ノートルダム大聖堂
パリの有名な歴史的建造物であるノートルダム大聖堂が,4月15日(現地時間)火災にあったというニュースが流れていました.現在は鎮火されたようですが,尖塔や屋根など広い範囲が焼失したとのことです.
パリを流れるセーヌ川の中州のひとつであるシテ島があります.この島はパリ発祥の地と言われる場所で,中世以来パリの街の中心地だった場所です.この街の中心に12世紀後半から建築が始まったのがノートルダム大聖堂です.完成まで200年近い年月を要したとされていますから,気の遠くなるような話です.中世ヨーロッパの建築様式としてはロマネスク様式(ローマ風様式)がありましたが,12世紀ごろから始まった新しい様式がゴシック様式です.このパリのノートルダム大聖堂は初期ゴシック様式の最高傑作と言われています.
パリを代表するランドマークとしてはエッフェル塔や凱旋門も有名ですが,この2つは作られたのが近代以降(どちらも19世紀)であり,歴史の古さという点では大聖堂の足元にも及びません.
このように歴史ある素晴らしい文化財が火災で被害を受けたことはとても残念でなりません.フランスのマクロン大統領は再建することを明言していますが,歴史的な考証に耐えうる再建になることを願っています(大阪城状態で再建されるとは思っていませんが…).ただ,現存していたからこその価値というのもあって,これについてはもはや戻ってきません(日本各地の城郭にある天守も現存しているのは12か所にすぎません).
ちなみに自分は過去3回パリに訪問したことがあり(1991年,1998年,2008年),そのうち最低2回はここを訪問しています.
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