2020年3月27日 (金)

コンサート

 音楽好きな我が家です.特にオペラが好きで,新国立劇場のシーズンチケットを購入して楽しんでいるんですが,現在話題の新型コロナの関係で公演が次々に中止になっています.すでに2月末に予定されていたオペラ研修所の修了公演「フィガロの結婚」,3月中旬の「コジ・ファン・トゥッテ」が中止になっていましたが,今回当劇場初のバロックオペラとして注目されていた,4月上旬公演予定だったヘンデルの「ジュリオ・チェーザレ」の中止が決まってしまいました.劇場の公式twitterではリハーサルに励んでいます!と頑張っている様子だったんですが… やむを得ない判断だと思います.それにしても自分のような観客はどうでもいいんですが,出演予定の歌手やスタッフ等関係者の無念はどれほどのものか(ギャラにも大きく響くだろうし).どんな形でもいいから支援できたらなぁと思っています.

 そんなことを考えていたら,来年のシーズンチケットが届きました.

Img_6308  来年度は大野和士芸術監督の3年目のシーズン,ブリテンの「夏の夜の夢」,ストラビンスキーの「夜鳴きうぐいす」といった意欲作,「こうもり」や「フィガロの結婚」,「トスカ」などの定番作,さらには世界初演の藤倉大「アルマゲドンの夢」など見どころの多いシーズンになりそうです(でもまずは世の中が落ち着いて安心してオペラ観劇ができる環境になりたいです).

 ところで今年はチケット代の支払いにアメックスカードを利用したんですが,そしたらドリンク券が付いてきました.幕間のバーで使えるものです.オペラ観劇の幕間ではワインなどをいただくことが定番なんですが,券をよく見たら,なんと!1,500円までOKとのこと,ハウスワイン🍷だけでなく銘柄ものやスパークリングワインまで行けるじゃないですか(さすがにシャンパンは無理💦).こうとわかっていたらもっと前からアメックスにするんだったと,少し後悔してるのでした😃
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2020年2月29日 (土)

ロッシーニの誕生日

 今日はほぼ4年に一度の2月29日です.ほぼというのは,うるう年は西暦で4で割り切れる年に設定されるのが原則なんですが,一方で100で割り切れる年には設定しないことになっているためです(ただし400で割り切れる年には設定されます.このため西暦2000年はうるう年でした).

 4年に1回しかないとはいえ,この日に生まれる人もいるわけですから当然誕生日が2月29日という人が存在します.子供の頃は2月29日生まれの人は4年に1回しか年を取らないのか,などと無邪気に思っていましたが,法的には3月1日として処理するようです.

 そんな2月29日生まれの有名人として作曲家のG. ロッシーニがいます(1792年2月29日生まれ).歌劇「セビリアの理髪師」,「チェネレントラ(シンデレラ)」,「ウイリアム・テル」などの作曲家として有名な人物です.彼はイタリア出身でしたがヨーロッパ各地で活躍し,その作品は当時各国で大人気を博していました.それがために同時代の作曲家の妬みも買ったようで,あのベートーベンも友人にそのような愚痴をこぼしていたようです.

 ロッシーニは76年の生涯の中で,作曲家として活躍していたのは前半生のみで,37才時に「ウイリアム・テル」を作曲すると,以後はオペラ作曲の筆を折り,残りの40年はほぼ食っちゃ寝の生活をしていたという羨ましい人生を送っています.尤もまったく作曲をしなかったわけではなく,私的にはいくつかの作品は遺しています(私も好きな小ミサ・ソレムニスは彼の晩年の作品です).

 ロッシーニといえば作曲が早かったことでも知られています.オペラの作曲というと時間がかかって大変そうというイメージは,後のヴェルディやワーグナー以降の話で,ロッシーニの時代にはウケるオペラをいかに早く書くかが大事だったそうです(今でいえば流行作家でしょうか).あの名作「セビリアの理髪師」ですらロッシーニはわずか3週間で書き上げています.ただ,上には上がいるもので,ある人がそのことを同時代の作曲家ドニゼッティ(「ランンメルモールのルチア」や「愛の妙薬」で有名な作曲家)に言ったところ,「そりゃそうさ,それだけ彼は怠け者だってことだ」と答えたそうです(ドニゼッティもまた,筆が早い作曲家でした.そのためオーケストレーションが結構陳腐で,後にワーグナーに大きなギターと揶揄されています).

