小笠原旅行記④ ~ハートロック編~
だいぶ空いてしまいましたが,小笠原旅行記第4回ハートロック編です.
小笠原の海を堪能した翌日,9月16日は父島を陸から観光する一日です.旅行になると体内時計が早まるのか早起きになる我々です.身支度をして朝食会場へ,この日は洋食でした(ワンプレートにパン,サラダ,ヨーグルト,スープ等すべてがこじんまりと乗っている).昨日に引き続き昼食用のお弁当を受け取ります.この日はトレッキングということで,食べやすいようにおにぎり弁当になりました(ウチのKは納豆巻が出てきたらどうしようと恐れおののいていた 笑).
8時40分に一昨日のナイトツアーでお世話になったオガツアーの小笠原さんがロビーに迎えに来てくれました(ナイトツアーのときに,「明後日はうちの社員がお迎えに上がります」と言ってたんですが,オガツアーには小笠原さん以外の社員はいない模様 笑).車に乗り込んで一昨日最後に寄った小港海岸の駐車場に向かいます.ここでこの日ともに参加するほかの参加者と合流します.比較的若いご夫婦でしたが,小港海岸傍に建つホテル「くつろぎの宿 てつや」に宿泊とのことでした.こじんまりとして秘境感満天のホテルのようで,今度はそっちに泊まってみたいねなどと話していました.
全員集合し駐車場近くの東屋にてこの日のツアー概要の確認です.小港海岸からハートロック(のてっぺんの断崖)まで往復10キロ,かなり暑いので水分は多めに摂取すること等の説明がありました(アップダウンのあるトレッキングということで中世城郭の山歩きのイメージか).その後準備体操をして,さあ出発です.
まずは川沿いの小道を進み,そこから遊歩道に曲がります.遊歩道の入り口には足回りを洗う設備があります.これは自然公園内に外部の種子などを持ち込ませないためのものです.またそれと一緒に登山者届ならぬ,登山届ストーンボックスがありました.こちらは目的地別に登山者の身分別(島民、ガイド、旅行者、行政関係等)に決められた色の石を入れるシステムです.我々は旅行者の色である白い石を「ちひろ岩」(ハートロックの正式名)のボックスに入れました.
ここからは徐々に登り道となります.ガイドさんによると,この前半の行程が結構キツイとのこと.なのでゆっくりと周囲の植物などを観察しながら歩いていきます.小笠原は動植物両面で固有種が多いことで有名ですが,一方で外来種による脅威にさらされています.この日も固有種とともに外来種の姿も多く見られました.
約1時間ほどでわらび谷に出ました.その名の通りわらびが一面に生い茂っているところです(もちろん成長しきっているので食べられない 笑).
そこからさらに登っていきます.途中タコノキの根が露出しているところがあったので中に入ってみるのはお約束です.また付近の枯れ木には白いキノコの姿が… 実はこれ一昨日のナイトツアーで見た光るキノコ(グリーンペペ)です.この登山道は湿気があるためこの時期良く生えているのだとか.ただし夜間にこの登山道に来るのは非常に危険なので,ここで実際に光る姿を見ることは困難です.
そうこうしているうちに衝立山に到着,ここが全行程の最高地点になります.とはいえ木々に囲まれているため展望は全くありません(💦).ここからはひたすら森の中を進んでいくことに.ちなみに父島は大戦中日本軍によって要塞化されていました.このため,特に山の上など高いところにはその遺構が残っています.退避壕と思われる洞穴や通信基地だった建物、トラックの残骸などがありました.
(左上写真12)衝立山,(右上同13)旧日本軍の通信施設内部,(左下同14)トラックの残骸,(右下同15)タイヤ
で,この辺りからウチのKの疲労度がハンパないようでちょっと具合悪そう・・.果たしてゴールまで行けるのか不安になってきました.結局ガイドさんと相談した結果,この先のハートロックが見える展望所まで行き,そこで休んでいることになりました(置き去りにして自分だけ先に進むのは気が引けたので私も残留 笑).
(左写真16)展望所からの景色,(右同17)断崖に人がいます
展望所はちょうど森の切れ目で,ハートロックの断崖(の上部)や海がきれいに見えるスポットです.本ルートはここから急な下りとなり,そのまま岩の上に至ります(話では片道15分くらいらしい).ここでガイドさんと同行のご夫婦と別れて我々は休憩・待機となります.これまでの炎天下の登山でシャツがびしょびしょ💦,脱いで絞ったら水が滴りました(そのまま日向に干して置いた).断崖の方を見たら別れた一行が歩いているのが見えます.手を振ったら向こうも気づいたようで振り返してくれました.
少し休んでいるうちにKの体調も回復してきたのでそのままお弁当タイムとなりました(Kが怖れていた納豆巻ではなかった 笑).だいたい1時間ちょっとでハートロックに行っていた人たちが戻り,彼らの休息を経て下山します.帰路は一部往路とは違うコースを戻ります.途中ガジュマルの森と呼ばれるところ(かつて人が住んでいたらしい)では木に登るなどして遊びました(その他帰路はひたすら下山するだけなので,ガイドさんがいろんな話を振ってきて会話に花が咲きました).小港海岸の駐車場に戻ってきたのは15時過ぎ,そのままガイドさんに送られてホテルに戻ってきたのでした.
途中で脱落したとはいえ,この日のトレッキングは結構ハードだったので,部屋に入った後はシャワーを浴びて夕食時までまったりしていました.
夕方になり父島で最後の夕食のためにレストランへ.この日は平成6年に今の上皇・上皇后陛下の小笠原行啓でこのホテルに滞在された際に提供されたコース(アニバーサリーメニュー)でした.ワインも一緒にいただいたのは言うまでもありません.
(左上写真22)ソデイカとブリのマリネ,(中上同23)パンプキンスープ,(右上同24)グリーンサラダ,(左下同25)メカジキのソテー,(中下同26)牛フィレ肉の照り焼き,(右下同27)パッションフルーツ
こうして父島最後の夜は更けていきました.
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