2020年3月27日 (金)

コンサート

 音楽好きな我が家です.特にオペラが好きで,新国立劇場のシーズンチケットを購入して楽しんでいるんですが,現在話題の新型コロナの関係で公演が次々に中止になっています.すでに2月末に予定されていたオペラ研修所の修了公演「フィガロの結婚」,3月中旬の「コジ・ファン・トゥッテ」が中止になっていましたが,今回当劇場初のバロックオペラとして注目されていた,4月上旬公演予定だったヘンデルの「ジュリオ・チェーザレ」の中止が決まってしまいました.劇場の公式twitterではリハーサルに励んでいます!と頑張っている様子だったんですが… やむを得ない判断だと思います.それにしても自分のような観客はどうでもいいんですが,出演予定の歌手やスタッフ等関係者の無念はどれほどのものか(ギャラにも大きく響くだろうし).どんな形でもいいから支援できたらなぁと思っています.

 そんなことを考えていたら,来年のシーズンチケットが届きました.

Img_6308  来年度は大野和士芸術監督の3年目のシーズン,ブリテンの「夏の夜の夢」,ストラビンスキーの「夜鳴きうぐいす」といった意欲作,「こうもり」や「フィガロの結婚」,「トスカ」などの定番作,さらには世界初演の藤倉大「アルマゲドンの夢」など見どころの多いシーズンになりそうです(でもまずは世の中が落ち着いて安心してオペラ観劇ができる環境になりたいです).

 ところで今年はチケット代の支払いにアメックスカードを利用したんですが,そしたらドリンク券が付いてきました.幕間のバーで使えるものです.オペラ観劇の幕間ではワインなどをいただくことが定番なんですが,券をよく見たら,なんと!1,500円までOKとのこと,ハウスワイン🍷だけでなく銘柄ものやスパークリングワインまで行けるじゃないですか(さすがにシャンパンは無理💦).こうとわかっていたらもっと前からアメックスにするんだったと,少し後悔してるのでした😃
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2020年2月25日 (火)

東北大学混声合唱団創立60周年記念特別演奏会

Img034  さて,世間では新型コロナウイルスの話題が飛び交い,マスクが品薄になっているなどという報道も見られます.2月22~24日は三連休で,中日の23日は令和最初の天皇誕生日だったんですが,恒例の一般参賀も中止になってしまいました(宮内庁発表では諸般の事情に鑑みとしか触れていませんが,コロナ関係であることは間違いないでしょう).

 そんな23日は仙台に出かけてきました.目的は表題の「東北大学混声合唱団創立60周年記念特別演奏会」(なんて長い名前 笑)を聴くためです.

 長い学生時代を過ごした私ですが,その前半を過ごしたのが仙台で,その時代に所属していたのがこの東北大学混声合唱団です.ここに所属していたインパクトはすさまじく,今に至る自分の趣味の多くの部分がここで形成されたと言っても過言でないほどです.それこそ熱心に活動していたわけですが,私に続く後輩たちも連綿と活動を続けてくれています.

 昨年12月には第60回の記念定期演奏会が行われ,聴きに行ってきたわけですが(その時同期の仲間との懇親もありました 参考記事),今回のステージは主に同窓会が主催して主にOB・OG(卒団性)が出演するステージです.1年半ほど前から準備が進められていました.私も誘われていたんですが,いろいろと忙しく練習に顔を出す余裕がないため諦めて聴く側に回った次第です.

Img_6245  今回の演目は第1ステージが前年度の学生指揮者による合唱ゆかりの曲,第2ステージと第3ステージが常任指揮者の佐々木正利先生の指揮で2ステがフォーレのレクイエム,3ステが佐藤真のカンタータ土の歌です.フォーレは合唱団の定演で何度も取り上げた曲で卒団性からのリクエストが多かった作品です.カンタータ土の歌は終曲に「大地讃頌」という中学校の超有名合唱曲が終曲に入っている作品です.2017年には現役が定演で取り上げ,さらにはニューヨークのカーネギーホールで抜粋演奏をしています.卒団性にとっては垂涎のイベントで,私も自分が現役だったらなぁ~と嘆きつつ,OBとしてしっかり賛助金をお支払いしました(OBというのは金だけ出して口は出さないというのが自分のポリシー).2,3ステはオケ版でオケは仙台フィルハーモニー管弦楽団です(自分が現役の頃は宮城フィルで毎年定演でお世話になっていた).