Img_6256_20200315180601 Img_6257_20200315180601 (左)若い頃のロッシーニ,(右)晩年.食べすぎでしょうね(笑)

 結局1868年に滞在中のパリで亡くなりましたが,死因は大腸がんといわれています.今残されている彼の肖像画を見ると,恰幅がよく今風に言えばメタ ボリックシンドロームのようです(高血圧や高脂血症もありそう).食生活と大腸がんは関連があるといわれており,彼の場合もそうだった可能性はあるでしょう.ちなみに後半生のロッシーニはグルメに生き,レストラン経営等もやってたそうですが,彼の名を冠した料理として「○○のロッシーニ風」というのがあります.これはメイン素材にフォアグラとトリュフを付け合わせたもので,牛フィレ肉のロッシーニ風がとくに有名です.

 新型コロナの影響で2020年のこの日は合唱団の練習が休止となってしまいました.さらには毎年3月11日に仙台で開催される祈りのコンサートも本日中止が決定,明日3月1日はそのリハーサルがあるので仙台に行くはずだったのですが,中止となったので駅に新幹線切符の払い戻しに行ってきました(本来発券済みの切符の払い戻しには手数料がかかるんですが,新型コロナの自粛による払い戻しに関してはJRは無手数料で応じるとのことです).

Img_6258_20200315180601 (写真)残念ながらロッシーニ風ではありません

 で,駅で切符の払い戻しをしたついでに久しぶりの外食とばかりに駅前の銀座ライオンでロッシーニの誕生日祝いをしてきました😃

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2020年2月25日 (火)

東北大学混声合唱団創立60周年記念特別演奏会

Img034  さて,世間では新型コロナウイルスの話題が飛び交い,マスクが品薄になっているなどという報道も見られます.2月22~24日は三連休で,中日の23日は令和最初の天皇誕生日だったんですが,恒例の一般参賀も中止になってしまいました(宮内庁発表では諸般の事情に鑑みとしか触れていませんが,コロナ関係であることは間違いないでしょう).

 そんな23日は仙台に出かけてきました.目的は表題の「東北大学混声合唱団創立60周年記念特別演奏会」(なんて長い名前 笑)を聴くためです.

 長い学生時代を過ごした私ですが,その前半を過ごしたのが仙台で,その時代に所属していたのがこの東北大学混声合唱団です.ここに所属していたインパクトはすさまじく,今に至る自分の趣味の多くの部分がここで形成されたと言っても過言でないほどです.それこそ熱心に活動していたわけですが,私に続く後輩たちも連綿と活動を続けてくれています.

 昨年12月には第60回の記念定期演奏会が行われ,聴きに行ってきたわけですが(その時同期の仲間との懇親もありました 参考記事),今回のステージは主に同窓会が主催して主にOB・OG(卒団性)が出演するステージです.1年半ほど前から準備が進められていました.私も誘われていたんですが,いろいろと忙しく練習に顔を出す余裕がないため諦めて聴く側に回った次第です.

Img_6245  今回の演目は第1ステージが前年度の学生指揮者による合唱ゆかりの曲,第2ステージと第3ステージが常任指揮者の佐々木正利先生の指揮で2ステがフォーレのレクイエム,3ステが佐藤真のカンタータ土の歌です.フォーレは合唱団の定演で何度も取り上げた曲で卒団性からのリクエストが多かった作品です.カンタータ土の歌は終曲に「大地讃頌」という中学校の超有名合唱曲が終曲に入っている作品です.2017年には現役が定演で取り上げ,さらにはニューヨークのカーネギーホールで抜粋演奏をしています.卒団性にとっては垂涎のイベントで,私も自分が現役だったらなぁ~と嘆きつつ,OBとしてしっかり賛助金をお支払いしました(OBというのは金だけ出して口は出さないというのが自分のポリシー).2,3ステはオケ版でオケは仙台フィルハーモニー管弦楽団です(自分が現役の頃は宮城フィルで毎年定演でお世話になっていた).

 今回ステージに乗ったのは100人以上,自分が現役の頃を彷彿させました.3つのステージはどれも素晴らしく,昔取った杵柄じゃないですが,そんなに多くなかっただろう練習回数でよくこれだけまとまったな,さすがは同窓生と感動したのでした(自分の同期にいつも辛口な女子がいて彼女も今回参加していたんですが,そんな彼女が「今回の演奏はイイ!」と言ってたのでいいに違いないとは確信していました).

