2023年3月12日 (日)

3・11祈りのコンサート(最終回)

Img20230315_08083053  3月11日は2011年に東日本段震災が起こった日です.2011年3月11日,宮城県沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生,その後の大津波や原発事故等で東北を中心に大きな被害が出ました.現在関東在住の自分も,計画停電等,この震災の影響がないとは言えませんでした.

 この震災では多くの方々が亡くなったり傷ついたりしましたが,そうした方々の魂や心を慰めるべく始まったのがこのコンサートです.プログラムは実行委員長の挨拶に始まり,震災の発生した14時46分に黙祷,その後モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス,そして同じくモーツァルトのレクイエムを演奏し,最後は拍手ではなく再び黙祷で終演という流れです.2014年に第1回が行われ今年が10回目になります.これまで自分も何度かステージに乗って参加させていただいたコンサートですがコロナ禍もあってここ数年は参加できませんでした.ただ元々10回を一つの節目とするとアナウンスされていたこともあり,今回はどうにか参加したいと思い10回目にして初めての客席からの参加となりました.

Dsc_2535  この日は朝家を出て東海道線と東北新幹線を乗り継いで仙台駅に着いたのは13時50分,そのまま歩いて会場の電力ホールに向かいました.ホールに着いたのは14時10分頃でしたが,すでに客席は大賑わい,もう少し遅かったら座れなくなるところでした(結局立ち見が出ていた).

Dsc_2537 Dsc_2536  時間が来てプログラム開始,合唱団,ソリスト,オーケストラともに東北地方で活動している方々が中心ですが,今回は節目の回ということで東京在住の大学合唱団時代のメンバーも多数参加していました(合唱団は総勢160人!).実行委員長の高坂先生の挨拶に続き,演奏が始まります.メインプログラムのモーツァルトのレクイエムは通常のジュスマイヤー版ではなく,昨年(2022年)発表されたオシュトリーガ版によるものでした(20世紀末に発表されたレヴィン版同様Lacrimosaの最後にアーメンフーガが入るほか,Sanctusが短調,Benedictusの前奏がないなどの特徴がある).演奏者の心がよく伝わってくる素晴らしい演奏だったと思います.あと今回はLacrimosaとDomine Jesuの間にあの日南三陸町の志津川病院に勤務していて被災した菅野武医師によるメッセージもありました.

 終演後はそのまま駅に戻って東京へとんぼ返り,仙台滞在はわずか3時間でしたがとても印象深い一日になりました.

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2023年2月 2日 (木)

歌劇「タンホイザー」

Img20230201_07445906  最近オペラの話題が多いのですが,1月31日に現在新国立劇場で上演中のワーグナー作曲,歌劇「タンホイザー」の公演を鑑賞してきました(今月3回目のオペラ鑑賞).

 ワーグナーはイタリアのヴェルディとともに,19世紀を代表するオペラ作曲家です.ヴェルディ同様主要作品がほぼオペラに限られることから,世間での知名度はモーツァルトやベートーベンには及びませんが,同時代や後世に与えた影響の大きさでは計り知れないものがあります.彼ももヴェルディ同様,後になるほど作品が円熟化して完成度が高くなっていく成長型の作曲家です.ワーグナー作品の特徴としてレチタチィーヴォ,アリアの区別のない音楽(無限旋律)や指導動機(ライト・モティーフ)の多様などが知られていますが,これも彼の初期作品から見られたものではなく,徐々に形成されていったスタイルです.今回上演されたタンホイザーは従来型のオペラからワーグナー的なオペラへの移行期に位置づけられる作品です.ワーグナー作品といえばとにかく上演時間が長いという印象がありますが,本作は休憩抜きで3時間と常識の範囲内(笑)に収まっています.

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(左)上演時間,(右)幕間にはスパークリングワイン

 内容は中世のタンホイザー伝説とヴァルトブルクの歌合戦の伝説をワーグナーが独自に融合させたもの.気高い女性の自己犠牲により罪深い男性が救済されるというテーマは極めてワーグナー的です.音楽は有名な序曲や2幕の大行進曲,3幕の夕星の歌や巡礼の合唱など親しみやすい部分も多いです.特に合唱の荘厳さは自分的には非常に好きな部分です.今回の公演ではタンホイザーにステファン・グールド,エリザベートにサビーナ・ツヴィラク,ヴォルフラムにデイヴィッド・スタウト,領主ヘルマンに妻屋秀和といった錚々たるメンバーを揃えていました.休憩含めて4時間ですが,それほど長く感じさせないのもこの作品の魅力です.魂が洗われるような公演でした.

