2018年4月21日 (土)

東京マドリガル会のミニコンサート

Madrigalhakone  週の後半になって一気に気候が良くなってきた感じがします.

 週末の金曜日,自分の勤務地の病院で東京マドリガル会のミニコンサートが開催されました.過去記事でも触れているように,ここは現在私が所属している合唱団体のひとつです.会が設立されたのはなんと!1929年(昭和4年)! 当時英国留学から帰国した黒澤敬一氏が滞英中に慣れ親しんだマドリガルを日本でも研究,演奏しようと有志と立ち上げたものです.同年12月に初めてのコンサートが東京の英国大使館で行われ,以後国際関係が緊張して,第二次世界大戦に突入していた時期も毎年途切れることなくコンサートを開催していたそうです.

 恒例のクリスマスコンサートは2016年の第88回をもって一度区切りとなりましたが,普段の例会(東京マドリガル会では日々の練習のことを例会と呼ぶ)は今も行われています.メンバーの高齢化等もあり主催のコンサートはなかなか難しいのですが,こうしたミニコンサートは是非にということでやってきたものです.

P1110434  当日は病棟の食堂が会場です.演奏したのは代表的な英国マドリガル4曲(モーレーの"Sing we and chant it",ギボンズの"The silver swan",ウィルクスの"On the plains Fairy trains",ダウランドの"Awake, sweet love")とイタリアのマドリガーレ1曲(モンテヴェルディの"O Primavera")をメインに英国民謡,そして最後に日本の歌を2曲という構成でした.

 うちの病院には昔からいろんな個人・団体が慰問にやってきます.合唱はもちろんですが,クラシックだと独唱,独奏,合奏,その他では演歌やダンス,お笑いから応援団の方々まで幅広いジャンルの方々がやってきました.ただ英国マドリガルが演奏されたのは病院史上初の出来事だったのではないかと思いました.患者さんも楽しまれていたようでしたが,鑑賞していた副院長が「面白いジャンルですね」と興味を持ったようでした.

 そんなイベントが行われた4月の週末でした.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月10日 (火)

歌劇「アイーダ」

Img006  もう数日たってしまいましたが,4月5日の夕方から新国立劇場に歌劇「アイーダ」の観劇に行ってきました.

 アイーダは19世紀を代表するオペラ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディの代表作の一つとしてあまりにも有名です.初演が行われたのは1871年カイロ歌劇場,オペラの舞台がエジプトなのは元々この歌劇場から発注されたご当地オペラだからです.生涯で26(改作等を除く)のオペラを作曲したヴェルディの24番目の作品で,当時ヨーロッパの音楽界に大きな影響を与えていたドイツのR・ワーグナーの主要作品よりも後に作曲されているにも関わらず,あまりその影響を感じさせない作品です(この後の25作オテロ,26作ファルスタッフにはその影響がみられる).

 このアイーダは4幕仕立てで,起承転結のはっきりとした悲劇ですが,一方で2幕の凱旋の場など祝典的て華やかなエンターテイメント性が極めて高い作品に仕上がっているために,新しい歌劇場のこけら落としのプログラムとしてよく取り上げられます.1997年に開場した新国立劇場でも,翌年1月に開場記念作品としてフランコ・ゼッフィエッリ演出による公演が行われました.この公演が非常に評判が良かったこともあり,以来5年おきに再演され,今回は通算5回目の公演となります.

 このゼッフィエッリの舞台,特に1幕&2幕はエジプトの砂漠をイメージさせる黄土色を基調とした舞台に何本もの柱やスフィンクスっぽい像やその他細かい舞台装置が配置され,非常に華やかな舞台になっています.2幕の凱旋の場ではそんな舞台上を,大合唱団やダンス隊,さらには馬までが所狭しと動き回るため,感動間違いなしの豪華絢爛な舞台となっています(古代エジプトに馬がいたのかという野暮なツッコミはなしで 笑).このプロダクション,チケットが完売しても黒字にならないほどお金がかかっているという説があるんですが,そうなんだろうなと納得できるのでした.

 今回はアイーダをイム・セギョンさん,ラダメスをナジミディン・マヴリャーノフさん,アムネリスをエカテリーナ・セメンチュクさんというのがメインキャストでした.3者3様で個性的だったんですが,個人的にはアモナズロ役の上江隼人さんが単なる敵役ではない,王としてのプライドを持った敵役としての風格を感じさせる演技でよかったです(実は代役だったんですよね).新国立劇場の合唱団は相変わらずレベルが高いし,やっぱりオペラはこうじゃなくちゃと思わせてくれる舞台でした.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月 3日 (火)

盛岡バッハ・カンタータ・フェライン演奏会

Img185  4月1日に盛岡に繰り出した目的のひとつは免許の更新だったわけですが,実はもうひとつ目的がありました.それが表題のコンサートです.

