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2021年1月30日 (土)

ワクチンの接種法

 新型コロナウイルス感染対策としてワクチンの接種が海外で始まっています.発症した場合に使用される治療薬と異なりワクチンは発症そのものの抑制を目指す方法であるため,特に社会に広範な流行をもたらす感染症対策の切り札とされています.

 そんなワクチンの投与法ですが,一部に経口投与(ポリオ)や経皮投与(BCG)される例はありますが,その大部分はいわゆる注射による投与です.そして注射の仕方に関して従来日本と海外では大きく異なっていました.インフルエンザやB型肝炎,DPT(三種混合ワクチン)などは海外では筋注(筋肉内に注射)が一般的ですが,日本ではもっぱら皮下注(皮膚と筋肉の間の皮下組織内に注射)で行われるという点です.

 なぜに日本だけが皮下注なのかというと,実は過去に「大腿四頭筋短縮症」と呼ばれる筋注の合併症が多発したという背景があるからです.

 自分の幼少期(1960年代後半から1970年代前半)がまさにそうだったんですが,当時は注射をありがたがる風潮が(親たちに)あって,子供が熱を出すとすぐに近所のクリニックに連れていかれ,そこで解熱剤や抗生物質の筋注をされるケースがありました.特に解熱剤の筋注はその効果がすぐに現れるため,親たちに歓迎されていました.医師が内服で対応しようとしても,「先生,お願いだから注射してください」とせがむケースも多々あったようです.そうして頻回に多量の筋注を受けた結果,筋組織の破壊,壊死などにより運動機能に障害が出てしまった症例が多発したのです.特に太ももの大腿四頭筋の障害によるものが有名で,これが大腿四頭筋短縮症と呼ばれるものです(もっとも筋肉自体が短くなるわけではないので,現在では大腿四頭筋拘縮症が正式病名です).当時社会的に大きな注目を集める事件となったため,これ以降日本では国や医療機関,製薬会社を含め筋注を避ける風潮となりました.

 もっとも問題となった大腿四頭筋拘縮症の原因薬剤はワクチンとは関係がありません(もっぱら解熱剤や抗菌剤あるいはその混合).注射剤が組織へ与えるダメージに関しては薬剤の量や浸透圧など複数の要因があり,事件後は製薬会社もより組織侵害性の低い薬剤の開発に努力しています.また海外で筋注が一般的なのは,局所の腫れや痛みなどの副反応について,実は皮下注よりも筋注の方が軽いからというのもあります.このため過去のしがらみを脱却して,日本も筋注メインにするべきだという専門家もいます.もっとも日本で流通しているインフルエンザやA型肝炎,B型肝炎のワクチンはほとんどが国産で治験も皮下注で行われてきたため,それらの投与が皮下注で行われるのは理には適ってはいます.

 翻って今回の新型コロナのワクチンは海外と同様筋注で行う模様です.現段階では国産品はまだ商品化されておらず,今後接種が予定されているものはすべて海外製です.治験も当然筋注で行われており,その有効性も筋注で証明されているわけですから,エビデンスのない皮下注という選択はできないのだろうと思われます(実はこうした例として狂犬病ワクチンがあります.従来日本ではkMバイオロジクス社による国産ワクチンを使用していたのですが,2020年初めに供給が終了となり,グラクソ・スミスクライン社の海外製ワクチンに切り替わったのですが,投与法も併せて従来の皮下注から筋注に替わりました).

 ワクチンというと自分自身を守るものというイメージを持っている人もいるかと思います.そのため「若者は重症化しにくいらしいから,自分は打たなくてもいいかな」と考える若者もいるようです.実はワクチンの効能は個人が罹患しにくくなることだけではありません.社会の多くの人が接種し抗体を持つことにより,ウイルスが感染できる宿主を失ってその勢力を弱める効果が期待できます.種痘による天然痘の撲滅や麻疹ウイルスワクチンの普及による多くの先進国での患者数激減もこうした大勢の人が接種したことで得られた成果です(日本では残念ながら過去に麻疹ウイルス接種が不十分だったため,今でも散発的に流行が見られます).人々の中にはアレルギー等でワクチンを接種できない人が一定数います.そうした人たちを守るためにもなるべく多くの人が接種することが望まれます.

