縁あってナミビアのウィントフックにやってきたわけですが、実は日本を出発したのは7月26日でした。羽田発午前中のフライトだったため前日の25日は空港のホテルに前泊,日本最後の夜ということでターミナル内にある居酒屋で刺身などの和食を堪能しました.
(写真1)お豆腐、次回こういったものを食べられるのはいつの日か)
明けて26日いよいよ出発の朝です.ターミナルの出発ロビーに入ってまずは自宅から発送したスーツケースを受け取ります.今回は長期滞在ということで荷物が非常に多いため一人あたり大型のスーツケースが3個(計6個)になりました。もちろん無料預け分をオーバーしているため追加料金が必要なのは言うまでもありません(泣)。しかし仮に別便で送るとしても果たしていつ着くのかという問題もあるため、極力自分で持っていけるものは持っていく方針となったわけです.大量の荷物をカートに載せてガラガラと押しながらチェックインカウンターへ,今回はルフトハンザ航空のフランクフルト乗り換え便です。カウンターで超過荷物分の料金をクレジットカードで支払って手続きは完了,幸いにも荷物はスルーでウィントフックまで届くとのことで安心しました(これがアメリカ経由便なら一旦アメリカでピックアップしなければならない.これだけ多量の荷物をピックアップして再預けなんて泣いてしまう)。
そのままセキュリティチェックを抜けて出発ロビーへ.搭乗までは時間があったのでラウンジで朝食(とワイン)をいただきました.そして時間が来たためいよいよ搭乗ゲートへ.いよいよ旅立ちかと思うと感慨深いものがあります.11時45分出発予定でしたが,若干遅れて離陸,我々は機上の人となりました.
安定飛行になり、ベルト着用サインが消えたタイミングで時計を現地時間に合わせます(これが海外に出る際の私の流儀です).今の時期のフランクフルトは夏時間なので日本とは7時間差,時計の針を7時間戻します.現地は26日早朝ということになります.しばらくして飲み物と食事のサービスが開始,ワインをメインにいただいたのは言うまでもありません(笑).

(写真2)北極上空を飛んでいます
食事後は一気に睡魔に襲われてしばし爆睡タイム,気が付いたら目の前のモニターは北極上空になっていました(現在の世界情勢から西ヨーロッパ行きの便は北極回りが多い.ただし冷戦時代に比べて飛行機の燃費や性能が著しく向上しているため途中の給油はない).とはいえ14時間のフライトはさすがに長く感じます.
そうこうしているうちに現地時間の18時頃(すなわち着陸の1時間ちょっと前)から軽い夕食の提供が始まります.もうすぐ着陸ですが,この後も飛行機に乗るだけなのでドイツビールをいただきました.その後機体は高度を下げ始め現地時間の19時過ぎに無事にフランクフルトの空港に到着しました。

