2019年3月21日 (木)

歌劇「ウェルテル」

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 オペラ鑑賞が大好きな我が家です.新国立劇場のシーズンチケットを購入していることもあって,秋から春のシーズン中は,ほぼ毎月鑑賞している計算になります.今週火曜日の3月19日は表題の歌劇「ウェルテル」を鑑賞してきました.

 このオペラはゲーテの有名な小説である「若きウェルテルの悩み」をマスネがオペラ化したものです.初演は1892年ですから,イタリアのプッチーニが最初の大成功を収めた作品である「マノン・レスコー」の前年にあたります.奇しくもマノン・レスコーの物語はマスネ自身も1884年に先行してオペラ化しています(「マノン」).

 19世紀のフランスのオペラというとグランドオペラと呼ばれるスタイルが一般的です.これは途中にバレエや大合唱が参加するエンターテイメント性の高い幕が挿入されるのが特徴で,非常に舞台が華やかになりますが,一方で物語の進行には全く関係ない部分なので,オペラを劇としてみた場合は,この部分の存在によって劇は停滞することになります.ビゼーの「カルメン」のように起承転結のはっきりしている題材ならそれでもあまり問題になりませんが,本作品のように登場人物の内面の葛藤がメインとなる題材だとグランドオペラのスタイルは全くそぐわないことになります(事実本作品にはそうした幕はない).

 今回の舞台は2016年に制作された二コラ・ジョエル演出の再演です.3年前にも鑑賞していますが,1幕の緑,2幕の青,3幕の灰色と色彩が印象的な舞台です.歌い手はウェルテルにサイミール・ビルグさん,シャルロットに藤村美穂子さん,とにかくこの2人が凄くて圧巻でした.主役級というのはこういう人たちを言うんだろうなと感じた舞台でした.
 

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2019年2月15日 (金)

カール・リヒターの命日

Img300  バレンタインデーの翌日,今日2月15日は20世紀を代表するバッハ研究家カール・リヒターの命日です.

 リヒターは1926年10月15日にドイツ東部のプラウエンで生まれ幼少時からドレスデンの聖十字架教会聖歌隊に属し,ここで変声期とともにバッハの主要カンタータの全パートを歌ったといわれています.第二次大戦後にはバッハの聖地であるライプチヒでオルガンを中心に活動していましたが,社会主義の束縛を嫌い西ドイツのミュンヘンに移りました.そこでミュンヘン音楽大学の教授に就任するとともに,自らのバッハ研究の成果を示すべくミュンヘン・バッハ合唱団,管弦楽団を結成して精力的な演奏活動を行いました.1969年には合唱団・管弦楽団を率いて来日公演を行っています.

 その後も世界各地への演奏旅行と同時に,多数の録音も残しています.その音楽はルター派の真髄である禁欲的な,非常に緊張感の溢れる演奏でしたが,1970年代には次第に緊張感を失いロマン主義的な演奏になってしまったと言われています(マタイ受難曲の1958年版と1979年版を聴き比べると違いがわかります).これは彼自身の体調の悪化が関係しているとする人もいます.

 そして1981年2月15日朝,宿泊先のミュンヘン市内のホテルのフロントに,「胸が苦しい,医者を呼んでくれ」と電話があり,駆けつけたときには亡くなっていたといわれています(状況から考えて急性心筋梗塞だったのではと思います).

Img_1  今ではITの進歩とメディアの多様化から数多くの音楽ソースが迅速かつ手軽に手に入るようになりました.しかし私が高校から大学に入ったのはようやくコンパクトディスク(CD)が普及し始めた時期であり,音楽の主要メディアはいまだにLPレコードでした.LPレコードは現在の音楽ファイルのダウンロードなどとは比較にならないほど生産コストがかかることから,マイナーな(売れそうにない)ジャンルの音楽のレコードは発売すらされず,手に入れるのが大変でした.

 俗にクラシック音楽と呼ばれるジャンルは日本でもそれなりに愛好家がいますが,一言でクラシックといっても多くのカテゴリーがあり人気も様々です.たとえばシンフォニー(交響曲)やコンチェルト(協奏曲)などは日本人に人気のカテゴリーで,昔から数多くのレコードがありました.一方で宗教曲と呼ばれるカテゴリーは日本人にはマイナーで(私が学生時代受講していた音楽史という講義で行ったアンケートでも最も人気薄だった),クラシック愛好家にもあまり知られていなかった分野です.

