スバールバル条約
スバールバル諸島とは,ノルウェー本土最北端のノールカップからさらに北へ約1000キロ,北極点とのほぼ中間地点に位置する群島です.最大の島がスピッツベルゲン島で,人が定住する街があるところとしては世界最北になります(一番大きな町が人口1400人のロングイヤービーエンでここにジェット機が離着陸できる空港があります).
(左)エスマルヒ氷河,(右)ロングイヤービーエン中心部の商業エリア
この諸島が歴史に登場するのは1596年で,のオランダ人Willem Barentszがここを「尖った山」という意味でスピッツベルゲン諸島と名づけたのが始まりとされています.その後17世紀から19世紀にかけてはヨーロッパ人による狩猟や沿岸での捕鯨が行われる程度でしたが,18~19世紀に始まった産業革命によって石炭の需要が急増すると,石炭を豊富に埋蔵していたこの島は俄然注目を集めるようになります.20世紀に入って炭鉱が開かれるなど開発が進みました.ただ帝国主義時代だったこともありノルウェーの他,各国が領有権を主張するなど政治的に不安定な状態でした.そのため第一次世界大戦後,1920年2月9日にパリで締結されたのがスバールバル条約です.この条約によって政治的にはノルウェー領と決定しましたが,条約加盟国国民は等しく査証なしで入島でき,自由に経済活動が行うことができるようになりました(加盟国国民ならその気になれば自由に行って一旗揚げる権利がある).ちなみに日本はこの条約の原加盟国14か国のひとつです.
私がスバールバル諸島を訪問したのが2003年6月でした.夏至に近い白夜真っただ中の時期です.真夜中1時だというのに真昼のような明るさで感動したのを覚えています.
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