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2021年12月 2日 (木)

楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

Meister  12月最初の日は初台の新国立劇場で行われている楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」公演に出かけてきました.

 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」はリヒャルト・ワーグナー主要作品中,唯一の喜劇的な作品です.ただロッシーニの喜劇作品のような底抜けの喜劇というわけではなく,喜劇的な題材の中にもワーグナーらしい精神性や哲学性などが散りばめられているのは言うまでもありません.

 今回の公演は新国立劇場と東京文化会館,ザルツブルク・イースター音楽祭,ザクセン州立歌劇場による共同制作で本来は昨年6月に上演されるはずでした.しかし新型コロナの感染拡大を受けて中止となり今年あらためての公演となったものです.オペラ愛好家の私ですが,ワーグナー主要作品中唯一生観劇したことのないのがこのマイスタージンガーだったので,昨年段階から行く気満々でした.今回公演最終日にようやく鑑賞することができ感慨深いものがあります.

 指揮は新国芸術監督の大野和士,演出はイェンス=ダニエル・ヘルツォークです.キャストはザックスにトーマス・ヨハネス・マイヤー,ヴァルターにシュテファン・フィンケ,ボーグナーにギド・イェンティンス,ペックメッサーにアドリアン・エレート,エーファに林正子etc.です.オケは定番の東フィルや東響ではなく大野和士が音楽監督を務めている都響が起用されました.

Img_6815  演奏は30分の休憩を2回入れて約6時間,正味5時間はワーグナーの中でも「神々の黄昏」と並んで最長レベルです(特に3幕が130分とこれだけで普通のオペラ1本分!).ただ喜劇的な要素が多くストーリーがテンポよく進むことや合唱が多用されるなど苦痛はそれほどでもありません(笑).出演陣は期待にたがわぬ素晴らしい歌唱を聴かせてくださいました.ただ演出に関しては最後ちょっとどうなんだろうと個人的に思いましたが(この作品は強く政治的に利用された過去があるので,特にドイツの演出家にとっては難しいのだとは思います).

 終演後は定番のレストランでのディナー,この日もコース料理となりました.

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(左上)始まりはスパークリングワイン,(中上)前菜はギアラとトリッパ,(右上)パスタはリングイネのクリームソース,(左下)秋鮭のムニエル,(中下)牛ザブトンのロースト,(右下)モンブランのタルトと栗のジェラート

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