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2021年1月27日 (水)

モーツァルトの誕生日

Img_1496  今日1月27日は世間でも非常に有名な作曲家,W. A. モーツァルトの誕生日です.1756年のこの日に今のオーストリア中部の都市ザルツブルクのゲトライデ9番地の集合住宅で生まれました.音楽家だった父親から英才教育を受けて幼い頃からその才能を開花させ,5歳で作曲を開始,8歳で最初の交響曲を作曲など天才ぶりを発揮しました.父に従いザルツブルクの大司教に仕えていましたが,26歳の時に対立してウィーンに移住,以後フリーランスの作曲家として活躍しています.

 そんなモーツァルトの生誕地ザルツブルクでは毎年彼の誕生日を中心とした10日間ほどの期間に,ザルツブルクモーツァルト週間という音楽祭を開催しています.今年は残念ながら新型コロナの影響で中止になってしまいましたが,我が家では2年前の2019年にこのイベントに参加してきました.同年から芸術監督に就任したローランド・ヴィラゾンによりオールモーツァルトのプログラムが組まれたモーツァルト週間,我々は宗教曲メインに鑑賞してきました(毎日コンサートを2つくらい鑑賞).

Img_1797 Img_1598 (左)モーツァルテウムでのコンサート,(右)ここの中庭にある魔笛小屋

 思い出しても素晴らしい経験だったのですが,やっぱりこういうイベントは行けるときに行っておくことがいかに重要か改めて実感しています.

 そんなことを考えた1月27日でした.

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2021年1月24日 (日)

歌劇「トスカ」

Img047  緊急事態宣言が続いている首都圏ですが,昨年春との違いのひとつが劇場が開いていること.これは聴衆が静かに鑑賞するコンサート(特にクラシックのコンサート)が複数人がマスクを外して行う会食に比べて感染リスクが高くはないことによると思われます.不要不急の外出自粛が言われていますが,日々の精神的なストレスの緩和のためにも芸術鑑賞は重要だということで、土曜日のお昼に初台の新国立劇場に行ってきました.鑑賞した演目はプッチーニ作曲のトスカです.

 オペラ作品というと,それこそ全部でいくつあるのか数えるのも困難ですが,その中で誰もが挙げるであろう名作となると,結構絞られます.その中でもプッチーニによって19世紀最後の年になる1900年に発表された「トスカ」は,たとえアンチ・プッチーニの人でさえ認めざるを得ない名曲中の名曲でしょう.

 オペラ初心者にお勧めする作品として真っ先に上がるのもこのトスカです(自分も絶対にこれを勧める).理由としては全体で2時間(休憩除く)とほぼ映画並みの長さであること,ストーリー展開が早くオペラ一般にありがちな劇の停滞がないこと.登場人物のキャラが立っていて感情移入しやすいこと,名アリアがあるのはもちろん,大迫力の合唱も登場すること等々,オペラの魅力がこれでもかと凝縮されていて飽きさせないからです.2000年に初出となったアントネッロ・マダウ=ディアツ演出によるプロダクションは舞台装置や衣装の美しさ等から新国立劇場の定番レパートリーとして知られ,近年はほぼ3年に1回上演されています(自分もその都度鑑賞している).

 舞台はナポレオンがヨーロッパに大きな影響を及ぼし始めた1800年6月17日のローマです.共和主義者の政治家アンジェロッティとその友人の画家カヴァラドッシ,彼の恋人トスカと,王党派で共和派を厳しく取り締まる警視総監のスカルピアが織りなす悲劇です.1幕冒頭のカヴァラドッシによるアリア「妙なる調和」,1幕最後の大合唱「テ・デウム」とスカルピアの独白の場面,2幕のスカルピアがトスカを追い詰めていく場面とそれに続くトスカのアリア「歌に生き恋に生き」,3幕のカヴァラドッシの名アリア「星は光りぬ」など聴きどころ満載です.

 今回は指揮者のダニエレ・カッレガーリ,トスカ役のキアーラ・イゾットン,カヴァラドッシ役のフランチェスコ・メーリ,スカルピア役のダリオ・ソラーリの4人が海外招聘でした.現在日本は緊急事態宣言の発出と前後して外国人の入国を原則として禁止しています.彼らは入国禁止措置が出る前に入国し,14日間の待機を経てリハーサルに臨んできたそうです(かれこれ1か月以上前から日本に来ている).欧米の歌劇場も閉鎖になっているところが多いので,彼らにとっても貴重な仕事の機会なんでしょうが,こんな世界情勢の中来てくれたこと自体に感謝です.個人的には1幕最後のテデウムの場面が好きなんですが,あんな密な場面、コロナ時代はどう演出が変化するのか楽しみだったんですが,ぱっと見いつもと変わらない感じでした(笑).