 実はこの合唱団,私も遠隔会員として参加しているところなんですが,昨年秋からなかなか練習に参加できず,今回のステージに乗ることはかないませんでした.ということで久しぶりの客席です♪

 今回のコンサートは,詩篇98篇の「主に向かって新しき歌を歌え」を歌詞に持つドイツプロテスタントのモテットシリーズです.第1部がハインリヒ・シュッツ,第2部がフェリックス・メンデルスゾーン,そして第3部がJ. S. バッハです.

 カンタータなど管弦楽や独唱も入った作品と違い,モテットは通奏低音のみのほぼ合唱オンリーの作品です.曲に占める歌う部分が非常に高く,難易度&疲労度はハンパありません.合唱団のメーリングリストなどでもかなり苦戦している様子が伝わってきていたんですが,パート練習など独自練習を積極的に行いこの日の本番を迎えたようです.

 で,演奏ですが,すごいです.これらの難曲を見事に消化して歌いきっています.もちろんちょっとハートが熱すぎるなというところもあったりしましたが,全体としては引き締まったいい演奏会だったと思います.

 次回の演奏会は再来年にバッハのマタイ受難曲とのこと.バッハの教会音楽の最高峰といわれる作品を常任指揮者の佐々木正利先生自身の指揮によって演奏するそうです.過去には客演指揮者によるマタイの演奏経験はありますが,佐々木先生自身の指揮によるものは40年の歴史の中で初めてだそうです.楽しみな企画ですが,今度はぜひ自分自身も参加したいと思ったのでした.

 免許更新からコンサートまでちょっと時間があったので,久しぶりに市内を散策,岩手銀行赤レンガ館(旧岩手銀行中の橋支店)を見学しました.

Img_0323 Img_0326

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月23日 (金)

天正遣欧使節団とグレゴリウス13世

 今日3月23日は世界気象デーなんだそうですが,一方で安土桃山時代の天正年間に,当時日本に滞在していたイエズス会士ヴァリニャーノの発案で,九州のキリシタン大名(大友宗麟,大村純忠,有馬晴信)の名代としてヨーロッパに派遣された少年たち,いわゆる天正遣欧使節団が時のローマ教皇グレゴリウス13世に謁見した日なのだそうです(1585年3月23日).

Japanesedelegatesandpopegregory13  グレゴリウス13世といえば,今世界の標準暦として使われているグレゴリオ暦の制定者として知られています.キリスト教で最も重要な行事が復活祭ですが,この復活祭の日にちを決める春分の日が当時のユリウス暦の日付と現実の春分の現象が乖離してきていたのが制定の動機です.このグレゴリオ暦はユリウス暦1582年10月4日の翌日を10月15日とすることで開始されました.件の遣欧使節団がヨーロッパに到着したのはまさにこの改暦のちょっと後だったことになります.

P8310606  そんな天正遣欧使節団の存在を自分が初めて知ったのは歴史の授業ではなく,NHKの人形劇でした.それは昭和53年4月から翌年3月まで放送されていた人形劇「紅孔雀」,舞台は江戸時代初期の紀伊半島ですが,主人公那智の小四郎の父親が若い頃に遣欧使節の世話役としてローマに行ったという設定になっていたからです(使節の4人の少年ではない).

 使節団には4少年のほかに教育係や技術留学生的な役割の日本人が同行していたとされているので,そうした人物の一人だったという設定だと思われます(こうしたメイン人物が歴史的派遣団の一員だったという展開は,大河ドラマ「獅子の時代」に似ている).

 この紅孔雀はまだビデオテープが高価だった時代の作品であり,NHKにも映像が残っていない幻の作品だったのですが,何年か前に民間でビデオが発見されたというニュースがありました.後作品のプリンプリン物語と一緒ですが,プリンプリンがBSとはいえ再放送されたのに対して,紅孔雀の方はそんな気配はありません.個人的に好きな作品だったので,一部でいいからぜひ放送してほしい(あるいは販売でもいい)と思っています.

 天正遣欧使節から紅孔雀まで,話題が膨らんだ3月23日でした.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月20日 (火)

歌劇「松風」

Img003

 南アフリカ旅行からほぼひと月が経過しました.季節外れに休暇を取ったこともあり,帰国後はほぼ職場でひたすら仕事の日々だったんですが(余暇は2月6日に宇宙戦艦ヤマト2202を観に行ったくらいか),2月18日日曜日に新国立劇場で上演された歌劇「松風」を観劇してきました.

