2024年夏至・冬至
今日6月21日は日本を含めた北半球では夏至になりますが、こちらナミビアなどの南半球では冬至になります(当たり前ですが)。地軸は公転面に対して23.6度傾いており、これがために時期によって昼夜の長さに違いが出てくるのです。昼が一番長くなる日を夏至、その逆を冬至と呼びますが、6月20日ごろが北半球の夏至、12月20日ごろが冬至です。南半球では逆になるわけです。
ひと口に日が長い短いといいますが,その様相は緯度によって大きく異なります.北半球の場合東南アジアやインド、アフリカサハラ砂漠などの低緯度地方では夏と冬の昼の長さはそれほど変わらないのに対して,北欧やアラスカといった高緯度地方ではその差が極端になります.試みに東南アジアのクアラルンプール(北緯3度)の夏至と冬至の昼の長さを調べてみると,夏至が12時間20分,冬至が11時間58分とその差は22分しかありません.一方で北欧のストックホルム(北緯59度)の夏至の昼は18時間43分,冬至のそれは6時間9分とその差はなんと!12時間以上となります.一方で南半球はそのそも高緯度地帯の陸地が、ほぼ南米のパタゴニア地方に限られるため、あまり意識されることがありません。ちなみに赤道上では一年を通して昼夜の長さが一緒ですが、この夏至・冬至の日に太陽高度がもっとも低くなります。
昼が長く,しかも温かい夏至の時期は大勢の人間を混乱なく動かすには都合がいい時期でもあります。このため歴史的に大きな軍事作戦がこの時期に行われています。具体例を挙げると,古くは古代ローマ末期にアジアから西進してきたフン族と西ローマ・ゲルマン連合軍が戦ったカタラウヌムの戦いが451年の6月20日でした。また有名なナポレオンのロシア遠征が1812年6月23日,ワーテルローの戦いが1915年6月18日,第二次世界大戦の独ソ戦の開始であるバルバロッサ作戦が1941年6月22日,同大戦のソ連側の大規模な反撃であるバグラチオン作戦が1944年6月22日に開始されています.日本史方面を見ると本能寺の変が1582年6月21日(天正10年6月2日)のことですし,応仁の乱も本格的な戦いが始まったのは1467年(応仁元年)のこの時期です.
ちなみに南半球ではどうなんだろうと思い調べてみました。南半球は北半球に比べて大きな戦争の記録が少ないのですが、それでも第一次ボーア戦争(南アフリカの支配権をめぐってボーア人(オランダ系の植民者)とイギリスが戦ったもの)が始まったのが1880年12月と南半球の夏至の時期に起こっています。
そんなことを考えた2024年の夏至・冬至でした。
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