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2019年9月 2日 (月)

IC乗車券の境界

 近年大都市圏を中心にIC乗車券が一般的になっています.JR東日本のSuicaや首都圏の私鉄や地下鉄でやっているPASMO,JR東海のTOICA,関西方面の私鉄によるPiTaPaなど多数のものが存在しています.近年ではIC乗車券同士の相互利用も可能となっており,たとえばSuicaがあれば東京の私鉄や関西の地下鉄も利用できるなど,同時に複数のIC乗車券を所持する手間が省けるようになっています(ただし地域限定で行われる割引サービスなどは他地域のIC乗車券には適応されない).

 一方で改札を出ないでIC乗車券のエリアをまたがった直通利用は原則としてできず,こうした場合は切符を購入して乗車しなければなりません.原則というのは例外があるためで,これはSuica-PASMOエリア間の相互乗り入れ列車の場合,たとえばPASMOエリアである地下鉄千代田線に乗ってそのままSUICAエリアであるJR常磐線の駅で降りるなどのケースではエリアをまたがった利用が可能であるということです.

Img_5432  で,こうした例外ケースになれてしまった東京の人がよくやらかすのが,Suica-TOICAエリアにまたがった地域での利用です.例えば東京駅の改札をSuicaで通過して東海道線(JR東日本)の電車に乗り,直通電車または熱海駅で乗り換えて沼津駅で下車し自動改札機にSuicaをかざして通過しようとしてもできません.これは沼津駅がTOICAエリアでエリアまたぎができないからです.また曽我の梅林で有名な御殿場線の下曽我駅も住所は小田原市ながら,所属する御殿場線がTOICAエリアのため同様に改札を通過できず駅での精算が必要になります.こうした駅では何も考えずにIC乗車券でやってきた観光客が改札を通過できず,清算窓口には長蛇の列が出来上がります.たまに窓口でごねている観光客を目撃しますが,そもそも乗客は意識しているしていないにかかわらず,旅客営業規則に同意して乗車したとみなされるので,いくらごねても無駄です.

 この手のうっかりエリアまたぎが後を絶えないせいか,JRでもエリア末端付近の駅には注意喚起をする看板が設置されています.ちなみにどうしてエリアまたぎの利用ができないのかという疑問に関してはJR東日本とJR東海が仲が悪いからなどともいわれますが,現実問題としてエリアの重なりがないという点も重要です.

Img_5430

 この図を見ればわかるのですが,東海道線の場合東京から熱海までがSuicaエリアですが,一方でTOICAエリアはというと熱海ではなくその隣の函南駅から西となっています.すなわち熱海が境界駅とはいっても東京方面から来た場合は熱海で下車できますが,静岡方面からic乗車券で来た場合は熱海では下車できない(下車できる最東端は函南)ことになります.熱海駅は両IC乗車券の境界ではないということです(熱海-函南間はすべてのIC乗車券で乗ることができない).この辺が駅そのものがエリアの境界となっているSuica-PASMOとの違いと思われます.

 と,ここまで書いて重要なことに気づきました.それは福岡市の地下鉄空港線の西の終点である姪浜駅です.ここは一方でJR九州筑肥線の起点でもあります.調べたら姪浜駅は福岡の地下鉄”はやかけん”エリアであるとともに,JR九州のSUGOCAエリアでもあるようです.すなわち条件でいえば東京の北千住駅(SuicaとPasmoが重なる駅)と一緒なわけで,先程の熱海・函南とはことなる状況です.にもかかわらずこのエリアまたぎのIC利用はできません.

 IC乗車券のエリアまたぎ利用に関しては様々な難しさがあるようです.

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