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2022年8月23日 (火)

白河の関

 昨日行われた第104回全国高等学校野球選手権大会の決勝で宮城県代表の仙台育英高校が勝利し優勝しました.100年以上に及ぶ高校野球の歴史の中で東北勢の優勝は初めてのことです.過去には第51回大会の三沢商業(青森),第85回大会の東北高校(宮城),第100回大会の金足農業(秋田)など合計8回東北勢の決勝進出はあったのですが,どうしても優勝には手が届かなかったのです.このため東北人にとっては今回の優勝はとても感慨深いわけです.ネット上では「深紅の優勝旗がついに白河の関を越える!」と話題になっていました.

1280pxshirakawanoseki_monument  白河の関は下野国と陸奥国との境界にあった関所のことです.江戸から奥州街道を北に向かうとこの関所に行き当たり,ここから陸奥の国となるわけで,まさに東北地方の玄関口と言える場所でした.白河の地は要衝の地として江戸幕府も重要視しており,この地に封じられたのは親藩・譜代の有力大名でした.江戸中期,寛政の改革で知られる老中松平定信はもっとも有名な白河藩主でしょう.現在では国道4号線をはじめ,東北自動車道,東北本線,東北新幹線などの重要路線が付近を通っています.今回ついに優勝旗が白河の関を越えるわけですが,ここで注意が必要です.それは東北地方と他地方との境界は白河の関だけではないからです.江戸から太平洋沿岸を進み常陸の国から入る場合には勿来の関が日本海回りで越後の国から入る場合には鼠ヶ関を通ることになります.もし仮に仙台育英の選手と優勝旗が日本海回りや常磐線回りで帰仙した場合,白河の関は越えなかったことになるのです.最後まで油断できません(笑)

 と思っていたら,どうやら東北新幹線で仙台に戻ったようです.

 甲子園初優勝の仙台育英、仙台駅に凱旋

 これで無事に白河の関を越えたわけです.

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