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2021年6月19日 (土)

尾瀬旅行(2)

 尾瀬旅行2日目です.前夜は消灯後すぐに就寝したこともあってこの日は5時ごろに目が覚めました.さすが6月のこの時期は日の出が早いので周囲はすっかり明るくなっています.起床後はまず寝具を自身で畳んで整理するのが山小屋流です(昔合宿で使った青年の家もそうだった).

Dsc_1740(写真1)温泉小屋の朝食

 6時になると「朝食の支度が出来ました」という館内放送が流れ、宿泊者は食堂へ.座席は来た順に係員に誘導される感じです.朝食はハムに切り身の鮭,漬物が中心で,温泉小屋らしく温泉卵もついていました(ご飯はお替り自由).

Img_0213(写真2)温泉小屋をバックに

 実は前夜,この日の予定について考えました.昨日は疲労で三条の滝をパスしたわけですが,はたしてそれを今日に持ってくるか… いろいろ検討したんですが結局断念しました😢.理由はそもそもここから今夜の宿泊地である尾瀬沼東岸まで,まっすぐ行っても11kmと昨日歩いたのとほぼ同じ距離があること,そして最初の下り以外はほぼ平坦地だった昨日に対し,今日は途中白砂峠というけっこうな峠道があるからです.普通に歩いても昨日より大変なのに,さらに往復2時間の登山道を追加するのは我々の体力の限界を超えているだろうと判断しました(滝は別の機会に必ずリベンジします).

Img_0214(写真3)見晴地区の手前

 そんなわけでこの日はゆっくりと思ってたんですが,朝食が早いこともあり山小屋にいてもすることがないため,結局7時半にはチェックアウトし歩き始めることになりました.滝には向かわないため,まずは昨日来た道を戻ります.赤田代と呼ばれる湿原地帯から南へ向かい,まもなくすると東電分岐にさしかかります.ここを右折すれば東電小屋方面ですが今日はこのまままっすぐ行きます.東電分岐から15分ほどで見晴に到着しました.

Dsc_1741 Dsc_1742(左写真4)朝の弥四郎小屋,(右同5)見晴集落

 昨日も小休止に利用した弥四郎小屋前のベンチでしばしの寛ぎタイム,この先しばらくトイレがないので,公衆トイレで出すものをしっかりと出して支度を整えます.そして8時30分ごろいよいよ尾瀬沼方面に向かって移動開始,見晴の集落から東に延びる木道を進みます.見晴は尾瀬ヶ原の東の端に位置するためここから先はしばらく森林地帯を歩くことになります.そして尾瀬ヶ原と尾瀬沼の間には約200mの標高差があることから,尾瀬沼に向かってほぼ片勾配の峠道となっています(ちょうど碓氷峠みたいな感じ).

Dsc_1744 Dsc_1749(左写真6)老朽化した木道,(右同7)普通の登山道

 見晴の集落が終わると早速登り始めます.基本的には木道が敷かれたルートですが,損壊が著しい個所もありました(尾瀬ヶ原とは違ってこちらは歩く人が少ないので,木道の補修もなかなか進まないのでしょう).

Dsc_1752 Dsc_1756(左写真8)岩場,(右同9)へばっています

 その後は普通の登山道と木道が交互に現れる形でひたすら登っていきます.途中には倒木で迂回を余儀なくされる個所もあり苦労します.とはいえ尾瀬は気温がそこまで高くないのと,森林地帯で直射日光にさらされないことから,全身汗でびしょびしょとまではいきませんでした(昨年9月の父島ハートロックの時ほどはきつくなかった).

Dsc_1761(写真10)白砂峠に到着

 見晴を出発して2時間いよいよ岩がごろごろする急こう配を登った先に,ついに「白砂峠」と書かれたプレートを発見,2時間登りっぱなしは堪えましたがそれなりに達成感に浸りました.峠を過ぎるとすぐ下りというわけではなくしばらくは木道を歩きます.さすが標高が高いせいかまだ残雪があり,それが解けでできた水たまりが目に入ります.そしてその水たまりには水芭蕉が生えていました.尾瀬ヶ原はもう見ごろの終盤ですが,標高が高く日差しの少ないこの辺はまだまだこれからのようでした.

