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2018年3月23日 (金)

天正遣欧使節団とグレゴリウス13世

 今日3月23日は世界気象デーなんだそうですが,一方で安土桃山時代の天正年間に,当時日本に滞在していたイエズス会士ヴァリニャーノの発案で,九州のキリシタン大名(大友宗麟,大村純忠,有馬晴信)の名代としてヨーロッパに派遣された少年たち,いわゆる天正遣欧使節団が時のローマ教皇グレゴリウス13世に謁見した日なのだそうです(1585年3月23日).

Japanesedelegatesandpopegregory13  グレゴリウス13世といえば,今世界の標準暦として使われているグレゴリオ暦の制定者として知られています.キリスト教で最も重要な行事が復活祭ですが,この復活祭の日にちを決める春分の日が当時のユリウス暦の日付と現実の春分の現象が乖離してきていたのが制定の動機です.このグレゴリオ暦はユリウス暦1582年10月4日の翌日を10月15日とすることで開始されました.件の遣欧使節団がヨーロッパに到着したのはまさにこの改暦のちょっと後だったことになります.

P8310606  そんな天正遣欧使節団の存在を自分が初めて知ったのは歴史の授業ではなく,NHKの人形劇でした.それは昭和53年4月から翌年3月まで放送されていた人形劇「紅孔雀」,舞台は江戸時代初期の紀伊半島ですが,主人公那智の小四郎の父親が若い頃に遣欧使節の世話役としてローマに行ったという設定になっていたからです(使節の4人の少年ではない).

 使節団には4少年のほかに教育係や技術留学生的な役割の日本人が同行していたとされているので,そうした人物の一人だったという設定だと思われます(こうしたメイン人物が歴史的派遣団の一員だったという展開は,大河ドラマ「獅子の時代」に似ている).

 この紅孔雀はまだビデオテープが高価だった時代の作品であり,NHKにも映像が残っていない幻の作品だったのですが,何年か前に民間でビデオが発見されたというニュースがありました.後作品のプリンプリン物語と一緒ですが,プリンプリンがBSとはいえ再放送されたのに対して,紅孔雀の方はそんな気配はありません.個人的に好きな作品だったので,一部でいいからぜひ放送してほしい(あるいは販売でもいい)と思っています.

 天正遣欧使節から紅孔雀まで,話題が膨らんだ3月23日でした.

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