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2020年6月28日 (日)

新幹線のネーミング

Gran_031  今日は新幹線の話題です.

 移動の手段として欠かせない新幹線ですが,昨今の情勢から乗る頻度が激減しています.先日所用で岡山に行ってきたので東海道新幹線には久しぶりに乗車しましたが,東北新幹線の方は3か月以上乗っていません(泣).

 そんな新幹線ですが,その路線名の由来について考えてみます.まず1番歴史の古い1964年開業の東海道新幹線(東京-新大阪)ですが,これは並行して走っている在来線である東海道本線に由来することは明らかです(街道としての東海道とは主に名古屋以西のルートが異なる).また1982年開業の東北新幹線(東京-新青森)も東北本線由来で間違いないでしょう.

 一方で1972年開業の山陽新幹線(新大阪-博多)はちょっと事情が異なります.ネーミングとしては在来線の山陽本線から来てることは間違いないのですが,路線としての山陽本線は神戸駅から門司駅までしかありません.新幹線の方は新大阪-博多なので,厳密に在来線に準拠させると山陽新幹線は東海道本線と鹿児島本線の一部区間を含むことになります.とはいえ全体の85%が山陽本線区間なので在来線とほぼ一致と言っても許されるでしょう.

 続いて東北新幹線と同日開業した上越新幹線(大宮-新潟)について考えます.同新幹線と並行する在来線は大宮-高崎間が高崎線,高崎-宮内間が上越線,宮内-新潟間が信越本線となり,新幹線名と一致する上越線部分は距離的に50%をちょっと超える程度しかありません.この路線に関しては,複数在来線のうち一番長い区間を新幹線名として採用していると考えられます.

 今度は2015年に金沢駅まで開業した北陸新幹線(高崎-金沢)です.同新幹線の並行在来線は高崎-上越妙高部分が信越本線,上越妙高-金沢部分が北陸本線となります(在来線の分岐点は直江津駅ですが新幹線はその少し手前でゆっくりと西に向かうため).ただ距離でいくと信越本線部分が51%,北陸本線部分が49%と僅差で信越本線が上回るため,距離で決めるなら信越新幹線になってしまいます.ただこれだと富山・金沢方面に向かうというイメージが全くわかないため,50%いかなくても北陸新幹線となったのでしょう.この新幹線の北陸とは北陸本線のほかに,北陸に向かう新幹線という意味があると思われます.

 〇△に向かうといえば,秋田新幹線(盛岡-秋田)・山形新幹線(福島-新庄)・北海道新幹線(新青森-新函館北斗)もそうです.これらの路線の在来線は秋田新幹線が田沢湖線・奥羽本線,山形新幹線が奥羽本線,北海道新幹線が津軽線・海峡線・江差線であり新幹線名にはまったく反映されていません.この3線については秋田,山形,北海道に向かう(あるいは逆にそれらから東京方面に向かう)路線であることが強調されているようです.北陸新幹線が長野までだった時期の名称,長野新幹線も同様の趣旨と思われます.

 最後に2011年3月12日,東日本大震災の翌日に全線開業となった九州新幹線(博多-鹿児島中央)です.ここは並行在来線は鹿児島本線であり終着駅も鹿児島中央であることから考えると,在来線名と向かう方面の両方で鹿児島新幹線にしても問題はなさそうな気がします.ただこの路線がJR九州の屋台骨を支えるべき路線であること,すでに開通していた同じような地域を走る高速道路が九州自動車道であることを踏まえ,あえて一県名である鹿児島はなく全体である九州の名を冠したのでしょう(なので,もし将来的に小倉以南日豊本線ルートで新幹線が整備されることがあれば,その名称は東九州新幹線になるのかもしれません).

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