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2018年2月15日 (木)

南部アフリカ旅行記⑤

 南部アフリカ旅行記,その5はロベン島&ワイナリー編です.

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(写真1) 朝食のオムレツ

 昨夜も比較的早めに就寝したが,いまだ体内から日本時間が抜けていないのか夜中に一度目が覚めた.ただその後二度寝に成功し,再び目が覚めたのはモーニングコールの直前だった(この日のモーニングコールは6時半).身支度をして朝食会場へ,この日もオムレツを作ってもらい,その他はハムやポークソーセージをチョイスする.テーブルに戻って食事開始,が… 自分のオムレツとKのそれとが入れ替わっていた(具材の違いでわかる).どうやら焼いた人が間違った模様(笑).ソーセージは昨日食べたビーフの方が美味しかった気がする.

P1220203 (写真2) ウォーターフロント地区

 朝食後はいったん部屋に戻って身支度をして8時半にロビーに集合である(昨日同様遅刻者無し).この日の午前中はロベン島観光なので,まずはバスで桟橋方面に向かう.天気は昨日の朝と同様一面どんよりとした曇り空だった.日曜の昨日はガラガラだった道路も,平日の今日は混雑していた.ただそれでも10分もしないで桟橋の駐車場に到着,ここから徒歩で船のターミナルに向かう.この周辺が通称ウォーターフロント地区と呼ばれるケープタウン観光ではよく知られた界隈である.石畳の通りには様々なモニュメントやカラフルな建物が立ち並んでおり,港にはたくさんの船が停泊していた(日本の漁船もいた).

P1220206 (写真3) フェリーターミナル

 ターミナルに入った後受付をすませてセキュリティへ進む.空港のそれと同じような機械が設置されていたが,形式的なものなのか検査は緩かった.ゲートを抜けてそのまま乗船となる.船のサイズは昨日ハウトベイで乗った遊覧船よりは大きく客席は2層になっていた.基本的に自由席なので,展望がよさそうな2階のオープンデッキに行こうとしたが,我々が行くちょっと前に定員に達したらしく,2階に上がる階段が閉鎖されてしまいやむなく1階の船室になった.船は9時に出航という触れ込みだったが,なるべく多くの客を載せたいという会社の思惑なのか,定時になっても動き出さず,ようやく出航した時は9時10分過ぎになっていた.

P1220218 P1220221 (左写真4) ロベン島行きのフェリー,(右同5) ゴルゴ13

 ロベン島はケープタウンの市街地から沖合12キロにある.天気が良ければテーブルマウンテンの山頂からも良く見えるほど大陸からほど近い島であるが,周囲の海流が激しいことからここを抜け出して町に泳ぎ着くのは困難で,その特性から監獄島として利用されてきた.特に南アフリカのアパルトヘイト時代には多くの政治犯を収容していたことで知られ,後に黒人初の南アフリカ大統領となったネルソン・マンデラ氏も1964年から1982年まで18年間ここに収容されている(ゴルゴ13の第50巻と第81巻にこの島が舞台となった作品がある).アパルトヘイトが撤廃された後1996年に監獄は閉鎖され,翌1997年に政府によって博物館化されて現在に至っている(1999年には世界遺産に指定された).

 事前に調べたところによるとロベン島行きの船は結構揺れるので注意ということだったので,沖縄の波照間島に向かう高速船を想像していたのだが,この日は拍子抜けするほど穏やかな航行だった.

P1220229 (写真6) ロベン島が見えてきた

 出航して10分ほどしたころから前方に島影が見えてくる.あれが目指すロベン島らしい.ゴルゴ13だと,島の陸地はすべて監獄で,四方を城壁で囲まれた小さな島のように描かれていたが,実際のロベン島は想像していたよりもずっと大きい島である(面積5.47平方キロ).そのまま島の桟橋に近づいたのだが,先客の船がいて,これが動くまで接岸できないらしくしばらく待機する羽目になった.その後先客が出港してようやく我々の船が着岸,ついにロベン島に上陸となる.

P1220234 Image1_2 (左写真7) ロベン島は意外に広い,(右同8) 漫画ではこんな感じだが

 上陸はしたものの,この島の観光客は勝手に動き回ることはできない.まずは用意されたバスでの島内ツアーだ.降りた順にバスに案内され,満員になり次第出発となる(定員20~30人くらいのバス).車内では英語ガイドによる解説が行われるが,我々に関しては自分たちのガイドさんがイヤホンガイドを使って逐次日本語でも解説してくれるので助かった.

P1220376_2 (写真9) ロべン島へのゲート

 まずはROBBEN ISLANDと書かれたゲートをくぐって内部へ.監獄というイメージからコンクリートの灰色の建物が整然と並んでいるのかと思ってたが,実際は広い敷地内に刑務所棟がポツン,ポツンと立っている感じ.メインは石造りでパッと見はむしろ学校である.ただ塀の上に張り巡らされた有刺鉄線が,ここが監獄であることを示している.敷地内の建物は基本的に刑務所と職員用の施設ばかりだが,そのほかに教会もあるのがキリスト教世界らしい.実はこの教会は今でも現役で,国の博物館となっているこの島で唯一民間の管轄になっているとのこと.近年ではこの教会で結婚式を挙げるというイベントが行われていて一部で人気らしい.

