2019年12月31日 (火)
2019年十大ニュース
2019年も残すところわずかとなりました.今年は平成から令和への改元が行われるなど世間では印象に残る1年だったわけですが,我が家でもいろんな活動があった年でした.そんな1年を振り返るビザンチン皇帝10大ニュースの発表です.毎年書いているんですが,基本的に仕事上の業績等は除外して,趣味上の話題ばかりです.まずは惜しくも(?)選外となった話題です.
・マタイ受難曲に取り組む 私がメインで取り組んでいる合唱団のひとつである東京21合唱団で来年10月にJ. S. Bachのマタイ受難曲を演奏します.練習は昨年の11月から始めており,折り返し地点を過ぎたところです.いい演奏になるよう団員一同取り組んでいます.
・家族旅行 今年はイベントが多くて例年ならトップ10に入る家族旅行が選外になってしまいました.今年は青森県西海岸を中心に回り,海岸の露天風呂で知られる黄金崎不老ふ死温泉にも宿泊しました.
・日本寮歌祭参加 我が家の活動のひとつである寮歌,毎年8月に開催されていた中央寮歌祭が今年から日本寮歌祭の名を継承しました.各地の寮歌祭が軒並み休止していく中で今後も続いていくだろう貴重な寮歌祭です(関連記事).
・オペラ鑑賞 クラシックの中でもとりわけオペラ好きな我が家ですが,今年も新国立劇場を中心に約10本の作品を鑑賞しました.印象深かったのは7月の新国立のハッピーエンドでない演出のトゥーランドット,11月の二期会の天国と地獄でしょうか(関連記事①,②).
・西沢渓谷 ライフワークの一つになっている日本の滝100選ですが,今年は山梨県の西沢渓谷にある七ツ釜五段の滝に行ってきました(関連記事).
・三国志展 地味に三国志好きの私です.今年は9月に上野の国立博物館で行われた三国志展に行ってきました.赤壁の矢狩りの再現が興味深かったです(関連記事).
それではトップ10の発表です.
第10位 総火演に参加
例年8月というのは私が1年でもっとも活動しない月なんですが,今年は例外的にイベントが多くありました.その一つが陸上自衛隊夏のビッグイベント,富士総合火力演習(総火演)です.演習というよりも国民向けのショー的なニュアンスが強いイベントですが,毎年新しい装備(武器,兵器と呼ばず装備というのが自衛隊らしい)が見られるのも魅力です.とはいえ本番はものすごい倍率でとてもチケットが取れないため、今回は知人のお誘いで3日前に行われる学校予行の方に参加しました.当日は朝3時半に家を出て会場入りしました(基本自由席なので良い席はお早めにということ).今年の目玉は19式装輪自走りゅう弾砲でした(もっとも登場だけで射撃は無しでしたが… 関連記事).
第9位 冬の伊勢志摩旅行
旅行というと海外が目立つ我が家ですが,もちろん国内旅行にも出かけます.今年は1月の連休を使って三重県の伊勢志摩地方に行ってきました.なぜ伊勢志摩なのかというと,1月のこの時期天気がよさそうなイメージがあるのと,当地の名物である的矢牡蠣をぜひとも食べてみようと思ったからでした.初日はまず鳥羽水族館を1日観光,その後宿泊先の志摩半島東岸の的矢湾の旅館に入りました.ここの夕食で名物の牡蠣をたくさんいただきました.翌日は付近になる志摩スペイン村へ.連休とはいえシーズンオフなので,面白アトラクションに並ばずに乗れるのは素晴らしかったです(アトラクションは名物のピレネーに乗りたかったのだが,ウチのKがビビってしまい断念するハメになった 笑).最後は松阪牛をいただいて有意義な新春旅行となりました(関連記事①,②).