 松風は日本の古典芸能である能の有名な演目を細川俊夫がオペラ化したものです.そのオリジナルは「撰集抄」や「源氏物語」中にある説話や「古今和歌集」にある歌をベースに室町時代の観阿弥が猿楽としてまとめたもの,罪を得て須磨の地に流された在原行平が愛した地元の娘,松風・村雨姉妹の物語です.

 オリジナルが能とはいえ,歌詞はドイツ語で,楽器も風鈴が用いられる以外は基本的に西洋の楽器です.能の面が登場することもありません.しかし,セリフ回しや構成は普通の西洋オペラとは異質な能の空気に満ちています.語り手たる旅の僧,亡霊である松風・村雨の未練から狂気を経て(おそらくは)成仏していくという一連の流れが,途切れることなく緊張感の高い音楽と踊りでつながっていきます.1幕モノの狂気作品ということでR・シュトラウスの「サロメ」を想像したんですが,エログロなど世紀末的退廃が前面に出ているサロメと違って,もののあわれに代表される日本的な美しさが際立つ作品に仕上がっていました.シンプルな言葉と音楽,そして踊りが融合する舞台は,いわゆる歌劇とはことなる総合芸術作品だなと感心しました(和風のワーグナーか? 笑).

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 2日 (金)

パレストリーナの命日

Giovanni_pierluigi_da_palestrina  今日2月2日は夫婦の日とか,ツインテールの日とか言われていますが,ルネッサンス期を代表する作曲家ジョバンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナの命日です(1594年のこの日に没).

 ルネッサンス期の教会音楽は,15世紀のデュファイやオケゲム,16世紀のラッソに代表されるフランドル地方出身の作曲家たちが活躍した時代です.当時の教会音楽がフランドル楽派とによって呼ばれる所以ですが,それはカトリックの中心地ローマも例外ではなく,教皇庁の音楽隊もその主力はフランドル出身者が担っていました.

 そんな時代にイタリア出身の作曲として同時代に大きな足跡を刻んだのが表題のパレストリーナです.ミサ曲やモテットなど数多くの教会音楽を作曲し,教会音楽の父などとも呼ばれています.バッハなど後世の作曲家にも大きな影響を与えました.

 そんなパレストリーナの諸作品の中で,合唱人の間でとりわけ有名なのが,モテット”Sicut Cervus”です.これは詩篇42篇第1節に作曲されたもので,意味は「鹿が泉の水を求めるように,私の魂は,神よ,あなたを求める」というものです.この作品があまりに有名なので忘れられがちなんですが,実はこの作品は第1部で,それに続く第2部が存在します.それが同詩篇第2節に作曲された”Sitivit anima mea”になります.本来は連作で続けて演奏されるものですが,世間では第1部が有名過ぎて,それ単独の作品だと思われている節もあります.両者の認知度のギャップが激しいことから,私は両者を第1体操,第2体操と呼んでいたりします.

Img_3552 Img_3553 (写真) 左が第1部”Sicut cervus”,右が第2部”Sitivit anima mea”

 自分も第2体操の方はほとんどアンサンブルの経験がなかったんですが,最近某所でこれを歌う機会があり非常に感銘を受けました.

 そんなパレストリーナの命日,現代はyoutubeでマイナーな第2部も普通に聴けてしまうから素晴らしい時代です.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月24日 (日)

クリスマスソングの集い

Img177 昨日12月23日は市内のスタジオで開催されたクリスマスソングの集い(略称クリソン)に参加してきました.

 このイベントは,地元医師会合唱団関係者が企画・運営を行なっているもので,団員のみならず団員ゆかりの方ならだれでも参加ができる会です.お酒や料理をいただきながら、参加者それぞれが出し物をしたりして大いに楽しもうというイベントで,季節がら事実上医師会合唱団の忘年会という感じでもあります.

Dsc_1819 13時に乾杯とともに宴の開始です(自分は最初の1杯のみ缶ビールで2杯目以降はシャンパン,ワイン,日本酒 (^^)v).しばらく懇談したのち,さっそく各自がこの日のために準備してきた出し物を披露します.独唱,重唱,合唱といった声楽だけではなく,ピアノやフルートなどの器楽やバンド,さらには朗読などそれこそ何でもアリです(うちのKは重唱をやっていた).

Dsc_1815Dsc_1824 料理やお酒は持ち寄りのほか,料理が上手な団員によるホテル並みカレーなども登場しました.時間がたつのも忘れて飲み歌いました.

