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2018年9月17日 (月)

ボリビア&チリ旅行記⑥

 ボリビア&チリ旅行記,いよいよ宝石の道編の始まりです.

 サン・ペドロ・デ・ケメスでの一夜を過ごし,目が覚めたのは午前5時だった.

 が、寒い!( ゚Д゚)

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(写真1) サン・ペドロ・デ・ケメスの夜明け

 一応暖房も入っているはずなのだが、まったく周囲の寒さにかき消されているようだった.ベッドから出るのは困難で,まさに布団の中以外に居場所がない状態だ(笑).仕方ないのでそのまましばらくじっとしながら外の様子をうかがう.やがて周囲が明るくなってきた.7時になり,そろそろ朝食に向かう時間ということで,どうにか起き上がり.窓までいってカーテンを開けると,朝日がとても綺麗だった.

 身支度をして(というか,ほぼ着の身着のままだが 笑)朝食会場に向かう.朝食は昨夕と同じレストランである(窓が大きくてたくさんある.日光をたくさん取り入れようという構造らしい).辺境地区ということもあり,内容はいたってシンプルだが,温かい目玉焼きとお茶があるのは嬉しい.

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(左写真2) レストラン,(右同3) シンプルな朝食

 朝食後チェックアウトの手続きをしていたら,フロントの人が「今日は寒いよ」と言っていた.「そ、そうなのか… 昨日も十分寒かったが」と恐れおののく自分である.

 8時にホテルを出発,一路南下していく.しばらく周辺は荒涼としたアルティプラーノの大地が広がっている.高地帯であるために背の高い木はなく,茂みのような草の塊があちこちに点在する風景が続く.途中何度かビクーニャの群れを目撃した.

P6130207_2 (写真4) 奇岩地帯

 しばらく進むと,奇岩が立ち並ぶ地帯に到着,さっそく下車して写真撮影タイムである.まるで人工的に彫られたかのような奇岩が立ち並んでいる.昔行ったギアナ高地のロライマ山の山頂もそうなのだが,年中強風にさらされる地域でよくみられる景色である(ここアンデス高地帯もお昼ごろから毎日西寄りの強風が吹き荒れる).

 こうした奇岩地帯が過ぎると,周辺は一気にまっ平らな場所に変わった.ここはチグアナ塩湖といい,それなりの規模を誇る塩湖である.が,塩湖とはいってもウユニ塩湖のような真っ白な大地ではなく,焦げ茶色の平原である(常に風が吹くため周囲の土が恒常的に降り注ぐためらしい).とはいえ,日本では絶対にお目にかかれないだろう大平原の景色は素晴らしい.周辺には山もあり雲がかかっているところもあるのだが,それにしても雲が低い.さすがは標高4000メートル付近だと感動するのだった.

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(左写真5) チグアナ塩湖,(右同6) 思わず万歳

 30分以上走ってようやくチグアナ塩湖を抜け,やや太めの道路(もちろん未舗装)に合流する.そのまま進んでいくとしばらくして,建物がたくさん立ち並ぶところにやってきた.こんなところに村なんかあったのか?と思っていたら,どうやらここはオヤグエ(Ollague)と呼ばれるチリとの国境ポイントとのこと.ガイドさんの話によると今夜以降天候の悪化が予想されており,我々の通る予定の国境ポイントが閉鎖になる可能性があり,その際はこちらを抜ける予定にしているため,その情報収集ということらしい.今現在は快晴の青空が広がっているのだが,これから崩れるということなのだろうか(やや不安になる).

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(左写真7) チリ国境に向かう線路を渡る,(右同8) オヤグエの国境

 ともかく国境ポイントを確認してきた道を引き返す.しばらく走ってトイレ休憩となる.ちなみに国境にはトイレがないので,ここがボリビア側最後のトイレとのこと.見ると大きな山がそびえている.これがボリビア・チリ国境にあるオヤグエ火山であった(うっすらと噴煙が上がっていた).

P6130234 (写真9) 国境近くの休憩スポット(後方がオヤグエ火山)

 その後しばらく進み,右に折れて細い道に入る.いよいよここから宝石の道である.ワクワクする瞬間だ.宝石の道は一部サイクリストにも人気の場所だが,このルートは道として整備されているわけではなく,観光用の4駆がたくさん走っているうちに道になったというところである.そのため轍や凸凹が多く,自転車の走行には極めて厳しい環境となっている(だからこそ,ここを走りたいと言う人も多いのかもしれない).入ってさっそくアップダウンの激しい悪路だった.さすがのランクルも15~20km/時しか出せない環境である.少し進んだところで1台の4駆が止まっている.何かトラブルでもあったのかと,ドライバーが声掛けしたが,大したことはないらしい.いずれにせよこんな辺境地区で何かあったら大変である.

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(写真10) 山が綺麗です

 悪路地帯を抜けるとしばらくは平坦になり,一転してスピードが出せるようになる.ここで今回の旅行用に導入したスマホの登山アプリを起動させる.オフラインでも標高と緯度経度を表示させられる優れものだ.さっそく標高を見ると,

 4229メートル!