 終演後は交流会もあったんですがそっちはパスして駅前のオイスターバーへ.この前厚岸で食べてきたばかりだろう!というツッコミがありそうですが,私本当に牡蠣が好きなんです♪

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 そんな耳と舌が感動した天皇誕生日でした.

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2020年2月18日 (火)

歌劇「セビリアの理髪師」

Img033  最近北海道旅行の記事が続いていましたが,もちろんそれ以外の活動もしています(笑).先週火曜日,建国記念日の祝日だった2月11日に新国立劇場で行われている,歌劇「セビリアの理髪師」公演に行ってきました.

 1980年代以降のロッシーニルネサンスによって,再評価がなされたロッシーニですが,なんといっても代表作がこの「セビリアの理髪師」であることは変わりません.私もとても好きな作品で,特に学生時代はポネル演出,アバド指揮ミラノスカラ座による演奏(伯爵:ルイジ・アルヴァ,ロジーナ:テレサ・ベルガンサ,フィガロ:ヘルマン・プライ)に大ハマりしたものです.

 就職して経済的に余裕ができ,さらに時間的にも融通が利くようになった2000年代以降は劇場での生鑑賞も可能となりいくつかの公演を見る機会がありました.特に新国立劇場は2,3年おきに上演してくれるのでありがたいです.

 で,そんな新国立のセビリアですが,ケップリンガーによる演出は2005年が初出であり,その後2006年,2007年,2012年,2016年と再演されていて今回は通算6回目ということになります.何度も見てる演出なんですが,注目は前回2016年から試みられている,2幕のクライマックスでの伯爵のアリアです.

 こアリアは,バルトロたちに自分がアルマヴィーヴァ伯爵であることを明かし,逆らうのをやめろと宣言する場面の歌です.長大なコロラトゥーラの超絶技巧を要求される難アリアで,初演の歌手だったマヌエル・ガルシアの力量を前提に作曲されたといわれています.ただ裏を返すと最高クラスの歌手でないと歌いこなせないということでもあり,このアリアは初演からほどなくカットされて歌われることが無くなってしまいました(もっとも,出演する歌手に合わせてアリアなどを改変するのはこの時代では至って普通のことでした).

Img_6236  その習慣が20世紀に至るまで続き,一般の公演でこのアリアも演奏されることもありませんでしたが,近年は徐々に歌われることが出てきたようです.そして2016年の公演で伯爵役だったマキシム・ミノロフがついにこの曲を披露したのです.これが素晴らしくて,機会があればまた聴きたいなと思ってたんですが,今回伯爵を歌うルネ・バルベラもまたこのアリアを歌うとのことで楽しみにしていたのでした.

 やっぱり素晴らしかったです.2幕の例の伯爵のアリアももちろん良かったですが,ロジーナ役の脇園彩さんが良かったです(ロジーナを当たり役にしているようです).

 

動画は劇場公式のものです.

 マチネの公演だったので終演後はレストランでゆったりと食事です.メインは絶対ロッシーニ風だろうと思ってたんですが,熟成リブロースのビステッカでした.

Img_6227 Img_6232 Img_6230 Img_6234(この日料理 前菜除く)

 食事を含めてのオペラ公演が我が家のパターンです.

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2020年1月28日 (火)

歌劇「ラ・ボエーム」

Img031  オペラ好きの我が家,先日は新国立劇場で公演中のプッチーニの「ラ・ボエーム」を観劇してきました.

 「ラ・ボエーム」(1896年初演)は「トスカ」(1900年),「蝶々夫人」(1904年)と並ぶプッチーニの代表作です.当時のイタリアオペラ界はレオンカヴァッロの「道化師」やマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」といったヴェリズモ・オペラが流行しており,プッチーニも一応その系譜に連なります.ヴェリズモ・オペラといえばヴェルディの時代のような王侯貴族がメインとなるような作品ではなく,市井の人々の日常を扱い,その営みを生々しく描写するスタイルです.この「ラ・ボエーム」は芸術家の卵ともいうべき無名の若者たちの群像劇という点ではヴェリズモ的ですが,一方で甘美なメロディーというプッチーニらしさも十二分に堪能できる作品となっています.

 粟国淳氏演出の舞台は2003年の初出以来,今回が5回目の再演となります(自分も2012年,2016年に鑑賞している).元々奇をてらった演出にはなりにくいオペラですが,起承転結がわかりやすく安心してみていられる演出です(初出から20年近く再演され続けているだけのことはあります).今回はイタリア人のパオロ・カリニャーニ氏の指揮で,キャストはミミがニーノ・マチャイゼ,ロドルフォがマッテオ・リッピ,マルチェッロ:マリオ・カッシ,ムゼッタ:辻井亜季穂,ショナール:森口賢二,コッリーネ:松位浩という布陣でした.

