2021年5月31日 (月)

歌劇「ドン・カルロ」

Img050  単調な生活の中でのたまの息抜きは重要です.特に自分にとっての音楽鑑賞は心の洗濯ともいえる存在です.

 音楽鑑賞といえば,ほぼ90%以上がオペラというほどオペラ好きの我が家ですが,コロナ禍で頻度は減ったものの行けるときには行くようにしています(劇場や音楽家を応援するという意味もある).

 先週末の土曜日,5月29日には初台の新国立劇場で公演中の歌劇「ドン・カルロ」を鑑賞してきました.オペラ観劇と終演後のディナーがセットになる我が家ではいつも電車で行くのですが,現在東京では飲食店での酒類の提供が中止されているため、お酒が飲めないなら無理にディナーにしなくてもよいのと,感染のリスクを減らす意味もあり、今回は自家用車での訪問です(ものすごく久しぶりに首都高を走った 笑).

 今回鑑賞したドン・カルロはマルコ・アルトゥーロ・マレッリによる演出で,2006年に初出,2014年11月に一度再演され今回は2回目の再演となります.2014年の再演の際に鑑賞したはずなんですが,実はあまり記憶がありませんでした(汗).指揮はイタリア人のパオロ・カリニャーニ,ヨーロッパの劇場で活躍している指揮者です.キャストはタイトルロールのドン・カルロがジュゼッペ・ジバリ,フィリッポ2世が妻屋秀和、ロドリーゴが高田智宏、エリザベッタが小林厚子、エボリ公女がアンナ・マリア・キウリ,宗教裁判長がマルコ・スポッティという面々です.コロナ禍ではありますが、メインキャストのうち3人が海外招聘ということで、関係者の努力は大変なものだったろうと想像します.ちなみにフィリッポ2世役は当初ミケーレ・ペルトゥージの予定でしたが、本人の都合でキャンセルになり妻屋さんに変更になったいきさつがあります(妻屋さんは2006年と2014年の公演では宗教裁判長をやっていた).

Img_7414  ヴェルディの「ドン・カルロ」は16世紀スペインに実在したスペイン・ハプスブルク家の親子である国王フィリッポ2世(世界史ではスペイン風にフェリペ2世と呼ばれる)とその長男ドン・カルロの物語です.史実のドン・カルロは資料の少ない人物ですが,18世紀にシラーが設定を大幅に膨らませて戯曲化し,それを原作にヴェルディがオペラ化しました.作曲時期は「運命の力」と「アイーダ」の間でヴェルディの作曲技法が円熟していた時代になります.この作品は元々1867年に開催されるパリ万博(日本が初めて参加した万博,今年の大河「青天を衝け」でもいずれ出てくるでしょう)に合わせてパリのオペラ座から依頼されました.このため当時のフランスのグランドオペラの形式によって書かれた5幕ものでした.言語もフランス語でした.ただ肝心のフランスでの初演が失敗したことと(招待されたナポレオン3世の皇后ウジェニーが熱心なカトリック教徒だったため,反カトリック的な内容を含むこのオペラに嫌悪感を示した),上演時間が長いことから,すぐに改訂が施され,現在主流となっているイタリア語による4幕ものとなっています.今回の公演もこの4幕版です.5月29日公演は千秋楽ということもあり,オケもキャストも非常にまとまってよい演奏だったと思います.劇場の公式ツイッターで,初日に指揮者が登場して拍手が起こったのを聞き,海外招聘キャストが「本当に客がいるんだ!」と感動していたというツイートが流されていましたが、欧米ではまだ客を入れての公演が不可能なんだと実感した次第です.

 

 休憩を含めて3時間半の公演,久しぶりに心の洗濯ができました(ドン・カルロって最後カルロが先代の王(カール5世)に天上に引き上げられるシーンで幕となるんですが、これも一種の地獄落ちだよなと感じました).

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2021年5月 2日 (日)

5月になりました

 気が付けば5月になりました.一部では5月病なんていうネガティブな言葉もありますが,五月晴れなんていう言葉もあるように春本番で気分が高揚する季節です.

