クリスマスイブ
今夜はクリスマスイブです.キリスト教においてイエスの誕生を祝うのがクリスマスで,それが12月25日です.ただ聖書にはイエスの誕生日については記載はなく,12月25日は誕生日ではなくあくまでもイエスの誕生を記念する祝日という位置づけです.そしてイエスが生まれたのは夜なので,その聖なる夜(聖夜)をクリスマスイブと呼んでいます.現在では真夜中の12時から日付が変わりますが,キリスト教のベースとなったユダヤ教の暦では日没から日付が変わりました.このため今の暦でいうと12月24日の日没から25日が始まるため,24日の夜がクリスマスイブということになります.時々世間では「クリスマスイブの夜」という表現を見かけますが,これは「アメリカに渡米する」,「馬から落馬する」と同様の重言になります.クリスマスイブは12月24日を指す言葉ではないのですが,日本でその種の誤解があるのは,本祭の前夜に行われる宵宮の概念があるからかと思ってたりします.
イエスの誕生を祝うのがどうして12月25日になったのかについては諸説ありますが,古代末期から中世にキリスト教を受け入れたゲルマン人に冬至を祝う習慣(冬至以降日が長くなるので太陽の復活の日と考えられていた)があったため,それに初期の教会がイエスの誕生が結びつけたものと考えられています.クリスマスの定番モミの木飾りも,キリスト教が誕生した中東ではなく,ヨーロッパの森を連想させるのもその辺に理由がありそうです.
聖書の記述(ルカ福音書)によると,イエスが誕生した晩,野宿をしていた羊飼いのところに天使が現れ,そのことを告げることになっています.聖書の舞台となったイスラエルは決して暑い国ではなく,特にイエスが生まれたとされるベツレヘム周辺は乾燥していて標高も高く,冬は寒くてとても野宿などできる環境にないので,イエスの誕生は少なくとも12月など真冬ではなさそうです.
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