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2019年6月 9日 (日)

ARSのコンサート

Img015  怒涛の活動が続いている6月第1週です(キリスト祭→八甲田→タリススコラーズ×2→蝶々夫人).8日土曜日は鎌倉芸術館で開催されたCollegium Armonia Superiore Japan(略称ARS)のコンサートに行ってきました.ARSはアマチュアのオーケストラなんですが,実は縁があって来年の10月に東京21合唱団がマタイ受難曲を共演することになっている団体なのです.この話が出た昨年8月以来なんどか向こうの役員と会合を重ねて,すっかり意気投合しています.お互いこれを生業にしているわけではないものの,とにかく好きでいろいろ研究しているところなんかが共通していて楽しいのです.今回はそんな彼らのコンサートということで楽しみにしていました.

Img_4982  演目はオールバロックで,ヴィヴァルディの調和の霊感,J. S. バッハのカンタータ82番,そしてメインがヘンデルの水上の音楽でした.指揮は川崎嘉昭さん,バッハのカンタータの独唱者はバスの田中俊太郎さんでした.感想としてはとにかく全体的に音が安定しているということ.調和の霊感が始まった瞬間から安心して聞いていられると感じました.一般にアマオケはレベルが様々なので,所によっては聴いててこっちが不安になるような演奏もあるんですが,ARSのメンバーは基本的に実力がある方々なのでその辺は問題がありません.バッハのカンタータも今回演奏がARSとしての初バッハだとのことでしたが,独唱の田中さんを含めよくまとまっていたと思いました.そして休憩をはさんでメインのヘンデルの水上の音楽です.この作品は一般に第1,第2,第3組曲からなるのですが,今回はそれに異稿版とされる曲を3曲追加したプログラムでした.そして異稿番の調性や演奏効果等を勘案して,演奏順を第1,第3,第2組曲の順として,さらに組曲内でも微妙に順番を変えるというまさに特別版での演奏です.もちろん緻密な演奏だったことは言うまでもありませんし,なにより楽団員一人一人がただ演奏しているのではなく,どういう方向性で音楽を作っていくのかを理解していることを強く感じました.指揮者の川崎嘉昭さんがプログラムの挨拶に書いていた「ARSとのリハーサルは実験室です」という言葉が,まさにこのオケの性格をよく表しているのでしょう.

Img017  終演後,理事の方に挨拶に行き,「演奏会の成功おめでとうございます」と伝えたんですが,第一声が「いやぁ,プログラムが長すぎましたね♪」だったのは,「そう来たか!」という感じでウケました(さすが実験室!).まあたしかにただでさえ分量のある水上の音楽全曲に異稿版も追加した結果,演奏時間1時間超えというバロックにあるまじき長さになったのは事実でした.

 そんな印象的なコンサートでした(思えばこの週4つ目の演奏会だ 笑).

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