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2020年10月 6日 (火)

イグノーベル賞

 日本時間の10月5日から今年のノーベル賞の発表が行われています.同賞はダイナマイトの発明で巨万の富を得たスウェーデンのアルフレッド・ノーベルの遺言により設立されたものです.物理学,化学,医学・生理学,文学,平和,経済学の6つの分野で著名な功績を挙げた人物にノーベル財団から授与されます.ただし経済学賞はノーベルの遺言に基づくものではなく,ノーベル財団ではノーベル賞ではないとしているそうです.1901年から現在まで続く非常に歴史が長く権威のある賞であり,日本人の受賞例も数多くあります.

 他の学術賞を知らない人でもその名を知らない人はないだろうと思われるほど有名な賞なので,様々なところでパロディのネタとして使われることもあります.私が幼少期に愛読していた雑誌「テレビマガジン」(講談社)でも,天才バカボンのノーベル賞みたいな企画が組まれ,そこではノーベル賞の新しい部門として残念賞なんてのもありました(授与されるのはメダルの付いていない紐だけという残念ぶり💦).これは子供心に面白い企画だなと思っていたのですが,1991年に微妙に趣旨は違いますが,イグノーベル賞が創設されたので,やはり先見の明があったんだなと感じます.

 イグノーベル賞というのはもちろんノーベル賞のパロディで,毎年世界で「笑えて考えさせる」研究に対して贈られる賞です.例えば今年のイグノーベル音響学賞(ノーベル賞と違いイグノーベル賞は毎年部門が微妙に変わる)は,「ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見した」京都大学霊長類研究所の西村剛博士が受賞しています.ヘリウムガスの中で喋ると声が高くなることは知られていますが,ワニの鳴き声がどうなるかを研究したわけです.イグノーベル賞は決してふざけているわけではなく,大真面目に笑える研究をしていることが評価されるようです.実はイグノーベル賞分野では日本人は14年連続で受賞者を出しており,こうした真面目に変わった研究をする学者が多いお国柄だというのがよくわかるのでした(そういえば「チコちゃん」でも,変わったことを研究する専門家が毎回出てくる).

 そんなことを思った10月第1週でした.

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