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2022年8月 3日 (水)

危険な暑さ

 いよいよ8月に入りました.学校では完全な夏休みシーズンです.

 夏だから暑いのは当たり前ではありますが,21世紀に入ってから,特にここ数年の暑さは尋常でないものがあります.かつては暑い日を指す気象用語として最高気温25℃以上の「夏日」,同じく30℃以上の「真夏日」,夜間の最低気温が25℃を下回らない「熱帯夜」がありました.しかし21世紀に入って夏の30℃以上が当たり前になったことから,2007年に最高気温35℃以上の「猛暑日」が追加されています.

 それでも追加当初は真夏日が続く合間に猛暑日の日があるという感じでしたが,最近では猛暑日が連続していて,お天気コーナーでも真夏日だと「暑さが和らぎました」,夏日だと「過ごしやすい一日でしょう」なんて言われるレベルになっています.

 そんな暑い日々ですが,最近耳にすることの多い言葉が表題の「危険な暑さ」です.名前のイメージからは油断すると命にかかわるような暑さなんだろうと思いますが,具体的な定義はあるんだろうかと思って調べたらちゃんとあるようです.一言で暑いといっても気温だけで決まるものではありません.たとえば北海道や西ヨーロッパの夏は気温は高くてもカラッとしていて過ごしやすいなどと言われるように,同じ気温ならば湿度が高い方が不快です.実際の暑さを評価するには,「気温」,「湿度」,「放射熱(地面からの照り返しなど)」,「気流」の要素を総合する必要があり,それが「暑さ指数」(WBGT: 湿球黒球温度)と呼ばれるものです.この暑さ指数が31℃以上の状態を危険な暑さと呼ぶようです.

 ちなみに暑さ指数の算出方法は屋内と屋外で異なり,

 屋外 WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
 屋内 WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

 で計算されます.ここから先は物理の範囲ですが,乾球温度とは通常の温度計で測定した気温,湿球温度とは温度計の球部を湿ったガーゼで覆った温度計で測定した気温(湿度が低い場合は気化熱が増えるので乾球温度に比べて低くなる),黒球温度は黒いグローブのようなもので覆われた温度計で測定される気温で放射熱の影響を受けるものです.

 その日の状況によって異なるものの,日本においてはWBGT 31℃以上とは概ね気温35℃以上のことで,これは猛暑日に一致します.すなわち危険な暑さ≒猛暑日ということのようです.

 そんなことを勉強した真夏の一日でした.

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