パレストリーナの命日
今日2月2日は夫婦の日とか,ツインテールの日とか言われていますが,ルネッサンス期を代表する作曲家ジョバンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナの命日です(1594年のこの日に没).
ルネッサンス期の教会音楽は,15世紀のデュファイやオケゲム,16世紀のラッソに代表されるフランドル地方出身の作曲家たちが活躍した時代です.当時の教会音楽がフランドル楽派とによって呼ばれる所以ですが,それはカトリックの中心地ローマも例外ではなく,教皇庁の音楽隊もその主力はフランドル出身者が担っていました.
そんな時代にイタリア出身の作曲として同時代に大きな足跡を刻んだのが表題のパレストリーナです.ミサ曲やモテットなど数多くの教会音楽を作曲し,教会音楽の父などとも呼ばれています.バッハなど後世の作曲家にも大きな影響を与えました.
そんなパレストリーナの諸作品の中で,合唱人の間でとりわけ有名なのが,モテット”Sicut Cervus”です.これは詩篇42篇第1節に作曲されたもので,意味は「鹿が泉の水を求めるように,私の魂は,神よ,あなたを求める」というものです.この作品があまりに有名なので忘れられがちなんですが,実はこの作品は第1部で,それに続く第2部が存在します.それが同詩篇第2節に作曲された”Sitivit anima mea”になります.本来は連作で続けて演奏されるものですが,世間では第1部が有名過ぎて,それ単独の作品だと思われている節もあります.両者の認知度のギャップが激しいことから,私は両者を第1体操,第2体操と呼んでいたりします.
(写真) 左が第1部”Sicut cervus”,右が第2部”Sitivit anima mea”
自分も第2体操の方はほとんどアンサンブルの経験がなかったんですが,最近某所でこれを歌う機会があり非常に感銘を受けました.
そんなパレストリーナの命日,現代はyoutubeでマイナーな第2部も普通に聴けてしまうから素晴らしい時代です.
| 固定リンク
コメント