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2021年10月10日 (日)

歌劇「チェネレントラ」

Img013_20211011160601  緊急事態宣言が明けて2度目の週末となった10月9日,久しぶりにオペラ観劇のために新国立劇場に行ってきました(調べたら5月29日のドン・カルロ以来,ちなみにこの時は感染対策を兼ねて自家用車で行った).

 今回の演目はロッシーニのチェネレントラ,セビリアの理髪師と並ぶ彼のオペラ・ブッファの傑作です.原作はペローやグリム童話にも登場するシンデレラの物語です(チェネレントラはシンデレラのイタリア語読み).童話として非常に有名な作品ですが,ロッシーニはオペラ化に当たって本作のメルヘンチックな部分をそぎ落としたため,魔法使いやカボチャの馬車,ガラスの靴といったアイテムは出てきません.魔法使いに代わってチェネレントラを舞踏会に誘うのは王子の教育係の哲学者で,ガラスの靴の代わりに腕輪が本人確認に使われます.全体的に大人の恋愛喜劇という感じです.

Img_6568(写真)中庭と隣のオペラシティ

 初演されたのは1817年で前年に発表されたセビリアの理髪師に比べるとオーケストレーションが大規模になり合唱も多用されるなどかなりの進化が見られます.

 出演者ではタイトルロールのチェネレントラ(本名はアンジェリーナ)には日本が生んだロッシーニ歌いである脇園彩を,相手役の王子ドン・ラミーロにはルネ・バルベラが起用されました.この組み合わせは去年2月コロナ禍がひどくなる直前に行われたセビリアの理髪師公演と同じです.今回も素晴らしい歌を聴かせていただきました(ドン・ラミーノには2幕に高音が連発する難アリアがありますが,今回はその部分がアンコールされたのは感動ものです).そのほか脇を固めるメンバーとしてアリドーロ(王子の教育係)のガブリエーネ・サゴーナ,アンジェリーナの欲深い継父ドン・マニフィコ役のアレッサンドロ・コルベッリ,往時の従者ダンディーニの上江隼人,長姉グロリンダの高橋薫子,次姉ティーズべの齊藤純子の各氏もそれぞれ味のある歌と演技を見せてくれました.

 演出は粟國淳による新作で,物語全体を映画界での出来事に読み替えての演出で,こちらも興味深かったです.

 終演後はレストランへ.緊急事態宣言が明けて,晴れてお酒が提供されるようになりました(歓喜).

Dsc_2104 Dsc_2106 Dsc_2107 Dsc_2108 Dsc_2109 Dsc_2110(左上)シャンパンをいただきます,(中上)前菜(金美人参のムースと貝類のマリネ,(右上)リングイネ カルボナーラ,(左下)いとより鯛のポワレ,(中下)塾成牛いちぼのロースト,(右下)デザート(洋梨のタルト)

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