ユリウス暦のクリスマス
今夜はクリスマスイブです!
??? という空気になりそうですが,実はユリウス暦では今日が12月24日,今夜がクリスマスイブということになります.
暦というものは相対的なもので,現在世界で主流となっているグレゴリオ暦は16世紀のローマ教皇グレゴリウス13世が制定したものです.1年を365日とし,4年に1回の閏年,ただし100で割り切れる年は閏年としないが,400で割り切れる年は閏年とするとするこの暦は1年の誤差が30秒弱と極めて正確な暦です(それ以前の暦は紀元前1世紀にユリウス・カエサルが制定したユリウス暦).
しかし,制定したのがローマ教皇ということで,フランスやスペインなどのカトリック諸国ではすぐに採用されましたが,宗教的に対立関係にあったプロテスタントが優勢な地域では採用が遅れ,さらに歴史的な対立が深い東方正教諸国では20世紀になっても採用されない国もありました.代表的なのがロシアで,実はここがグレゴリオ暦を採用したのはロシア革命で帝政が倒れた後のことでした(有名な日露戦争の日本海海戦も,当時すでにグレゴリオ暦を採用していた日本では1905年5月27日ですが,未だユリウス暦だったロシアでは5月14日と記録されています).
現在では実生活ではほぼすべての地域でグレゴリオ暦が使用されています(これだけグローバル化が進んだ時代に暦が違っては商売もできません).しかし,宗教上の暦に関しては話は別で,東方正教の一部教会では教会暦としてはいまだにユリウス暦を使用しているのです.ロシア正教や歴史的にその影響を受けている日本の正教会もそうで,それらの教会では今夜クリスマスイブの礼拝(降誕祭 晩堂大課)が行われているのでした.
| 固定リンク
コメント