 終演後は劇場内のレストラン「マエストロ」で久しぶりの外食,終演が17時と時間はたっぷりあったのでこの日はフルコースにしました.ワイン共々美味しかったです.こうして日頃のストレスを軽減したのでした.

_res_blogd445_constantinus21_folder_1733 Dsc_1514_original Dsc_1515_original Dsc_1516_original Dsc_1517_original Dsc_1518_original(上左)劇場内レストラン・マエストロ,(上中)前菜のトリッパとギアラ、野菜のトマト煮込みグラタン仕立て,(上右)生パスタ牛荒挽き肉とポルチーニのボロネーゼ,(下左)鮟鱇と海老、渡り蟹のブイヤベース、(下中)熟成牛のビステッカ じゃが芋のグラタン添え 赤ワインソース,(下右)苺のムースミルクレープ とちおとめのジェラート添え

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2021年1月22日 (金)

フランシス・ベーコン

 今日は1月22日、この日は何の日なのか調べてみたらまず「カレーの日」というのがヒットしました.

 【今日は何の日?】

Indocarry (写真)懐かしの東北大学教養部第2食堂のインドカレー

 記事によると,学校給食35周年を期に1982年に制定されたようで,その記念すべき1982年1月22日に全国の小中学校の給食で一斉にカレーライスが出されたのだそう.自分の世代の学校給食の主食はほぼ100%パンだったので,カレーといえばカレーシチューのみで,カレーライスはお目にかかったことがありませんでした.1982年といえば自分は高校生,この頃には米飯給食が一般的になっていたのでしょう.

Bacon  さて,カレーの日とは別に今日1月22日のゆかりはというと,16世紀から17世紀にかけてイギリスで活躍した哲学者フランシス・ベーコンの誕生日です.デカルトに代表される大陸の合理論に対してイギリス経験論の祖と言われています.ホームページの学問の記事にも書いているんですが,大陸合理論では真理への探求法として,数学に代表されるように論理的な考察による演繹法を重視しますが,イギリス経験論は経験の積み重ねから真理を見つけ出す帰納法を重視するのが特徴です.演繹法の代表例が三段論法で,

「ソクラテスは人間である」→「人間は死ぬ」→「ゆえに,ソクラテスは死ぬ」

という命題は有名です.

 一方の帰納法は個々の経験から法則を見出そうとする考え方です.先ほどの人間は死ぬという命題でいえば,ソクラテスは死んだ,プラトンも死んだ,アリストテレスも死んだ.歴史上の人間はみんな死んでいる.だから人間はみな死ぬ.という風に真理に至る考え方です.

 一見すると演繹法の方が科学的な感じますが,実際には帰納法の方が活躍の場は多いです.たとえば,未知の法則の発見は個々の現象の観察から帰納法的に法則が予想され(仮説),それが実験等で事実であると確認されて法則となるからです.また医学の診断法は表面にあらわれている症候(症状)から病気の種類を推定するというやり方ですから完璧に帰納法的です.

 こうしたイギリスの経験論の代表者とされるベーコンですが,当時の哲学者の多くがそうだったように,多彩な分野で活躍したことでも知られています.イギリス史上最大の文学者であるシェークスピアと同時代の人物であり,実はシェークスピアの中の人はベーコンだったという説を唱える人もいるほどです.

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2021年1月21日 (木)

ゼロ勉共通テスト

 この前の週末に大学入試センターによる「大学入学共通テスト」が実施されました.昨年までは「大学入試センター試験」と呼ばれていたものです.もっとも昭和時代には「共通一次試験」という名前だったので,この40年の間に

 共通一次試験 ➡ 大学入試センター試験 ➡ 大学入学共通テスト

と名称が変化したことになります.それぞれ試験には参加大学の数や種類,試験の取り扱いに相違はありますが,マークシートで5教科の試験というところは共通です.似たようなものなのに名前が微妙に変わっていく様は,フランス革命時代の

 国民会議 ➡ 立法議会 ➡ 国民公会

という流れを彷彿させて興味深いです.