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 感想ですが,やっぱりいいオペラだなぁと実感しました.キャストではロドルフォのマッテオ・リッピが若くて貧しい若者っぽい感じで特によかったです.2幕のクリスマスイブのカルチェラタンの場面の合唱団は安定の実力だし,満足した夜でした.

 

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2020年1月27日 (月)

楽聖と楽仙

 唐の詩人に杜甫李白という人物がいます.どちらも8世紀の玄宗皇帝の時代,いわゆる盛唐と呼ばれる時代に活躍した詩人です.

800pxdufu  杜甫は自身の科挙受験の失敗や,王朝を揺るがした安史の乱による家族の離散や社会の混乱といった経験からか,世の中の実相を鋭く見つめた詩が多くあります.その人物像も眉間にしわを寄せた苦悩のイメージがあり,今では詩聖と呼ばれています.彼を代表する詩が春望で,江戸時代の俳人である松尾芭蕉の「奥の細道」にも引用されているのでご存知の方も多いでしょう.

 国破山河在     国破れて山河在り
 城春草木深     城春にして草木深し (以下略)

Libai_touxiang  一方の李白は杜甫とほぼ同時代(10歳くらい年上)に活躍した詩人です.西域の出身といわれ,長じて都の長安に出て一時は玄宗の宮廷で詩を作っていましたが,その自由奔放な性格が災いして都にいられなくなり晩年は各地を放浪することになります(最後は酔って,水面に映った月を取ろうとして溺れたという伝説もあります).ただそんな境遇であっても詩には悲壮感はなく,その作風から詩仙と呼ばれています.彼の代表的な詩が「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」です.

 故人西辞黄鶴楼   故人西の方、黄鶴楼を辞し
 煙花三月下揚州   煙花三月揚州に下る   (以下略)

800pxbeethoven  さて,杜甫の詩聖という言葉を聞いて連想するのが,音楽の世界で楽聖と呼ばれるベートーベンです.

 交響曲から小品まで数多くの名曲を世に出した一方で,私生活では飲んだくれの父親や不良の弟など家族のことで苦労し,その肖像画でも眉間にしわが寄っているところは何となく杜甫に通じるものがあって楽聖という呼び方は言い得て妙という気がします.

 というわけで,楽聖といういい方があるのなら楽仙というのはないんでしょうか.残念ながら世間ではそういうのはないようですが,あえてふさわしい人物を探すとすると… 思い当たる人物は一人しかいません.

800pxwolfgangamadeusmozart_1  W. A. モーツァルトですね (^。^)

 あふれ出る才能で数多くの名曲を書いた一方で自由奔放で善良そうな性格は,水面の月を追い求めそうなイメージです.モーツァルトというと晩年は貧乏で借金というイメージを持ってる方もいるようですが,晩年のモーツァルトも結構収入は多く,ただ収入以上に支出が多かったために借金をしていたというのが実際のようです(年収2000万円の人が3000万円使って借金漬けというイメージ (+o+)).そういえば年が十数年,聖より仙の方が上というのも共通です.今日1月27日はそんなW. A. モーツァルトの誕生日なのでした.

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2019年12月27日 (金)

ペーター・シュライヤー氏逝去

 今日飛び込んできたニュースです.

 歌手のシュライヤー氏死去

 ドイツの著明なテノール歌手で指揮者でもあったペーター・シュライヤー氏が亡くなったそうです.

 シュライヤー氏は1935年ドイツ東部のザクセン州に生まれ,10歳の時にドレスデンの名門聖十字架合唱団に参加し歌の活動に入りました.成人後はモーツァルトやワーグナーなどのオペラや,バッハの宗教曲のソリストとして活動し高い評価を得ました.1970年代からはバッハやハイドンなどの宗教曲の指揮者としても活動しています.

 私がシュライヤー氏を知ったのは1984年に大学に入学,合唱団に所属した後です.上級生にバッハの宗教曲が大好きという人がいて,その人のお宅で聴いたカンタータのレコード!で歌っていたのです.つややかで伸びのある独特な声はとても印象に残りました.