 例年ならば5月第2週末にひの新選組まつりがあるわけですが,コロナ禍のために昨年に続き中止となっています.そして月の後半には自分がメインとしている学会の学術大会が京都で開催されるので,通常ならば学会参加しつつ空き時間に京都観光を目論んでいましたが,京都府が緊急事態宣言下になってしまったため,こちらもリアル参加は厳しい状況です(4月末段階では,大会本部は現地参加をメインにしつつwebとのハイブリッド開催というスタンスなんですが,果たしてどうなることやら・・・).

 閉塞感が漂う世相ですが,なにか楽しみがないと日々のモチベーションが保てないのも事実,そんな自分のモチベーションを高めるのが夏季休暇です.21世紀に入って以降は夏季休暇=海外旅行となっていましたが,昨年来海外との往来が非現実的になってしまったために2020年は,ある意味普通の海外旅行よりもハードルの高い小笠原諸島に出かけました(小笠原旅行記).その流れで今年はどこにしようかと考えていたんですが(実はこの旅行先を考えるのが,旅行の楽しみの半分を占めるというウワサ),いろいろ考えた結果昨年に続く離島シリーズというわけで,利尻島や礼文島といった北海道の離島に行こうと計画しています.

9784894539525  利尻島と礼文島は北海道最北部の稚内から西へ60キロの日本海に浮かぶ島です.細長く全体に標高の低い礼文島と円形で中央に高い山がある利尻島の組み合わせは,鹿児島県の種子島と屋久島の関係を彷彿させます.自分は過去,学生時代の1984年に礼文島には行ったことがありますが,利尻島は未訪です.どちらも自然景観が素晴らしく海産物に恵まれたところなので,その辺が楽しみです.

 5月といえば,16世紀イギリスの作曲家トーマス・モーリーによる "Now is the month of Maying" というマドリガルの名作があります.自分が活動している団体のひとつである東京マドリガル会でも5月の例会では必ず歌っていた一曲です.

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2021年4月27日 (火)

歌劇「ルチア」

Img049  GWが近づいていますが,昨年に続き,我慢(G)ウィーク(W)になりそうな世相です.

 基本的にはお上には逆らわないようにしていますが,とはいえ全く楽しみがないというのも残念なので,先週の金曜日初台の新国立劇場で上演中の歌劇「ルチア」を観劇してきました.

 19世紀前半,ロッシーニとヴェルディを繋ぐ時代を代表する作曲家,ドニゼッティを代表する作品です.2017年初出となったジャン=ルイ・グリンダによる演出の再演で,外の場面における岬と荒波が印象的な舞台となっています.

 コロナ禍で日本への入国が厳しく制限されている状態ですが,指揮者のスペランツァ・スカップッチ,ルチア役のイリーナ・ルング,エドガルド役のローレンス・ブラウンリーが無事に入国し出演しました.スカップッチはジュリアード音楽院,サンタ・チェチーリア音楽院を卒業した近年欧米の歌劇場で活躍著しい女性指揮者,ブラウンリーはかつてのパヴァロッティのような声質のベルカント唱法に優れたテノールで特に最終盤のアリアが良かったです.ただなんといってもこのオペラは主役であるルチアの出来不出来ですべてが決まってしまいます(名作の割に上演頻度が高くないのもルチアを歌える歌手がなかなか確保できないため.20年以上の歴史を持つ新国立でもルチアの公演は今回を含めて3回だけです).今回のルチア役のルングも伸びのある美声で非常に魅力的でした(特に定番の狂乱の場は圧巻).一方で日本人歌手の出来も良く,エンリーコ役の須藤慎吾さんやアルトゥーロ役の又吉秀樹さんの歌も特に秀悦でした.

 ちなみに2017年の初演時にはオリジナルに合わせて狂乱の場ではグラスハーモニカを使用していましたが,今回はオケピッチのソーシャルディスタンスを保つためとして一般的なフルートで代用されていました.

Dsc_1414 (写真)2017年に使用されたグラスハーモニカ

 我が家では通常オペラ鑑賞といえばその後のディナーもセットなんですが,まん延防止等重点措置が出されている現状のため終演後のレストランは残念ながら休止となっているのでした.

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2021年3月21日 (日)

ARSのコンサート

Img048  この週末は当初出張の予定だったんですが,職場の状況に鑑み延期となったため自宅周辺でおとなしくしています.とはいえ何も行動しないハズがない(笑)ため,昨夕はお誘いのあったコンサートに行ってきました.

