ときがわ温泉
先日ちょっと近場の旅行に行ってきました.目的地は埼玉県西部,普段神奈川県に居住している人間としては旅行といえば北海道とか紀伊半島など離れた場所に目が行くため,観光ではなかなか行くことがない場所です.いろいろと廻ったのですが,その中の一つが表題のときがわ温泉です.実はここ,ある意味で非常に有名な温泉なんです.それは日本で一番pHが高い(アルカリ性が高い)温泉としてです.そのpHは11.3になり水酸化ナトリウムのモル濃度でいうと0.005mol/Lになります.アルカリ性の温泉と言えば,皮膚の角質が溶けてヌルヌルする,いわゆる美肌の湯として知られています.そのアルカリ度日本一のお湯です(ちなみに酸性日本一の温泉は秋田県の玉川温泉でこちらはpH 1.2でモル濃度0.06mol/L).
場所はJR八高線明覚駅から西に10キロほど山の中に入ったところにあります.旅館ときがわという一軒宿ですが,現在は宿泊営業はしておらず,昼夕2部制各2組,合計1日4組限定の食事付き貸し切り営業となっています(利用時間は4時間).宿泊はできないためこの日は隣の越生町に宿を取って行くことにしました.当初は車で行くことを考えていましたが,旅館のサイトの料理を見て「これは絶対お酒が飲みたくなるやつだ(笑)」と思ったので宿泊所に車を置いてタクシーで往復することにしました(結果的に大正解).
ついたところは本当に山の中,暖簾に柚子の文字が書かれていて柚子にこだわった温泉のようです.まずは部屋に案内されますが,結構立派な造りです.お茶を頂いた後さっそく温泉に入ります.貸し切りの浴室は岩風呂で埼玉県としては珍しい源泉かけ流しの湯でした.さっそく入って見ると,たしかに角質が溶けてヌルヌルします.とはいえ過去に入ったことがあるほかのアルカリ性泉に比べてそれほど強烈という感じはしませんでした.思うにこの温泉は湧出量が多くないため浴槽内のお湯の滞留時間が比較的長く,湧出段階ではpH 11.3でも空気中の二酸化炭素と反応してどんどんアルカリ度が下がっていくからだろうと想像しました.
(左写真3)貸し切りの浴室,(右同4)源泉pH 11.3のお風呂
しばし温泉を堪能した後は夕食の時間,柚子懐石の登場です.次々と出てくる料理は完璧に山のものオンリーでした(お造りは湯葉と蒟蒻,焼き物は岩魚,御凌ぎはとろろ蕎麦,揚げ物は野菜と鮎の天ぷら).日本酒との相性が抜群で車で来なくて良かったと思いました.
食事の後は少し休んでから再び温泉を堪能したのでした.
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