 ちなみに自分の出し物ですが,全く準備する暇がないまま当日が迫ってきたため,今年のひのパレ用の小道具で購入した三味線をお粗末に弾くことと,いつかやってみたいと思っていた「積水ハウスの歌」の合唱を有志でやってみました.

Dsc_1834(写真) 三味線抱えた自分,この段階でしこたま飲んでます(笑)

 楽しい宴は19時でお開き(それでも6時間!!),例年このイベントではしこたま飲み過ぎて翌日具合が悪くなるパターンなんですが,今年は踊ったりしなかったのが功を奏したのか,例年になく元気に朝を迎えたのでした.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 1日 (金)

新国立のばらの騎士

Img160  気が付いたら12月に入ってしまいました.別名師走ともいわれますが,師匠も走ってしまうほど忙しい年の瀬ということになります(仕事だけではなく忘年会など宴会方面でも忙しい月です).

 そんな12月に入る直前,11月30日は東京初台の新国立劇場にオペラ観劇に行ってきました(11月はこれで4公演目だ (^.^)).演目はR. シュトラウスの「ばらの騎士」,そういえば7月にも二期会の公演で観た演目です.

 ポストワーグナー時代の重要な作曲家であるR. シュトラウスのオペラ作品,当初は「サロメ」や「エレクトラ」といった不協和音を多用した前衛的な作風だったんですが,1911年に初演されたこの「ばらの騎士」では音楽はむしろ保守的になり,非常に聴きやすい作品に仕上がっています(シュトラウスと台本作家のホフマンスタールは「モーツァルトを意識した」と語っている).

Dsc_1793  作品舞台は18世紀女帝マリアテレジアの時代,権力,財力がある一方で夫が留守がちで今の生活に満足していない美貌の元帥夫人とその愛人である若い貴族オクタヴィアン,夫人の従兄弟で粗野で好色だけどどこか憎めないオックス男爵,成金の新興貴族ファーニナル家の娘ゾフィーの4人がからむ恋愛劇です.タイトルのばらの騎士というのは,当時のウィーンには婚約にあたって男性から女性に銀の薔薇を送る習慣があり(ただしこれは事実ではなくホフマンスタールの創作),この薔薇の運び役の騎士をばらの騎士と呼ぶことに由来します.劇中オックス男爵とゾフィーが結婚することになり,オクタヴィアンがばらの騎士としてゾフィーの下に行くわけですが,そこで2人が恋に落ちて… という展開になります.

 実は自分,若い頃はこのオペラあんまり好きじゃなかったんですが,中年になって改めて観て,「いいなぁ~」となった作品です(歳を経た方がよさがわかる代表的作品かも).今回の公演は2007年初出のジョナサン・ミラー演出の再々再演になります.前回の公演が2015年でしたからわずか2年後の登場ということで飯守芸術監督のお気に入りなのかとも思っています.出演者は元帥夫人にリカルダ・メルベート,今年の6月にジークフリートでブリュンヒルデを歌った方です.大柄で威厳のある夫人を演じていました.オクタヴィアンは当初予定は別の方だったんですが変更でステファニー・アタナソフに,実はオックス役のユルゲン・リンと同じく2015年の公演時といっしょだったので既視感がありました(笑).そしてゾフィー役が同劇場初登場のゴルダ・シュルツ,バイエルンでの同役が絶賛された新鋭ということで期待していたんですが,伸びのある声やちょっとコケティッシュな演技が若いゾフィーっぽくて良かったです(フィガロのスザンナ役なんかピタリかも).

 で,終演後は劇場内のレストランへ.この前日が11月29日の「いい肉の日」だったのに肉を食べていなかったこともあって,肉が出てくるコースをいただいたのでした.

Img_3382 Img_3383  左がメインの国産牛サーロインのタリアータ,右がデザートの林檎のコンボスタです (^^)v.食に音楽に充実した月末でした.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月24日 (金)

歌劇「椿姫」

Img172  11月はオペラ鑑賞強化月間! と決めたわけでもないんですが,11月6日の武蔵野でのプラハ国立のルチアに続き,昨日11月23日は新国立劇場の椿姫公演に行ってきました.

 ヴェルディ中期を代表する作品のひとつである椿姫(原題はラ・トラヴィアータ 道を踏み外した女?)は小デュマの同名の小説をオペラ化したものです.美しいアリアの数々,テンポよく進んでいくストーリー,全体で2時間程度とよくまとまっていることもあって非常に人気があり,上演頻度の高い作品です(これは海外歌劇場の引っ越し公演だけではなく,市民オペラレベルでもよく上演されている).自分もオペラになじみがない人にお勧めする作品としてプッチーニのラ・ボエーム,トスカとともにこの作品を挙げています.