 17世紀から18世紀のバロック時代を代表する作曲家として,J. S. バッハがいます.音楽の父ともいわれ,日本でもその名を知らない人はいないくらい有名だと思います.しかし,じゃあバッハってどんな曲を作ったのと聞かれると,意外に知られていません.せいぜい嘉門達夫の「鼻から牛乳」で知られる,トッカータとフーガニ短調やG線上のアリアくらいでしょうか.

 実はバッハの主要作品の多くは,200曲にもおよぶ教会カンタータをはじめとする宗教音楽で,マタイ受難曲やロ短調ミサ曲がその代表とされています.ですから宗教音楽がマイナーな日本であまり知られていないのも仕方ないのかもしれません.

 こういうマイナージャンルゆえ,宗教音楽のLPレコードを手に入れるのは大変でした(モーツァルトのレクイエムのようにちょっとはメジャーな作品もありますが).今ではバッハの宗教音楽も数多くの演奏がリリースされており,私達も聴き比べなどができますが,当時はあまり選択肢がなかったのです.そんな時代に比較的入手可能だったのが,アルヒーフから出ていたリヒターの演奏だったのです.ですから私の世代の人間にとってバッハのカンタータを聴くにはリヒターのレコードを聴くのが一番ポピュラーだったのです.ヘルムート・リリング,ついでアーノンクールとレオンハルトのカンタータ全集が完成したのはその後のことでした.

 私が宗教音楽にのめり込んだ学生時代,数多くのリヒターのレコードを買い込んで聴いていたものですが,その中でも特に聞くに残るのが,1988年の2月15日に「カール・リヒター追悼24時間鑑賞会」という企画です.これは同日0時から翌16日0時までひたすらリヒターのレコード(一部CD)を聴きまくるという鬼のような企画です.モーツァルトのレクイエムから始まって,マタイ・ヨハネの両受難曲,ロ短調ミサ,クリスマス・オラトリオはもちろん,英独両版のメサイアや教会カンタータから器楽曲まで、魂をすり減らしながら聴いたのを覚えています.

 そんな暇も体力もない2019年のこの日は夜から彼のいくつかの演奏を鑑賞しているのでした.

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2019年2月13日 (水)

リヒャルト・ワーグナー

1359558947  今日は2月13日,バレンタインデーの前夜祭などと言ってはいけません(笑)。この日は19世紀後半,ヨーロッパの音楽界,とりわけオペラの世界に大きな影響を与えたリヒャルト・ワーグナーの命日なのです.

 西洋音楽の1ジャンルとしてのオペラは17世紀のモンテヴェルディの時代に誕生しました.当初は宮廷など王侯貴族の楽しみとして発展し,18世紀前半のバロック時代にひとつのピークを迎えます.この時代の代表的なオペラ作曲家がG. F. ヘンデルでした.ヘンデルは今でこそ,「メサイア」などのオラトリオや「水上の音楽」などの器楽曲で知られますが,彼がその生涯で心血注いで取り組んだのはオペラだったのです.この時代のオペラの聴き手は大陸諸国では依然として王侯貴族でしたが,すでに産業革命が始まっていたイギリスでは新興の市民たちでした(イギリスの市民たちに熱狂的に支持されたヘンデルですが,のちには彼らに飽きられオペラではやっていけなくなり,オラトリオに軸足を移すことになります).

Handel_1 (写真) バロックオペラの作曲家ヘンデル

 バロック時代以来のオペラは主として歌手の技巧を聞かせる歌の側面が強調され,劇としての面はなおざりにされる傾向がありました.もっともこれはオペラが内包している宿命的な問題で,歌手が技術的に難しいアリアを朗々と歌っている時間は,同時に劇が停滞する時間でもあるからです.ただ19世紀に入ると,オペラにもより劇性を求めるべきという考えが生まれ,歌と劇の停滞という矛盾を解決する方法が探られます.その中で生まれたのがいわゆる狂乱オペラと呼ばれるものでした.これはヒロインが悲劇のために発狂してしまい,超絶技巧のアリアを歌うというスタイルです.これなら聴衆は発狂してしまったヒロインに感情移入しつつ,その超絶技巧を駆使したアリアを楽しむこともできます.ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」やベッリーニの「清教徒」はこうした狂乱オペラの代表作です.