 終演後は劇場内のレストランへ.実は新国立の公演に来たのは昨年5月の「オルフェオとエウリディーチェ」以来だったので,ここに来たのもすごく久しぶりです.この日は終演が18時過ぎと夕食にはピッタリな時間だったこともあり,フルコースをいただいたのでした(もちろんワインも).心も胃袋も満たされた1日でした.

Dsc_2432 Dsc_2433 Dsc_2434 Dsc_2436 Dsc_2437 Dsc_2438(左上)お酒はシャンパン,(中上)前菜は蕪のムースと魚介のマリネ,(右上)パスタは牡蠣とトレビスのトマトソース,(左下)魚料理 鮟鱇のパンチェッタ巻き,(中下)肉料理 ザワーブラーテン,(右下)デザートは苺のスープ バニラのジェラート添え

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2023年1月30日 (月)

歌劇「トスカ」

Img20230201_07434573  昨日1月29日は上野の東京文化会館に藤原歌劇団のトスカ公演に行ってきました(今月2本目のオペラ鑑賞).

 オペラ作品というと,17世紀のモンテベルディから現代まで,いったい何作品あるのか数えるのも不可能ですが,その中で誰もが納得するであろう名作となると,ある程度絞られます.このプッチーニによって19世紀最後の年である1900年に発表された「トスカ」は,多くの人が認めるであろう名曲中の名曲でしょう(もっとも同時代の作曲家であるマーラーは本作を駄作と呼んだそうですが…).オペラを初めて見る人に何を薦めるかと問われてトスカを押す人も多いと思います.その理由としては,まず時間が程よいこと(全3幕合計2時間ほどと映画並み),ストーリーがわかりやすくスリリングであること,登場人物のキャラだ立っていて感情移入しやすいこと,美しいアリアが堪能できることなどが挙げられます.

 物語はフランス革命後のナポレオンが台頭し始めた時期のイタリア・ローマ,自由主義者で政治犯のアンジェロッティとその友人の画家カヴァラドッシ,カヴァラドッシの恋人の歌姫トスカと自由主義者を徹底的に弾圧する一方で,ひそかにトスカをものにしようと野心を抱くローマ市の警視総監スカルピアが織りなす人間ドラマです.アリアとしてはカヴァラドッシによる1幕の「妙なる調和」,3幕の「星は光りぬ」,トスカが歌う2幕の「歌に生き恋に生き」はオペラ史でも屈指の名アリアです.

 劇としても2幕でスカルピアがカヴァラドッシを拷問にかける様子を聴かせながら,トスカを精神的に追い詰めていく場面など非常に緊張感の高いシーンが続きますが,個人的には1幕最後の人々がテ・デウム(「神である汝を讃えん」を合唱する傍らでスカルピアが自らの野心を歌う場面が非常に好きです.

 今回の公演は土日をダブルキャストによる上演で,キャストはすべて邦人歌手でした.演出もオーソドックスなもの(というかリアリズムを目指しているヴェリズモオペラの範疇に入る本作においては突飛な演出はやりにくいでしょう).そんな名作を堪能した1日でした.

 オペラ鑑賞というと,その後の食事までがセットと考える我が家,この日は四谷三丁目にある音威子府TOKYOさんに繰り出し,蕎麦や焼酎を堪能しました.

Img_9581 Img_9582(左)礼文島の昆布焼酎,(右)黒い音威子府そばと白い新得そばの食べ比べ

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2023年1月27日 (金)

ヴェルディの命日

 今日は1月27日、当ブログでも毎年のように書いているんですが、この日は古典派の重要な作曲家であるW. A. モーツァルトの誕生日です。毎年彼の故郷であるザルツブルクではこの誕生日の前後10日間程度の日程でザルツブルク・モーツァルト週間という音楽祭をやっています。夏のザルツブルク音楽祭に比べるとマイナーで、世間の休暇時期ともずれている為、比較的リーズナブルに著名オケ(ウィーンフィルなど)のコンサートを鑑賞することができます。我が家でも2019年に参加し約1週間モーツァルト漬けの生活を送ったのを懐かしく憶えています(せっかくだからと時間を作ってアウグスブルクの父レオポルト・モーツァルトの実家に行ったら休みだったというオチまでついています 笑)。

 そんなモーツァルトで有名な1月27日ですが、実は19世紀イタリアを代表する作曲家G. ヴェルディの命日でもあります。幅広いジャンルの作曲作をしていて世間一般の知名度が非常に高いモーツァルトに比べてヴェルディはその主要作品がもっぱらオペラであることから、オペラに関心のない層の知名度はかなり下がりますが(この辺はワーグナーもそう)、音楽史に占めるその地位はかなり高いものがあります.