P1220250 P1220298 (左写真10) 石造りの建物,(右同11) 有刺鉄線が

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(写真12) ロベン島教会

 建物の外観を見学しながらバスは島内を巡っていく.建物以外では囚人が使役された採石場が印象的だった(この刑務所では基本的に何の役にも立たないような使役をさせていたらしい.これはあえて生産的でない作業を強いることで囚人に絶望感を植え付ける意味合いがあると思われる).そのほかには第二次大戦時に設置された砲台やトーチカなどもあった.一方でこの島は自然も豊かであり,ペンギンなどの鳥や鹿,カメなどの野生動物の姿も見かけた.特にカメは我々の観光中もしょっちゅう道路を横断して,その都度バスは一時停止していた(この島の道路はカメ優先らしい 笑).また周辺の海ではアワビも取れるほか,ちょうどクジラの姿も目撃した(一瞬だったので残念ながら写真はなし).

P1220293 P1220268 (左写真13) 採石場,(右同14) 周辺の海には海藻が

 約1時間ほどでバスツアーは終了,トイレ休憩に続いては刑務所内部の見学である.今度も20~30人のグループごとに行動する.まずは雑居房の見学,学校の教室を少し小さくした程度のスペースに60人くらい収容されていたらしい.窓はあるがガラスなどはなく夏はともかく,冬はケープタウン特有の風が吹き込んで非常に寒かったそうだ.そんな環境の中囚人たちに支給された寝具は2枚の筵だけだったとのこと.房にはトイレやシャワーもあるが60人収容でシャワーは2つだけだった.その辺の話をしてくれるガイドは,かつてこの監獄に収容されていた(強盗や殺人といった一般犯罪ではない)元政治犯の方々である.リアルにここで生活していた人たちであるからその証言は生々しく,また思いも深いため熱く語っていたのが印象的である(ガイドさんたちが熱く語るため,この刑務所内ツアーはどうしても時間が押すらしい).

P1220309 P1220313 (左写真15) ここから監獄内の見学へ,(右同16) 雑居房にて

P1220319 P1220311 (左写真17) 囚人に支給されていた筵,(右同18) こちらはトイレスペース

 雑居房の見学に続いて今度は独房(D-sectionと呼ばれていたらしい)になるのだが,その前に間にある運動場を見学する.ここは囚人たちが自由時間にサッカーに興じた空間だったそうだ.独房のあるD-sectionに入る.こちらは3畳程度のスペースの独房が並んでいる.房には一般の房と,何らかの処罰を与えるための房があり,後者の房には窓がなく金網が張り巡らされていた.房の内部に備え付けられているのは椅子を兼用してるらしい台が1つと筵とブリキ缶だけ,房には鉄格子に加えて木の扉も据え付けられている.かつては鉄格子だけだったらしいが,長い歴史の中で合鍵を作って抜け出した囚人がいたために,2重の扉になったらしい.この中の一つがかつてネルソン・マンデラが収容されていた房である.こんな中で生活した18年とはいったいどんなものだったのか… と考えた.

P1220355P1220351_2

(左写真19) ネルソン・マンデラが収容されていた房,(右同20) 内部はシンプル

 独房棟の見学を終えて最後に塀で囲まれた広場のようなところに出る.ここは刑務所の中庭で囚人たちの運動場として利用されていた空間だという.

P1220362 (写真21) 運動場の中庭

 こうして監獄内の見学は終了,そのまま外に出て徒歩で桟橋に向かう.時刻は11時40分ごろほぼ予定鳥である.すでに船は着岸しておりそのまま乗り込むのかと思いきや,その前にお土産物屋に寄れということでそちらへ.ロベン島関連のグッズが並んでいた中からTシャツを購入した.そのあとは本当に船に乗り込む.ただ満席に近くならないと出ないらしく,20分くらい足止めされ,出航したのは12時20分ごろだった.

 帰りの船は来た時とは異なるタイプでやや小型の高速船とのこと.かなり揺れるのかと覚悟していたが,往路同様揺れは少なくて拍子抜けする.結局30分かからずにケープタウンの港に到着した.

 ウォーターフロントの港に着いた時分は朝とは違って晴れ間が見え始めていた.周辺も明るくてなんだか朝とは違う場所みたいだ.我々はそのまま歩いて駐車場に向かい待っていたバスに乗り込んだ.この後の予定はケープタウン郊外にあるステレンボッシュにて昼食&ワインのテイスティングである.

 南アフリカ,とりわけケープタウンのあるケープ州は比較的冷涼で,夏の日照時間が多いワインブドウの栽培に適した地である.このため町の郊外には良質のワインを生み出すワイナリーがたくさんあることで知られている.今回訪問するステレンボッシュはケープタウンから車で40分と近場にあるワインの里である.普段から酒好きワイン好きの我々であるから,この南アフリカのワインを堪能する機会は非常に楽しみにしていたもののひとつであった.