第8位 医師会合唱団の定演
私が所属している小田原医師会合唱団第11回定期演奏会が9月22日に小田原市民会館にて行われました.ここは11年前に私が小田原に引っ越してきたタイミングで結成された合唱団です(ただし,これは偶然で合唱団の結成に私がタッチしたわけではありません).
以来11年毎年の定期演奏会を繰り返し,気が付いたら今年で11回目を迎えたというわけです.今年はメインステージに石井歓の「風紋」を据え,昭和歌謡のステージ,ジブリ作品のステージなどを添えた構成となりました.ジブリステージではなにか好きな衣装をということで,久しぶりに扮装にも挑戦しました(笑).
第7位 東京マドリガル会軽井沢コンサート
私が所属してる団体のひとつに東京マドリガル会があります.1929年(昭和4年)に故・黒澤敬一氏によって結成され,以来90年間英国マドリガルを専門に歌い続けている団体です.かつては12月に年1回のコンサートを開いていましたがメンバーの高齢化もあって定期でのステージは2016年をもって終了しました.ただ昨年4月には私の職場で患者さん向けのミニコンサートを開催しています.そして今年は8月に軽井沢のショー記念礼拝堂でコンサート開くことになりました.演目はもちろんマドリガルです.当日は多くの方々が来てくださり素晴らしいひと時となりました.ここの活動もまだ地味ながら続いていく予定です(関連記事).
第6位 大学合唱団の定演と同窓会参加
私の人生に決定的な影響を与えたのが東北大学時代に所属していた同大混声合唱団です.ここで宗教音楽やオペラ等,今に至る趣味が形成されました.そんな学生合唱団の第60回定期演奏会を聴きに行ってきました.ただそれだけなら数年に1回はあるんですが,今回はそれに合わせて自分の同期のメンバーで集まって旧交を温めようというのです.この日は定演を挟んでお昼はお茶会,夜は宴会の2部構成でした.今でもちょくちょく会っているメンバー,仙台を離れて以来云十年ぶりのメンバーなど懐かし話や近況報告などに話が弾みました.一方の演奏の方はというと,自分たちの頃に比べて人数的には少なくなったものの,技術的にはしっかりしてきたなぁと頼もしく思いました(関連記事).
第5位 第22回ひの新選組まつり
春の恒例イベント,ひの新選組まつりに今年も参加しました.初参加が2006年なのでもう10回以上参加していることになります.コンテストは昨年で引退したため今年は本隊ではなく,新選組と同時代の人々枠(通称ゆかり隊)での参加です.自分の役は幕末の幕臣勝海舟です.弟子の坂本龍馬と絡んだり,近藤勇に甲府行きを命じたりいろいろと遊ばせていただきました(笑).この同時代枠って脈絡のないグループで結束力はゼロなはずなんですが,今年は妙に盛り上がってしまい,お祭り後も同窓会や忘年会を開いたりして今でも交流が続いています.
(左)西郷&勝の歴史的な会談(笑),(右)甲府行きの切符を渡す勝海舟
第4位 キリスト祭参加
青森県東部,十和田湖の東側に位置する新郷村は一部の間でミステリースポットとして知られています.それは村にエルサレムのゴルゴダの丘で刑死したとされるキリストの墓があるからです(そのほかにピラミッドも).そんな新郷村で年に1回毎年6月に行われるのがキリスト祭!です.こういったものに目がない私,いつか行ってみたかったんですが,今年はうまい具合にタイミングが取れたため6月2日の日曜日に行ってきました.キリスト祭と謳いながら神主さんが登場して神道式で行われるのがツボですが,これはクリスマスとも復活祭とも関係ない時期に開催されるのと併せて,イエスの十字架上での死と復活というキリスト教の根幹を否定している伝説に由来する祭りだからかなぁと思いました.お祭り後は八甲田へ移動,八甲田ホテルで山岳リゾートを堪能しました(関連記事).