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(写真左)VHDビデオディスクのマタイ受難曲ソフト,(同右)VHDプレイヤー

 その上級生の影響からか自分も宗教音楽好きになり,当時普及し始めていたCDプレイヤーを購入し,アナログレコードと共にその手のソフトを買い漁りました.特に当時バッハ演奏の大家とされていたカール・リヒター指揮の演奏は当時市販されていたものはほぼ買いそろえたほどです.そんなソフト群のなかでも特筆すべきものが,日本ビクターから発売されたリヒターのマタイ受難曲のVHDビデオディスクです.当時リヒターのマタイは3つの音源(1958年録音盤,1969年日本公演版,1979年録音盤)があったのですが,このVHD版はそれとは異なる1971年スタジオ録画版だったのです.で,この演奏で福音史家を歌っていたのがシュライヤー氏でした.当時は動いているシュライヤー氏を見ること自体が凄いことだったので(なにせインターネットもDVDもなかった時代),自分はこの映像が見たいあまりにVHDプレイヤーを購入したのです(その結果私の赤貧状態が確定したことは言うまでもありません).この演奏のシュライヤー氏も素晴らしく,当時宗教曲好きの仲間が私の家に集まってこのVHDを鑑賞したのでした(当時の仲間の多くが今でも何らかの形で宗教音楽を歌っているのは,このソフトの功績もあるだろうと自負している).

 そんなシュライヤー氏の訃報に接し,当時を懐かしく思い出したのでした.それにしてもリヒター指揮のバッハ演奏というとシュライヤー氏とともにエルンスト・ヘフリガー氏が思い出されますが,ともに亡くなったのは80歳代,やっぱり節制していたんだと思います.

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2019年12月 6日 (金)

歌劇「椿姫」

Img029  冬はコンサートシーズン,寒くて夜が長いこの季節は演奏会などコンサート鑑賞にうってつけの季節です.ヨーロッパなどの主要歌劇場も秋から冬にかけてがシーズンとなり様々な作品が上演されます.日本の新国立劇場もそれに倣い,秋から翌春までをシーズンとしています.昨年から大野和士氏が芸術監督に就任した同劇場ですが,今年は初っ端からチャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」を取り上げるなど,いよいよその本領が発揮されてきた感じとなっています(2作目がドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」).

 そんな新国立劇場年内最後の公演が表題の歌劇「椿姫」,ヴェルディのみならず19世紀イタリアオペラを代表する傑作です.フランスの作家アレキサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)原作の同名の戯曲を見たヴェルディが感激して自分の次回作として取り上げたと言われています.1853年3月の初演は準備不足から失敗に終わったとされていますが,近年ではそれを否定する説も出てきています.美しいアリアの数々,テンポよく進んでいくストーリー,全体で2時間程度とよくまとまっていることもあって非常に人気があり,世界的にも上演頻度の高い作品です(海外歌劇場の引っ越し公演だけではなく,市民オペラレベルでもよく上演されている作品です).オペラ入門編としても最適な作品で,自分もなじみがない人にお勧めする作品としてプッチーニのトスカとともにこの作品を挙げます.昨晩その公演に行ってきました.

Img_5855 Img_5861  今回の公演はヴァンサン・ブサール演出のプロダクション,2015年の初出から3回目の上演で私はそのすべてを見ていることになります.鏡を効果的に使った美しく安心して見られる舞台です.また一般的にカットされることが多い2幕最初のアルフレードと最後のジェルモンのカバレッタがカットされずに演奏されるのもこの演出の魅力です(自分的に好きな部分なので).キャストではヴィオレッタ役のミルト・パパタナシュさんが素晴らしい.美人だし華やかな中に影もある舞台映えのする歌手でした.アルフレードのドミニク・チェスクさんは本来この役をやるはずだったヴァン・アヨン・リヴァスさんが先月緊急降板(家族の事情らしい)したための代役でした.アリアなどで所々セーブしているなと思う場面はありましたが,逆にヴィオレッタを引き立てる効果があったのかなという感じです.ジェルモンは2015年,2017年の公演ではドゥフォール男爵を演じていた須藤慎吾さん(出世した!).落ち着いた歌唱で2幕のヴィオレッタとの絡みも良かったです.そういえばジェルモンってお家第一の田舎紳士なんですが,2幕でヴィオレッタに言っているセリフは穏やかではあるものの,内容はかなりひどくて,ヒロインに精神的ダメージを与える点では,実はトスカのスカルピアと大差ないのではと思いました.それにしても3幕で狼藉を働いたアルフレードに,「私の息子はどこへ行ってしまったんだ」と語る場面がありますが,「お前のせいだろ!」と心の中で突っ込んだのは内緒です(笑).やっぱり名作だなぁと強く感じた舞台でした.

