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2023年1月30日 (月)

歌劇「トスカ」

Img20230201_07434573  昨日1月29日は上野の東京文化会館に藤原歌劇団のトスカ公演に行ってきました(今月2本目のオペラ鑑賞).

 オペラ作品というと,17世紀のモンテベルディから現代まで,いったい何作品あるのか数えるのも不可能ですが,その中で誰もが納得するであろう名作となると,ある程度絞られます.このプッチーニによって19世紀最後の年である1900年に発表された「トスカ」は,多くの人が認めるであろう名曲中の名曲でしょう(もっとも同時代の作曲家であるマーラーは本作を駄作と呼んだそうですが…).オペラを初めて見る人に何を薦めるかと問われてトスカを押す人も多いと思います.その理由としては,まず時間が程よいこと(全3幕合計2時間ほどと映画並み),ストーリーがわかりやすくスリリングであること,登場人物のキャラだ立っていて感情移入しやすいこと,美しいアリアが堪能できることなどが挙げられます.

 物語はフランス革命後のナポレオンが台頭し始めた時期のイタリア・ローマ,自由主義者で政治犯のアンジェロッティとその友人の画家カヴァラドッシ,カヴァラドッシの恋人の歌姫トスカと自由主義者を徹底的に弾圧する一方で,ひそかにトスカをものにしようと野心を抱くローマ市の警視総監スカルピアが織りなす人間ドラマです.アリアとしてはカヴァラドッシによる1幕の「妙なる調和」,3幕の「星は光りぬ」,トスカが歌う2幕の「歌に生き恋に生き」はオペラ史でも屈指の名アリアです.

 劇としても2幕でスカルピアがカヴァラドッシを拷問にかける様子を聴かせながら,トスカを精神的に追い詰めていく場面など非常に緊張感の高いシーンが続きますが,個人的には1幕最後の人々がテ・デウム(「神である汝を讃えん」を合唱する傍らでスカルピアが自らの野心を歌う場面が非常に好きです.

 今回の公演は土日をダブルキャストによる上演で,キャストはすべて邦人歌手でした.演出もオーソドックスなもの(というかリアリズムを目指しているヴェリズモオペラの範疇に入る本作においては突飛な演出はやりにくいでしょう).そんな名作を堪能した1日でした.

 オペラ鑑賞というと,その後の食事までがセットと考える我が家,この日は四谷三丁目にある音威子府TOKYOさんに繰り出し,蕎麦や焼酎を堪能しました.

Img_9581 Img_9582(左)礼文島の昆布焼酎,(右)黒い音威子府そばと白い新得そばの食べ比べ

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