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2021年3月18日 (木)

緊急事態宣言の解除

 新型コロナウイルス感染症に関連して首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言について,政府は期限となる3月21日をもって解除することを決めたようです.

 1都3県の緊急事態宣言解除へ 諮問委員会が政府方針を了承

 今回の緊急事態宣言は年末年始の感染急拡大を受けて,年明けの1月7日に東京,埼玉,千葉,神奈川の1都3県に出され,その後13日に栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県の2府5県が追加されていたものです.その後感染が縮小傾向を示したものの,当初の期限だった2月7日では解除されたのは栃木県のみで,その他の1都2府7県は1か月の延長が発表されました.このうち東海2県と関西2府2県,福岡県に関しては2月末での解除となりましたが,首都圏の1都3県は期限の3月7日にさらに2週間の延長となっていました.

 昨年3月に都知事がロックダウンという言葉を使ったことが話題になりましたが,日本の法律では国民の移動を禁止あるいは拘束することは不可能で(逮捕状による逮捕や精神疾患に関連する措置入院といった例外を除く),基本的にはすべてお願いに留まります.飲食店に対しては時短要請に応じない事業者に対して知事が命令することはできますが,社会全体を規制するには程遠いものです.これは憲法に謳われている基本的人権の尊重の精神が最大限生かされ,国民の行動を権力が規制できない法体系になっているからです.海外では強制隔離や外出禁止令を出せる国は多く,そうした措置が大々的に行われている国との違いは歴然です.

 そんなユルイ緊急事態宣言なんて意味あるのかという声が聞こえてきそうですが,一方で日本人は同調圧力や空気に弱いので,緊急事態!という言葉にビビッてなんとなく世間全体がおとなしくなるのと,世界の中では国や自治体の言うことに素直に従う国民が非常に多いので,それでも出せば効果が現れるわけです.

 ただ所詮は法的根拠のない空気ですから,時間が長引けば長引くほど慣れてきてしまい,効果が薄くなります.最近ニュースなどで都市部の人出が増えている報道がありますが,そうした慣れを反映しているのでしょう.こうなってくるともう,宣言そのものが意味をなさなくなるのは必然なのでこのタイミングでの解除は必然と思われます.

 一方で東京都などは解除明けの3月22日から3月31日までの期間について,引き続き不要不急の外出は避けること,飲食店には時短要請をすること(ただし宣言中の20時までから1時間延長して21時まで),イベント入場者数の上限等を掲げており,内容的には宣言期間中とあまり変わらないことになっています(宣言が終わっても中身は変わらない).

 国家が感染症を制御するのは不可能で,結局は国民一人一人の予防行動が重要です.日本が世界水準でいえばこんなユルイ緊急事態宣言で欧米に比べて圧倒的に少ない感染者数,死亡者数に留まっているはひとえに国民一人一人の感染症対策が優れていることの証左です.宣言解除後も対策は徹底しながら食事や旅行も楽しんでいきたいものです.

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