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2020年5月18日 (月)

合唱界の置かれた状況

 私の趣味というと,旅行歴史,そして音楽になります.現在のウイルス騒動の影響で,このうち旅行に関しては今は自粛をしています.今後ですが,海外旅行は当分無理そうですが,国内については,県境をまたぐ移動が緩和されるようなら,ぼちぼち先行きが見えてくるように思います.歴史についてはゆかりの地に行けないという問題はありますが,本や映像等で楽しむことは可能ですから,まあ良い方でしょう.

 さて,残るのは音楽関係です.オペラなどの鑑賞系は,新国立劇場は6月予定の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の中止も発表されたことから,結局3月以降今シーズンの全ての公演が中止になってしまいました.また6月予定の藤原歌劇団のセビリアの理髪師が中止,7月予定の東京二期会のサムソンとデリラは来年1月に延期が決まっています.というわけで思い返すと最後のオペラ鑑賞は2月11日の新国立のセビリアの理髪師,それ以外のコンサートだと2月23日の東北大混声60周年記念演奏会ということになります(それにしても東北大60周年は絶妙な時期の開催だったように思う.もしもあと1週間遅かったら中止になっていただろう).

Img027_20200530102301(写真)医師会合唱団昨年の定演から

 一方で合唱関係ですが,ウイルス騒動が本格化した2月末から3月上旬に政府関係からいわゆる「3密」を避けるようにという要請が出されました.で,考えてみると合唱練習というのは,屋内でみんなが寄り添いながら声を出す行為ですから,見事に3密に該当してしまいます.ハーモニーを作るためには周りの声をよく聴いて合わせる必要がありますから,人と人との間隔を2メートル空けて… なんてのは無理な話です.屋外でというのも近所迷惑になるのでできません.もちろん声を出さない合唱練習はそれ自体が矛盾した表現です(笑).

 そんなわけですから世の中の大人の合唱団では早いところでは2月中旬から,遅いところでも3月下旬には練習休止に追い込まれています.学校関係の合唱団(合唱部)は微妙に状況が異なると思いますが,やはり3月以降全国的に休校に追い込まれた頃からは部活動自体が難しくなっているものと思われます.とりわけ4月7日の政府の緊急事態宣言を受けて4月10日付で全日本合唱連盟理事長名で「当面の間、合唱団の練習を取り止めていただくようお願いいたします」という声明が出てからは事実上練習は不可能になっていると思います(大人の合唱団と違って中学・高校の学校合唱団はほぼ全日本合唱連盟に加盟しているため).5月中旬に入り,県によっては緊急事態宣言が解除されたところもありますが,今後連盟がどのタイミングで新たな声明を出すのか注目されます.

 そんな中,学校合唱部の大きなイベントのひとつである,NHK全国学校音楽コンクールが今年は中止されることが発表されました.すでにインターハイなど運動部系の大会の中止も発表されているため驚きはありませんが,大人のグループなら「来年があるさ」と言えますが,学校とくに最終学年の児童生徒にとっては学校クラブ活動の総決算ともいえる大会を失ってしまうわけですから,心中察するに余りあります.

 自分の体そのものを楽器にする合唱は,人が集まればどこでもできる… ハズだったんですが,まさかそれができない世の中が来るとは,改めて感染症の恐ろしさを知った今日この頃です.

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