 私がメインとして活動している合唱団のひとつが東京21合唱団です.創設が2002年なのでかれこれ20年近い歴史があるんですが,私が入団したのは2008年に当地に転勤してきてからです.主に教会音楽を演奏しているんですが,2018年秋からバッハのマタイ受難曲を取り上げて取り組んでいます.当初2020年秋の本番を目指していましたが新型コロナの影響で活動休止に追い込まれ1年延期,2021年秋となりましたがその後も感染が収束せず結局また延期になってしまいました(泣).

 そんな東京21合唱団のマタイ受難曲公演で共演することになっていたオーケストラがCollegium Armonia Superiore Japan(ARSと略称)です.彼らもコロナ禍の中で思うような活動ができていなかったのですが,合唱に比べると感染リスクは小さい器楽ですからそこは地道に鍛錬を重ねていたようです.その発表の場であるコンサートが昨日3月20日に鎌倉芸術館にて行われました.当初は通常のコンサートとして開催される予定だったんですが,国の緊急事態宣言が延長されコンサートの日が宣言内になってしまったために実開催から収録でのオンライン開催に変更になったものです.収録とはいえ拍手など演出上若干の観客はいた方がいいということで,今回関係者枠として会場で鑑賞させていただくことができました.

Dsc_1565 Img_7356  演目はドボルザークの管楽セレナード作品44,弦楽セレナード作品22,ハイドンのチェロ協奏曲第2番作品101でした.普段コンサートというと9割以上オペラの自分にとってはあまりなじみがない分野なんですが,ARSメンバーの高いレベルの演奏を聴き,いずれやるであろうマタイ受難曲演奏会がますます楽しみになったのでした.

 この日の週録演奏会は3月27日14時からインターネットで配信されます.以下に掲載するチラシの二次元バーコードから入ることができます.

147029754_705850986743871_75223572234409  拡大して読み取ってください.

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2021年3月 5日 (金)

ヘルムート・ヴィンシャーマン氏の訃報

 このブログの右端にも貼り付けていますが,twitterもやっているビザンチン皇帝です.今日今から1年近く前のツィートに”いいね”が付きました.

 一体何かあったのか?と思っていたら,どうやらヘルムート・ヴィンシャーマン氏が亡くなったという報道があったようです.

 H. ヴィンシャーマン氏は1920年3月22日にドイツのルール地方にあるミュールハイムに生を受けました.エッセンとパリでオーボエを学び,以来様々な楽団でオーボエ奏者として活躍,1960年代にはドイツ・バッハ・ゾリスデンを主催して指揮者としても活動を始めました.数えきれないほど来日しており,全国各地でたくさんの演奏会に出演しています.縁あって私が盛岡で所属していた合唱団とも何度も共演させていただきました(とりあえず,マタイ受難曲・ヨハネ受難曲・ロ短調ミサ曲・クリスマスオラトリオのバッハの四大宗教曲はすべてやっています).いわゆる巨匠ですが,とても懐の深い素晴らしい人格者でした(手がゴールキーパーみたいに大きい).自分が最後にお見かけしたのは2012年に仙台萩ホールで,仙台宗教音楽合唱団のコンサート”ヘンデルのメサイア(モーツァルト編曲版)”の際,会場でだったと思います(関連記事 この時すでに92歳ですが,シャキッとしてお元気でした).ここ数年は演奏会活動はなさっていなかったようですが,昨年5月に大阪フィルのツィートの中で100歳の誕生日を迎えられてお元気だとの情報があり懐かしく思った記憶があります.

 そんな中で今回その訃報に接し,また20世紀を代表する方が一人旅立たれたのかと感慨深く次第です.ヴィンシャーマン氏のご冥福をお祈りいたします.

P5270137_20210308133701 Imagehtml_20210308133701  左は2012年5月に仙台の萩ホールでお見かけした際のもの,右は2000年11月のクリスマスオラトリオ演奏会後のレセプションでのひとコマ(自分もKも若いな!)