 とはいえ,こうした小手先のやり方では根本的な解決にならないことは明らかで,ここで登場したのがワーグナーでした.彼が生まれたのは1813年,奇しくもイタリアのヴェルディと同年です.ドイツとイタリアを代表するオペラ作曲家が同年に生まれたことに運命的なものを感じます.

 ワーグナーの人生は各地の劇場を転々としたり,ドイツの3月革命にのめり込んで亡命を余儀なくされたりまさに波乱万丈でした.しかし,そのような境遇の中で,彼は一環として(歌のみでなく)音楽と劇との融合を目指しました.その理想を作り上げるために作曲のみならず,台本も自らの手で書き上げています.

 そんなワーグナーの作風としてよく知られているのが,①無限旋律②示導動機です.このうち前者は従来のオペラが,序曲・レシタティーヴォ・アリアという風に個々の音楽が分断されていたのに対して,彼の音楽では(特に後期の作品は)幕が開くと同時に最後まで音楽が途切れることなく続いていく様子を表しています.このため従来のオペラのように,はっきりとしたアリアなど一部だけを切り取ることが不可能となっています(プッチーニ名アリア集というCDはあるが,ワーグナー名アリア集というCDは存在しない).このため特にイタリア系のオペラでは名アリアの後に会場から拍手や喝采が飛ぶのが定番ですが,ワーグナー作品ではそれらの行為は構造的に不可能です.後者の示導動機(ライトモティーフ)とは人物や感情,情景などを表現するモティーフのことです.とはいえ,その人物が出てきたからそのモティーフが鳴るなどという単純なものではなく,例えば人物の成長に合わせてモティーフ自身も変化し,場面によってはさらに他のモティーフと融合し発展していくなど,歌手の声以外の物語の語り手となるものです.すなわち従来のオペラでは伴奏に過ぎなかったオーケストラ自身も劇の進行に重要な役割を与えられているということになります.このことからワーグナーのオペラ作品を指して,従来の歌劇に対して楽劇と表現することもあります(この楽劇(Musikdrama)という用語はワーグナー自身の造語ではなく,彼はむしろ自らの作品を舞台祝祭劇と称している).

Img018  そんなワーグナー作品,重厚かつ壮大(悪く言えば大げさ)で,人により好き嫌いがはっきり分かれます.私自身は若い頃はあまり好きではなかったんですが,長じるにしたがって,「まあ,こういうのもありかな」と思うようになりました.最近では1月27日に新国立劇場で彼の比較的初期作品である「タンホイザー」を観劇してきました.一般にワーグナーを鑑賞すると,その後2週間くらい,その音楽が頭の中で渦巻いて仕事中など難儀することがあるんですが,今回に限ってはそういうことがありませんでした.思うに今回はワーグナー鑑賞の直後にモーツァルト週間に参加したため,ワーグナーがモーツァルトで中和されたためと思われます(笑).

 今日はそんなワーグナーの命日なのでした.

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2019年2月12日 (火)

東京21合唱団の合宿

 この前の週末,10日&11日は東京21合唱団の合宿に参加してきました.

 現在私が活動しているもう一つの合唱団である,小田原医師会合唱団では毎年合宿を開催しているんですが,こちらの21合唱団ではなぜかその機会がありませんでした.

 しかし,バッハのマタイ受難曲という大曲に取り組んでいく中で,やはりそういう機会は必要だろうということで今回の開催に至ったものです.会場は神奈川県横須賀市にある湘南国際村センター,海の見える高台に建つ広々とした研修所です.

 2月10日は13時50分ごろに横須賀線逗子駅に集合,ここからみんなで路線バスに乗って向かいます(我々のグループでほとんど満員になったので,運転手さんは驚いたに違いない 笑).約30分で会場に到着です.会場準備等を経て15時から練習開始,常任指揮者の佐々木正利先生,音楽監督の飯靖子先生をお迎えして,4時間みっちりと練習しました(合宿ということで時間がたっぷりと取れるため,普段はなかなかできない,ドイツ語についても解説していただきました).

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 学生合唱団時代の合宿というと,ひたすら練習漬けだったんですが,大人の合唱団の場合重要なのが夜の懇親会です.普段お話する機会の少ない方々との交流は楽しいものでした.

