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2024年7月16日 (火)

大西洋岸旅行①

 今年の7月第2週末は当地でも連休(土曜日を合わせると3連休)だったため、大西洋岸に遊びに行ってきました。ナミビアの沿岸部の旅行は昨年11月(スワコプムント)、今年5月(リューデリッツ)に続いて3回目となります。今回はオットセイの繁殖地として有名なケープ・クロスから海岸沿いに南下してウォルビス・ベイを中心に観光する予定です。

 7月13日土曜日は朝9時ごろに自宅を出発、北西に向かいA1道路に合流しそのまま北上します(ナミビアの道路はAからDのランクがあり、前者ほど状態が良い)。日本だと市街地を離れても、県境とかでなければ何らかの生活の気配があるものですが(北海道除く)、ナミビアは市街地を出ると次の町までまったく人の気配がなくなります。ウィントフックを出て北に向かい、次の町であるオカハンジャまで75キロ一面の荒野が広がっていました。

 オカハンジャからはB2号線に左折しひたすら西に向かいます。再び荒野の中をひた走り、120キロほどでカリビブの町を通過、ここが首都と大西洋岸の主要都市スワコプムントのちょうど中間点になります(私はひそかにバラン星と呼んでいる 笑)。通常はここで休憩にするんですが、この日はさらに30キロ西のウサコスの町まで進んで休憩としました。日本だと高速にはサービスエリア、一般道には道の駅があちこちにありますが、ナミビアには基本そのようなものはなく、町のガソリンスタンドが唯一の休憩スポットになります(トイレや売店も併設されていることが多い)。ここで給油とトイレ休憩を済ませ再び西に向かいます。

Img_3015(写真1)制限速度100キロの砂利道

 B2道路をそのまま進むとやがて南西に方向を変えてスワコプムントに至るのですが、この日はウサコスから20分ほど走ったあと、分岐するD1918道路に右折しました。この日の目的地ケープ・クロスに行くにはスワコプムントを迂回するとかなりの遠回りになるからです(ナミビアでは多少距離が遠くなっても優良道路を走った方が時間的短いことが多いが、さすがに今回はそうではない)。D1918は全線砂利道ですが路面状態は比較的良く、制限速度も時速100キロに設定されています(とはいえ実際に100キロ出すのは勇気がいる)。沿岸部まで120キロ、途中に町は全くないのですが、お土産物のような屋台が出ていました。稀にここを通る観光客を相手にしているものと思われます。約1時間半で抜けましたが、途中対向車は数台見かけただけでした。

Img_3046 Img_3049(左写真2)塩の無人販売所、(右同3)1個20ナミビアドル(約160円)のようです

 沿岸部に出ると右折し海岸沿いを北上します。この道路C34は一応舗装道路ですが、簡易舗装といった趣で砂利道よりはましといった程度の路面状態でした。そんな道を走ること30分ちょっとで目的地のケープ・クロスの看板を発見、そこから海の方へ左折して向かいます。この道路わきにはところどころにピンク色の塩の塊の無人販売をやっているテーブルが数多く設置されていました。そんな道を進みながら目的地のコロニーに到着です。

Img_3025(写真4)オットセイ繁殖地の入り口

 ここはナミビアでも有数のオットセイの繁殖地となっていて管理事務所もあります。受付で登録と入場料を支払ってからそのまま車で敷地内に入っていきます。数分で目指す繁殖地に到着、窓の外を見るとものすごい数のオットセイが寝そべっています。駐車スペースに車を停め、改めて外に出ると…

 すごい臭い( ゚Д゚)

P1010210 P1010188P1010209 P1010213 (左上写真5)一瞬昆布を干しているかと思いました、(右上同6)オットセイの大群、(左下同7)大あくび、(右下同8)カモメでしょうか

(動画)オットセイの様子

 事前の情報でかなり臭うとは聞いていましたが、これはなかなかのものです(とはいえすぐに慣れますが 笑)。鳴き声もけたたましく迫力があります。しばらく周辺でオットセイの群れを眺めていましたが、見ると前方に木道が設置されています。どうやらここからも見学ができる様子、見ると単独旅行者らしき人が歩いています。せっかくだから行ってみようとなり、木道に入りました。イメージは知床五湖でヒグマとの遭遇を避けるための施設ですが、あちらは電気柵もあって対策はバッチリなのに対し、この木道は本当に単なる木道です(一応オットセイ対策で木の格子が張り巡らされている)。こんなので大丈夫かと思いながら散策していたらなんと!前方にオットセイがいます。どうやら木道が壊れている場所があるらしく、そこから侵入したもようです。やり過ごせるかな?と思い近づくと、「ウ~」と唸って威嚇してきます。オットセイは本来は人間が近づくと逃げていくんですが、木道の中は狭いため彼らにとっても人間の接近は恐怖らしく、威嚇して追い払おうとするようです。仕方ないなと思い、来た道を戻るんですが、なんと!反対側にもオットセイがいます(同じように壊れた個所から侵入したもよう)。狭い木道の中で前後をオットセイに囲まれてしまった形です。「こりゃ困ったな」と思いましたが、ひとまずは様子を見て彼らが自発的に外出るのを期待します。

P1010197 P1010228(左写真9)木道入り口、(右同10)木道を占拠されました💦

 が、彼らも狭い木道のさらに狭い破損個所から偶然侵入したわけなので、出ていくのも偶然に任せるしかありません。しばらく待っていましたが出ていく気配がありません。なんかRPGのダンジョンにハマったような気分です。何度かやり過ごせないかなと思ったんですが、やっぱり威嚇されてうまくいきません。しょうがないので最終手段、木道の外に出て避難することに。ただ木道の駐車場側はびっしりオットセイが寝ているため、こちらから脱出した場合、最悪彼らを踏んづけてしまう可能性があります。一方の海側はオットセイの姿もまばらだったので、なんとか木道を乗り越えて外に出ることに成功、そのまま注意深く回り込み無事駐車場に戻ることができました(やれやれ)。

Img_3039(写真11)十字架のモニュメント

 ちなみにケープ・クロスという名前から想像できるようにここには十字架のモニュメントがあります。これは1485年にポルトガル人が西洋人として初めてナミビアの地を踏んだことに由来するのだそうです。

 オットセイに道を塞がれるという経験もあってここの観光は終了、来た道を戻り海岸線を南下します。1時間半ほどでスワコプムントに到着、ただこの日の宿泊先がさらに南のウォルビスベイだったので、ここには寄らずそのまま南下、結局夕方に無事ホテルに到着したのでした。

 この日から2連泊するプロテアホテルはウォルビスベイのウォーターフロント地区にあるホテル、部屋からは大西洋の夕陽が望めます。しばし休んだ後夕食は近くにある海鮮レストランに繰り出したのでした。

Img_3054 Img_3056 Img_3059 Img_3058(左上写真12)ウォルビスベイのウォーターフロント、(右上同13)ベイサイドのレストラン、(左上同14)生牡蠣、(右下同15)サーモンの刺身

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