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2021年2月19日 (金)

マタイ受難曲演奏会延期

 趣味のひとつが合唱の私です.メインで参加している合唱団として東京21合唱団と小田原医師会合唱団,東京マドリガル会があります.このうち医師会合唱団の方は昨年2月初旬から練習が休止になったままです(まあこちらは医療関係者が趣味でやっている団体なので万一クラスターでも出したら世間で騒がれること必定なので仕方ないです).東京マドリガル会も約1年休止中です(ここは平均年齢が非常に高いのでやむを得ない).もう一つの東京21合唱団の方はやはり昨年2月末から活動休止していたものの,昨年秋に感染状況がやや落ち着いたタイミングで練習を再開しました.しかしその後のいわゆる感染第3波と,国の緊急事態宣言の発出を受けて再び休止に追い込まれ今に至っています.

 で,この東京21合唱団では管弦楽団Collegium Armonia Superiore Japan(ARSと略称)との共催で今年の10月にJ. S. バッハのマタイ受難曲全曲演奏会を開催することになっていました.企画そのものは2018年秋に始まり2020年10月に本番を向かるはずだったんですが,新型コロナの蔓延を受けて昨年4月に1年延期としていたものです(その辺は東京オリンピックと同じ).しかしながら練習が再開できないまままもなく春を迎えるという状況の中で検討が行われ,このたび本年10月予定の演奏会を再び延期することが決まりました.延期先の日程についてはこれから改めて協議していく予定です(世間では新規感染が縮小傾向にあり,ワクチン接種が始まるタイミングではありますがまだまだ予断を許さない状況と考えています).

Chirashi  ひの新選組まつりのパレードや日本寮歌祭の中止も残念でしたですが,こちらは年単位でじっくりと取り組んでいた企画だっただけに余計ショックが大きいです.写真は幻となった2020年10月版のチラシとチケットです.

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2021年2月12日 (金)

歌劇「フィガロの結婚」

Img009_20210212145901  昨日は建国記念日の祝日でした.近年は一部の祝日が移動祝日として月曜日に持ってこられる傾向がありますが,この建国記念日は憲法記念日などと共に日時が決まっている祝日のひとつです.今年は木曜日となりました.月曜が休みで三連休ができるのも嬉しいですが,週の途中に休みがあるのもなんとなくホッとした気分になりいいものです.

 そんな建国記念日は新国立劇場で上演中の歌劇「フィガロの結婚」を鑑賞してきました.

 オペラ好きの我が家ですが,2008年に当地に越して来て以降家訓(?)となっていることがあります.それが「最低年に1回はモーツァルトのオペラを鑑賞すること」.俗にモーツァルトの四大歌劇と呼ばれる「フィガロの結婚」,「ドンジョバンニ」,「コジ・ファン・トゥッテ」,「魔笛」であれば新国立,二期会,藤原歌劇団のどこかで必ずやっているので基本的には見逃すことは無いはずです.しかし昨年2020年は新型コロナの影響で春に劇場が閉鎖になり上演予定作の多くが中止に追い込まれたことから,あわやついに年間鑑賞ゼロか!という事態になりました.しかし12月に小田原市民オペラの魔笛公演を鑑賞できたため,かろうじて義務は果たせています(当初は新国立のコジと藤原のフィガロが予定されていた).

 今回のアンドレアス・ホモキ演出のフィガロは2003年の初出以来2~3シーズン毎に上演され続けている新国立の定番レパートリーです.白と黒以外の色を極力排し舞台装置も極めてシンプルな印象的な舞台となっています.コロナの影響で日本への入国制限が厳しくなっていることで指揮者と一部キャストが変更になっていました(先月のトスカでスカルピア役をやったダリオ・ソラーリがそのままフィガロ役で出演,思えばほぼ3か月日本に滞在しているんだな).

 終演後はこれまた恒例のレストランへ.充実のコース料理でした.

Dsc_1540 Dsc_1541 Dsc_1542 Dsc_1543 Dsc_1544 Dsc_1545 (左上)スタートはスパークリングワイン,(中上)前菜ノルウェーサーモンと赤海老のマリネ,(右上)パスタ 牡蠣とパンチェッタ、ホウレンソウのクリームソース,(左下)鰤とじゃが芋のアルフォルノ,(中下)熟成牛のロースト,(右下)ガトーショコラ、ビスタチオのジェラート

 

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2021年2月 4日 (木)

歌劇「ラ・ボエーム」

Img008_20210205110001  ちょっと時間が経ってしまいましたが,1月31日の日曜日に東京文化会館で行われた藤原歌劇団のラ・ボエーム公演を鑑賞してきました.1896年にイタリアのレージョ劇場で初演されたプッチーニの代表作のひとつです.内容を一言でまとめると19世紀前半,パリの下町の青春群像です.