Img_0648 (写真11) 登山アプリ

 あっさり4000メートルを越えているではないか.かなり酸素が薄いはずだが,気持ちが昂ているのか具合悪さは全くないのだった.

 そんな山道を進んでいくうちに前方に大きな湖が姿を現した.ここが宝石の道最北部の湖,カニャパ湖(Laguna Kanapa)である.真っ青な湖面と対岸の雪山とのコントラストが素晴らしい! 周辺は枯れ草が生い茂り,地面を踏んだ感触がぶよぶよしてツンドラチックだった.

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(左写真12) カニャパ湖,(右同13) 記念撮影

 天気は晴れなのだが,寒い ( ;∀;).湖面にはたくさんの鳥の姿が見えた.噂ではフラミンゴもいるという話だったが,この日は幼体が1羽いるだけだった.時折鳥たちが飛んだり着水したりしているのだが,この日は一部の湖面が凍っており,運悪くそこに着水しようとした鳥が滑って転びそうになっていた(笑).

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(左写真14) 鴎の間に1羽のフラミンゴの幼鳥が…,(右同15) 一部凍っています

 20分ほど見学してカニャパ湖を後にする.そこから15分ほど行ったところに,この日2つ目の湖であるエディオンダ湖(Laguna Hedionda)がある.ここは宝石の道北部の観光拠点になっているらしく,湖畔にはホテルなどの設備がある(我々は利用しなかったが有料WiFiスポットもある).ちょうどお昼時なので我々もここでランチである.準備ができるまで湖畔の散策をするのだが,さ,寒~い.気温に加えて,宝石の道名物「昼からの西風」が吹き始めたため,体感温度はさらに低くなっている.

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(左写真16) エディオンダ湖,(右同17) 湖畔のホテル

 ただ,ここにはカニャパ湖では見かけなかったフラミンゴの姿が見られた(脚が赤いのでコバシフラミンゴらしい).一般にフラミンゴは人間の近くには寄ってこないので望遠でないと撮影が難しいのだが,ここの個体はあまり気にしないらしく,結構写真が撮りやすかった.

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(左写真18) フラミンゴの群れ,(右同19) 意外に近くにいます

 準備ができたので昼食のレストランへ.とはってもレストランはスペースを貸すだけなので,食材は持ち込み品である(壁に100ボリの表記があったがおそらく賃料と思われる.まあ風がしのげるだけでもうれしい).この日は野菜とチーズ,ハム,黒パンだった.ジュースは白濁タイプのリンゴジュース,海外では珍しい.

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(左写真19) WiFIスポット,(右同20) 昼食会場

 食事後はトイレを済ませて(もちろん有料だが環境は悪くない)出発となる.ちなみにエディオンダ湖周辺には立小便禁止の看板がたくさん立っている.こういうものがあるということは,逆に言えばそういうことをする人が多いということなんだろうなと思った.

P6140314 (写真21) リャマの群れ

 約15分ほどで次の湖,チアルコタ湖(Laguna Charkota)に至る(途中リャマの群れに遭遇).チアルコタとは現地の言葉で黒い岩という意味だそうである.そういわれてみると,周辺には黒い岩がゴロゴロ転がっていた.ここにはあまり鳥はいなかった.

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(左写真22) チアルコタ湖,(右同23) そういえば黒い岩があります

 チアルコタ湖を後にすると,周辺は平らな平原が広がっていた.せっかくだからと車を降りて記念撮影,地球外のどこかの惑星なんじゃないかという感じの光景である.そうこうしてたらキツネの姿が見られた.こうした高原地帯を走りしばらく行くと,この日最後の湖オンダ湖(Laguna Honda)に到着する.綴りのイメージから自動車会社を連想させるが,これまた現地語で深いという意味なんだそう.どうやらこの湖は深いらしい.ここも寒さのために湖面の一部が凍り付いていた(ここにもあまり鳥がいない).

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(左写真24) オンダ湖,(右同25) キツネがいます

 オンダ湖に別れを告げ,再び宝石の道を進む.しばらくはシロリと呼ばれる砂漠地帯を走る.この辺りはもうどこが道路なのかわからず,一面どこでも好きなところを走れる感じだ.見ると2台の四駆が土埃を挙げながら縦走している光景が… 自分が子供の頃に見た朝の情報番組「おはよう720」内のコーナー”キャラバンⅡ”を思い出した.

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(左写真26) キャラバン隊のよう,(右同27) この日の最高地点

 その後も砂漠地帯を疾走しながら徐々に標高を上げていく.アプリを起動させると,4500メートル,4600メートルと次々に自己最高記録を更新し,とうとう4705メートルに達した.富士山よりも1000メートルも高いところを今自分が走っているんだと考えると感慨もひとしおである(アドレナリンが出過ぎているのか,まったく具合は悪くない).

Img_0701 (写真28) ついに標高4700メートル越え!