 作曲家には天才型と成長型とでもいえるタイプ分けがあります.すなわち前者は若年時代から凄い作品をバンバン作る作曲家,後者は後になるほど円熟した作品となっていくタイプです.前者に該当するのがモーツァルトやロッシーニだとすれば,ヴェルディは明らかに後者になります.ヴェルディが生涯に書いたオペラは26作品(改訂版を除く)ありますが,評価が高く世界の歌劇場で上演され続けているのは16作目のリゴレット以降の作品です。トロヴァトーレ(17番目)、椿姫(18番目)、仮面舞踏会(21番目)、運命の力(22番目)、ドン・カルロ(23番目)、アイーダ(24番目)、オテロ(25番目)、ファルスタッフ(26番目)と錚々たる作品が並んでおり,その中でも後になるほど円熟味を増していくのがよくわかります.これらのレパートリーは現在でも世界中の歌劇場で繰り返し上演されているものばかりです.これだけ多くの高頻度上演作品を持つのはヴェルディが一番です(次点はプッチーニでしょう,ワーグナーは有名ではあるが演奏難易度が高いので上演頻度は多くない).

 一方でリゴレットより前のヴェルディの15作品は極めてマイナーです.この中では3作目のナブッコと10作目のマクベスが時々上演される機会がある程度でそれ以外の作品はほとんど上演されることがありません.そんなヴェルディのマイナー作品の中で第6作目の二人のフォスカリを今年の9月に藤原歌劇団が上演するらしいです(プレリリース).個人的に非常に楽しみにしています。

Mozart01 Giuseppe_verdi02(左)W.A.モーツァルト、(右)G. ヴェルディ

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2023年1月21日 (土)

歌劇「オテッロ」

Img20230121_10500743  オペラ好きの我が家,2023年の初オペラ鑑賞はロッシーニのオテロでした.シェークスピアのオセロを原作にしたオペラとしてはヴェルディのオテロがあまりにも有名です.ボーイトの優れた台本と円熟期のヴェルディの音楽が融合した非常にドラマ性の高い緻密な作品は,ワーグナーの影響がヨーロッパ中に広がった時代の中でイタリアオペラの伝統を維持しつつ劇と音楽を見事に調和させた傑作です.今回鑑賞した作品はそんなヴェルディの大先輩ともいえるロッシーニが作った同名の作品となります.

 ロッシーニといえばセビリアの理髪師やチェネレントラなどの喜劇的な作品が有名ですが,非常に多作な作曲家だったことから非喜劇的な作品も多く書いています.このオテッロは時期的にちょうどセビリアとチェネレントラの間に作曲されたものです.原作はもちろんシェークスピアですが,当時はベルカントオペラ全盛の時代,主役の歌手が高難度のアリアを歌い観客が熱狂していた時代です.本作もそう言う作品であることは言うまでもありません.特に主役のオテロ(テノール)には高度な歌唱技術や声量が求められ,現代ではこれを歌いこなせる歌手がなかなか得難いのが,この作品がなかなか上演されない理由の一つになっています.さらにはもう一人の主役であるデズデーモナ(ソプラノ)や脇役のロドリーゴ(テノール),イヤーゴ(テノール)も難度の高い歌があります(難度の高いテノールを3人も必要とするというとても贅沢な作品です).今回はオテロ役にジョン・オズボーンを招聘し実現した模様です.

 会場は新百合ヶ丘駅近く,昭和音大のテアトロ・ジーリオ・ショウワ,都内のホールに比べて近いのが魅力です(笑).今回は2階席の最前列にしたのですが,このホールの場合最前列前に柵があって,背筋を伸ばさないと柵が視界に入り舞台が見えにくいという問題があることがわかりました(2列目の方がいいかも).