 今回ステージに乗ったのは100人以上,自分が現役の頃を彷彿させました.3つのステージはどれも素晴らしく,昔取った杵柄じゃないですが,そんなに多くなかっただろう練習回数でよくこれだけまとまったな,さすがは同窓生と感動したのでした(自分の同期にいつも辛口な女子がいて彼女も今回参加していたんですが,そんな彼女が「今回の演奏はイイ!」と言ってたのでいいに違いないとは確信していました).

 終演後は交流会もあったんですがそっちはパスして駅前のオイスターバーへ.この前厚岸で食べてきたばかりだろう!というツッコミがありそうですが,私本当に牡蠣が好きなんです♪

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 そんな耳と舌が感動した天皇誕生日でした.

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2020年2月18日 (火)

歌劇「セビリアの理髪師」

Img033  最近北海道旅行の記事が続いていましたが,もちろんそれ以外の活動もしています(笑).先週火曜日,建国記念日の祝日だった2月11日に新国立劇場で行われている,歌劇「セビリアの理髪師」公演に行ってきました.

 1980年代以降のロッシーニルネサンスによって,再評価がなされたロッシーニですが,なんといっても代表作がこの「セビリアの理髪師」であることは変わりません.私もとても好きな作品で,特に学生時代はポネル演出,アバド指揮ミラノスカラ座による演奏(伯爵:ルイジ・アルヴァ,ロジーナ:テレサ・ベルガンサ,フィガロ:ヘルマン・プライ)に大ハマりしたものです.

 就職して経済的に余裕ができ,さらに時間的にも融通が利くようになった2000年代以降は劇場での生鑑賞も可能となりいくつかの公演を見る機会がありました.特に新国立劇場は2,3年おきに上演してくれるのでありがたいです.

 で,そんな新国立のセビリアですが,ケップリンガーによる演出は2005年が初出であり,その後2006年,2007年,2012年,2016年と再演されていて今回は通算6回目ということになります.何度も見てる演出なんですが,注目は前回2016年から試みられている,2幕のクライマックスでの伯爵のアリアです.

 こアリアは,バルトロたちに自分がアルマヴィーヴァ伯爵であることを明かし,逆らうのをやめろと宣言する場面の歌です.長大なコロラトゥーラの超絶技巧を要求される難アリアで,初演の歌手だったマヌエル・ガルシアの力量を前提に作曲されたといわれています.ただ裏を返すと最高クラスの歌手でないと歌いこなせないということでもあり,このアリアは初演からほどなくカットされて歌われることが無くなってしまいました(もっとも,出演する歌手に合わせてアリアなどを改変するのはこの時代では至って普通のことでした).

Img_6236  その習慣が20世紀に至るまで続き,一般の公演でこのアリアも演奏されることもありませんでしたが,近年は徐々に歌われることが出てきたようです.そして2016年の公演で伯爵役だったマキシム・ミノロフがついにこの曲を披露したのです.これが素晴らしくて,機会があればまた聴きたいなと思ってたんですが,今回伯爵を歌うルネ・バルベラもまたこのアリアを歌うとのことで楽しみにしていたのでした.

 やっぱり素晴らしかったです.2幕の例の伯爵のアリアももちろん良かったですが,ロジーナ役の脇園彩さんが良かったです(ロジーナを当たり役にしているようです).

 

動画は劇場公式のものです.

 マチネの公演だったので終演後はレストランでゆったりと食事です.メインは絶対ロッシーニ風だろうと思ってたんですが,熟成リブロースのビステッカでした.

Img_6227 Img_6232 Img_6230 Img_6234(この日料理 前菜除く)

 食事を含めてのオペラ公演が我が家のパターンです.

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2020年1月28日 (火)

歌劇「ラ・ボエーム」

Img031  オペラ好きの我が家,先日は新国立劇場で公演中のプッチーニの「ラ・ボエーム」を観劇してきました.

 「ラ・ボエーム」(1896年初演)は「トスカ」(1900年),「蝶々夫人」(1904年)と並ぶプッチーニの代表作です.当時のイタリアオペラ界はレオンカヴァッロの「道化師」やマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」といったヴェリズモ・オペラが流行しており,プッチーニも一応その系譜に連なります.ヴェリズモ・オペラといえばヴェルディの時代のような王侯貴族がメインとなるような作品ではなく,市井の人々の日常を扱い,その営みを生々しく描写するスタイルです.この「ラ・ボエーム」は芸術家の卵ともいうべき無名の若者たちの群像劇という点ではヴェリズモ的ですが,一方で甘美なメロディーというプッチーニらしさも十二分に堪能できる作品となっています.