(左)神道式で行われる祭,(右)お土産物屋さん,その名も「キリストっぷ」
第3位 能代寮歌を愛する会最終回
さあ,いよいよベスト3の発表です.いろいろある私の趣味のひとつが寮歌,全体に占めるウエイトは決して大きくはないですが,一つの柱であることは間違いないです.近年は各地の寮歌祭にお邪魔することもありますが,そんな寮歌活動のきっかけとなったのが能代寮歌です.前任地の同僚のご尊父が主催している縁で参加し始めました.この寮歌祭は基本的に年2回あってうち1回は地元会員のみ,もう1回をゲストを招いての会になっています.私も十数年可能な限り出席していましたが,諸事情からゲストを招いての会は今年が最後になるとのことです(今後は地元会員のみで年1回行うとのこと).毎年このイベントに参加するついでに東北日本海側の滝巡りなんかもしていただけに非常に寂しい思いがあります.確かに近年は参加者も高齢化して,お酒ではなくウーロン茶という方が増えていましたし(関連記事).
第2位 中央アジア旅行
第2位は10月に行ってきた中央アジア旅行です.我が家では南米やアフリカは過去に何度か訪問しているのですが,中央アジアは未訪でした.これは同地に魅力がないということではもちろんなく,日本から比較的近いので後回しになっていた感があったからです.ただ今年は1月にザルツブルクに行ったこともあり,少し経費を削減した旅行にしようということでついに中央アジア旅行となりました.ただ,メイン訪問地がトルクメニスタンというところが私らしいところです(笑).今回行ったのはトルクメニスタンの地獄の門,砂漠の真ん中に巨大な穴がいて湧出したガスが燃えている凄いところです.そのほか首都のアシガバード郊外にあるニサ(古代パルチア王国の初期の都),メルブ(紀元前6世紀のアケメネス朝ペルシャから11世紀のセルジュク朝時代まで続いたオアシス都市),クフナ・ウルゲンチ(12~13世紀ホレズム帝国の都)などを観光しました.自然いっぱいのアフリカや南米と異なり,自然の中にかつての文明の空気が感じられる貴重な旅となりました(次回は有名なサマルカンドにも行きたい).
(写真左上)アラル海船の墓場,(同右上)クフナ・ウルゲンチのトレベクハニム廟,(同左下)メルブ遺跡にある古代の城キズカラ,(同右下)オールドニサの王宮跡
第1位 モーツァルト週間に参加
そして栄えある第1位は,1月下旬に行ってきたザルツブルクのモーツァルト週間です.我が家ではKが大のモーツァルト好きということもあって,生誕250年の2006年にもザルツブルクに行ったことがあります.ただその時は演奏会に関してはウィーンでオペラやコンサートには行ったものの,ザルツブルクは観光のみでした.今回は満を持して人生初の音楽祭絡みの旅行となったのです.参加したのは郵船トラベルさんのツァー,講師としてモーツァルト関連の著書も多い田辺秀樹氏が同行する企画です.参加者の面々も強烈で,本当にモーツァルトが好きだ!!という方ばかりでした.ほぼ一週間毎日モーツァルトのコンサート漬けでその音楽を堪能しました.今年の目玉企画はラ・フラ・デルス・バウス演出の「エジプト王タモス K. 345」,なんというかスゴイステージでした.
その他孤児院ミサ,大ミサ,レクイエムなどの宗教作品も鑑賞できました.途中空き時間にドイツのアウグスブルクに出向いてモーツァルトの父レオポルトの実家に行ったんですが,残念ながら休館中でした(せっかく生誕300年なのに).そんな充実のザルツブルク旅行が今年の第1位なのでした.
(左)モーツァルト劇場のロビー,(中)モーツァルテウムの中庭にある通称「魔笛小屋」,(右)講師の田辺秀樹先生と
以上です.来年はどんな年になるのか,とても楽しみです.みなさん良いお年を!