 曲は序曲からロッシーニっぽさ全開,アリアはコロラトゥーラありでハイCやDも出てくるし,どんどん場面を盛り上げていくロッシーニ・クレッシェンドも健在です.曲調も全体に明るいので1幕のフィナーレや2幕の三重唱(オテロ、ロドリーゴ、デズデーモナ)なんか歌詞の内容は修羅場ですが、曲だけ聴くとセビリアやチェネレントラと違和感がない感じです.当時(1810年代)のイタリアでは町によっては舞台上で殺人を描くことが禁止されていたケースもあり,そうした町で上演する際にはオテロとデズデーモナの誤解が溶けて最後はハッピーエンドになるように改定された版もあったそうですが,元々の音楽が明るいのでそうしても違和感がない作品だなとは感じました.ヴェルディ作品だとイヤーゴは徹底的な悪人として描かれていますが、ロッシーニではそこまでキャラが立っておらず,チョイワル親父といった感じです.ヴェルディ版ではオテロの嫉妬を掻き立てるアイテムとしてハンカチが登場し,不倫疑惑の状況証拠として重要な役割を果たしますが,ロッシーニ版では手紙がその代役となります.ただ手紙は別に宛名があるわけでもなく,自分的には「オテロ、お前そんな簡単に騙されるなよ」と思ったのでした.

 終演後は久しぶりに牡蠣が食べたいと思い町田のオイスターバーへ,生牡蠣やガンガン焼きなどを堪能したのでした.

Img_9568 Img_9569(左)生牡蠣,(右)牡蠣のガンガン焼き

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2023年1月18日 (水)

壁画

 職場の周辺に古ぼけたコンクリート塀があるんですが,先日そこを眺めていたらあることに気づきました.

 壁の汚れがなんか人の顔に見える…

 ちょうど聖徳太子とか源頼朝とか、あごひげを蓄え烏帽子を被った人物画のように見えます.長年見ていたハズなんですが今まで気が付きませんでした(まあ、普通そんなに注意して見ないだろうし 笑).

Img_9563 Img_9570 問題の壁画(右はちょっと写真に筆を入れてみました)

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2022年11月29日 (火)

喜歌劇「天国と地獄」

Img20221129_17524294  オペラ好きの我が家ですが、夏以降は結構忙しくなかなか鑑賞に出向く機会が無くなっていました(そもそも新国立はシーズンオフでもある).振り返ってみると最後に鑑賞したのが7月3日の日生劇場でのコジ・ファン・トゥッテでした(その前が5月19日新国立のオルフェオとエウリディーチェ).その間11月13日には日生劇場のルチアに行く予定もあったのですが,別用とぶつかってしまい知人にチケットを譲ったということもありました.そんな中4か月半ぶりの鑑賞となったのが表題の天国と地獄,主催は東京二期会です.

 このオペレッタはオッフェンバックの作曲で1858年にパリで初演されたものです.原題は「地獄のオルフェ」,当時リヴァイヴァルブームが起こっていたグルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディで,本来は最愛の妻エウリディーチェの死を嘆いたオルフェオが地獄に彼女を向けに行くお話だったものを,お互い愛人を持つなど冷え切った関係でありながら世間体を気にして別れられない夫婦の話に改変されています.ナポレオン3世治世下のパリで大成功を納め,オッフェンバックの代表作のひとつとなっています.特に第2幕に登場するフレンチ・カンカンは日本でも運動会などで非常に有名です.ただ,有名な割にはオペラそのものの上演頻度は低いのも事実で,私自身も生鑑賞は過去に2回しかありません.その2回のうちの1回が二期会による公演で,今回はその再演でした(前回は3年前).ジュピターをはじめとした天国の面々が白を基調とした服装なのに対してプルートなど地獄のキャラが赤を使うなど色彩の対比も面白い演出です.今回は1858年の初演版をベースにした上演でした.このため一般的に序曲とされている部分は演奏されませんでした(世間で「天国と地獄 序曲」とされているものはオッフェンバックのオリジナルではない).セリフ、歌全て日本語訳の舞台は肩が凝らずこれぞオペレッタという感じでした.

 オペラって本当に楽しいなと実感した舞台でした(次行けるのはいつか 笑).

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2022年11月20日 (日)

東京21合唱団第16回コンサート開催

2116__01  しばらく更新が滞っておりました。11月3日の山梨ヌーヴォー以降は色々やらなければならないことが多くて,こちらに手が回りませんでした。

 そんな中ですが、先週の金曜日に私がメインで活動している合唱団の一つである東京21合唱団の4年ぶりのコンサートが行われました。コロナの第6波が収束した4月から練習を隔週で再開し,6月からは毎週の通常練習へ,そこから5か月でのコンサートとかなり突貫工事でした。この間第7波もありましたが,国ウィズコロナに舵をきったことや重症化率の低下を受けて中断することなく練習を積み上げてきました。その成果としてのコンサートとなりました。11月17日の器楽合わせ,18日の本番と非常に充実した2日間となりました。聴きに来てくださった方々,協力して下さった方々本当にありがとうございました。

