夏季休暇の旅行
毎年夏季休暇に旅行に出かけている我が家,ここ20年くらいは毎年海外に出かけていた.2000年代初頭は普段が激務すぎることの反動からか,のんびりビーチリゾートがメインだった(2001年ニューカレドニア,2002年タヒチ,2004年セイシェルetc.).仕事にやや余裕が出てきた2010年以降は歳を取ったらなかなか行けそうにないところ,いわゆる秘境系に繰り出すようになった(2010年ギアナ高地,2011年オカバンゴ・デルタ,2015年ウユニ塩湖etc.).そんな流れではあったが,今年は所属している合唱団が6月にドイツのライプチヒで行われるバッハ・フェスティバルに参加することが決まったことから,それへの参加を夏季休暇に当てる予定にしていた(その他風の旅行社から出ているインパールへの道や,ロシアのベルホヤンスクなども今後の候補として盛り上がっていた).
しかしながら,新型コロナウイルスの流行によってドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国が深刻な状態に陥り,バッハ・フェス自体が中止となった.また外務省は全世界を対象に渡航延期勧告を出し,一方世界各国も自身の国に入る日本人をはじめとした外国人に厳しい制限を課すなど,事実上海外旅行は不可能な状況になっている.
そんなわけで,21世紀に入ってから毎年継続していた我が家の海外旅行も今年は行けない可能性が極めて高い(今後半年以内に劇的に情勢が好転すればあるいは… だが,まあ職場環境から言っても許されそうにない).となると国内旅行ということになるのだが,こちらも全国に緊急事態宣言が出ていた4~5月段階では考えにくい話だったが,その後緊急事態宣言が解除され,各商業施設や文化施設の再開が始まるなど,最近明らかに状況は好転している.
というわけで今年の夏季休暇は国内旅行を検討することにした(旅行をしないという選択は国などからの要請がない限り基本的にはない 笑).場所としては,「普段ならなかなか行くことが困難な場所」,「なるべく県境を越える回数が少ない場所」という2点を考慮する.で,そんな条件を満たす場所として急浮上したのが小笠原諸島である.
新幹線や空路の著しい発展で,現在国内の主だった場所へは数時間で行くことができる.例えば知床半島や八重山諸島のような日本の端のようなところでも半日あれば十分たどり着ける.そんな時代にもかかわらず,小笠原諸島だけは例外である.理由は空路がなく船でしか行けないからだ.現在東京から小笠原諸島への移動は貨客船おがさわら丸が唯一の手段で,その所要時間は24時間である.すなわち北海道や沖縄はおろか,アメリカやヨーロッパの大都市に行くよりも時間がかかるのである(しかも船の関係で1週間連続した休みがないとまともに観光できない).
そんな状況であるから,小笠原は国内では行ってみたい場所だったにもかかわらず,海外に比べて優先順位が低くなるためなかなか行けなかったのである.海外がダメな今年の企画としてはぴったりではないか!ということで,最近我が家で急浮上してきた次第である.しかも小笠原は行政区分上は東京都であり,ウチから出かける場合神奈川-東京の県境を1回越えるだけで済むというのもポイントが高いのだ(あとは空港や巨大ターミナル駅を何度も通過する必要がない点も).
一方で小笠原のような離島は医療資源が極めて限られていることから,外部からの感染症流入を恐れることから入島を控えるよう要請が出されることもある.小笠原村のホームページを確認したところ,6月一杯はそうした入島自粛要請が出ているようだが,7月以降は段階的に観光客の受け入れを再開するとのことだった.もちろん今後の情勢の変化によって再びの変更はありうるが,その時はその時であり,計画としての旅行を考えることは大丈夫と思われる(小笠原の場合,まずは船の予約を取らなければならないので直前にドタバタと決められるものでもない).
というわけで,今年の旅行は小笠原になりそうである.
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