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2020年11月19日 (木)

陰性証明

 本日ネットのニュースで拾った記事です.

 「陰性」証明書持ってたのに、空港検査で「陽性」…インドネシアから関空到着の17人

 インドネシアのジャカルタから関空への直行便に搭乗していた乗客17人が,日本入国時の検査で新型コロナウイルス陽性と判定されたというものです.この17人はジャカルタで飛行機に登場する前に現地で検査を受けており,いずれも陰性だったということから,表題の「陰性証明書持ってたのに」(どうして? という意図でしょう)になったものと思われます.

 すでに様々なところで様々な方が指摘しているように,コロナのPCR検査あるいは抗原検査で陰性だったというのは,あくまでもその時点でウイルスが検出できなかったという意味にすぎません.「検査時には感染していなかったがその後感染した」あるいは「検査時にすでに感染していたものの,ウイルス量が少なく検出できなかった」可能性は常にあり,今回のニュースは特に驚くようなことではありません.このニュースもそうですが,こうした搭乗前に行われて陰性だったという証明書をメディアでは「陰性証明」と呼んでいますが,先述のように厳密にその後の陰性を証明するものではありませんから,行政機関ではこれを「検査証明」と呼んでいます.そもそも抗原検査やPCR検査は「感染している」ことを証明するのが目的の検査なので,「感染していない」ことの証明には不適当です.

 最近では某温泉地で旅館等の従業員に検査を課して安心を演出しようとする自治体や,航空券と抗原検査をセットにした安心を謳う商品を売り出す航空会社などもあります.正直こうした流れは人の不安に付け込んだアコギな商売だなとしか思えません.

 感染症の世界では例えば麻疹や風疹,B型肝炎であれば,血液中の抗体価を測定することにより,基準値以上なら将来的な感染のリスクは極めて低いということは言えますが,新型コロナに関してはまだその手の抗体検査は確立していません.ともかく不確かな情報には踊らされない知識が必要だと感じます。

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