Img_5862  終演後は劇場内のレストランへ.この日はパスタと黒豚のコースでした(ワインもいただいたのは言うまでもありません).デザートがフォンダンショコラだったんですが,その名を聞いた瞬間私の脳内には完顔阿骨打(ワンヤンアグダ)の名が浮かんだのはナイショです(リズムと抑揚が一緒なんです 笑).

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2019年11月29日 (金)

セリ鍋の会2019

 いろいろあって学生時代が長かった私,その前半を過ごしたのが仙台です.ここで大学合唱団に所属してしまったのが運の尽き(笑),今の趣味に至っているわけです.

 そんな仙台での学生合唱団時代の仲間がこの時期に集まるセリ鍋の会が昨晩行われ,参加してきました.会場は神田にあるすりみやさん,一昨年・昨年もお邪魔したところです.

Img_3368(写真1)セリです

 なんでセリ鍋なのかという声が聞こえてきそうですが,実はセリは仙台地方の隠れた名産だからです(特に仙台の隣りの名取市が一大産地らしい).私が学生時代にはそんな料理が存在することも知らなかったんですが(というか存在したのか?),最近徐々にメジャーになってきているようです.この日はコース料理で,サラダから始まって竹輪,おでん,そしてセリ鍋と進んでいきました.出汁が沸騰し始めたところに鶏肉を投入,その後セリを放り込みます(肉とセリ以外の具材はありません).特にセリの根っこの部分がシャリシャリして美味しいんです(根っこは1分30秒,葉っぱはすぐに食べるのがポイント).みんなあっという間に食べてしまい,追加のセリまでいただきました.お酒は当然宮城の地酒,一ノ蔵&浦霞です.この日は飲み放題コースだったのでしこたまいただいたのは言うまでもありません(とはいえ昨年のこの会で帰路寝過ごして熱海まで行ってしまった反省を生かし,やや酒量はセーブした 笑).

Oden Chikuwa Serinabe (左写真2)おでん,(中同3)竹輪(きりたんぽではありません 笑),(右同4)セリ鍋

 今年の参加者は17人と過去最高を記録(昨年が11名、一昨年が13名),さらに平成期に入団した方も参加するなど世代の広がりも見せてきています.この会でしか会えない人も多いので,お互いの近況や懐かし話に花が咲きました.また来年が楽しみです.

 

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2019年11月24日 (日)

喜歌劇「天国と地獄」

Img028  11月21日木曜日,この週後半に日生劇場で開催中の東京二期会オペラ,喜歌劇「天国と地獄」公演に行ってきました.

 このオペレッタはオッフェンバックの作曲で1858年にパリで初演されたものです.原題は「地獄のオルフェ」,当時リヴァイヴァルブームが起こっていたグルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディで,本来は最愛の妻エウリディーチェの死を嘆いたオルフェオが地獄に彼女を向けに行くお話だったものを,お互い愛人を持つなど冷え切った関係でありながら世間体を気にして別れられない夫婦の話に改変されています.ナポレオン3世治世下のパリで大成功を納め,オッフェンバックの代表作のひとつとなっています.オペラそのものを知らない人でも,序曲の最終部分は聴いたことがあるのでないかと思います(自分の世代だと小学校の運動会に必ずかかっていた).ただ,有名な割にはオペラそのものの上演頻度は低いのが現実で,私自身も生鑑賞は過去に1回しかありませんでした(その1回が1991年の弘前市民オペラ).今回はその時以来の何鑑賞ということで楽しみにしたものです.二期会オペラはダブルキャストによる4回公演が定番でなんですが,今回は木曜土曜版の方に行きました.

 オリジナルはフランス語なんですが,今回はアリア等含めてすべて日本語上演でした(セリフ部分は日本語というパターンは「魔笛」や「こうもり」などでもよくありますが,二期会クラスで全編日本語は珍しいかも).演出は鵜山仁氏で指揮者は大植英次氏,天国系は白,地獄系は赤をメインカラーにした演出,非常に楽しい公演でした(個人的にはプルートの雰囲気がブッダっぽくて,イエスっぽいジュピターと併せて聖☆おにいさんを意識しているのかなどと思った).

 それにしてもこの作品の上演頻度の低さの訳って何なんだろう? 同じオペレッタでも「こうもり」はそれこそ各地で頻回に上演されているのに…(オッフェンバックとシュトラウスの政治力の差か 笑).そんなことを考えた11月下旬でした.

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