Sekaisib  さて,今回の共通テスト,もちろん受験生はこの日のために一生懸命勉強して試験に臨んでいるわけですが,云十年前に受験生だった自分が今,全く勉強していない状態(ゼロ勉状態)で受けたら何点取れるのか興味深いものがあります.というわけで時間的な余裕ができたタイミングでやってみることにしました.科目は現在の自分が一番得意であろう世界史です.ネット上に載っていた問題をさっそく解いてみます.

 回答していくうちに湧いた疑問が・・

 やけに簡単だな😵

 ニュースなどで共通テストは知識だけでは解けないみたいなことを言っていたので,もっと難しいかと思っていただけに拍子抜けでした.が,解き終わって改めて確認したら自分が解いていたのは世界史Aでした.高校の社会科の中で世界史,日本史,地理にはAとBが存在します.普通科の生徒が学ぶのはBで,Aは主に実業高校の生徒が学ぶものです.Aに比べてBの方が単位数も多く,範囲も広く内容も深くなっています.すなわち世界史Aは簡単なのです(どうりで).

 というわけで改めて世界史Bを回答します.なるほど,たしかに考えさせる問題が多いような気がしました.

 回答後は採点に移ります.結果は

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 世界史A 97点、世界史B 88点 でした.

 平均点が何点なのかわかりませんが,ともかく平均点よりかは取れていると自負しています.次は理科に挑戦してみようと思ったのでした.

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2021年1月18日 (月)

文豪の宿

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1月8日から1都3県に緊急事態宣言が発令されました(その後1月14日に2府5県が追加).不要不急の外出自粛や飲食店などの時短営業などが呼び掛けられています.私も昨年来出張が激減し,従来なら週末や夜に開催されていた研究会,講演会の類もすべてweb開催になっているため,以前に比べて自宅にいる頻度が増えています.職場と住居が遠くないこともあって,きわめて狭い範囲内で生活していることになります.

 世の中の情勢としてやむを得ないわけですが,一方でなにか息抜きがないと精神衛生上よくないのも確かであり(それこそストレスで免疫力が低下する),専門家の言うことを尊重し,極力人と接触しないような息抜きをしてきました.具体的には同居人のみで(自分とK),移動には自家用車を使用し,山奥の内湯付きの温泉宿です(食事も個室).

Dsc_1444  行ったのは伊豆半島の真ん中天城峠の北側麓にある湯ヶ島温泉の湯本館,文豪川端康成が定宿としていたところで,名作「伊豆の踊子」を執筆した宿として知られています.日本秘湯を守る会の宿でもあります.

 感染の拡大と政府のGoToトラベルの休止でお客さんが激減しているとのことでした.15時チェックインしてそのままお風呂へ,大浴場も完全貸し切り状態でした.しばし寛いだ後はお楽しみの夕食,山奥だけに猪鍋や鮎の煮付けが魅力的でした.翌日のチェックアウト時間までひたすら温泉を堪能しました.

Dsc_1423 (写真)夕食です

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2021年1月15日 (金)

ストレスチェック

 2015年12月から労働安全衛生法による健康診断に職業性ストレスチェック(いわゆるストレスチェック)が義務付けられました.私の職場でももちろん行われています.アンケートみたいなものに答えて提出するんですが,先日その結果が届きました.

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 高ストレスと判定されなかったのは予想通りですが(そもそもストレスの閾値が高いことは自覚している),項目の中のイライラ感が例年に比べて悪いのが目につきます.思うになかなか出歩けないことが原因だろうなと思いつつ、そうした点もちゃんと評価できる仕組みになっているんだなと妙に感心したのでした.

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2021年1月13日 (水)

今年は何の記念イヤー?

 今年は昨年に比べて寒くて雪の多い年になっているようです.寒いことで町興しをしている北海道陸別町でも1月10日の朝にマイナス33℃が観測されたと報告していました.

 暖冬だった昨年,私も参加した第39回しばれフェスティバルでは最低気温もマイナス15℃程度にとどまってたんですが,もし今年開催できたら例年以上の盛り上がりになったのではと思いました(今年は感染症のために開催中止).

 そんな2021年の1月ですが,例年今年は何の記念イヤー?という企画をやっています.それでは今年も行ってみましょう.

① 原敬暗殺100年

 平民宰相と呼ばれ,大正デモクラシーと呼ばれた時代に総理大臣となったのが原敬です.その彼が東京駅で暗殺されたのが今から100年前1921年11月4日のことでした.

