中央アジア旅行記1 ~事前準備編~
我が家の夏季休暇の旅行,21世紀に入ってからはほぼ毎年海外に出かけている.当初は勤務地の業務が超ハードだったこともあり,休暇くらい何もしないでのんびりしたいと南半球のビーチリゾートに出かけていた.ただその後徐々にハードさが和らいできたのと,せっかく出かけるのなら歳を取ったら行けなくなりそうな場所に行こうとなって,いわゆる秘境系に繰り出すようになった.近年はアフリカ・南米・東南アジアあたりを順繰りに行く感じになっている.
そんな我々の旅行先でこれまで空白地帯だったのが中央アジアである.いわゆる旧ソ連の一部だったところ,歴史上は東西文明の交差する場所であり,世界史好きにとっては外せない場所である.そんな中央アジアにこれまで行っていなかったのは,距離的に近いイメージがあり,どうしてもより遠い南米・アフリカを優先したい気分に駆られてしまうこと,ビザを取る必要があって面倒なことがメインの理由と思われた.ただ2018年は冬に南部アフリカ,夏に南米と2つの大型旅行に行ったことで財政状況が悪化(?)したことと,中央アジアの玄関口的な国であるウズベキスタンのビザが不要になったこと等から,そろそろ中央アジアに行くかという感じになってきた.
さて,中央アジアに行くとして問題はどこの国に行くかである.中央アジアと十把一絡げに言うが,現実にはウズベキスタン,カザフスタン,キルギス,トルクメニスタン,タジキスタンの5か国から構成されている.この中で観光地として圧倒的に有名なのがウズベキスタンで,中世のこの地域の中心地と言えるサマルカンドやブハラ,ヒヴァなど数多くの魅力的な観光地があり,多くの旅行会社から様々なスタイルの旅行商品が出ている(団体ツアーからほぼフリープランまで).一方でその他4か国はややマイナーで商品も少ない.
で,今回我々が興味を抱いていた国はトルクメニスタン,特にその中央部の砂漠にある地獄の門と呼ばれるスポットである.ソ連時代のガス田調査の際に地面が崩落して湯毒ガスが発生,やむなく火をつけたところ,なんと!50年経った今も燃え続けているという,驚異というかもったいないという場所である.長らく外部に知られることのないスポットだったが,近年メディアなどでも取り上げられるようになった場所である.ここが徐々に火勢が弱まっているのではという話もあり,燃え尽きる前にぜひ行っておかなければと思った次第である.
そんなトルクメニスタンは天然ガスの埋蔵量が世界第4位というエネルギー大国である一方,大統領が国民を厳しく統制する政治体制から,俗に「明るい北朝鮮」などとも呼ばれている国である.これまで観光には力を入れてこなかったこともあり,ビザを取るのが面倒で個人旅行で行くのは現実的でない場所だ.そのため行くならツアー参加ということになる.今年の場合、休暇に宛てられるのが10月上旬しかなかったため,その時期に催行されるツアーをと検索したところ,クラブツーリズムから出ているウズベキスタン&トルクメニスタン8日間のツアーが見つかったためすぐに申し込んだ(申し込み段階で催行が決定していた).
その後8月初旬に旅行会社にパスポートを送り(ビザ取得のため)待つことになる.その後9月は所属している医師会合唱団の定期演奏会や石井歓さんの没後10年演奏会などへの出演で忙しくしていて旅行の準備をする時間が取れなかった.それでも9月末にパスポートが戻ってきて,トルクメニスタンのビザを見た頃からようやく準備開始,今回は陸路の国境越えがあることやテント泊の日もあることなどから大型のスーツケースは持ってこないよう案内が出ていた.そこで我々は中型のソフトケースのキャリーバッグを用意する(この手のを元々1個持っていたので,新しくもう1個購入した).そこに必要な荷物を詰めて完成である.昨年夏の南米旅行の際ロストバゲージに会って4日間荷物と出会えなかった経験を持つ我々は荷物がなければないなりに生活できることを知ったので、意外に荷物は少なくコンパクトになった.10月2日に空港宅配業者に荷物を渡し準備は完了である.そして出発前日(10月3日(木))となった.
(写真)トルクメニスタンのビザ,気分が盛り上がります
この日は朝から外来業務,その後病棟患者さんの回診等を済ませた.夕方に同僚に申し送りと「行ってきます」の挨拶をしていよいよ出発である.夕方の小田原駅には多くの外国人観光客の姿があったが,これからは自分が彼らの立場になるんだな考えると感慨深いものがある.そして17時42分の新幹線で東京へ,混んでいるがまあ座れる程度だ.東京駅で下車後は八重洲南口のバス停へ向かう.今回は東京駅から空港周辺ホテル行きのバスを利用する.このバス以前はもっと離れたところから乗車したはずだが,今は他の高速バスと同じところに集約された模様(確かにその方が便利だ).行くと係員がいて名前を告げるとチケットを渡された.
(写真)東京駅八重洲南口のバス停
17時36分バスがやってきた.スーツケース等を預ける人々を横目にさっさと乗り込み運転手に行き先を告げる.今回の宿泊はマイステイズだ(ここを選んだのはバスが最初に停車するホテルだから… 結構バスでの待ち時間ってバカにならない).定刻になりバスは出発,案内によると渋滞等はない模様.結局19時38分くらいにホテルに着いた.
チェックインして部屋に荷物を置き夕食に繰り出す.この日はホテルのレストランを予約しておいた.ブッフェスタイルの夕食である.全国ラーメン紀行とかいう企画があるらしくこの日は札幌(?)味噌ラーメンだった.その他ステーキやらカレーやらがあった.飲み物は当然ワインを選択する.例によってボトルを2人で軽く空けてしまった(笑).その後ロビーにあったコンビニ(ファミマ)に寄って買い物して部屋に戻りシャワーを浴びて就寝した.さあ,明日からいよいよ旅行だ!
(左)ワインを空ける私(蝶ネクタイは朝からです),(右)夕食会場にはヤクルトもありました(日本的な飲み物ということか)
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