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2017年11月29日 (水)

新・湯治ワークショップ

Img_3377  昨日(11月28日)は表題の「新・湯治ワークショップ」に参加してきました.これは特定非営利活動法人健康と温泉フォーラムが主催し,環境省が共催して行われたイベントで,自分も所属している温泉療法医会の研修会も兼ねていました.

 会場は上野の東京文化会館の4階会議室です.東京文化会館といえば二期会や藤原歌劇団などのオペラ観劇でちょくちょく訪れている会場です.上野駅の公園口を出て横断歩道を渡り,いつものように会館の正面口から入って,近くにあったエレベーターで4階に上がりました.そこに会議室があるんだろうと思っていたんですが…

 ありません ( ;∀;)

 そこにあったのは音楽資料室だけでした… おかしいなと思って辺りを見渡すと何やら張り紙があります.それによると,会議室に御用の方は一旦外に出て楽屋口から入ってくださいとのこと,どうやら同じように間違えてここに来てしまう人が多いようです ( ̄▽ ̄).

Img_3380  張り紙の指示通り一旦外に出て楽屋口へ.ここには守衛さんが立っていて,「フォーラムの方は奥のエレベーターから4階にどうぞ」みたいなことを言っていました(ここからは舞台の楽屋にも行けるので,そっち方面へ部外者が入り込まないよう見張っている模様).指示されたとおりに4階に上がると無事に会議室がありました.ここで受付を行って会場に入ります.

 今回の新・湯治ワークショップは21世紀的な湯治の在り方や世間へのPRをいかにすべきかをテーマとした会合です.参加者は自分のような温泉療法医の他,全国の温泉地の関係者,旅行会社の方,行政関係者の他マスコミ関係者もいました.

Img_3378  会議は最初に基調講演があって,その後討論という流れになりますが,結構議論が白熱して面白かったです.ただこの会合,いろんな種類の人達がいろんな思惑をもって参加していることもあり,時として自分の地域の話題などのPRを延々とやってしまう人がいるらしいです(笑).そのため司会者にはイエローカードやレッドカードが渡されていて,あまり長くしゃべる参加者にはそれらを提示して発言を遮ることがあるらしいです(この日は提示された人はいませんでしたが,「これ以上話すとイエローカードが出そうなのでやめます」みたいなことを言ってた参加者もいました.自分的にはなかなか面白い会合でした.

 で,会が終わった後は小田原にとんぼ返り,夜は市役所行われる介護保険審査会に参加したのでした.

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2017年11月24日 (金)

歌劇「椿姫」

Img172  11月はオペラ鑑賞強化月間! と決めたわけでもないんですが,11月6日の武蔵野でのプラハ国立のルチアに続き,昨日11月23日は新国立劇場の椿姫公演に行ってきました.

 ヴェルディ中期を代表する作品のひとつである椿姫(原題はラ・トラヴィアータ 道を踏み外した女?)は小デュマの同名の小説をオペラ化したものです.美しいアリアの数々,テンポよく進んでいくストーリー,全体で2時間程度とよくまとまっていることもあって非常に人気があり,上演頻度の高い作品です(これは海外歌劇場の引っ越し公演だけではなく,市民オペラレベルでもよく上演されている).自分もオペラになじみがない人にお勧めする作品としてプッチーニのラ・ボエーム,トスカとともにこの作品を挙げています.

 それだけ有名な作品なので,自分もいったい何回生鑑賞したのか覚えていないほどですが(笑),今回のヴァンサン・プサール氏演出の公演は2015年の初出を含めて2度目の鑑賞でした.鏡を効果的に使った色彩の美しい舞台です.配役としてはヴィオレッタ役のイリーナ・ルングさんの声が良く響いていて素晴らしかったです.

 椿姫の時代のアリアは,ゆったりとしたテンポのカヴァティーナと,アップテンポなカヴァレッタの2部構成が基本形なんですが,かつては後半のカヴァレッタ部分がカットされる演奏が一般的でした(理由としては物語展開が停滞しやすいため).しかし,近年特に新国立ではこうしたカットをしない演奏が増えており,今回も2幕第1場最初のアルフレードのアリア,同最後のジェルモンのアリア(カヴァティーナ部分が有名な”プロヴァンスの海と陸”)ともカヴァレッタが歌われていたのは嬉しかったです(自分この部分好きなので).