(左写真3)前菜,(右同4)メインはお肉です
19時とはいえ緯度の高いドイツはこの時間帯はまだまだ明るくお昼のようです.ただ気温はさほどではなく20℃をちょっと超える程度でした(直前にヨーロッパも猛暑と聞いていたのでちょっとビビっていた).飛行機を降りてそのままターミナル内を移動,乗り継ぎの便のゲートを確認します.第1ターミナルのゾーンC出発から21時55分出発ということで掲示板を見ていたら、なんと"Delayed"の文字が… それによると新しい出発時間は明朝8時25分とのこと.これは空港で夜を明かすのか… と思いましたが,さすがにくたびれているのでどこかで休みたいと思い調べたら空港内にトランジットホテルがあることを発見,さっそくネットで予約しました.
(写真5)遅延,しかも出発は明日の朝です(泣)
ホテルは第1ターミナルのゾーンAの近くにあるということでそちらに向かったのですが、トランジットホテルの表記はあるものの入口が判りません.しばらくウロウロしてよくわからなかったのでその辺の係員に聞いたところ,ホテルはセキュリティの内側だという話、そりゃ見つからないわけだと感心しながらセキュリティを通って中へ入ります(ゾーンAは国内線らしく水などの液体物もスルーだった).標識に従って歩いてようやくホテルの入口を発見、チェックインし部屋に入りました(トランジットホテルだけあって設備は最低限しかない).夕食の時間ですが飛行機遅延のショックと疲労で食欲がなく適当にスナックで済ませました.
明けて現地時間の7月27日です.6時半ごろにトランジットホテルをチェックアウトをして出発のゾーンCに向かいます(ゾーン間には無料のモノレールが走っている).掲示板を見ると確かに我々の乗る便は遅延で8時45分発となっています.ゾーンCのセキュリティ(ここは国際線なので液体物含めPCなどチェックは厳しい)を抜け搭乗ゲートで出発を待ちます.ゲートに三々五々人が集まってきたなぁと思っていたら、いきなりアナウンスが流れて人々がブツブツ言いながら散っていくではないですか! 何があったのかとゲートの係員に聞くと、我々の乗る便は欠航になったこと,代替便については一旦セキュリティの外に出て715番カウンターで聞いてほしいとのことでした.あ~あと思ったものの,ここにいても仕方ないので来た道を引き返しセキュリティの外へ,そのまま進んで入国審査場を経由して(ドイツに入国)ターミナルの表玄関にまで出てしまいました.さっそく715番カウンターに向かったら長蛇の列,順番が来てカウンターで欠航の話をしたら,まだ航空会社のオフィスが開いていないので代替便は決まらないこと,10時半以降に改めて来て欲しいこと,ホテルとタクシーのクーポンを貰えることを告げられました.時計を見たらまだ8時,たしかに航空会社はまだ開いてない時間です.幸い近くにメインのクレカで使えるラウンジがあったのでそちらに移動,朝食と休憩の時間としました(フランクフルトのこの辺は椅子のあるカフェもないのでこれは助かった).
10時半過ぎになったために再度カウンターへ,今回も案の定長蛇の列,焦っても仕方ないのでそのまま列に並びます.しばらく並んでいたら係員が「ウィントフック便の乗客はいるか?」と聞いています.さっそく手を挙げたところ,専用のカウンタ-に案内されました.そこでのやり取りでは、本日の振替便はすでに満席であるため、明日になること.今日は会社が用意したホテルに滞在して欲しいこと.代替便については電話あるいはメールで伝える旨を言われました.また飛行機預け荷物についてはこのまま空港に留め置くため特に手続きはいらないとのことでした。とりあえず先の展開が見えたことにホッとし,空港外のタクシー乗り場から指定されたホテルに向かいました.
指定のホテルに到着しましたが、まだ部屋の準備ができていないとのこと(まあまだお昼の12時過ぎだし).遅延・欠航のトラブルでくたびれていたため観光に出ようなどというガッツはなく,ロビーの一画にあるバーでワインを飲みながら待つことに.2杯くらい空けたところで部屋の準備ができたらしく,そのままチェックインして部屋に入りました.このタイミングで航空会社からメールが入り,明日は21時45分発の便に決定した旨が伝えられました.ホッとした我々です.さて昨夜のトランジットホテルとは違ってこちらは普通のホテル、ミニバーこそないものの広々としています.我々はと言えばこれまでの疲れと時差ボケ(ドイツ時間午後2時ということは日本時間は夜9時)からの睡魔であっという間に眠ってしまいました.
次に目が覚めたらもう夜の8時過ぎ,ただ高緯度の夏時間のドイツゆえ、外はまだまだ明るいままでした.さすがにお腹がすいてきた(この日は朝に空港ラウンジで軽食を取ったきり)ためレストランに向かいます.航空会社のクーポンには夕食も含まれていたため,普通のビュッフェを選択,ただもう遅い時間だったせいかメニューは数種類のみ💦,それでもないよりはマシだと自分に言い聞かせながら食べました(なお飲み物は別料金だったがワインを注文した).食事後は部屋に戻って寝ようとしたのですが,さっきまで寝ていたこともあって眠れません.仕方ないのでフロントでビールを買ってしばしの晩酌タイムとなったのでした(さすがドイツだけにビールは充実).
そうこうしているうちに眠りにつき、明けて7月28日になりました.飛行機の出発は夜なのであわてる必要はまったくありません。チェックアウトの12時までまったりと過ごしてフロントで読んでもらったタクシーに乗って空港を目指します.
空港に着いたらまずはカウンターでチェックインの手続き,搭乗券を受け取ります.もっとも出発までは9時間近くあるのでラウンジでまったりすることにします.ラウンジはセキュリティ外の昨日も行ったラウンジのほかに,セキュリティ内部にもあります.ラウンジによっては利用時間制限があったりするので、まずは外のラウンジである程度時間を潰し,その後セキュリティ内に入って残りの時間をつぶすというパターンで行くことにしました.
(写真6) 超有名人の蝋人形と一緒に余裕を見せます
外のラウンジは昨日も行った場所なので勝手知ったる感じです.ここでは朝昼兼用のブランチをいただきながらさっそくワインも飲みました(それにしても7月26日の出発以来どれだけ飲んでいるんだ 笑).ただここのラウンジは利用時間が3時間までと決まっているため,15時30分頃に出ることにしました.そしてその後は出国審査を経て出発エリアに入り,飛行機が出発するゾーンCに向かいます.途中超有名人の蝋人形を見つけたため記念写真を撮りました.そしてセキュリティを抜けて出発ロビーに入ります.ゾーンCは利用客が少ないらしくこの日も閑散としていました.まずは付近の免税店でお酒を買い求めます.これは現地到着後に緊急に飲みたくなった用です.見渡したらなんと!スーパーニッカがあるじゃないですが,早速購入したのはいうまでもありません.その後搭乗ゲートを見るとたしかに我々の乗る便の表記はあります。それを確認して近くのラウンジへ.ここは特に利用時間制限はないらしくゆっくりと過ごします(軽食に加え、ワインも 笑).まったりしすぎて途中眠り込んだりしましたが,19時ごろに目を覚まします.メールをチェックしたら嫌な情報が,我々の乗る便がまたしても遅延するらしいのです.慌てて電光板を見に行ったら、見事に"Delayed"の文字が… 次の出発時刻は明日朝8時45分とのこと.

