Img_0598 Img_0599(写真)海鮮料理

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2023年3月29日 (水)

祈りのコンサートの動画

 先日記事に上げた,3月11日に仙台の電力ホールで開催された3・11祈りのコンサート(第10回)の公式動画がアップされました.コンサート実行委員長の「このコンサートの意義を鑑み、たくさんの方々の目に触れてほしい。」とのお考えのもとのようです。

 最初にモーツァルトのAve Verum Corpus K.618、続いて同じくモーツァルトのRequiem K.626(オシュトリーガ版)の順で演奏されます.レクイエムのLacrimosaとDomine Jesuの間には南三陸町の志津川病院に勤務していて被災した菅野武医師によるメッセージも収録されています.

 

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2023年3月12日 (日)

3・11祈りのコンサート(最終回)

Img20230315_08083053  3月11日は2011年に東日本段震災が起こった日です.2011年3月11日,宮城県沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生,その後の大津波や原発事故等で東北を中心に大きな被害が出ました.現在関東在住の自分も,計画停電等,この震災の影響がないとは言えませんでした.

 この震災では多くの方々が亡くなったり傷ついたりしましたが,そうした方々の魂や心を慰めるべく始まったのがこのコンサートです.プログラムは実行委員長の挨拶に始まり,震災の発生した14時46分に黙祷,その後モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス,そして同じくモーツァルトのレクイエムを演奏し,最後は拍手ではなく再び黙祷で終演という流れです.2014年に第1回が行われ今年が10回目になります.これまで自分も何度かステージに乗って参加させていただいたコンサートですがコロナ禍もあってここ数年は参加できませんでした.ただ元々10回を一つの節目とするとアナウンスされていたこともあり,今回はどうにか参加したいと思い10回目にして初めての客席からの参加となりました.

Dsc_2535  この日は朝家を出て東海道線と東北新幹線を乗り継いで仙台駅に着いたのは13時50分,そのまま歩いて会場の電力ホールに向かいました.ホールに着いたのは14時10分頃でしたが,すでに客席は大賑わい,もう少し遅かったら座れなくなるところでした(結局立ち見が出ていた).

Dsc_2537 Dsc_2536  時間が来てプログラム開始,合唱団,ソリスト,オーケストラともに東北地方で活動している方々が中心ですが,今回は節目の回ということで東京在住の大学合唱団時代のメンバーも多数参加していました(合唱団は総勢160人!).実行委員長の高坂先生の挨拶に続き,演奏が始まります.メインプログラムのモーツァルトのレクイエムは通常のジュスマイヤー版ではなく,昨年(2022年)発表されたオシュトリーガ版によるものでした(20世紀末に発表されたレヴィン版同様Lacrimosaの最後にアーメンフーガが入るほか,Sanctusが短調,Benedictusの前奏がないなどの特徴がある).演奏者の心がよく伝わってくる素晴らしい演奏だったと思います.あと今回はLacrimosaとDomine Jesuの間にあの日南三陸町の志津川病院に勤務していて被災した菅野武医師によるメッセージもありました.

 終演後はそのまま駅に戻って東京へとんぼ返り,仙台滞在はわずか3時間でしたがとても印象深い一日になりました.

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2023年1月27日 (金)

ヴェルディの命日

 今日は1月27日、当ブログでも毎年のように書いているんですが、この日は古典派の重要な作曲家であるW. A. モーツァルトの誕生日です。毎年彼の故郷であるザルツブルクではこの誕生日の前後10日間程度の日程でザルツブルク・モーツァルト週間という音楽祭をやっています。夏のザルツブルク音楽祭に比べるとマイナーで、世間の休暇時期ともずれている為、比較的リーズナブルに著名オケ(ウィーンフィルなど)のコンサートを鑑賞することができます。我が家でも2019年に参加し約1週間モーツァルト漬けの生活を送ったのを懐かしく憶えています(せっかくだからと時間を作ってアウグスブルクの父レオポルト・モーツァルトの実家に行ったら休みだったというオチまでついています 笑)。

 そんなモーツァルトで有名な1月27日ですが、実は19世紀イタリアを代表する作曲家G. ヴェルディの命日でもあります。幅広いジャンルの作曲作をしていて世間一般の知名度が非常に高いモーツァルトに比べてヴェルディはその主要作品がもっぱらオペラであることから、オペラに関心のない層の知名度はかなり下がりますが(この辺はワーグナーもそう)、音楽史に占めるその地位はかなり高いものがあります.