2019年12月30日 (月)
新選組まつりの忘年会
いよいよ年の瀬ですが,昨夜12月29日は今年最後の忘年会に参加してきました.とはいっても仕事関係ではありません.今年のひの新選組まつりで,新選組と同時代の人々枠での参加者(通称ゆかり隊)の忘年会です.会場は新宿駅東口そばの居酒屋,京町恋しぐれさん.店内はなんとなく京都の小路を思わせる素敵な雰囲気のお店です.
新選組まつりシーズンの記事にも挙げているんですが,この新選組と同時代の人々というのは長州の高杉晋作,桂小五郎,土佐の坂本龍馬ら倒幕派や榎本武揚,勝海舟ら幕臣,近藤勇の妻のおつねさんから,なぜか新選組なのに本体からハブられる伊東甲子太郎,山南敬助まで脈絡のないメンバーが集まっています.かつては年によって結構バリエーションがあったんですが,予算の関係からかここ数年はほぼメンバーが固定されている感じです.そんなグループですからパレード中の結束などありません.ただそのゆる~い雰囲気が自分には合っているようで,特に震災後はこの枠での参加も多くなっています.
そんな同時代グループ,例年だと当日集まってパレードを行い,終わったら解散して「ハイそれまで~」となるのが常です.
が,今年は違いました.パレード中から妙に盛り上がり,終わった後もラインのグループが立ち上がったのです.6月には同窓会として日野市内を散策する企画まで行われました(関連記事).その後もグループの交流は続き,今回忘年会を行うことになったのです.グループ総勢12人中なんと!10人が集まりました(下手な学校や部活の同窓会よりも参加率高いな).
宴会は18時にスタート,とりあえずビールではなく1杯目から日本酒やら何やら,各自いろんな飲み物を注文するところがこの隊らしいなと思いました.私は日本酒スタートだったんですが,伊東甲子太郎さんも日本酒でびっくり,「飲み過ぎて鍬次郎に斬られないよう気を付けて」などと喋っていました(笑).この日の料理はお刺身から始まって,鍋・揚げ物などのコース料理でした(美味しかったです)
宴会の途中には近年のひのパレ関係者の宴会ではお約束になっているこの構図でパチリ.本当に脈絡のない組み合わせだな(笑).
2時間の宴会はあっという間に終了(忘年会シーズンなので延長はなく,時間で確実に追い出される),遠くからの参加者も多いので2次会はなく解散となりました(この辺の潔さも交流が続く秘訣かもなぁ).
年が明けると第23回のパレード募集が始まりますが,この交流がいつまで続くのか楽しみです(写真は弟子の坂本龍馬と 笑).
2019年12月29日 (日)
2019年12月27日 (金)
ペーター・シュライヤー氏逝去
今日飛び込んできたニュースです.
ドイツの著明なテノール歌手で指揮者でもあったペーター・シュライヤー氏が亡くなったそうです.
シュライヤー氏は1935年ドイツ東部のザクセン州に生まれ,10歳の時にドレスデンの名門聖十字架合唱団に参加し歌の活動に入りました.成人後はモーツァルトやワーグナーなどのオペラや,バッハの宗教曲のソリストとして活動し高い評価を得ました.1970年代からはバッハやハイドンなどの宗教曲の指揮者としても活動しています.
私がシュライヤー氏を知ったのは1984年に大学に入学,合唱団に所属した後です.上級生にバッハの宗教曲が大好きという人がいて,その人のお宅で聴いたカンタータのレコード!で歌っていたのです.つややかで伸びのある独特な声はとても印象に残りました.