Dsc_1785  終演後は新宿の小田急百貨店に入っているKINKAWOOKAへ,ちょうど生牡蠣の半額キャンペーンをやっており,「こりゃ食うしかない!!」というわけで,ワインとともにいただきました (^^)v

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2017年11月22日 (水)

セリ鍋の会2017

 週末の冷え込みが一段落した12月21日の夜は都内に繰り出していました.目的は学生合唱団(前半)の同世代がこの時期に集まるセリ鍋の会です(今年は13名参加). 

Img_3368  セリ鍋は実は仙台地方の隠れた名産なんだそうです.自分は知らなかったんですが,宮城県は全国のセリ生産量の35%を占め第1位なんだそうです(ちなみに第2位が芹沢鴨で有名な茨城県なのは笑えた).昨年は12月の開催だったんですが,忘年会シーズンに被ったため,利用時間が2時間に制限されてしまったため,今年は少し時期をずらそうということで11月の開催になったものです.今回利用したのはすりみや神田淡路町店さん,宮城県の郷土料理のお店で,宮城の酒もそろっていました.基本的にコース料理で,サラダから始まっておでん,練り物,牛タンと進んでいよいよセリ鍋の登場です.

23794955_1701769939889447_440285401  醤油味のスープに鶏肉,焼麩を入れて出汁を取り,いよいよセリを投入します.だいたい葉っぱが30秒,根が1分くらいで食べごろです.特に根っこのシャリシャリ感がたまりません.この日は出てきたものをあっという間に食べつくし,同じ量のお代わりまでしてしまいました(店のセリを食べつくしたというウワサも 笑).お酒も一ノ蔵や浦霞といった宮城のお酒をしこたまいただいたのでした.

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2017年11月19日 (日)

盛岡に行ってきました

Img_3362  日本列島が冬型の気圧配置に覆われたという11月19日土曜日,所属している合唱団の強化練習に参加するため盛岡に行ってきました.

 朝こちらを出る段階からすでにまあまあ寒かったんですが,東北新幹線で北上するにつれて周囲は曇りがちになりモノトーンな風景に… さらに福島県に入ると雪が積もっている地域もありました.そして12時33分盛岡駅に到着,ホームに降りた瞬間ひんやりとした空気に包まれました.

 さ,さむ~い ( ゚Д゚)

 向こうも寒かったんですが,レベルが違います.完全に空気が冬です(笑).

Dsc_1777  こんな寒い日はラーメンでも食べたいなということで,まずは定番の一風亭さんへ,この日はこれまた定番の担々麺にしました (^^)v

 昼食後練習会場の教会に入ります.現在こちらの合唱団では来年4月のコンサートに向けての練習に取り組んでいるのですが,シュッツ,バッハ,メンデルスゾーンらのモテットが中心になります.これらの諸作品は基本的にアカペラでソロ部分が少ない(すなわち全体に占める合唱のウエイトが極めて高い)ことから演奏時間の割に疲労度が高いという特徴があります.とりわけメンデルスゾーンの作品は疲労度が大きい感じがします.この日はバッハのモテット4番(バッハのモテット6曲のうち,自分がステージでやったことのない唯一の曲)を中心に,ビーブルのAve Maria、シュッツの詩篇121などを練習しました.

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 練習が終わって会場を出ると,寒さは一段と厳しくなっており,小雪も舞っています(初雪だったらしい).まだ11月とはいえ,北国はもう冬なんだなと感じました.

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2017年11月18日 (土)

歴史教科書の話題

 3日前のニュースで話題になっていたお話です.

 坂本龍馬が歴史教科書から消えるぜよ!?高知に激震  

 これは高校や大学の教員,民間の有識者などから構成される高大連携歴史教育研究会が,現在の歴史教育(特に高校)は暗記に偏重しており,このことが生徒の学ぶ意欲を失わせる一因になっているとして,現在の日本史および世界史に使われている用語を減らすべきであると提言したことによるものです.この研究会の提言では日本史,世界史それぞれ現在約3500前後ある用語を2000弱に厳選しています(一方的に減らすだけではなく,新たに必要と思われるものは追加する).厳選の基準としては,歴史の大きな転換点や時代の特徴などを説明するのに必要な用語を選ぶ一方で,細かすぎたり羅列的な固有名詞などは削っていくとしています(その提言のリンク).