 実はこのオペラ,主要登場人物がすべて平凡な庶民であるという点で特記すべき作品です.それまでのオペラの登場人物というと,将軍とか国王,貴族,お姫様など社会の上層部の人物でした(主人公がそうでない場合でもかならずそれらの人物は登場した).しかしこのラ・ボエームは主要6人全てが若い芸術家の卵らパリの下町の住民です.本当にその辺の路地裏に転がっていそうな青春模様が繰り広げられるオペラです.19世紀末から20世紀初頭はこうした市井の人々をメインにしたオペラが数多く作られた時代で,レオンカヴァッロの道化師やマスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナといったいわゆるヴェリズモオペラが有名です.

 ラ・ボエームは全4幕構成,典型的な起承転結のスタイルを取っています.第1幕は貧しい若者たちの他愛のない共同生活から始まり,詩人ロドルフォとお針子ミミの出会いと恋の始まりが描かれます.

 続く第2幕はクリスマスイブ,大勢の人出で賑わうカルチェラタンが舞台です.若者たちがカフェで飲み食いしているうちに,画家マルッチェッロのかつての恋人ムゼッタが登場,いろんなドタバタがコミカルに描かれる楽しい幕となっています.

 第3幕は打って変わって寒い雪の早朝、若者たちに恋するだけでは生活ができないという厳しい現実が突きつけられる幕です.すでに病に侵されているミミを,どうしてあげることもできないロドルフォは彼女との別れを決意します.

 そして最後の4幕は,元の共同生活に戻った芸術家たちの生活が描かれる前半,愛するロドルフォのもとに戻ってくるミミのいじらしさと悲しい死別が描かれる後半に分かれます.全編とにかくプッチーニの甘美な音楽と合わせて本当に泣けます(開演に先立って行われる折江忠道総監督による作品解説でも「ボエームは3大泣けるオペラのひとつです(あとの二つは蝶々夫人と椿姫)」と力説していました).

 今回はコロナ対策ということもあって,歌い手は全員フェイスシールド着用,特に人が密集する2幕では合唱を歌い手は前に出ない,子供合唱部分は事前の録音等演出上の工夫がされていました.なにはともあれ,やっぱり泣ける作品だと実感しました.

Dsc_1519  終演後は会館近くの佐渡島料理のお店で夕食(感染対策のため個室)をいただき帰宅の途に就きました.

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2021年1月24日 (日)

歌劇「トスカ」

Img047  緊急事態宣言が続いている首都圏ですが,昨年春との違いのひとつが劇場が開いていること.これは聴衆が静かに鑑賞するコンサート(特にクラシックのコンサート)が複数人がマスクを外して行う会食に比べて感染リスクが高くはないことによると思われます.不要不急の外出自粛が言われていますが,日々の精神的なストレスの緩和のためにも芸術鑑賞は重要だということで、土曜日のお昼に初台の新国立劇場に行ってきました.鑑賞した演目はプッチーニ作曲のトスカです.

 オペラ作品というと,それこそ全部でいくつあるのか数えるのも困難ですが,その中で誰もが挙げるであろう名作となると,結構絞られます.その中でもプッチーニによって19世紀最後の年になる1900年に発表された「トスカ」は,たとえアンチ・プッチーニの人でさえ認めざるを得ない名曲中の名曲でしょう.

 オペラ初心者にお勧めする作品として真っ先に上がるのもこのトスカです(自分も絶対にこれを勧める).理由としては全体で2時間(休憩除く)とほぼ映画並みの長さであること,ストーリー展開が早くオペラ一般にありがちな劇の停滞がないこと.登場人物のキャラが立っていて感情移入しやすいこと,名アリアがあるのはもちろん,大迫力の合唱も登場すること等々,オペラの魅力がこれでもかと凝縮されていて飽きさせないからです.2000年に初出となったアントネッロ・マダウ=ディアツ演出によるプロダクションは舞台装置や衣装の美しさ等から新国立劇場の定番レパートリーとして知られ,近年はほぼ3年に1回上演されています(自分もその都度鑑賞している).