P1220755 P1220820 (左写真22) ブドウ畑,(右同23) ゼーヴェンバッハのレストラン

 町を離れて郊外に出てくると徐々に牧歌的な風景が広がってくる.見たら何頭もの牛が歩道を歩いている光景に出くわした(みんなで家出でもしたのか?).一般にアフリカというと砂漠やジャングル,サバンナのイメージがあるが南アフリカ大西洋岸はそうしたステレオタイプでないアフリカが見られる地域である(ヨーロッパ的なアフリカというべきか).この日我々が訪れたワイナリー,ゼーヴェンバッハは小さな湖のほとりにたたずむアフリカっぽくない(笑)ところだった.

P1220773 P1220763 (左写真24) レストラン入り口,(右同25) テーブルです

P1220768 P1220771 (左写真26) 前菜のサラダ,(右同27) マレー風ラザニア

 まずはレストランで昼食,この日のメニューはサラダとマレー風ラザニア,今旅行の食事(機内食と朝食除く)では初めての肉料理である.飲み物に関してはこの後テイスティングが控えていることもありソフトドリンクにしていた人たちもいたのだが,誘惑には勝てず赤ワインを注文した(料理にはやっぱりワインが合うので後悔なし 笑).食事後はレストラン正面の湖畔を散策,緑の芝生がまぶしく,本当に爽やかなヨーロッパ的な気候で気持ちが良かった(付近にはあじさいも咲いていた).

P1220818 P1220766 (左写真28) さわやかな陽気,(右同29) あじさいが!

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(写真30) テイスティングです

 その後はワインのテイスティングへ..案内されてテーブルに着くと,ワインリストとグラスが置かれている.この日はこの中から5種類のワインをテイスティングである(白2,赤2,ロゼ1).ガイドさんが当地のワインについていろいろ解説してくれたんですが,本当に詳しい!この人実はワインが専門なんじゃないかと思ったのだった.中でも面白かったのが赤ワイン,南アフリカにはフランスのピノ・ノワールとサンソー(エルミタージュ)を掛け合わせたピノタージュという独特のブドウがあり,濃くてスモークが利いた風味のワインとなる.「南アでワインに迷ったらピノタージュ」というガイドさんの言葉が印象的だった.テイスティング後はここで醸造されているワイン樽の見学,ずらっと並んだ樽を見て,これらひとつひとつ全部個性が違うんだなぁと考えると非常に感慨深いものがあった.

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(左写真31) テイスティングを楽しむ,(右同32) ワインの樽

 なんやかんやで16時過ぎまでここに滞在,その後バスに乗って町に戻る.約40分でウォーターフロント地区のショッピングモールに到着した.この後は1時間ほどここで自由時間,その後夕食という流れだ.一般に治安に不安がある南アフリカだが,こうしたショッピングモールは例外でたくさんの警備員や防犯カメラが設置されていて,スリや置き引き以外の犯罪とは無縁で安心して買い物ができる場所だ.ほかの参加者はさっそくショッピングに向かっていたが,基本的に買い物に関心が薄い 我々はスーパーをちょっと散策した程度でそのまま外に出た.

P1230401_2 P1230412 (左写真33) ウォーターフロントのショッピングモール,(右同34) 広場

 朝の曇り空とは打って変わりこの時間帯は晴れ渡っている(昨日と一緒だ).外では観光客が歩いていてまさに繁華街である.街角には大道芸人みたいな人もいた.ふと見ると目の前に観覧車がある.朝ロベン島行きの桟橋からも見えていて気になっていたところだ.集合までまだまだ時間があるのでせっかくだから乗ってみることにする.受付で料金を払って乗り込んだ.

P1230410 P1230424 (左写真35) 観覧車,(右同36) 高速回転します

 で,動き出したのだが,なんか速い! 日本だと観覧車はゆっくりと回って町の景色を堪能となるのだが,こちらはちょっと趣が違うらしい.あれよあれよという間に1回転してしまった.こ,これで終わりなのか!と思ってたら,降ろされる気配はなくさらに2回転,3回転目に突入,どうやら何回転もするのがこちら流らしかった(結局4回転で降ろされた).まさにところ変わればである.そうこうしているうちに集合時間になった.

P1230430 P1230433 (左写真37) 夕食の前菜イカ焼き,(右同38) メインのステーキ

 この日の夕食はウォーターフロントのレストラン,ショッピングモールから徒歩圏内.メニューはお昼に続いて肉,しかもステーキである(前菜はイカ焼き).飲み物は日中さんざんワインを飲んだとこともあってビールを選択,結局ぺろりと平らげたのだった.

P1230827 (写真39) ケープタウンの夜景

 夕食の後は昨夜断念したケープタウンの夜景スポットへ,たどり着いたのはいいけれど昨夕同様雲がどんどん広がってくる.結局10分程度の写真タイムをへてそのままホテルに戻ることになった.明日はヨハネスブルグへの移動である.

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