 この提言は具体的に○○を削るという表現はされておらず,各人が興味を持っている,あるいは知っていてこれまで教科書に載っていた用語がこの提言のリストに入っていなければ削られたんだなとわかるものです.記事にある幕末の坂本龍馬,吉田松陰や戦国時代の上杉謙信もリストには入っていません.幕末期の人物でいえば残っているのは井伊直弼,徳川慶喜,勝海舟ら数名のみです.また戦国大名に関しては基本的に毛利氏,武田氏,伊達氏といった感じに姓のみになっており,個人としての武田信玄や伊達政宗などは削られています.他方世界史に関して言えば,古代オリエントで人名として出てくるのはモーゼ,ダレイオス1世(アケメネス朝ペルシャの王),アレキサンダー程度で,エジプトのトトメス3世やアッカドのサルゴン1世,新バビロニアのネブカドネザルなどはすべてカット,聖書世界でも異邦人への伝道で知られるパウロは残った一方,十二使徒筆頭のペテロは削除されています.中世ヨーロッパの大事件であるカノッサの屈辱の当事者であったハインリヒ4世とグレゴリウス7世に至っては喧嘩両成敗なのか(笑)両者とも削られていました.また古代中国史では思想家以外では秦の始皇帝以前の人物はまったく触れられていませんでした.

 歴史好きな自分にとってはこの提言のリストを眺めて,あっ!あの用語が削除されていると考えるのも楽しいのですが,最初に出した記事に関して言えば,完全にメディアのミスリードだと思います.というのは,この高大連携歴史教育研究会は文科省の諮問機関などではなく,あくまでも民間の個人参加の研究会であって,この提言に従って文科省が次期教科書検定を行うわけではないからです.言ってみれば,各人がブログやSNSで勝手に言ってることと大差はなく,少なくともこの提言によって直ちに坂本龍馬が教科書から消えることにはならないからです(完全に話題先行の記事です).

 自分としては歴史を学ぶことは決して暗記ではなく,世の中がどういう流れでどう変化していったか,この重大な事件はどういう流れから起こったかという考察が重要という当研究会の趣旨は理解できるのですが,一方で歴史は魅力的な個々の人間の集合によって流れていくという見方も好きなので,こうした細かい用語が削除されるのも寂しいなと感じました(子供時代は古代インドマウルヤ朝の王チャンドラグプタ,首都のパータリプトラとか,金の建国者・完顔阿骨打(わんやんあくだ)いった用語を覚えるのが好きだったので 笑).

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2017年11月16日 (木)

ボジョレー・ヌーヴォー解禁

Dowddw6uiaay7ajpg_large  今日は11月第3木曜日,世間的にはボジョレー・ヌーヴォー解禁の日です.

 ボジョレー・ヌーヴォーはフランス南東部のボジョレー地方で,その年に採れたガメイ種というブドウを使って短期醸造された赤ワインです.一説によれば,その年のブドウの出来を見るために造られたのが始まりだそうです(昔はそうだったのかもしれないが,近年ではそれ自体が目的化した感がある).

 初ガツオなど初物が好きな日本人の感性にマッチしたのか,日本では非常に人気の高いワインになっています(解禁日の盛り上がりは本国フランスをはるかに上回る他,このボジョレー・ヌーヴォーの輸出先としても日本がダントツなのだそう,はっきりいって業界の陰謀臭がプンプンします(笑).

 バレンタインデーとかホワイトデーといった業界の陰謀には決して嵌るまいと頑張る私ですが,このボジョレー・ヌーヴォーには毎年嵌っています.まあ単純に酒好きだということですが (^^)v

 たたこのお酒,ワインの醍醐味である熟成とかコクとか渋さとかとは無縁で,簡単に言えばあっさりした浅漬けワインです.ムチャクチャ美味しいかといわれると,そこまでのシロモノでもないんですが,あっさり系なので脂っこい料理との相性はいいようです.この日は粗挽きソーセージをお供にいただきました.

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2017年11月14日 (火)

ユスティニアヌスと趙匡胤

Meister_von_san_vitale_in_ravenna 今日は11月14日,世界史的には6世紀のビザンチン皇帝ユスティニアヌスが亡くなった日である(565年11月14日).

