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2019年11月24日 (日)

喜歌劇「天国と地獄」

Img028  11月21日木曜日,この週後半に日生劇場で開催中の東京二期会オペラ,喜歌劇「天国と地獄」公演に行ってきました.

 このオペレッタはオッフェンバックの作曲で1858年にパリで初演されたものです.原題は「地獄のオルフェ」,当時リヴァイヴァルブームが起こっていたグルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディで,本来は最愛の妻エウリディーチェの死を嘆いたオルフェオが地獄に彼女を向けに行くお話だったものを,お互い愛人を持つなど冷え切った関係でありながら世間体を気にして別れられない夫婦の話に改変されています.ナポレオン3世治世下のパリで大成功を納め,オッフェンバックの代表作のひとつとなっています.オペラそのものを知らない人でも,序曲の最終部分は聴いたことがあるのでないかと思います(自分の世代だと小学校の運動会に必ずかかっていた).ただ,有名な割にはオペラそのものの上演頻度は低いのが現実で,私自身も生鑑賞は過去に1回しかありませんでした(その1回が1991年の弘前市民オペラ).今回はその時以来の何鑑賞ということで楽しみにしたものです.二期会オペラはダブルキャストによる4回公演が定番でなんですが,今回は木曜土曜版の方に行きました.

 オリジナルはフランス語なんですが,今回はアリア等含めてすべて日本語上演でした(セリフ部分は日本語というパターンは「魔笛」や「こうもり」などでもよくありますが,二期会クラスで全編日本語は珍しいかも).演出は鵜山仁氏で指揮者は大植英次氏,天国系は白,地獄系は赤をメインカラーにした演出,非常に楽しい公演でした(個人的にはプルートの雰囲気がブッダっぽくて,イエスっぽいジュピターと併せて聖☆おにいさんを意識しているのかなどと思った).

 それにしてもこの作品の上演頻度の低さの訳って何なんだろう? 同じオペレッタでも「こうもり」はそれこそ各地で頻回に上演されているのに…(オッフェンバックとシュトラウスの政治力の差か 笑).そんなことを考えた11月下旬でした.

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