Img_1833  宴会は1次会,2次会,3次会と流れて気が付いたら午前様… それでも翌11日は朝から午後3時までみっちり練習したのでした.そんな非常に有意義な連休でした.

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2019年2月 8日 (金)

2月になっています

Img_4308  ひさしぶりの更新となります.気が付けば2月になっていました.最後の更新が1月23日でしたから,約2週間放置していたことになります(笑).実はこの間,冬休みを取って旅行に行っていました.行先はオーストリアのザルツブルクです.

 目的は毎年モーツァルトの誕生日である1月27日を中心に約10日間の日程で開催されている音楽フェスティバル,モーツァルト週間(ドイツ語では"MozartWoche")に参加しコンサートを鑑賞するためでした.我が家ではウチのKが大のモーツァルト好きということもあり,いつの日か行ってみたいイベントだったんですが,昨年11月の段階で急激に話が盛り上がり,行くことになったものです(行くぞ!と決めてからの自分のフットワークは羽根のように軽いです 笑).

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(写真) モーツァルト劇場隣のカール・ベーム・ザールにて

 1月28日出発で2月5日帰国,現地には7日間滞在し,教会のミサを含めて10の公演を鑑賞しました.いやぁ~,本当に素晴らしかったです.詳細はこちらのブログにも近日中にアップしていく予定です(そして途中で放置されるのか 爆).

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2019年1月21日 (月)

オペラシーズン

 クラシック愛好家の私ですが,とりわけ好きなのがオペラです.年間に行くコンサートのほとんどがオペラと言っても過言ではないほどです.メインは新国立劇場で,東京二期会や藤原歌劇団,海外劇場の引っ越し公演がそれに続きます.特に新国立はシーズンチケットを購入しているので,シーズンの全演目を鑑賞していることになります.新国立のシーズンチケットの優れた点は割引があることはもちろんですが,エクスチェンジサービスといって,予定の公演日が都合が悪くなった場合に,同一演目の他の公演日に振り替えることができるサービスが利用できるのが大きいです.特に私が毎年購入しているウイークデープラン(全公演平日の夜開催のチケットがまとまったセット)では,公演ごとに1回変更が利くという優れものです.また変更に際しては平日のみではなく休日への振り替えも可能となっており,直前に予定が入りやすい自分は非常に重宝しています(全演目の半分以上変更した年もあった💦).

Img_4293  そんな新国立劇場の2019/2020シーズンチケットの案内が早くも届きました.大野和士芸術監督2年目のシーズンです.1年目の今年は魔笛,カルメン,ファルスタッフと比較的堅実な作品が中心となっているんですが,一体2年目はどんな演目なのか,さっそく目を通します.

 チャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」,ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」,ヘンデルの「ジュリアス・シーザー」

 と,これまであまり上演されてこなかった作品が並んでいます.特にヘンデルに代表されるバロックオペラは新国立劇場初上演とのことで,大野芸術監督がいよいよ本気を出してきた(笑)という感じがしました.その一方で目を惹いたのが

Img_4292 ワーグナーのニュルンベルクのマイスタージンガー(新制作)です.

 私が新国立に通うようになった2009年から,ワーグナーの主要作品の中でいまだ未見なのが,このマイスタージンガーでした(それ以前,2005年のシーズンには上演した記録あり).指環はすでに2回観たし,タンホイザーやオランダ人も2回観ています.難易度が高く上演が困難といわれるトリスタン,パルジファルも観劇する機会がありました.そんな中,マイスタージンガーだけが見れていなかったのは痛恨だったのです.しかし2020年6月オリンピックを直前として上演されることが決定,非常に楽しみな演目となりました.

Img_01_2 Img_02_2 Img_04_2 Img038_2 Img131_2 Img_3048_3 Img157_3 Img_0_4 Img_03_2 過去に鑑賞したワーグナー作品.マイスタージンガーだけがありません.

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2018年12月11日 (火)

2つのチャリティーコンサート

 師走になり慌ただしい日々を送っているビザンチン皇帝です.

 さて,この週末に私が関係する2つのチャリティーコンサートがありますのでご紹介いたします.ひとつは12月14日の夜にに東京の霊南坂教会で行われる,クリスマスチャリティーコンサートです.