 次回演奏会は2023年11月17日,同じ霊南坂教会でC. グノーの聖チェチーリア荘厳ミサ曲をメインに取り上げる予定です。

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2022年11月 5日 (土)

山梨ヌーヴォー

 新酒ワインといえばフランスのボジョレーヌーボーが有名です。例年11月の第3木曜日に解禁されるそれは、初物好きな日本人の感性にあうのか結構話題になります。一方で国内でもワイン醸造が盛んな山梨県にも同じコンセプトのものがあり、こちらは山梨ヌーヴォーの名前で11月3日に解禁となります。ボジョレーヌーヴォーが同地特産の「ガメイ」を使用した新酒なので必然的に赤ワインであるのに対して、山梨ヌーヴォーは白ワイン用の品種である「甲州」と赤ワイン用のそれである「マスカット・ベーリーA」を使うため赤白両方あるのも魅力です。昨年は日中昇仙峡を散策して夕方から勝沼に行ってヌーヴォーを楽しみましたが,今年は甲府市内で飲み、ついでにレストランで食事もしようという算段になりました。

Dsc_2398 11月3日文化の日は晴れの特異日として知られています。昨年に続き今年も見事な青天でした。まずは河口湖のそばにある「河口湖 音楽と森の美術館」に行きました。以前テレビ東京の水バラで太川陽介が訪問していたのを見て、一度行ってみたいなと思っていたからです。ここはたくさんの自動演奏楽器があり、様々なコンサートが楽しめます。部屋全体が巨大な自動演奏楽器になっているホールや歌手とのコラボ演奏,動く紙芝居という感じのサンドアートとのコラボなどがありました(半日滞在して一通りのコンサートを堪能しました)。昼食は併設されたレストランで。ダリの好んだ甲殻類のトマトクリームスパゲティをいただきました(この段階ではまだ自動車利用なのでワインは無し 笑)。

Dsc_2394_20221120193601 Dsc_2395 Dsc_2392 Dsc_2397(左上)歌手と自動演奏楽器とのコラボ,(右上)珍しいバイオリンの自動演奏楽器,(左下)ストラディヴァリウス、(右下)ダリの好んだパスタ

 14時ごろに同地を離れ甲府に向かいます。約1時間ほどでこの日宿泊する古名屋ホテルに到着、少し休んだ後甲府駅へ。構内には山梨ヌーヴォー(以下新酒)の販売や立ち飲みできるコーナーがあります。さっそくいただいたのは言うまでもありません(笑)。赤も白もブドウの香りが口いっぱいに広がりました。

Img_9482 Img_9483(左)山梨ヌーヴォー,(右)こちらはプレミアムワイン

 新酒を味わった後はホテルに戻り,しばし温泉で寛ぎました。そして18時30分からレストランでの夕食,この日はフレンチのコースでした(料理のお供はすべて山梨ワイン)。

Dsc_2400 Dsc_2401 Dsc_2402 Dsc_2403 Dsc_2404 Dsc_2405 Dsc_2406 Dsc_2407 Dsc_2408 前菜からメイン、デザートまで全6品でした。

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2022年10月22日 (土)

犬山旅行記②~リトルワールド編~

 明けて10月10日になりました.身支度をしてまずホテルの朝食会場へ.ここの朝食はサラダブレックファストを謳っており,サラダメインの朝食です(これに加えて各種パンあるいは出汁茶漬けなどが付く).たかがサラダと思っていたら結構これでお腹が満たされるのは自分の胃袋が小さくなったせいに違いありません.

 朝食後は駅に出てここからバスに乗り,この日のメインであるリトルワールドへ,バスに揺られること20分ほどで到着です.ここは世界各地の住居や寺院などの建造物を移築,展示している野外博物館となっています.10年以上前に一度訪問したことがあるので今回が2度目となります.

 さっそく見学と行きたいところですがこの日は朝から雨模様,予報では昼頃から晴れるということでしたが,それまではまだ間がありそうなのでまずは屋内展示に行くことに(昔来た時は寄った記憶がない.あの日は快晴だったからか).会場に入ろうとしたら10時30分からガイドによる解説があるとのこと,せっかくなのでそれに参加することにしました.