 粟国淳氏演出の舞台は2003年の初出以来,今回が5回目の再演となります(自分も2012年,2016年に鑑賞している).元々奇をてらった演出にはなりにくいオペラですが,起承転結がわかりやすく安心してみていられる演出です(初出から20年近く再演され続けているだけのことはあります).今回はイタリア人のパオロ・カリニャーニ氏の指揮で,キャストはミミがニーノ・マチャイゼ,ロドルフォがマッテオ・リッピ,マルチェッロ:マリオ・カッシ,ムゼッタ:辻井亜季穂,ショナール:森口賢二,コッリーネ:松位浩という布陣でした.

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 感想ですが,やっぱりいいオペラだなぁと実感しました.キャストではロドルフォのマッテオ・リッピが若くて貧しい若者っぽい感じで特によかったです.2幕のクリスマスイブのカルチェラタンの場面の合唱団は安定の実力だし,満足した夜でした.

 

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2019年12月27日 (金)

ペーター・シュライヤー氏逝去

 今日飛び込んできたニュースです.

 歌手のシュライヤー氏死去

 ドイツの著明なテノール歌手で指揮者でもあったペーター・シュライヤー氏が亡くなったそうです.

 シュライヤー氏は1935年ドイツ東部のザクセン州に生まれ,10歳の時にドレスデンの名門聖十字架合唱団に参加し歌の活動に入りました.成人後はモーツァルトやワーグナーなどのオペラや,バッハの宗教曲のソリストとして活動し高い評価を得ました.1970年代からはバッハやハイドンなどの宗教曲の指揮者としても活動しています.

 私がシュライヤー氏を知ったのは1984年に大学に入学,合唱団に所属した後です.上級生にバッハの宗教曲が大好きという人がいて,その人のお宅で聴いたカンタータのレコード!で歌っていたのです.つややかで伸びのある独特な声はとても印象に残りました.

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(写真左)VHDビデオディスクのマタイ受難曲ソフト,(同右)VHDプレイヤー

 その上級生の影響からか自分も宗教音楽好きになり,当時普及し始めていたCDプレイヤーを購入し,アナログレコードと共にその手のソフトを買い漁りました.特に当時バッハ演奏の大家とされていたカール・リヒター指揮の演奏は当時市販されていたものはほぼ買いそろえたほどです.そんなソフト群のなかでも特筆すべきものが,日本ビクターから発売されたリヒターのマタイ受難曲のVHDビデオディスクです.当時リヒターのマタイは3つの音源(1958年録音盤,1969年日本公演版,1979年録音盤)があったのですが,このVHD版はそれとは異なる1971年スタジオ録画版だったのです.で,この演奏で福音史家を歌っていたのがシュライヤー氏でした.当時は動いているシュライヤー氏を見ること自体が凄いことだったので(なにせインターネットもDVDもなかった時代),自分はこの映像が見たいあまりにVHDプレイヤーを購入したのです(その結果私の赤貧状態が確定したことは言うまでもありません).この演奏のシュライヤー氏も素晴らしく,当時宗教曲好きの仲間が私の家に集まってこのVHDを鑑賞したのでした(当時の仲間の多くが今でも何らかの形で宗教音楽を歌っているのは,このソフトの功績もあるだろうと自負している).

 そんなシュライヤー氏の訃報に接し,当時を懐かしく思い出したのでした.それにしてもリヒター指揮のバッハ演奏というとシュライヤー氏とともにエルンスト・ヘフリガー氏が思い出されますが,ともに亡くなったのは80歳代,やっぱり節制していたんだと思います.

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2019年12月10日 (火)

東北大学混声合唱団第60回定期演奏会

 12月8日日曜日は,自分の人生に決定的な影響を与えた存在(大げさ 笑)である東北大学混声合唱団の第60回定期演奏会を聴きに行くため仙台に行ってきました.ちなみに自分が在籍していたのが第25回から第28回までなので,30年以上経過していることになります(そりゃ歳をとるわけだ).

