フランシス・ベーコン
今日は1月22日、この日は何の日なのか調べてみたらまず「カレーの日」というのがヒットしました.
記事によると,学校給食35周年を期に1982年に制定されたようで,その記念すべき1982年1月22日に全国の小中学校の給食で一斉にカレーライスが出されたのだそう.自分の世代の学校給食の主食はほぼ100%パンだったので,カレーといえばカレーシチューのみで,カレーライスはお目にかかったことがありませんでした.1982年といえば自分は高校生,この頃には米飯給食が一般的になっていたのでしょう.
さて,カレーの日とは別に今日1月22日のゆかりはというと,16世紀から17世紀にかけてイギリスで活躍した哲学者フランシス・ベーコンの誕生日です.デカルトに代表される大陸の合理論に対してイギリス経験論の祖と言われています.ホームページの学問の記事にも書いているんですが,大陸合理論では真理への探求法として,数学に代表されるように論理的な考察による演繹法を重視しますが,イギリス経験論は経験の積み重ねから真理を見つけ出す帰納法を重視するのが特徴です.演繹法の代表例が三段論法で,
「ソクラテスは人間である」→「人間は死ぬ」→「ゆえに,ソクラテスは死ぬ」
という命題は有名です.
一方の帰納法は個々の経験から法則を見出そうとする考え方です.先ほどの人間は死ぬという命題でいえば,ソクラテスは死んだ,プラトンも死んだ,アリストテレスも死んだ.歴史上の人間はみんな死んでいる.だから人間はみな死ぬ.という風に真理に至る考え方です.
一見すると演繹法の方が科学的な感じますが,実際には帰納法の方が活躍の場は多いです.たとえば,未知の法則の発見は個々の現象の観察から帰納法的に法則が予想され(仮説),それが実験等で事実であると確認されて法則となるからです.また医学の診断法は表面にあらわれている症候(症状)から病気の種類を推定するというやり方ですから完璧に帰納法的です.
こうしたイギリスの経験論の代表者とされるベーコンですが,当時の哲学者の多くがそうだったように,多彩な分野で活躍したことでも知られています.イギリス史上最大の文学者であるシェークスピアと同時代の人物であり,実はシェークスピアの中の人はベーコンだったという説を唱える人もいるほどです.
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