Dsc_1764 Dsc_1769(左写真11)残雪が,(右同12)水芭蕉

 そんな水たまり地帯が終わると岩場の急な下りになります.こうした場所は足首のケガを起こしやすいのでポールを使いながら慎重に下ります.かなりの急こう配ですが距離は短く,あっという間に開けた土地に出ました.昨日歩いた尾瀬ヶ原を思わせる風景ですが,ここは白砂田代と呼ばれる森の中にぽっかりと開けた湿原です.ちょうどテラスがあったのでしばし小休止することにしました.

P6110099 P6110100(左写真13)白砂田代(沼尻方面),(右同14)白砂田代(見晴方面)

 今日歩いてきた白砂峠越えルート,反対方向からくる人がチラホラいたものの,基本的には人の数は少なく今世間で言われている密とは無縁な世界です.聞こえてくるのは流れる水の音とカエルの鳴き声だけ.声のする方を探してみるんですがカエルの姿は見つけられませんでした.

P6110102 Dsc_1774_20210619232701(左写真15)ここにも池塘が,(右同16)水芭蕉の群生

 小休止の後再び歩き始めます.田代が終わると再び森の中に,多少のアップダウンはありますがさほど苦労なく進んでいきます.やがて20分ほどで周囲が開け,目の前に大きな湖が現れました.尾瀬沼です! ついにたどり着いたと感慨深いものがあります.沼のほとりには沼尻休憩所の建物があり普段なら休憩に利用できるんですが,2021年は休業ということでトイレ含め使えない状態のようです.

P6110111 P6110109(左写真17)尾瀬沼です,(右同18)カップヌードルを作る

 とはいえ我々はここで大休止,昼食の時間としました.この日はお湯を沸かしてカップヌードルを作ります.こういう環境で食べると美味いんだよなと感慨に浸りました.昼食後は沼の方に近づいてみます.なにやら船着き場のようなところがあったので恐る恐る行ってみました(かつてはボートでも出ていたんでしょうか).

P6110113Dsc_1778 (左写真19)船着き場にて,(右同20)この先も木道が続きます

 大休止後再び荷物を担いで沼尻を後にします.尾瀬沼は1周の遊歩道が整備されていますが,西岸と南岸の遊歩道は悪路が多いため,一般に北岸ルートが推奨されています.今回は初尾瀬ということで我々も北岸ルートを歩きました(もっとも南岸ルートの方が沼に近いところを通るため風光は良いという噂です).

Dsc_1782 P6110116 P6110143 P6110145(左上写真21)木道も単線になります,(右上同22)北岸からの尾瀬沼,(左下同23)水芭蕉の群生,(右下同24)美しいです

 とはいえ北岸も沼がよく見える場所はありますし,その他水芭蕉の群生地も結構あって景色を堪能しながらの散策ができました.歩き始めから40分程度の森の中で左に分岐する小道を発見,こちらは長英新道という燧ケ岳山頂へのルートでもちろん上級者向けです.我々はもちろん直進します(笑).

P6110147 P6110150(左写真25)湿原内を流れる川,(右同26)まもなく三叉路

 分岐から間もなく周囲は急に開けて湿原が広がる地域に出ます.この付近が大江湿原と呼ばれる福島県側の沼山峠から下ってきて到達する湿原地帯の南端になります.そのまま歩いていくと,やがてその沼山峠方面と尾瀬沼東岸方面とに分岐する三叉路へに突き当たりました.ここを右折して尾瀬沼東岸へ,まもなく建物が複数姿を現します.このうちの一つ,一番奥まった場所に立つのがこの日の我々の宿泊先,尾瀬沼ヒュッテ,桧枝岐村営の山小屋です.時間的には2時ちょっと前でしたが早々にチェックインして休むことにしました.

P6110154(写真27)尾瀬沼ヒュッテ

 通された部屋は昨日の温泉小屋と同じ8畳間でしたが,こちらは個室利用を前提に建てられているためか鍵がついていました(その他支払いにクレカが使えるなどちょっと町っぽさもある).その後はさっさと入浴,ここは温泉ではありませんが,尾瀬の湧水を沸かしたお風呂はとても気持ちがよかったです(基本的に尾瀬の山小屋のお風呂はシャンプー・せっけん不可なんですが,コロナ禍ということで備え付けのもののみ使用可でした).

Dsc_1785(写真28)ヒュッテの夕食

 入浴後はビールを飲んだりして過ごし,5時から夕食,副菜が豊富でおいしかったです.この時間帯になると昨日からの運動による筋肉痛が出てきました.「痛い痛い」と言いながら立ち上がる私でした.消灯はここも9時,もちろんさっさと就寝です.

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