② 大日本沿海輿地全図完成200年

 江戸時代後期に伊能忠敬によって測量されたのが大日本沿海輿地全図です.当時の欧米諸国もその精度に驚いたとされますが,これが完成したのが今から200年前の1821年(文政四年)でした.

③ ピョートル大帝即位300年

 18世紀から19世紀にかけてユーラシア大陸の東西に勢力を伸ばしたロシア帝国,その最初の皇帝(ツァーリ)として1721年に即位したのがピョートル1世です.彼以後約200年ロシアを支配したロマノフ王朝の始まりです.

④ アステカ王国滅亡500年

 16世紀今のメキシコに存在したアステカ王国ですが,スペイン人コルテスの一隊によって1521年首都のテノチティトランが征服され滅ぼされました.

⑤ 承久の乱800年

 12世紀末に成立した鎌倉幕府ですが当初その支配は東国に限定されており,京都以西は未だに朝廷の影響力が強い二頭体制でした.しかし1221年に後鳥羽上皇が起こした承久の乱に勝利したことで幕府の力は完全に朝廷を凌駕し,その支配は全国に及ぶことになりました.

⑥ 王安石生誕1000年

 もっともキリがいいのがこの話題です.北宋時代,社会経済が大きく発展してくると従来の政治体制では対応しきれなくなってきます.これに対応するために皇帝神宗の指示を受けて活躍したのが王安石です.彼が生まれたのが今から1000年前のことでした.

⑦ 張飛没後1800年

 三国志に登場する有名な武将張飛は武勇に優れたものの部下に対する扱いが厳しい,いわゆるパワハラキャラだったとされています.221年蜀軍が夷陵の戦いに臨む直前,恨みを抱いた部下によって殺されたとされています.

⑧ マルクス・アウレリウス・アントニウス生誕1900年

 古代ローマ帝国五賢帝の最後の一人であるマルクス・アウレリウス・アントニウスが今から1900年前に生まれています.ちなみに紙の発明で知られる後漢の蔡倫が亡くなったのもこの年です.

⑨ ロードス島の巨像完成2300年

 古代ギリシャの数学者フィロンが選定した世界の七不思議のひとつ,ロードス島の巨像が完成したのが今から2200年前の紀元前280年とされています.

⑩ 第二次ペルシャ戦争2500年

 ペルシャ戦争は紀元前499年ダリウス1世の時代に始まりました.最初の遠征に敗れたペルシャですがクセルクセス王の時代紀元前480年に二度目の遠征軍が派遣されています.この年に有名なテルモピレーの戦いやサラミスの海戦が起こっています.

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2021年1月 9日 (土)

風邪の日

 今日1月9日は風邪の日なんだそうです.

 その由来は江戸時代後期の大横綱,2代目谷風(谷風梶之助)が寛政七年(1795年)のこの日に流感(流行性感冒,おそらくはインフルエンザ)のために亡くなった故事に由来するのだそうです.

 1月9日は風邪の日(medical tribune)

Tanikaze_2  谷風梶之助といえば,雷電為衛門や小野川喜三郎と並ぶ,江戸時代の大横綱です.特に安永七年(1778年)から天明二年(1782年)にかけての江戸本場所63連勝は,150年後に双葉山の69連勝が出てくるまでは大相撲の最多連勝記録でした.

 そんな強い横綱だった谷風ですが,寛政七年当時流行っていた流感に罹り,あっけなく亡くなってしまったのです.まだ現役の横綱だった時です(享年44).人並み外れた体力があるはずの横綱でさえも命を落とす風邪,おそらくはインフルエンザだったと思われますが,甘く見るととんでもないことになる病気であるのは現代でも変わりません.ここ1年ほどは新型コロナの陰に隠れてしまった感があるインフルエンザですが,奇しくも人々がコロナを恐れて手洗いやマスクの徹底,インフルエンザの予防接種をしっかり受けて準備した甲斐があったのか,今シーズンのインフルエンザの発生は近年稀なほどの少なさです.改めて感染予防の重要さを認識した2021年風邪の日でした.

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2021年1月 7日 (木)

ユリウス暦のクリスマス

135853840_3650172111746794_2441801240544  我が家では毎年冬に2回クリスマスを祝います.

 ??? という世間の空気感じますが,実際いつクリスマスを祝うのかはキリスト教の教派によって違いがあります.一般にクリスマスはイエスの誕生を記念するイベント(誕生日というわけではない)で,それは12月25日に行われることになっています.そのこと自体を否定する教会は基本的にありません.