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 日時 2018年12月14日(金)
 18時30分開演(18時開場)
 場所 霊南坂教会(東京都港区)
 入場料 大人2500円,子供1500円

 これは静岡県にある牧ノ原やまばと学園支援のためのコンサートで今年で46回目を数える伝統あるイベントです.私がメインで活動している東京21合唱団は毎年何らかの形でこのコンサートにかかわっているのですが,今年もちょっとではありますが讃美歌の演奏で参加させていただくことになりました.子供たちの演奏やクリスマスの詩の朗読など,クリスマスの雰囲気抜群のコンサートです.

 そしてもう一つは12月16日に駒込の日本医師会館で開催される,第5回医師たちによるクリスマスチャリティーコンサートです.

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 日時 2018年12月16日(日)
 12時30分開演(12時開場)
 場所 日本医師会館(東京都文京区)
 入場料 無料(事前申し込みが必要)

 こちらは日本医師会の主催で4年前から行われているコンサートです.全国の医師会関係者による音楽団体が集まって開催されるもので,入場は無料ですが会場に募金箱が置かれ,いただいた善意は国境なき医師団や難病の子供・家族を支援する団体に寄付されます.私も参加している小田原医師会合唱団は2年ぶり4度目の出場になります.

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2018年12月 5日 (水)

モーツァルト週間

 12月に入ったとはいうものの,まだまだ気温が高い日が続いています(本当に冬なのか? 笑).

Is  さて12月5日は著明な作曲家W. A. モーツァルトの命日です.1756年オーストリアのザルツブルク(当時はザルツブルク大司教領)で生を受けたモーツァルトは,幼い頃から音楽家で教育者でもあった父親から手ほどきを受けると,めきめきとその才能を発揮し,神童ともてはやされました.当初は父とともにザルツブルクの宮廷音楽家として活動していたものの,大司教の束縛から思うような作曲活動ができないことへの不満等が高まり,1781年以降活動の拠点をウィーンに移し,以後フリーの音楽家として活動していくことになります.

 そんなモーツァルトですが,1791年秋ごろから体調を崩し,この年の12月5日にわずか35歳で亡くなりました.死因に関しては諸説ありますが,当時の記録からは溶連菌感染に起因する多臓器不全(特に心不全,腎不全)だったのではないかと思われます.

 我が家では特にウチのKが大のモーツァルト好きということもあり,オペラを中心にモーツァルト関連のコンサートに出かける機会もあります.2006年の生誕250年の年には夏季休暇の旅行でウィーンやザルツブルクに行きました.ただその後旅行の主眼が秘境系に移っていったこともあり,これ以降クラシック音楽関係の旅行は2013年の合唱団の演奏旅行の他にはありません.

 が,我が家では最近急に音楽関係の旅行に行ってみようじゃないか,という気分が盛り上がっています.すなわち毎年1月下旬にザルツブルクで開催れているモーツァルト週間に行ってみようじゃないかというわけです.これは毎年モーツァルトの誕生日である1月27日を中心として約10日間ザルツブルクで開催されている音楽イベントです.ザルツブルクのイベントといえば夏のザルツブルク音楽祭が有名ですが,あちらは夏の観光シーズンと重なることもあり,それこそチケット代含めた旅行代金は凄いことになります.一方でこちらのモーツァルト週間は真冬で通常の観光客が少ない時期ということもあるのか,価格もだいぶお財布に優しい設定になっています(出演する団体はウィーンフィルをはじめ,夏に負けないんですが).すなわちどうせ行くなら冬の方がお得だぞということで,今回なんとか休暇をひねり出して行ってこようと決意したのでした.とはいえ全日程参加するほどは休めないので,イベントの後半に絞った企画で参加してきます.案内によると主な演目として,交響曲20番,25番,ピアノ協奏曲19番,20番をはじめ,ミサ曲ハ短調やレクイエム,エジプト王タモスなどがあるようです.

 ほぼコンサート漬けの旅行になる予定なんですが,非常に楽しみなのでした.

 動画はモーツァルトが生前完成させ自ら指揮をした最後の作品といわれる,フリーメイソンのための小カンタータ「われらが喜びを高らかに告げよ」 K.623 です.

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2018年11月16日 (金)

歌劇「魔笛」

Img015  久しぶりの更新になります.さすがに11月に入ってかなり涼しくなってきた当地ですが,今日はもう1か月以上前の話です.

