« 羅生門と去年マリエンバートで | トップページ | ハチ »

2022年8月28日 (日)

第62回日本寮歌祭のハズだった日

 今日は第62回日本寮歌祭のハズだった日です.

 日本寮歌祭は日本寮歌振興会の主催で1961年に第1回が開催され,以後年1回開催で行われていましたが,旧制高校を現役で知る方々の高齢化もあり2010年の第50回をもって一旦終了となりました.しかし寮歌を愛好する方々の強い希望もあり,2011年からは中央寮歌祭という名称で継続が図られ,2019年に日本寮歌振興会と中央寮歌祭実行委員会が合同する形で第59回日本寮歌祭として復活した経緯があります.50回の次が59回に飛んでいるのは,この間の中央寮歌祭が51回から58回に当たるとの判断からです.

 寮歌とは主に旧制高校の寮で歌われていたものですが,当然のこととして旧制高校を現役で過ごした方々は超高齢化しており,最も若い人でも今年で91歳になります.現役で知る人は減る一方なわけですが,他方こうした寮歌が好きだという若い世代(?)もいて,そうした人たちが始めたのが中央寮歌祭だったわけです.日本寮歌祭も復活して順調かと思われた矢先,2020年初めにコロナ禍が発生,そのあおりを受けて記念すべき第60回は中止になってしまいました.このブログでも何度も書いているように寮歌祭は「大勢の(400人規模)」「高齢者が(90歳以上もザラ)」「閉鎖された会場に」「密集して」「長時間に渡って(約半日)」「大声で歌い騒ぐ」という新型コロナ感染症対策で”やってはいけない”とされていることをことごとくやるイベントです.ほかのイベントが開催される状況になったとしても,これだけはなかなかハードルが高いだろうと思われます.

 ただそうしている間にも現役の旧制高校生は次々に鬼籍に入っています.実行委員会としてはどういう形であれ開催したいという強い思いがありました.そこで編み出されたのがコロナ禍での寮歌祭というもので,「参加するのは各校の代表のみ」「一斉高唱はしない」「各校寮歌は音源を流しながら代表者がマスクを着用して歌う(従来の応援登壇は禁止)」というスタイルでした.5~6月に感染が一時落ち着いていた頃にはこのスタイルでの実施を決定し,関係者への参加確認も行われました.はたしてどんな寮歌祭になるのか興味があった私も参加に〇をして申し込んだのは言うまでもありません.

 しかし,7月に第7波になると状況は一変,とてもできそうな雰囲気ではなくなり結局8月初めに中止が決まってしまいました.ただ実行委員会では2023年11月26日の日程で会場を抑えており,来年こそは第63回日本寮歌祭として開催したいと強く願っているようです(寮歌祭は中止になってもその回を飛ばして次の番号になるというオリンピックみたいな回数の数え方をします).本当にそうあって欲しいものです.

Img_5163_20220830112401 Img_5115 写真は2019年8月4日に開催された第59回日本寮歌祭のワンシーンとプログラム.

|

« 羅生門と去年マリエンバートで | トップページ | ハチ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 羅生門と去年マリエンバートで | トップページ | ハチ »