Img_5867(写真1)大晴れの仙台駅

 朝家を出て東海道新幹線と東北新幹線を乗り継いで北に向かいます.仙台に着いたのはお昼ちょい過ぎの12時16分,この週末は寒いと言われていたのでどんな感じだろうと恐れていましたが(笑),この日の仙台は快晴の良いお天気で日向に出れば気持ちのいい気候でした.

 駅からは地下鉄東西線で演奏会場(萩ホール)最寄の国際センター駅に向かいます.定演は15時からですが,その前に自分の同期の仲間とお茶会をすることになっていたからです.駅の2階にあるカフェがその会場,フロアの一角を借り切って場所を設定します.13時前後からぼちぼちと仲間が集合してきます.メンバーの中には今もちょくちょく会っているメンツもいますが,大半は20年以上会っていませんでしたが,みな当時の面影(笑)があって,すぐに名前が一致したのは我ながら偉いです(女子は苗字が替わっている人が多いのでその辺は置いとく).いろいろ当時の話や近況などに花が咲きました(さすがにコンサート鑑賞前なのでアルコールはご遠慮).

79228408_1535555806612268_72950221471922 Kawakine(左写真2)会場に向かう一行,(右同3)萩ホール(10年前の夏に撮影したもの)

 14時30分頃にカフェを出て徒歩で演奏会場へ.ここはかつて川内記念講堂と呼ばれていたホールなんですが,大学100周年を機に改装され萩ホールという名前になりました(内装は変わったが外観は基本同じ).真面目に同窓会費を払っている自分には招待状が届いているので,それで入場します.一同2階席に向かいます(大体OBOGは2階席に集結する傾向がある 笑).行ってみると案の定,見知った顔がチラホラいました.

Img_5869 (写真4)ステージ上には団旗が掲げられます

 やがて15時に開演します.今年は3ステ構成,1ステは尾形敏幸さん作曲の混声合唱組曲「春のために」,2ステが全部笑いのコーラスと題したオムニバスステージ(団員がオレンジ,黄緑,青のTシャツでモザイク状に並んでいて,色覚検査のようだと思ったのはナイショ 笑),そしてメインの3ステが常任指揮者の佐々木正利先生指揮のラインベルガーのカントゥス・ミサでした.

 全体の感想,素晴らしかったです.学生合唱団らしい若さとパワーがある一方で,きちんと表現する技術もある.自分が現役だった頃は情熱だけは強烈にあったものの,イマイチ実力的には… という感じだったんですが,今は実力も伴っています.30年の積み重ねってこういうところにあるのかなと思いました(特に3ステのカントゥス・ミサなんてアカペラの二重合唱と難度最強なんですが).後輩たちの演奏に拍手です.

1575890063412 (写真5)酔っぱらいたちのワンショット

 終演後は引き続き同期との宴会です.お昼のお茶会には来られなかったメンバーも加わり総勢14名の参加でした(たしか).お酒が入ってさらに楽しいひと時となったことは言うまでもありません.最後はこの時期の仙台名物の光のページェントを散策して解散,いやぁ~本当に楽しかった.

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2019年11月24日 (日)

喜歌劇「天国と地獄」

Img028  11月21日木曜日,この週後半に日生劇場で開催中の東京二期会オペラ,喜歌劇「天国と地獄」公演に行ってきました.

 このオペレッタはオッフェンバックの作曲で1858年にパリで初演されたものです.原題は「地獄のオルフェ」,当時リヴァイヴァルブームが起こっていたグルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディで,本来は最愛の妻エウリディーチェの死を嘆いたオルフェオが地獄に彼女を向けに行くお話だったものを,お互い愛人を持つなど冷え切った関係でありながら世間体を気にして別れられない夫婦の話に改変されています.ナポレオン3世治世下のパリで大成功を納め,オッフェンバックの代表作のひとつとなっています.オペラそのものを知らない人でも,序曲の最終部分は聴いたことがあるのでないかと思います(自分の世代だと小学校の運動会に必ずかかっていた).ただ,有名な割にはオペラそのものの上演頻度は低いのが現実で,私自身も生鑑賞は過去に1回しかありませんでした(その1回が1991年の弘前市民オペラ).今回はその時以来の何鑑賞ということで楽しみにしたものです.二期会オペラはダブルキャストによる4回公演が定番でなんですが,今回は木曜土曜版の方に行きました.

