ドイツ旅行⑤
今回の旅行のメインイベントのひとつが終わり、6月9日になりました。ドイツ旅行もあと少しでおしまいです(泣)。この日の午前中は引き続きライプツィヒを観光し、午後から再びドレスデンに移動、ゼンパーオーパー(ドレスデン国立歌劇場)で夜に開催されるモーツァルトの魔笛を鑑賞する流れとなります。
朝食後ホテルをチェックアウト、荷物は引き続き預かってもらい観光に繰り出します。まず向かう先はトーマス教会となりにあるバッハ博物館、ここは絶対に外せないポイントです。昨日のメンデルスゾーン博物館ですら2時間くらい軽く費やしたので、バッハとくればその気になれば一日過ごせそうな気がします。黄色い外観がなんとなくザルツブルクのモーツァルトの生家に似てるなと感じました。この建物は当時バッハと親交の深かった商人ボーゼの家だったそうです。入り口でチケットを購入して早速見学開始、順路に沿って進んでいきます。最初はバッハ一族の家系図から始まり、バッハが実際に弾いたとされるオルガンや当時の楽器などが展示されています(楽器は手前のスイッチを押すとその音が聞けるようになっている)。その後はバッハ作品の鑑賞コーナー、オルガン作品やカンタータなどたくさんの曲が聴けるようになっています。ここだけでも一日費やせること請け合いですが、さすがにそこまではできないのでロ短調ミサ曲のOsannaの原曲である世俗カンタータ「祝されしザクセン」BWV215をじっくり鑑賞しました。順路に従って進んでいくと最後に到着するのがバッハの自筆譜などが展示された部屋となります。さすがに自筆譜を見ると感動します。結局お昼まで博物館を堪能したのでした。
その後はマルクト広場に移動、ここで日本から合唱団で参加している大学時代の友人と待ち合わせて昼食となりました(広場には特設ステージが用意されていて、この時午後に演奏するらしい団体が練習していた)。ビールとドイツ風の食事で旧交を温めたのでした。
その後は一旦ホテルに戻って荷物を引き出し、中央駅に向かいます。この後の特急列車でドレスデンに向かいます。この時先にランチをした友人も一緒だったんですが、駅に改札が無いことに驚いていました(ドイツやオーストリアの鉄道には基本改札は無い)。まもなく電車がやって来て載り乗り込んだんですが、なんと遅延が発生しているとのこと。今更仕方ないので車内で待つことにします。結局1時間ほど遅れて電車は出発しました。
ドイツ国鉄の誇る国際特急といえば時速300キロで走ることで有名ですが、ライプツィヒードレスデンは路線的には末端部分に当たるためか、そんなスピードは出ずせいぜい130キロくらい、日本で言えば山形新幹線みたいなイメージです。電車はのどかな田園地帯をひた走りました。途中の停車駅は1カ所のみなので約1時間でドレスデンに到着です(この日は日曜日なので中央駅までは行かず、その手前の新市街駅が終点でした(私は密かに新ドレスデン駅と呼んでいます)。下車して構内を歩いていたら盛岡の合唱団の代表ご家族と遭遇、こちらは日中の演奏会を鑑賞して今ライプツィヒに戻るところらしかったです。偶然に驚きながらも我々はトラムで旧市街に向かいます(乗り換え無しで行けるのが嬉しい)。下車後は友人と別れてこの日宿泊のヒルトンホテルに入ります。今回に限らず旅行最後に一番いいホテルに泊まるパターンが多い気がするんですが、今回は終演が遅いため、劇場に近いホテルを探したところここになったというのが正解です。
準備をしていよいよゼンパーオーパーに向かいます(ウチのKは気合いを入れて和装していた)。行ってみるとすでに開場していて多くのお客さんが来ています。見るとやっぱり着飾った人が多い印象でした。内部は壁や天井にも様々な装飾が施されていて見事です。お上りさん状態であちこちを見渡していると首が痛くなりそうでした(笑)。
そして午後7時に開演、あの有名な序曲が始まります。「ジャッジャーン♪、ジャッジャーン♪」、生オペラは昨年4月の新国立の「アイーダ」以来、こうした芸術とは無縁な生活をしているだけに感動もひとしおでした。ついでに思ったのがこの劇場、オケピットが浅くて指揮者の上半身がほぼ見えていること、ここで初期作品を初演したワーグナーが後にオケピットが完全に隠れるバイロイト祝祭劇場を造らせたのは案外ここら辺にも理由があったりしてと思ったのでした。
終演後は劇場向かいにあるレストランで遅い夕食です(幕間に軽食を摂ってはいましたが)。メニューに生牡蠣を見つけて普段ナミビアで散々食ってるくせに注文してしまったというのは内緒です。それにしてもオペラって最高だなと再確認した夜でした。
最近のコメント