昔の地図帳
実家に眠っていた地図帳を取り寄せました.
高等地図帳と書いてあります.名前のイメージからもわかるように高校生向けの地図帳です.ただこれは私の高校時代のものではなく,自分の父親が社会人になってから購入して使っていたものになります.
発行日は昭和39年,東京オリンピックが開催された年です.今から57年前なので私はまだ生まれていません(笑).
中をめくっていくと,今とは違った世界が広がっています.まず冷戦時代,アメリカと並ぶ一方の超大国だったソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が存在しています.
そしてバルカン半島北東部には冷戦後の内戦で細かく分裂になってしまったユーゴスラビアが大きな領域を持って存在しています.
ユーゴは元々他民族・他宗教の混在した地域ですが,第1次世界大戦後一つの国家として独立しました.第2次世界大戦後は指導者だったチトー大統領のカリスマで,社会主義でありながらソ連とは一線を画した外交をするなど国際的にもインパクトのある国でした.しかし彼の死去と冷戦の終結によって構成民族の対立・自立が激しくなり,今では見る影もなく分裂してしまったものです(今はスロベニア,マケドニア,クロアチア,セルビア,モンテネグロ,ボスニア・ヘルツェゴビナ,コソボの7共和国になっている).
一方でアジアに目を向けると,ベトナムは北部のベトナム民主共和国(北ベトナム)と南部のベトナム共和国(南ベトナム)に分かれています.北の首都はハノイですが,南の首都はサイゴン!,今のホーチミンになります.
また先日クーデターが発生したミャンマーは旧国名のビルマで首都はラングーン,その北西にある現バングラディシュはパキスタンの一部になっています.
次にアフリカを見てみます.南部アフリカ地域はまだ独立国が少なく,ポルトガル領アンゴラ(現アンゴラ),南アフリカに占領されていた南西アフリカ(現ナミビア),英領ローデシア・ニヤサランド連邦(現ジンバブエとザンビア),ポルトガル領モザンビーク(現モザンビーク),英領ベチュアナランド(現ボツワナ)などの懐かしい名前が並んでいます.写真には入っていませんがギニア湾沿いの国にはオートボルタ(現ブルキナファソ),象牙海岸(現コートジボアール)などの名前もあります.
地図帳の後半には各種資料が載っていますが,日本の都市の人口がとても時代を感じます.札幌市の人口が52万3千人と現在の4分の1強(現在はほぼ200万人),夕張市の人口が10万8千人と現在の15倍(現在は7400人)になっているのは歴史を感じます.人口順位も①札幌,②函館,③小樽,④旭川と現在とは異なっています(現在は札幌,旭川,函館,苫小牧の順).
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