 舞台はナポレオンがヨーロッパに大きな影響を及ぼし始めた1800年6月17日のローマです.共和主義者の政治家アンジェロッティとその友人の画家カヴァラドッシ,彼の恋人トスカと,王党派で共和派を厳しく取り締まる警視総監のスカルピアが織りなす悲劇です.1幕冒頭のカヴァラドッシによるアリア「妙なる調和」,1幕最後の大合唱「テ・デウム」とスカルピアの独白の場面,2幕のスカルピアがトスカを追い詰めていく場面とそれに続くトスカのアリア「歌に生き恋に生き」,3幕のカヴァラドッシの名アリア「星は光りぬ」など聴きどころ満載です.

 今回は指揮者のダニエレ・カッレガーリ,トスカ役のキアーラ・イゾットン,カヴァラドッシ役のフランチェスコ・メーリ,スカルピア役のダリオ・ソラーリの4人が海外招聘でした.現在日本は緊急事態宣言の発出と前後して外国人の入国を原則として禁止しています.彼らは入国禁止措置が出る前に入国し,14日間の待機を経てリハーサルに臨んできたそうです(かれこれ1か月以上前から日本に来ている).欧米の歌劇場も閉鎖になっているところが多いので,彼らにとっても貴重な仕事の機会なんでしょうが,こんな世界情勢の中来てくれたこと自体に感謝です.個人的には1幕最後のテデウムの場面が好きなんですが,あんな密な場面、コロナ時代はどう演出が変化するのか楽しみだったんですが,ぱっと見いつもと変わらない感じでした(笑).

 終演後は劇場内のレストラン「マエストロ」で久しぶりの外食,終演が17時と時間はたっぷりあったのでこの日はフルコースにしました.ワイン共々美味しかったです.こうして日頃のストレスを軽減したのでした.

_res_blogd445_constantinus21_folder_1733 Dsc_1514_original Dsc_1515_original Dsc_1516_original Dsc_1517_original Dsc_1518_original(上左)劇場内レストラン・マエストロ,(上中)前菜のトリッパとギアラ、野菜のトマト煮込みグラタン仕立て,(上右)生パスタ牛荒挽き肉とポルチーニのボロネーゼ,(下左)鮟鱇と海老、渡り蟹のブイヤベース、(下中)熟成牛のビステッカ じゃが芋のグラタン添え 赤ワインソース,(下右)苺のムースミルクレープ とちおとめのジェラート添え

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2020年12月25日 (金)

モーツァルト週間中止

 冬のザルツブルクを代表する音楽イベント,モーツァルト週間の中止が決まったとのことです.

 モーツァルト週間 2021年の開催断念を発表

 オーストリア中部にあるザルツブルクは18世紀の著名な作曲家であるW. A. モーツァルトの生まれた街として知られています.モーツァルト自身は故郷が嫌でウィーンに移り住み作曲活動を行っていたわけですが,当市ではそんな事情はお構いなしでモーツァルトで町興しをしています.

 特に一般の観光客が減る寒い冬の時期に開催される音楽祭がモーツァルト週間,彼の誕生日である1月27日を挟んで10日間ほどの会期で行われます.その名の通りプログラムはモーツァルト作品を中心に構成されるのですが,2019年にローランド・ヴィラゾンが総監督に就任してからは全プログラムがモーツァルトになり,まさに冬のモーツァルト祭といった感じです.出演者はモーツァルテウム管弦楽団やザルツブルク・カメラータといった地元の楽団を中心に,ウィーンフィル、マーラーチェンバーオーケストラなどの著名オケも参加しています.モーツァルト好きの我が家でも一度は行ってみたいイベントでしたが,2019年にチャンスがあり行ったことがあります(7日間の現地滞在で10のコンサートを鑑賞).

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(写真左)モーツァルト週間2019のプログラム,(同右)モーツァルテウム

 そんなモーツァルト週間,来年の開催まで1か月を切った段階での中止,記事によると現在当地では来年1月17日までのコンサートホールの閉鎖が決まっており,18日以降の再開も不透明であることが理由とのことです.さすがに日本から行くツアーの開催はないでしょうが,伝統ある音楽祭だけに残念です.

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