(写真左)VHDビデオディスクのマタイ受難曲ソフト,(同右)VHDプレイヤー
その上級生の影響からか自分も宗教音楽好きになり,当時普及し始めていたCDプレイヤーを購入し,アナログレコードと共にその手のソフトを買い漁りました.特に当時バッハ演奏の大家とされていたカール・リヒター指揮の演奏は当時市販されていたものはほぼ買いそろえたほどです.そんなソフト群のなかでも特筆すべきものが,日本ビクターから発売されたリヒターのマタイ受難曲のVHDビデオディスクです.当時リヒターのマタイは3つの音源(1958年録音盤,1969年日本公演版,1979年録音盤)があったのですが,このVHD版はそれとは異なる1971年スタジオ録画版だったのです.で,この演奏で福音史家を歌っていたのがシュライヤー氏でした.当時は動いているシュライヤー氏を見ること自体が凄いことだったので(なにせインターネットもDVDもなかった時代),自分はこの映像が見たいあまりにVHDプレイヤーを購入したのです(その結果私の赤貧状態が確定したことは言うまでもありません).この演奏のシュライヤー氏も素晴らしく,当時宗教曲好きの仲間が私の家に集まってこのVHDを鑑賞したのでした(当時の仲間の多くが今でも何らかの形で宗教音楽を歌っているのは,このソフトの功績もあるだろうと自負している).
そんなシュライヤー氏の訃報に接し,当時を懐かしく思い出したのでした.それにしてもリヒター指揮のバッハ演奏というとシュライヤー氏とともにエルンスト・ヘフリガー氏が思い出されますが,ともに亡くなったのは80歳代,やっぱり節制していたんだと思います.
2019年12月25日 (水)
銀座の南イタリア料理店
師が走る12月,特に後半に入ってから加速度的に忙しくなっている自分です(なのでここの更新も1週間以上空いてしまった💦).今週は22日の日曜から出張でした.で,それが終わった24日の夜は久しぶりにフリーになったので,ウチのKと東京の銀座で落ち合い,ディナー🍽と洒落込んできました.
行ったのは松屋銀座にほど近いイタリア料理店 "SCHEVENINGEN" ,カタカナ表記すると「スケベニンゲン」となってちょっと不思議な気分になります.一部ではよく知られていますが,SCHEVENINGENはオランダ南西部の北海に面した地にあるハーグ市の郊外にあるビーチリゾートで有名な場所です.お店の案内によると,1979年にこの地を訪れたオーナーが「店名はこれしかない!」と閃いて名付けられたとのことです.以来40年近くにわたってこの地でお店をやっているので,洋食店としては結構な老舗です.お店の特徴としてパスタの種類が豊富(なんと50種類以上!)な点が特筆されるんですが,この日はのんびり食事をしようということでアラカルトにしました.
この日の料理は前菜として生ハムとグリーンサラダ,魚料理はアサリのワイン蒸し,肉料理がラムチョップ,そしてパスタはトマトスープのソーセージパスタをチョイス,それぞれシェアしていただきました.南イタリアの大衆的な料理という感じで美味しかったです.我々の食事といえばワイン🍷は欠かせません.最初にスパークリングのボトルを頼んで飲んでいたんですが,あっという間に空いてしまったため,さらに赤のボトルを追加,結局こちらも飲み切ってしまいました(酒飲みです✨).
最後はデザートとエスプレッソで締めて店を出たら3時間経っていました(けっこう酔っぱらっていた).
この夜は偶然クリスマスイブだったんですが,お店のムードが大衆的なせいか,客層も大衆的で仕事帰りのサラリーマンや女子会風の人たちなど世間でいうイブの非日常とは異なる感じで楽しかったです.
テーブルにはこの紙が敷かれていて,お店の特徴が紹介されています.
2019年12月17日 (火)
第39回しばれフェスティバルに参加します!
12月も半ばを過ぎ,寒い日が多くなってきました.とはいえ関東の寒さですから氷点下まで下がっているわけではなく,せいぜいプラス一桁程度の寒さではあります.