Pa100830(写真1)本館展示室

 時間になってガイドが登場,会場内を回ります(参加者は我々のほかもう一組計4名).屋内展示は全5室からなっていて,第1室はヒトの進化(二足歩行の獲得から脳の発達),第2室は生きるための技術(道具や被服,住居の発達など),第3室は言葉の発達,第4室は社会の形成(出産,結婚,葬儀など),第5室は宗教や儀礼についてで,それらについて様々な資料とともに展示されていました.中学や高校の歴史の最初に習うような内容なので久しぶりに新鮮な感じました.

Pa100843(写真2)石垣島の住居

 屋内展示が終わって外に出ると,ちょうど雨がやんでいて,屋外展示に繰り出します.屋外は一周2.5kmの広大な敷地に合計8つのゾーンが広がっています.案内に従って第1ゾーンから反時計回りに見学していきます.第1ゾーンは石垣島とアイヌ,台湾の住居,日本及びその近郊という感じでしょうか.石垣島の住居は何となくこの前までやっていた朝ドラを彷彿させました.また門に置かれている1対のシーサーはよく見ると,”阿形”と”吽形”になっており,台湾に近いとはいえやっぱり日本の文化なんだなぁと感心しました.

Pa100852 Pa100851(左写真3)吽形,(右同4)阿形

 一方でアイヌの家は母屋のほか,独立した子供の住居が別棟になっているなど独自の様式がうかがえます(さらには捕らえたクマの檻も).台湾コーナーな現地の裕福な農家が展示されています.

Pa100854 Pa100871(左写真5)アイヌの家,(右同6)台湾農家の家

 第2ゾーンはアメリカ大陸の住居です.北米のインディアンのテントやアラスカのトリンギットの家とともにペルーの大農園主の屋敷が展示されています.中庭を中心に回廊式に建つスペイン風の造りが特徴的で,そういえばゴルゴ13の何かの回にこういう屋敷が出てきたなと感動しました.

Pa100880 Img_9313(左写真7)インディアンのテント,(右同8)ペルー農園主の屋敷の庭

 第3ゾーンはインドネシア,ミクロネシアやポリネシアの住居です.インドネシアはイスラム教徒の多い国ですがバリ島は例外的にヒンズー教徒が主流なところです.この島の貴族の館にはヒンズー教の祭壇があり神々が祀られています.壁の色彩なども南国的です.一方ミクロネシアのヤップ島のエリアにはストーンマネー(はじめ人間ギャートルズに出てくるような巨大なお金)が展示されていて興味深かったです.

Pa100902 Pa100933(左写真9)バリ島貴族の館,(右同10)ストーンマネー

 この辺でちょうどお昼時になったため,次の第4ゾーンで軽くいただくことに.ここはドイツ・フランス・イタリアの西ヨーロッパゾーンです.で,ここに来るとやっぱりワインが飲みたくなります(今回レンタカーではなくバスでやってきたのはお酒が飲めるようにするため 笑).ちょうど飲み比べセットがあったのでそれを注文しました.

Pa100943 Pa100940(左写真11)イタリア・アルベロベッロの家,(右同12)ワインの飲み比べ

 ワインを飲んでちょっといい気分になり,さらに散策を続けます.第5ゾーンは世界のテントを集めたコーナー,モンゴルのテントや北欧サーミのテント,中東ベトウィンのテントなどが並んでいます.そこを抜けた第6ゾーンはアフリカコーナー,ここのカフェには十数年前に来た際に食べたワニ肉があります.先ほどのヨーロッパコーナーでそれほど食べたわけでもないので,ここでも軽食を.ワニとラクダの串焼きとエミューのコロッケをいただきました(ワニは鶏,ラクダは牛っぽい食感です).ここではちょうどアフリカの音楽を紹介するライブも行われていました.

Pa100957 Pa100960(左写真13)南アフリカ・ンデベレの家,(右同14)ワニとラクダの串焼き

 アフリカコーナーに続く第7ゾーンはアジアゾーン,インドやネパール,トルコなどの建物があります.このうちネパールは仏教寺院,チベット仏教系の寺院です.インドは地主の屋敷,トルコはイスラム学院を中心としたイスタンブールの一画を再現しています.このゾーンにもインド料理やトルコ料理のカフェがあるんですが、直前のアフリカコーナーで満たしてきたのでパスしました.

Pa100986 Pa101000(左写真15)イスタンブールの一画,(右同16)月山の農家

 そして最後の第8ゾーンは東アジアゾーン,韓国の両班の屋敷や日本(山形県月山地方)の農家が展示されています.東北地方の農家は自分もなじみ深いのでホッとする空間でした.こんな感じで気が付けば夕方,最後にお土産物屋さんに寄ってバスで市内に戻ったのでした.

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