 作曲家には天才型と成長型とでもいえるタイプ分けがあります.すなわち前者は若年時代から凄い作品をバンバン作る作曲家,後者は後になるほど円熟した作品となっていくタイプです.前者に該当するのがモーツァルトやロッシーニだとすれば,ヴェルディは明らかに後者になります.ヴェルディが生涯に書いたオペラは26作品(改訂版を除く)ありますが,評価が高く世界の歌劇場で上演され続けているのは16作目のリゴレット以降の作品です。トロヴァトーレ(17番目)、椿姫(18番目)、仮面舞踏会(21番目)、運命の力(22番目)、ドン・カルロ(23番目)、アイーダ(24番目)、オテロ(25番目)、ファルスタッフ(26番目)と錚々たる作品が並んでおり,その中でも後になるほど円熟味を増していくのがよくわかります.これらのレパートリーは現在でも世界中の歌劇場で繰り返し上演されているものばかりです.これだけ多くの高頻度上演作品を持つのはヴェルディが一番です(次点はプッチーニでしょう,ワーグナーは有名ではあるが演奏難易度が高いので上演頻度は多くない).

 一方でリゴレットより前のヴェルディの15作品は極めてマイナーです.この中では3作目のナブッコと10作目のマクベスが時々上演される機会がある程度でそれ以外の作品はほとんど上演されることがありません.そんなヴェルディのマイナー作品の中で第6作目の二人のフォスカリを今年の9月に藤原歌劇団が上演するらしいです(プレリリース).個人的に非常に楽しみにしています。

Mozart01 Giuseppe_verdi02(左)W.A.モーツァルト、(右)G. ヴェルディ

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2022年7月 4日 (月)

歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」

Img20220704_17504061  チンチラのナンネルさんの火葬が済んだ翌日,7月3日は日比谷の日生劇場で開催された藤原歌劇団の歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」を鑑賞してきました.

 これは俗にモーツァルトの四大歌劇(フィガロ、ドン・ジョバンニ,魔笛、コジ)と称される作品の中でも比較的上演頻度の高い作品です(魔笛には負けますが,フィガロと同等以上、ドン・ジョバンニよりは明らかに上).我が家でも様々なプロダクションを生鑑賞しています.このオペラの上演頻度が高い理由の一つが,これがアンサンブルオペラだからというのがあるように思います.いわゆる難アリアと呼ばれるものがないことからレベルの高い歌手を呼んでこなくても大丈夫というのもあるでしょう.

 今回は藤原歌劇団の新プロダクションで,中心に配置された大きな円舞台を効果的に使った演出となっていました.

 終演後は東京駅八重洲地下のオイスターバーへ.久しぶりに生牡蠣とワインを堪能したのでした.

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2022年1月27日 (木)

モーツァルトの誕生日

Img_1496  今日1月27日は世間でも非常に有名な作曲家,W. A. モーツァルトの誕生日です.1756年のこの日に今のオーストリア中部の都市ザルツブルクのゲトライデ9番地の集合住宅で生まれました.音楽家だった父親から英才教育を受けて幼い頃からその才能を開花させ,5歳で作曲を開始,8歳で最初の交響曲を作曲など天才ぶりを発揮しました.父に従いザルツブルクの大司教に仕えていましたが,26歳の時に大司教と対立してウィーンに移住,以後フリーランスの作曲家として活躍しました.