一方でこちらとは比較にならないほど寒い北海道,その中でもとりわけ寒くて,逆に寒さで町おこしをしているのが内陸東部にある陸別町です.この町では毎年2月の第1週末にしばれフェスティバルというお祭りをやっており(今年で39回を数える伝統ある祭り),その中でも目玉プログラムとなっているのが人間耐寒テストです.これは最寒期にはマイナス30℃近くにまで達する当地の夜を屋外で体験してもらうという企画です.こうした極限系のイベントが好きな自分の琴線を大いにくすぐる企画で,2016年の第36回に参加しました(参加記録).この時は朝の最低気温が会場で-26℃になるまさにしばれる朝だったので,終わった時は「まあ、もういいかな…」と思いました.しかし,のど元過ぎて記憶がセピア色になってくると(笑),「また参加してみたいな」となってきたわけです.ただこの1月末から2月初めは近年海外に出かけることも多く(2018年南部アフリカ,2019年ザルツブルク)なかなか機会が巡ってきませんでした.しかし,2020年は特に外に出る予定がないことから,参加を申し込むことにしました.ただこの人間耐寒テスト,近年はかなり有名になってきており,参加希望者が多いということで,抽選に通らないと参加できません.公式ツイッターでは,申し込み2日目にはすでに定員を超える申し込みがあった的なツィートもあり,一体どうなることやらと思っていました.
で,今日実行委員会からメールが来ました.結果は…
当選 \(^o^)/
これで晴れて参加できることになりました.3年前に参加した際はバッチリ防寒で臨んだつもりだったんですが,足先の冷えに悩まされるとう反省があったので(それ以外はほぼ大丈夫),今回はそちら対策もしっかり準備したいと思います(2020年最初のビッグイベントになりそう).
2019年12月14日 (土)
元禄赤穂事件と南極
12月14日は元禄赤穂事件の日です.元禄十五年のこの日,大石内蔵助をリーダーとする赤穂浪士47名が江戸郊外本所松坂町にある吉良義央の屋敷を襲撃し,その首を挙げました.後に人気となった歌舞伎や浄瑠璃の「仮名手本忠臣蔵」の元ネタとなった事件です.この仮名手本忠臣蔵をベースに現在に至るまで何度も映画やテレビドラマなどに取り上げられていることから,歴史に興味ない人であっても,「ああ,あの事件か」とわかっていただけると思います.
映画やドラマでは赤穂浪士=義士,吉良義央=悪者のイメージが定着していますが,それはあくまでもフィクションであり,すべてが歴史的事実ではないのは言うまでもありません(この辺は羅貫中の「三国志演義」や司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでこれを史実だと勘違いするのに似ている).たとえばこの事件を現代的な視点で見れば,「非合法の武装集団が深夜,郊外の個人宅を襲撃してその主人と使用人を殺害した」という恐るべきテロ事件ということになります.主君の仇を討つということが大義名分に掲げられていますが,そもそも仇となるようなことが本当にあったのかも実はよくわかっていません.ただ当時の世論が浪士たちに同情的だったのは確かなようで,結局幕府は浪士たちに切腹という名誉ある死を与えることになります.
そんな12月14日ですが,世界史的には人類が初めて南極点に到達した日として記憶されています.その偉業を達成したのはノルウェーの探検家ロアルド・アムンゼンを隊長とする5人の隊であり,時に1911年12月14日でした.このアムンゼン隊の栄光の一方で,イギリスのスコット隊の悲劇もよく知られています(アムンゼンに遅れること約1か月,1912年1月17日に南極点に到達したものの,帰路全員が遭難死した).
2019年12月13日 (金)
もう一つのブログの行方
令和元年の12月もいよいよ中旬に入ってきたある日,メールをチェックしていたらYahooブログからのものがありました.曰く「Yahooブログは12月15日をもって完全終了するので,他ブログへの移行を希望する人はその日までに手続きをしないと記事が完全に消滅しますよ」というものでした.