 それだけ有名な作品なので,自分もいったい何回生鑑賞したのか覚えていないほどですが(笑),今回のヴァンサン・プサール氏演出の公演は2015年の初出を含めて2度目の鑑賞でした.鏡を効果的に使った色彩の美しい舞台です.配役としてはヴィオレッタ役のイリーナ・ルングさんの声が良く響いていて素晴らしかったです.

 椿姫の時代のアリアは,ゆったりとしたテンポのカヴァティーナと,アップテンポなカヴァレッタの2部構成が基本形なんですが,かつては後半のカヴァレッタ部分がカットされる演奏が一般的でした(理由としては物語展開が停滞しやすいため).しかし,近年特に新国立ではこうしたカットをしない演奏が増えており,今回も2幕第1場最初のアルフレードのアリア,同最後のジェルモンのアリア(カヴァティーナ部分が有名な”プロヴァンスの海と陸”)ともカヴァレッタが歌われていたのは嬉しかったです(自分この部分好きなので).

Dsc_1785  終演後は新宿の小田急百貨店に入っているKINKAWOOKAへ,ちょうど生牡蠣の半額キャンペーンをやっており,「こりゃ食うしかない!!」というわけで,ワインとともにいただきました (^^)v

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 7日 (火)

ハンガリー国立歌劇場のルチア

Img159_3

 気が付いたら11月になりました.10月はいろんなことがあって余裕がない1か月だったことあり,仕事以外での遠出もありませんでした(自分的には珍しいかも 笑).そんな10月の下旬にハンガリー国立歌劇場が来日していることに気づきました.今回の演目はJ. シュトラウスの「こうもり」とドニゼッティの「ランメルモールのルチア」です.オペラ好きの自分,しかも最近娯楽がなかったこともあり,こりゃ行くしかないと決意した次第です.で,鑑賞する演目ですが,「こうもり」も魅力的ですが,自分的にはやっぱり「ルチア」だろうということで,近郊で開催される「ルチア」の日程を調べてみました(こうもりは今後二期会と新国立で鑑賞予定あり).

 しか~し,ほとんどの日程が出張と被っています.唯一観に行けそうなのが,11月6日武蔵野市民文化会館での公演ということで,チケットを入手し行ってきました.

23172574_1518479641582729_791107611  ルチアの概要に関しては今年の3月に新国立劇場での公演の際に記事(新国立劇場のルチア )にしているので多くは語りませんが,19世紀イタリアで流行した狂乱オペラの傑作です.今回タイトルロールを歌うのはハンガリーのエリカ様(笑)こと,エリカ・ミクローシャさん,当たり役は魔笛の夜の女王とのことで,コロラトゥーラの名手です.この日のルチアでも後半の20分もの長大アリアを朗々と聴かせてくれました.

 ランメルモールのルチアといえば,タイトルロールのルチアの悲劇というイメージが強いんですが,自分的にはルチアの政略結婚の相手であるアルトゥーロ・バックロー卿の方がよっぽど悲劇じゃないかと感じます.なぜなら,アルトゥーロは単に金持ちだということでルチアの兄,エンリーコ・アシュトン卿によってルチアの政略結婚の相手にされ,彼女との結婚式に呼び出されました.まあ政略結婚のことは彼も認識はしていて,やってきた際には「自分が来たからにはこの家も大丈夫だ」的なことを言って歓迎されるんですが,肝心の花嫁(ルチア)には邪険にされ,さらに式にはルチアの彼氏だと名乗る男(エドガルド)が乱入してきます.極め付けには式の晩に発狂したルチアに無残にも殺されてしまうというのですから全く悲劇の一言です.しかも犯人のルチアは犯行時心神喪失状態にあり,今の裁判なら罪に問われない可能性が高いなどまったくもって浮かばれません.現代のワイドショーなんかだと,

「結婚式暗転!富豪のアルトゥーロ氏,花嫁に惨殺される.二人の間に一体何が?」

などと格好のネタにされることは間違いないでしょう.そんなことも感じたルチア公演でした.

Dsc_1772  ちなみに会場となった武蔵野市民文化会館でのコンサートを主管する武蔵野文化事業団は独特のチラシで一部の間で人気が高いんですが(笑),この日の会場入り口にもこうしたチラシ(武蔵野チラシ)がたくさん張られていましたが,その中にあって稲垣潤一のコンサートのみ普通のチラシでした.きっとこれは,武蔵のチラシにしてはまかりならぬという稲垣潤一の事務所の圧力があったのではと想像しています.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