 そんなモーツァルトの生誕地ザルツブルクでは彼のネームバリューを生かして町おこしをしています.市内旧市街には彼の銅像が立ち,空港の名前も”ザルツブルクモーツァルト空港”,毎年彼の誕生日を中心とした10日間ほどの期間にはザルツブルクモーツァルト週間という音楽祭まで開催しています.モーツァルト好きの我が家でもしっかりとこの町おこしに乗り(笑)2019年のモーツァルト週間に参加,たくさんのコンサートを鑑賞してきました.今回のコロナ禍で2021年,2022年のモーツァルト週間は残念ながら中止になってしまいましたが,コロナ禍が終わればまた行ってみたいイベントです.

 ちなみに故郷ザルツブルクに対するモーツァルト自身の気持ちはどうだったのかと考えるとなんか微妙なものがあります.大司教の束縛や当地のオケのレベルの低さや規模の小ささ(予算の乏しさ)など多くの不満を抱えてウィーンに出たという経緯を考えると強い郷土愛があったとは考えにくいところもあります.このように本人の気持ちとは無関係に地元が盛り上がる人物として高知の坂本龍馬との共通性を感じています.

 そんなことを考えた2022年のモーツァルトの誕生日でした(我が家ではスパークリングワイン🍾を開けてお祝いしました).

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2021年2月12日 (金)

歌劇「フィガロの結婚」

Img009_20210212145901  昨日は建国記念日の祝日でした.近年は一部の祝日が移動祝日として月曜日に持ってこられる傾向がありますが,この建国記念日は憲法記念日などと共に日時が決まっている祝日のひとつです.今年は木曜日となりました.月曜が休みで三連休ができるのも嬉しいですが,週の途中に休みがあるのもなんとなくホッとした気分になりいいものです.

 そんな建国記念日は新国立劇場で上演中の歌劇「フィガロの結婚」を鑑賞してきました.

 オペラ好きの我が家ですが,2008年に当地に越して来て以降家訓(?)となっていることがあります.それが「最低年に1回はモーツァルトのオペラを鑑賞すること」.俗にモーツァルトの四大歌劇と呼ばれる「フィガロの結婚」,「ドンジョバンニ」,「コジ・ファン・トゥッテ」,「魔笛」であれば新国立,二期会,藤原歌劇団のどこかで必ずやっているので基本的には見逃すことは無いはずです.しかし昨年2020年は新型コロナの影響で春に劇場が閉鎖になり上演予定作の多くが中止に追い込まれたことから,あわやついに年間鑑賞ゼロか!という事態になりました.しかし12月に小田原市民オペラの魔笛公演を鑑賞できたため,かろうじて義務は果たせています(当初は新国立のコジと藤原のフィガロが予定されていた).

 今回のアンドレアス・ホモキ演出のフィガロは2003年の初出以来2~3シーズン毎に上演され続けている新国立の定番レパートリーです.白と黒以外の色を極力排し舞台装置も極めてシンプルな印象的な舞台となっています.コロナの影響で日本への入国制限が厳しくなっていることで指揮者と一部キャストが変更になっていました(先月のトスカでスカルピア役をやったダリオ・ソラーリがそのままフィガロ役で出演,思えばほぼ3か月日本に滞在しているんだな).

 終演後はこれまた恒例のレストランへ.充実のコース料理でした.

Dsc_1540 Dsc_1541 Dsc_1542 Dsc_1543 Dsc_1544 Dsc_1545 (左上)スタートはスパークリングワイン,(中上)前菜ノルウェーサーモンと赤海老のマリネ,(右上)パスタ 牡蠣とパンチェッタ、ホウレンソウのクリームソース,(左下)鰤とじゃが芋のアルフォルノ,(中下)熟成牛のロースト,(右下)ガトーショコラ、ビスタチオのジェラート

 

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2021年1月27日 (水)

モーツァルトの誕生日

Img_1496  今日1月27日は世間でも非常に有名な作曲家,W. A. モーツァルトの誕生日です.1756年のこの日に今のオーストリア中部の都市ザルツブルクのゲトライデ9番地の集合住宅で生まれました.音楽家だった父親から英才教育を受けて幼い頃からその才能を開花させ,5歳で作曲を開始,8歳で最初の交響曲を作曲など天才ぶりを発揮しました.父に従いザルツブルクの大司教に仕えていましたが,26歳の時に対立してウィーンに移住,以後フリーランスの作曲家として活躍しています.