 ただ暦というものは相対的なもので,現在世界で主流となっているグレゴリオ暦は16世紀のローマ教皇グレゴリウス13世が制定したものです.1年を365日とし,4年に1回の閏年,ただし100で割り切れる年は閏年としないが,400で割り切れる年は閏年とするとするこの暦は1年の誤差が30秒弱と極めて正確な暦です(それ以前の暦は紀元前1世紀にユリウス・カエサルが制定したユリウス暦).

 しかし,制定したのがローマ教皇ということで,フランスやスペインなどのカトリック諸国ではすぐに採用されましたが,宗教的に対立関係にあったプロテスタントが優勢な地域では採用が遅れ,さらに歴史的な対立が深い東方正教諸国では20世紀になっても採用されない国がありました.代表的なのがロシアで,実はここがグレゴリオ暦を採用したのはロシア革命で帝政が倒れた後のことです.

 現在では実生活ではほぼすべての地域でグレゴリオ暦が使用されています(これだけグローバル化が進んだ時代に暦が違っては商売もできません).しかし,宗教上の暦に関しては話は別で,東方正教の一部教会では教会暦としてはいまだにユリウス暦を使用しているのです.ロシア正教や歴史的にその影響を受けている日本の正教会もそうです.

 ですから教会暦としてグレゴリオ暦を使用する地域では現実の(グレゴリオ暦での)12月25日にクリスマスを祝う一方で,ユリウス暦を使用する教会ではユリウス暦での12月25日,すなわちグレゴリオ暦での1月7日にクリスマスが祝われるとうからくりです.イベント好きの我が家ではこうした教会の時間差を利用して,毎冬2回クリスマスを祝っているのでした.

 例年年末年始の我が家

12月24日夜 グレゴリオ暦のクリスマスイブ 🍷+🍖

12月31日からお正月 🍶+🐡+年越しそば

1月6日夜 ユリウス暦のクリスマスイブ 🍷+🍖

1月7日 七草がゆ🍚

Ergxpphvcai91eg  2度のクリスマスとお正月で疲れた胃袋をユリウス暦のクリスマスに七草粥で癒すのでした.

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2021年1月 4日 (月)

今年の抱負

 今年は暦の関係で1月4日が仕事始めです.例年新年の2本目の記事はその年の抱負を語ることになっています.例年であれば「南米のどこそこに行きたい!」,「ひの新選組まつりに参加したい」といった話題が並ぶんですが,今年は新型コロナのパンデミックがどうなるのかまだ予測がつかないこともあり,あまり大風呂敷を広げるわけにもいきません.とはいえ夢はあった方がいいので,思いつくままに今年2021年の豊富です.

1.健康でいる

 まずはこれです.どんな抱負を掲げてもまずは自身が健康でなければいけません(特に今回の感染症の流行で健康の有難さを改めて思い知りました).

2.とにかくどこかには旅行に行く

 旅行と歴史が大好きな私です.やっぱり旅行は外せません.海外に関しては秘境系は当分無理であることは理解しているので,比較的早期の回復が期待できる欧米の大都市やリゾート地を考えています(この際だから後回しにしていたロンドンやニューヨーク,ハワイもいいかも).

3.日本の滝100選

 ライフワークとしている日本の滝100選,滝巡りは三密とは無縁の世界なのでコロナ禍の観光にはうってつけです(しかも歩くので運動になるし 笑).実際2020年は7か所の100選滝を訪問することができました.今年も最低5か所,さらには難度の高い滝にも挑戦してみたいです.

4.オペラ鑑賞

 オペラ好きの我が家,2020年は春から夏にかけて劇場が閉鎖され予定されていた多くの舞台が中止になりました.秋に新国立の「夏の夜の夢」公演が始まった時には,生観劇できることのありがたさを実感しました.今年もできるだけ観劇したいです.

5.時代扮装

 毎年参加していたイベントとして5月のひの新選組まつりや9月のしながわ宿場まつりがあります.昨年は両方とも中止になってしまいました.今年はどうなるのか今の段階ではわかりませんが、仮に開催されるのならぜひ参加したいです.

6.合唱活動の再開

 そして最大の希望はこちらです.なんとか活動が再開できる世の中になって欲しいものです.

 そんなビザンチン皇帝の2021年の抱負でした.

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