喜歌劇「天国と地獄」
オペラ好きの我が家ですが、夏以降は結構忙しくなかなか鑑賞に出向く機会が無くなっていました(そもそも新国立はシーズンオフでもある).振り返ってみると最後に鑑賞したのが7月3日の日生劇場でのコジ・ファン・トゥッテでした(その前が5月19日新国立のオルフェオとエウリディーチェ).その間11月13日には日生劇場のルチアに行く予定もあったのですが,別用とぶつかってしまい知人にチケットを譲ったということもありました.そんな中4か月半ぶりの鑑賞となったのが表題の天国と地獄,主催は東京二期会です.
このオペレッタはオッフェンバックの作曲で1858年にパリで初演されたものです.原題は「地獄のオルフェ」,当時リヴァイヴァルブームが起こっていたグルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディで,本来は最愛の妻エウリディーチェの死を嘆いたオルフェオが地獄に彼女を向けに行くお話だったものを,お互い愛人を持つなど冷え切った関係でありながら世間体を気にして別れられない夫婦の話に改変されています.ナポレオン3世治世下のパリで大成功を納め,オッフェンバックの代表作のひとつとなっています.特に第2幕に登場するフレンチ・カンカンは日本でも運動会などで非常に有名です.ただ,有名な割にはオペラそのものの上演頻度は低いのも事実で,私自身も生鑑賞は過去に2回しかありません.その2回のうちの1回が二期会による公演で,今回はその再演でした(前回は3年前).ジュピターをはじめとした天国の面々が白を基調とした服装なのに対してプルートなど地獄のキャラが赤を使うなど色彩の対比も面白い演出です.今回は1858年の初演版をベースにした上演でした.このため一般的に序曲とされている部分は演奏されませんでした(世間で「天国と地獄 序曲」とされているものはオッフェンバックのオリジナルではない).セリフ、歌全て日本語訳の舞台は肩が凝らずこれぞオペレッタという感じでした.
オペラって本当に楽しいなと実感した舞台でした(次行けるのはいつか 笑).
| 固定リンク
コメント