 この辺りから雲が広がり始め,やがて雪が舞い始めた.ドライバーもやや速度を落として慎重に進んでいく.どうやら4700メートルがピークらしく,その後は徐々に高度を下げていった.しばらく進んでいくと,石の標識があり,ここから西に折れて少し進むと久しぶりの人工物が見えてきた.このがこの日の宿泊先,ホテル・タイカ・デル・デシエルトである.

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(左写真29) 雪が積もっています,(右同30) この日宿泊のホテル

 名前にタイカ(Tayka)とある通り,昨夜泊まったホテルと同系列である.石組みの山荘風なのも一緒だった.周辺には村など人の気配がするものは全くない.本当に何もないところにホテルのみがあるといった感じだ.通勤も不可能と思われるので,従業員は住み込みだと思われる.

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(左写真31) 客室です,(右同32) 洗面台は一段高いところにある

 フロントでチェックインをしてカギをもらう.時計を見たらまだ午後3時だった(かなり順調にやってきたことになる).部屋はツインで山荘風にしてはやや広い印象だ.もちろんシャワー・トイレ付なのだが,なぜか客室から段を上がらないと行けない造りになっている.トイレに行こうと段を上った瞬間,クラっとめまいがした.そう,少し下ってきたとはいえ,このホテル,なんと標高4500メートルにあるのだ.深呼吸しながらでないとトイレにも行けないのだ(笑).部屋に入ったらまずすることは充電だ.デジカメの方は極力写真のチェックはせずに来ているので,コンデジは4本のバッテリーのうち2つ目を使い始めたところ,ミラーレスの方も4本のうち1本目が間もなく切れそうな段階とこの先まだまだ大丈夫である.スマホとタブレットを確実に充電しておくことにする.ちなみにこのホテル,こんな辺境地区にも関わらず無料WiFiがあった! 速度はかなり遅いのだが,とりあえず外部の情報を入手することはできるわけだ.

 それにしても,寒い!

 昨日のホテルも寒かったが,まだ夕方4時前だというのにとにかく寒い.まあ昨日よりさらに標高が高いのだから当然といえば当然だが,夕方でこんな感じなんだから夜中はどうなるのか… ( ;∀;).もちろん暖房はあるはずだが,ひねってもうんともすんとも言わない.もしかして壊れているのかと思い,フロントに告げると「大丈夫,5時になれば入るから問題ない」との返事.どこがどう問題ないのかはわからないが,ともかく5時まで我慢しなければならないことは確実らしい.仕方ないので,ベッドに潜り込んで待つことにした(あまりに暇なのでタブレットでメールチェックなどをした).

 5時になり,予告通り暖房が入り始めた.周辺が徐々に温まり始めたのだが,これで夜中を乗り切れるのか不安になるレベルだ.シャワーも昨日と同じで早い段階に浴びておかないとお湯が尽きる可能性があるのだが,寒いのでそんな気分にもならないのだった.

P6140380 (写真33) レストラン

 そのまま部屋でうだうだしていているうちに日が暮れて周囲は夜になった.7時になり夕食のためにレストランに向かう.造りは昨日のホテルと同じような感じで窓が大きかった.この日のメニューはキヌアスープ,牛肉のコースである.ワインであるが,自分は平気だったが,Kがちょっと具合が悪そうだったので,白のハーフボトルで我慢することに(笑).それにしても標高4500メートルでも平気でワインを飲んでる自分の成長が嬉しかった(もっとも周囲を見渡すと,ほかのお客さんはみなフルボトルを平気で空けている.みんな元気なのか,元気な人しかここには来られないのか,おそらく後者だろう 笑).それにしてもこんな辺境でこうしたきちんとした夕食が摂れるホテルとして,ここは世界でも稀有な場所のひとつじゃないかと思ったのだった(少なくとも世界最高所にあるまともなホテルだろう).

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(左写真34) 前菜のキヌアスープ,(右同35) この日のメインはビーフ

 そんな夕食の席上,ガイドさんからビッグニュースがあった.なんと我々のスーツケースがウユニの空港からこちらに向かっているというのだ! 昨日あたりの噂だと,チリのアタカマに行ってから受け取れるんじゃないかという話だったのだが,なんとここまで届けてくれるというのだ!(帰国後わかったのだが,このまま国境を越えてしまうと,荷物も再度国境越えが必要になり逆に面倒なことになるため,旅行会社の方で車をチャーターしてくれたらしい 感謝である).一気にテンションが上がる我々だった.

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(写真36) 荷物が届き感極まりました(笑)

 夕食後部屋に戻り少ししたら,本当に荷物が届いたのである.今回の旅行でホッとした瞬間が3回あったのだが,その2回目がこの晩だった(1回目はラパスから離陸できたとき).さっそく荷物を開けて着替えや防寒具を出したことは言うまでもない(まさに息を吹き返したという感じ).夕方はテンションが下がって今晩はシャワーは無しにしようかなどと言っていのが嘘のように元気になりシャワーも浴びたのだった(さらにこの日のホテルはお湯の温度も十分で快適だった).また暖房も昨日のホテルに比べると強力で,この頃にはだいぶ過ごしやすくなっていた.

 こうしてロストバゲージから解放され,久しぶりに安心して眠りについたのだった.

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