 10月3日に盛岡に出張してきた帰り,初台の新国立劇場でこの日初日を迎えたモーツァルトの魔笛公演を観劇してきました.今シーズンから新国立劇場の新しい芸術監督に就任した大野和士さんの最初の演目ということになります.

 モーツァルト最晩年のあまりに有名な作品です.ウチのKが大のモーツァルト好きということもあってこれまで一体どれだけの魔笛を鑑賞したか覚えていないほどです.新国立の魔笛といえばミヒャエル・ハンぺによる定番レパートリーがあるのですが,今回上演するのはウイリアム・ケントリッジによる新演出でした.ただまったくのピカ新ではなく,これまでヨーロッパのいくつかの劇場で上演されたプロダクションです.

(写真) 新宿駅にて

Img_1010  南アフリカ生まれのケントリッジはドローイングで知られる芸術家です.光によるドローイングを巧みに使用した舞台は極めて21世紀的で,オーソドックスだったハンぺの舞台とは対照的な印象を受けました.このプロダクションがこれからの劇場のレパートリーとなっていくのかは権利関係もあってわかりませんが,最後のカーテンコールでの演出家への拍手は十分それを予感させるものでした(春のカタリーナ・ワーグナーのフィデリオとはある意味対照的 笑).

 終演後は劇場のレストランへ.この日は比較的軽めのコースにしました.

Img_1014Img_1015Img_4062  劇場内には今シーズンの演目が張り出されていたんですが,モーツァルト2作品に加えてプッチーニが3作品と,意外に偏っているな(笑)と思ったのでした.

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2018年11月 3日 (土)

11月になりました

 ここ数日朝夕はめっきり気温が下がるようになり,上着やコートが欲しくなりました.気が付けばカレンダーは11月になっています.

 例年秋は活動的になる自分ですが,今年も9月の医師会合唱団の定演を皮切りに,しながわ宿場まつりや市民合唱祭参加,オペラ観劇,先月の東京21合唱団のコンサート,函館行き,能代寮歌と活発に動き回っておりました(その他産業医の単位集めのための甲府2往復なんてのもあった).一方で11月はステージこそありませんが,遠隔出張が入ってますし,オペラ観劇や映画鑑賞など芸術系を中心に活動する予定です.

 さて,そんな11月直前の10月31日は会合のために東京御徒町に繰り出していました.実は先月第15回コンサートを開催した東京21合唱団では,2年後の2020年秋を目標にJ. S. Bachのマタイ受難曲 BWV244を取り上げることにしています.そしてこのコンサートはアマチュアオケである”Collegium Armonia Superiore Japan”(以下ARS)との共催で行われることになっています.で,昨夜はそのARSの方々との事務的な打ち合わせでした.

 私たち東京21合唱団のコンサートはもっぱら,赤坂の霊南坂教会を主会場として行ってきたのですが,マタイ受難曲となれば教会の礼拝堂では手狭であり,一般のコンサートホールを使用することになります.今回は今後ホールを抑えるための作戦(笑)や,今後決めていかなければならないことについての洗い出し作業を行いました.などというと堅苦しい話なのかと思われそうですが,私同様ARSの方々も音楽をこよなく愛するアマチュアの方々です.打ち合わせの合間にはハイドンやモーツァルトに代表されるウィーン古典派の話題などに話が飛び,とても楽しい時間を過ごすことができました(縁あって自分も合唱団の役員をやっていますが,基本的にこういうのが好きだからこそやっていけるんだよなぁとつくづく思いました).

 そんな21合唱団のマタイ受難曲,基本二重合唱でオケは40人規模になります.合唱団の現状の規模ではちょっと厳しいところがあり,これから新規会員を大募集していかなければなりません.合唱団のHPだけではなく,各種SNSも駆使していこうと思うのでした.

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 マタイ受難曲は学生時代から好きだった作品で,いつかやってみたいと思い楽譜を購入したのですが,当時はやるチャンスがなく,楽譜も埋もれたままになっていました(ベーレンライターの国内版の楽譜).今回練習を始めるにあたり,しばらくはこの埋もれていた楽譜を使っていこうと思っています.30年間日の目を見ることなく埋もれていた楽譜に光を当てたいというのがその理由です(皆川達夫先生の対訳が付いている以外は普通のベーレンライターの楽譜と中身は全く同じ).

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