 オリジナルはフランス語なんですが,今回はアリア等含めてすべて日本語上演でした(セリフ部分は日本語というパターンは「魔笛」や「こうもり」などでもよくありますが,二期会クラスで全編日本語は珍しいかも).演出は鵜山仁氏で指揮者は大植英次氏,天国系は白,地獄系は赤をメインカラーにした演出,非常に楽しい公演でした(個人的にはプルートの雰囲気がブッダっぽくて,イエスっぽいジュピターと併せて聖☆おにいさんを意識しているのかなどと思った).

 それにしてもこの作品の上演頻度の低さの訳って何なんだろう? 同じオペレッタでも「こうもり」はそれこそ各地で頻回に上演されているのに…(オッフェンバックとシュトラウスの政治力の差か 笑).そんなことを考えた11月下旬でした.

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2019年11月15日 (金)

歌劇「ドン・パスクワーレ」

Img025  芸術の秋です.思うに秋から冬にかけてオペラなどのコンサートシーズンが始まるのは,日照時間と関係があるように思います.特に緯度が高いヨーロッパでは夏は9時ごろまで明るい一方で,冬になると日照時間は極端に短くなります.そんな長い夜(松山千春ではない)の楽しみとしてコンサートが盛んになったのではということです.そんな秋も深まった今週の月曜日,新国立劇場で公演中の歌劇「ドン・パスクワーレ」を観劇してきました.なかなか上演される機会の少ない作品ですが,2年目を迎えた大野和士芸術監督がいよいよ本気を出してきたシーズンの2作目ということで期待して出かけました.

 このオペラは19世紀前半のイタリア・オペラを代表する作曲家の一人であるドニゼッティによる喜劇作品です.資産はあるがケチな老人(ドン・パスクワーレ)が若い娘と結婚しようと画策するものの,周囲に邪魔され揶揄されるという内容です.ドニゼッティの喜劇といえば「愛の妙薬」が有名ですが,やや牧歌的な雰囲気を醸し出している「愛の妙薬」に比べると,この「ドン・パスクワーレ」の方がより古典的なオペラ・ブッファらしい内容です(ロッシーニみたいな感じ).しかしながら作曲年代でいえば,前者が1832年に作曲されたのに対し,後者は1842年(初演が1843年)とドニゼッティとしては晩年の作品です.19世紀イタリアの大作曲家ヴェルディがすでに作曲活動に入っている時期であり,「ドン・パスクワーレ」が作曲された1842年は,奇しくもヴェルディ最初の傑作である「ナブッコ」が作曲された年でもあります.

 そんなオペラ史の転換期にどうして古風なオペラ・ブッファをと感じます.しかしこの作品,一見すると単に身の程知らずの老人がやっつけられて終わるというセビリアの理髪師のバルトロ的なノリのように見えながら,作品をよく聴くとドン・パスクワーレの哀愁や彼をやっつける娘(ノリーナ)の微妙な情が表現されるなど,ロッシーニ時代とは違う,革命を経て人間性が重視されるようになった時代の作品であることがわかります.

Img_5824  で,実際の演奏ですがタイトルロールのドン・パスクワーレを歌ったロベルト・スカンディヴィはヴェルディ作品にもよく出演している方ですが,本作ではまさにブッフォ・バスの重厚な歌がさすがでしたし,小悪魔的なノリーナを歌ったハスミック・トロシャンも伸びやかな若さを感じさせる声でした.そして自分的にはエルネスト(ドン・パスクワーレの甥)役のマキシム・ミロノフの軽い,まさにレッジェーロという感じの声が良かったです.前述のようにパスクワーレとノリーナがやや情を表現する役だけに,エルネストの若い素朴な明るさは彼らとの対比がしっかり出ていてよかったと思います.また3幕のみの登場でしたが,新国立劇場合唱団はやっぱり迫力が凄いです.

 とまあ,とりあえず満足したドニゼッティオペラでした.

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2019年11月 5日 (火)

上大岡混声合唱団第53回定期演奏会

 西沢渓谷を観光して新宿でお寿司を食べたの翌日,11月4日もフリーの1日でした(久しぶりにゆっくり寝た 笑).で,この日はお昼から横浜の県立音楽堂に出かけてきました.目的はここで開催される上大岡混声合唱団の第53回定期演奏会を鑑賞するためです.実はこの合唱団には自分の後半の学生時代にともに活動していた仲間(今では夫妻になっている)が参加しているのでした.今回はチケットをいただいていたので出かけてきた次第です.