(写真7)一昨日と全く一緒の状況、まさにビューティフル・ドリーマー
なんかデジャヴ―というかうる星やつら~ビューティフル・ドリーマー~を想像してしまいました.というかここまでくると,我々の渡航を希望しない闇の勢力の陰謀ではないかとすら思えてきます.とはいえ遅延になったことには変わりはなく,これからどうするか考えなければなりません.幸い一昨日利用したトランジットホテルに空室があったため,急遽そこを予約し向かいました(一昨日行ったばかりなのでこの辺はスムーズだった).
チェックインを済ませ部屋に入ります.それにしてもまたしても遅延とは,これで明日の朝やっぱり欠航という流れが見えるだけに悲しいものがあります.とはいえ今更引き返すわけにも行きませんから,ここは前に進むしかないと決意を新たにしたのでした.部屋でシャワーを浴びて,さきほど免税店で購入したスーパーニッカを飲むことにします(遅延で一旦セキュリティの外に出てしまったため、明日チェックの際このウィスキーは廃棄になってしまう(泣)).ホテルで一晩明かして、翌朝29日7時ごろにチェックアウト,一昨日と同じようにモノレールでゾーンCに向かいます.セキュリティを抜け搭乗ゲートに入り周囲を見渡します.乗客は三々五々集まっており,特に変わった様子は見られません.外を見るとボーディングブリッジの向こうに飛行機が停まっています.これが我々の乗る飛行機なんだろうかと少し安心感がわくのでした.
(写真8)これから乗る飛行機
やがて搭乗開始となり人々が乗り込みます.どうやらこんどこそ出発できそうな様子です。我々も促されるままに機内へ.着席すると離陸の準備となります。本当に飛ぶのかと不安になりますが、やがて機体は動き出し無事に飛び立ったのでした.
安定飛行になって時計を合わせるのですが,この時期のナミビアとドイツの間に時差はないので時計を変更する必要はないのでした.しばらくすると機内食の準備がなされます.この日は朝食ということもあり,ドイツ名物のハムを選択しました(ワインも注文したのは言うまでもありません 笑).時差の無い昼行便ということもあり、無理に眠る必要はないのですが、食事とワインの後はどうしても眠くなります.しばしまどろんでいるうちに周囲の景色は砂漠になっています.

(左写真9)サハラ砂漠です,(右同10)ハムメインの朝食
おお!アフリカ大陸だ,と感慨にふける瞬間です.しばらくサハラを南下するコースを走り周辺に”トンブクトゥ”の表記が見えます.こここそ現在私が行ってみたい土地ナンバー1の聖地です.全土が退避勧告で現状訪問は困難ですが,いつの日か行けたらと願っています.

(写真11)黄金の都トンブクトゥ付近を飛ぶ
そんな感慨を抱いているうちに飛行機はアフリカ大陸を南下,アンゴラを過ぎていよいよ目的地であるナミビアのウィントフックに接近,まもなく着陸しました.c滑走路から駐機場に移動,ここではボーデイングブリッジではなく,タラップを降りてターミナルに向かうスタイルでした.音に出た第1声は,「寒い!」,事前にナミビアの冬は寒いと聞いていましたが,本当だと実感しました.到着後荷物の受け取りと進みます.羽田を出たのがほぼ4日前,果たして無事に荷物が届いているのかと非常に不安になりましたが,幸いロストバゲージになることもなく,すべて受け取ることができました.スーツケース6個を抱えて税関を抜けるとそこは到着ロビー,遅延・欠航・また遅延だったにもかかわらず,ちゃんと係の人が迎えに来ていました(感激).そのまま迎えの車に荷物を積み込み,当面滞在するホテルに移動しました.
現地時間7月29日22時,日本を出てから約90時間,長かったなぁ~と感慨に浸りながらナミビアでの最初の眠りについたのでした.
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