私のメインブログはこのココログで2006年から13年間使い続けています.一方で並行してYahooブログも運営していた時期もありました(2007年から2014年まで).これは自分の趣味があまりに多方面にわたっているので,それらすべてを一つのブログにまとめると完全ごった煮状態(笑)になってしまうからです.当時は新選組,城郭等和風関係をココログで,クラシックコンサートや世界史など洋風系をYahooブログといった感じにすみ分けしていました.
しかし2010年代に入ってSNSが急速に普及すると,私自身もTwiterやfacebookを始めるようになり、そのあおりで2つのブログを維持していくのが難しくなってきました(主として時間の関係).このため2014年末からはブログはココログ1本に戻って現在に至るわけです.とはいえYahooブログの方も閉鎖したわけではなく,そのまま放置されて残っており,それをどうするのか決断を迫られたということになります.
そのまま消滅という選択もあったのですが、せかく自分が書いた文章なので記念に残しておくのもアリだなと思い,移行することにしました.Yahooからはいくつかの移行先の選択があったのですが,特に深くは考えずSeesaaブログさんを選択,今日移行手続きが完了しました.
こちらが更新されることはあるのかないのか不明ですが,過去の記録として置いときます.
2019年12月10日 (火)
東北大学混声合唱団第60回定期演奏会
12月8日日曜日は,自分の人生に決定的な影響を与えた存在(大げさ 笑)である東北大学混声合唱団の第60回定期演奏会を聴きに行くため仙台に行ってきました.ちなみに自分が在籍していたのが第25回から第28回までなので,30年以上経過していることになります(そりゃ歳をとるわけだ).
朝家を出て東海道新幹線と東北新幹線を乗り継いで北に向かいます.仙台に着いたのはお昼ちょい過ぎの12時16分,この週末は寒いと言われていたのでどんな感じだろうと恐れていましたが(笑),この日の仙台は快晴の良いお天気で日向に出れば気持ちのいい気候でした.
駅からは地下鉄東西線で演奏会場(萩ホール)最寄の国際センター駅に向かいます.定演は15時からですが,その前に自分の同期の仲間とお茶会をすることになっていたからです.駅の2階にあるカフェがその会場,フロアの一角を借り切って場所を設定します.13時前後からぼちぼちと仲間が集合してきます.メンバーの中には今もちょくちょく会っているメンツもいますが,大半は20年以上会っていませんでしたが,みな当時の面影(笑)があって,すぐに名前が一致したのは我ながら偉いです(女子は苗字が替わっている人が多いのでその辺は置いとく).いろいろ当時の話や近況などに花が咲きました(さすがにコンサート鑑賞前なのでアルコールはご遠慮).
(左写真2)会場に向かう一行,(右同3)萩ホール(10年前の夏に撮影したもの)
14時30分頃にカフェを出て徒歩で演奏会場へ.ここはかつて川内記念講堂と呼ばれていたホールなんですが,大学100周年を機に改装され萩ホールという名前になりました(内装は変わったが外観は基本同じ).真面目に同窓会費を払っている自分には招待状が届いているので,それで入場します.一同2階席に向かいます(大体OBOGは2階席に集結する傾向がある 笑).行ってみると案の定,見知った顔がチラホラいました.
やがて15時に開演します.今年は3ステ構成,1ステは尾形敏幸さん作曲の混声合唱組曲「春のために」,2ステが全部笑いのコーラスと題したオムニバスステージ(団員がオレンジ,黄緑,青のTシャツでモザイク状に並んでいて,色覚検査のようだと思ったのはナイショ 笑),そしてメインの3ステが常任指揮者の佐々木正利先生指揮のラインベルガーのカントゥス・ミサでした.
全体の感想,素晴らしかったです.学生合唱団らしい若さとパワーがある一方で,きちんと表現する技術もある.自分が現役だった頃は情熱だけは強烈にあったものの,イマイチ実力的には… という感じだったんですが,今は実力も伴っています.30年の積み重ねってこういうところにあるのかなと思いました(特に3ステのカントゥス・ミサなんてアカペラの二重合唱と難度最強なんですが).後輩たちの演奏に拍手です.