 そんなモーツァルトの生誕地ザルツブルクでは毎年彼の誕生日を中心とした10日間ほどの期間に,ザルツブルクモーツァルト週間という音楽祭を開催しています.今年は残念ながら新型コロナの影響で中止になってしまいましたが,我が家では2年前の2019年にこのイベントに参加してきました.同年から芸術監督に就任したローランド・ヴィラゾンによりオールモーツァルトのプログラムが組まれたモーツァルト週間,我々は宗教曲メインに鑑賞してきました(毎日コンサートを2つくらい鑑賞).

Img_1797 Img_1598 (左)モーツァルテウムでのコンサート,(右)ここの中庭にある魔笛小屋

 思い出しても素晴らしい経験だったのですが,やっぱりこういうイベントは行けるときに行っておくことがいかに重要か改めて実感しています.

 そんなことを考えた1月27日でした.

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2020年12月25日 (金)

モーツァルト週間中止

 冬のザルツブルクを代表する音楽イベント,モーツァルト週間の中止が決まったとのことです.

 モーツァルト週間 2021年の開催断念を発表

 オーストリア中部にあるザルツブルクは18世紀の著名な作曲家であるW. A. モーツァルトの生まれた街として知られています.モーツァルト自身は故郷が嫌でウィーンに移り住み作曲活動を行っていたわけですが,当市ではそんな事情はお構いなしでモーツァルトで町興しをしています.

 特に一般の観光客が減る寒い冬の時期に開催される音楽祭がモーツァルト週間,彼の誕生日である1月27日を挟んで10日間ほどの会期で行われます.その名の通りプログラムはモーツァルト作品を中心に構成されるのですが,2019年にローランド・ヴィラゾンが総監督に就任してからは全プログラムがモーツァルトになり,まさに冬のモーツァルト祭といった感じです.出演者はモーツァルテウム管弦楽団やザルツブルク・カメラータといった地元の楽団を中心に,ウィーンフィル、マーラーチェンバーオーケストラなどの著名オケも参加しています.モーツァルト好きの我が家でも一度は行ってみたいイベントでしたが,2019年にチャンスがあり行ったことがあります(7日間の現地滞在で10のコンサートを鑑賞).

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(写真左)モーツァルト週間2019のプログラム,(同右)モーツァルテウム

 そんなモーツァルト週間,来年の開催まで1か月を切った段階での中止,記事によると現在当地では来年1月17日までのコンサートホールの閉鎖が決まっており,18日以降の再開も不透明であることが理由とのことです.さすがに日本から行くツアーの開催はないでしょうが,伝統ある音楽祭だけに残念です.

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2020年12月 5日 (土)

ヴォルフガング忌

Img001  今日12月5日は著明な作曲家,W. A. モーツァルトの命日です.1791年のこの日彼はウィーンで35年という短すぎる生涯を終えました.死因に関しては諸説ありますが,リウマチ熱に合併した急性心不全,腎不全とも言われています(同時代の作曲家サリエリによる毒殺説もありましたが,これは陰謀論の域を出ません).

 モーツァルト好きの我が家ではこの日,彼の様々な音楽を聴いて偲ぶことが多いのですが,今年は小田原市内でモーツァルトの催し物があったため出かけてきました.

 当地出身の声楽家,飯田裕之さんが立ちあげた小田原オペラの旗揚げ公演としてモーツァルト最晩年の傑作,歌劇「魔笛」が取り上げられたのです.もちろん我が家でも大好きな作品です(生鑑賞したことのあるオペラ作品ではおそらく回数第1位).舞台装置はシンプルに,映像をメインに据えた演出で現代的な感じでした(映像作品として作る意図もあったようです).素晴らしい舞台でした.ただコロナ禍のもとでの準備ということなのか,合唱が基本的に省略されていたため,1幕後半や2幕のザラストロがメインの場面はやや寂しいものになっていました(合唱なしの魔笛は例えるなら,牛肉は入っているが玉ねぎが省略された牛丼かなぁと思いました 笑).

 ともかく今後ますますの活躍が期待される団体です.

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