75017415_2599976043433078_79590095784593  コンサートは3ステ構成,第1ステージがシューベルトのミサ第2番ト長調,第2ステージが横山智昭さん編曲による「みんなのかぞくのうた」,第3ステージがこの合唱団の指揮者,中村皇さん作編曲による作品集でした.1ステのト長調ミサは小ぶりながらもシューベルトらしい雰囲気を見せる一品です.今回は小アンサンブルにソリストを加えた演奏でした(テノールソロが自分もよく知っている鏡貴之さんだった).普通はこうしたゲストを交えたステージは最後に持ってくるのがパターンですが,あえてそうしなかったのはその後のステージでわかります.第2ステージはNHKの「みんなのうた」の名曲の中から家族をテーマにした作品集です.家族・温かさが染み出てくる演奏で,この合唱団が得意とする分野なんだろうなと感じました.最後のステージはやっぱり長年この合唱団を指導されていた先生の作編曲集ということで,まあこれがメインになるのは自然な流れだなと思いました.演奏はもちろん,作編曲者の思いがよく表現されていたと思いました.

 長年地域に密着して活動している合唱団,自分とこの医師会合唱団もいつの日かそういう存在になれたらいいなと思いました.

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2019年11月 1日 (金)

歌劇「エウゲニ・オネーギン」

Img022_20191101134001  今日からいよいよ11月に入りました.令和元年も残すところ2か月ということになります.本当に月日の経つのは早いです.

 ちょうど1か月前の10月1日に、新国立劇場の新シーズンが開幕しました.昨年から新しい芸術監督として大野和士氏を迎えた劇場ですが,昨シーズンの演目は新演出の魔笛に始まり,カルメン,ファルスタッフ,タンホイザー,蝶々夫人,トゥーランドットとややオーソドックスな選曲という印象でした.しかし2年目となった今年は,初っ端からチャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」とう一風変わったところから入るなど,いよいよ本気を出してきた(笑)感があります.もちろん私も初の生鑑賞ということで楽しみにしていました.

 エウゲニ・オネーギンが作曲されたのは1877年から78年頃で,ちょうど交響曲第4番や組曲「白鳥の湖」と同じころです.原作は1830年代に書かれたアレクサンドル・プーシキンによる同名の小説です.内容としては若い貴族エウゲニ・オネーギンの物語ということになるのですが,原作では描かれている彼の背景がオペラ化にあたってすっぽりカットされているため,単純にストーリーだけを追えば,オネーギンが若い真面目な娘の求愛を受けるもののこれを断り,さらには彼の行動に怒った友人に決闘を申し込まれてその友人を殺してしまい,ショックを受けて放浪の旅に出て都会に出てきたら,自分が拒否した娘が侯爵夫人になっていて,その美しさに感激し求愛するも逆に拒否されて失望… という三文小説みたいな展開になっています.

 というわけで,このオペラの魅力は何といってもチャイコフスキーの音楽ということになります.第1幕第2場のオネーギンに恋する娘タチヤーナが手紙を書く場面や第2幕第2場の決闘に臨むレンスキーのアリアが代表的な場面です.今回はオネーギン歌いとして世界中で活躍しているワシリー・ラデュークがオネーギンを,様々なレパートリーで活躍しているエフゲニア・ムラーヴェワがタチヤーナなど,主要キャストにロシア出身の歌手を配置した演奏となりました.演出はモスクワ生まれのドミトリー・ベルトマンのもの,全体が絵画のような美しい舞台でした.

 ちなみにこの公演,自分は当初10月12日の千秋楽で鑑賞する予定だったんですが,旅行直後で疲れているかもしれないと思い,1日の初日にチケットを変更した経緯がありました(翌2日は朝から大学の講義があるので,終演後夜行バスで向かった).その後台風19号の接近により,12日は都内の公共交通機関が運航停止を決めたため,この日の公演は中止になってしまいました.これも運だなぁと思った次第です(逆のパターンで2011年3月の震災直後の「ばらの騎士」公演が自分が行く回のみ中止になったことがある).

Img_5313 Img_5314  ちなみに我が家では終演後のディナーも含めてがオペラ鑑賞です (^^)v

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