終演後は引き続き同期との宴会です.お昼のお茶会には来られなかったメンバーも加わり総勢14名の参加でした(たしか).お酒が入ってさらに楽しいひと時となったことは言うまでもありません.最後はこの時期の仙台名物の光のページェントを散策して解散,いやぁ~本当に楽しかった.
2019年12月 6日 (金)
歌劇「椿姫」
冬はコンサートシーズン,寒くて夜が長いこの季節は演奏会などコンサート鑑賞にうってつけの季節です.ヨーロッパなどの主要歌劇場も秋から冬にかけてがシーズンとなり様々な作品が上演されます.日本の新国立劇場もそれに倣い,秋から翌春までをシーズンとしています.昨年から大野和士氏が芸術監督に就任した同劇場ですが,今年は初っ端からチャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」を取り上げるなど,いよいよその本領が発揮されてきた感じとなっています(2作目がドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」).
そんな新国立劇場年内最後の公演が表題の歌劇「椿姫」,ヴェルディのみならず19世紀イタリアオペラを代表する傑作です.フランスの作家アレキサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)原作の同名の戯曲を見たヴェルディが感激して自分の次回作として取り上げたと言われています.1853年3月の初演は準備不足から失敗に終わったとされていますが,近年ではそれを否定する説も出てきています.美しいアリアの数々,テンポよく進んでいくストーリー,全体で2時間程度とよくまとまっていることもあって非常に人気があり,世界的にも上演頻度の高い作品です(海外歌劇場の引っ越し公演だけではなく,市民オペラレベルでもよく上演されている作品です).オペラ入門編としても最適な作品で,自分もなじみがない人にお勧めする作品としてプッチーニのトスカとともにこの作品を挙げます.昨晩その公演に行ってきました.
今回の公演はヴァンサン・ブサール演出のプロダクション,2015年の初出から3回目の上演で私はそのすべてを見ていることになります.鏡を効果的に使った美しく安心して見られる舞台です.また一般的にカットされることが多い2幕最初のアルフレードと最後のジェルモンのカバレッタがカットされずに演奏されるのもこの演出の魅力です(自分的に好きな部分なので).キャストではヴィオレッタ役のミルト・パパタナシュさんが素晴らしい.美人だし華やかな中に影もある舞台映えのする歌手でした.アルフレードのドミニク・チェスクさんは本来この役をやるはずだったヴァン・アヨン・リヴァスさんが先月緊急降板(家族の事情らしい)したための代役でした.アリアなどで所々セーブしているなと思う場面はありましたが,逆にヴィオレッタを引き立てる効果があったのかなという感じです.ジェルモンは2015年,2017年の公演ではドゥフォール男爵を演じていた須藤慎吾さん(出世した!).落ち着いた歌唱で2幕のヴィオレッタとの絡みも良かったです.そういえばジェルモンってお家第一の田舎紳士なんですが,2幕でヴィオレッタに言っているセリフは穏やかではあるものの,内容はかなりひどくて,ヒロインに精神的ダメージを与える点では,実はトスカのスカルピアと大差ないのではと思いました.それにしても3幕で狼藉を働いたアルフレードに,「私の息子はどこへ行ってしまったんだ」と語る場面がありますが,「お前のせいだろ!」と心の中で突っ込んだのは内緒です(笑).やっぱり名作だなぁと強く感じた舞台でした.
終演後は劇場内のレストランへ.この日はパスタと黒豚のコースでした(ワインもいただいたのは言うまでもありません).デザートがフォンダンショコラだったんですが,その名を聞いた瞬間私の脳内には完顔阿骨打(ワンヤンアグダ)の名が浮かんだのはナイショです(リズムと抑揚が一緒なんです 笑).
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