 1000年以上の歴史を持つビザンチン帝国だがその国情はまさに波乱万丈であった.この国の歴史上,国が隆盛を誇ったピークは2度あり,その最初のピークが6世紀,この時代に活躍した皇帝がユスティニアヌスである(もう1回のピークは10世紀末から11世紀初頭のマケドニア朝の時代).

 ユスティニアヌスの業績としてまず挙げられるのは西方の領土を大幅に回復したことである.4世紀末に最終的に東西に分裂したローマ帝国だが,西半分は5世紀後半に滅び,跡地にはゲルマン人諸部族が割拠する状況になっていた.ユスティニアヌスは533年に将軍ぺリサリウスを北アフリカに派遣,西方領土回復の戦争を開始した.帝国軍は苦戦をしながらもイタリア半島や北アフリカの地中海岸一帯,さらにはイベリア半島の一部も占領し,大幅に領土を回復することに成功したのである(この時がビザンチン帝国の領土的な最盛期).

 

Istanbul1_233 さらにユスティニアヌスの功績はこれだけではない.文化的には今も残るイスタンブールの聖ソフィア大聖堂を建てたのも彼であるし,従来の複雑なローマ法を整理したローマ法大全を完成させたのも彼である(ローマ法大全は後のヨーロッパ諸国の法典の基礎となり,その流れは現代日本の法体系にも影響を及ぼしている.そんなユスティニアヌスの命日が今日11月14日なのだった.

 で,調べていたら同じ11月14日が没日である皇帝がいた.それが宋の趙匡胤である.中国の歴代王朝,とりわけ統一王朝の中で,宋という国は地味な印象がある.それは北宋南宋併せて300年余りの間,常に遼・西夏・金・モンゴルと強力な外敵に圧迫され続けていたという歴史があるからだろう.ただ唐末から五代十国の時代を経て,従来の支配者層だった貴族階級が没落し,新しい新興地主層が登場した.

 

Que10106633850 さらに宋代には,これまでの王朝が有力な軍人によってしばしば政治的な干渉を受け国政が混乱しあるいは帝位を簒奪されてきたという反省を生かして,軍人の権限を縮小するとともに,科挙によって登用した官僚のみを重要な役職に就ける政策を取った(文治主義).さらにはこの科挙の最終試験を皇帝自らが行うことで,皇帝と高級官僚の結びつきを強くし,より皇帝に権力が集中する体制を作ったのである.こうした大きな政治改革を行ったのが北宋初代皇帝の趙匡胤なのだった.

 本日11月14日はそのような日なのだった.

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2017年11月13日 (月)

高松に行ってきました

Img_3326  この木曜日の午後から土曜日に夜にかけて,四国の高松に行ってきました.目的は当地で開催された学会に参加するためです.自分の所から高松までは羽田から飛行機で行っても,新幹線と瀬戸大橋線の乗り継ぎで行ってもほとんど所要時間に差がないんですが,今回は飛行機利用となりました.学会の本番は金曜日(10日)からですが,木曜日の夕方に関連の会合等があることから先乗りすることにしたものです.

 公私にわたり各地を飛び回っている自分ですが,高松は2009年1月以来の訪問になります(日本100名城の高松城登城目的での訪問).

Img_3321  会場はJR高松駅前にあるサンポート高松です.会場周辺は関係者で大賑わいでした(笑).学会というと,ランチョンセミナーやドリンクコーナーなど飲み食いのセッションも魅力的なんですが,今回はうどんで有名な高松ということで,無料でうどんが振舞われるコーナーもありました(ただ,会場は屋外,しかもメニューはぶっかけうどんだったため,特に風が強くて寒くなった2日目はちょっと辛かったというウワサも 笑).

 学会の発表形態としては口演とポスターがあります.口演は着席形式の会場でスライドを示しながら発表する形式で,一方のポスターは広い展示場みたいなところにポスターを張り,発表者はその前で説明する形式となります.今回の自分の発表はポスターだったんですが,今回のポスターセッションは,通常の紙製巨大ポスターではなく,巨大画面にポスターを映し出すeポスターという形式でした(近代化というよりも,巨大なポスター会場を用意できなかったための苦肉の策という感じでした).

Img_3342 Dsc_1170  写真,左側は今回のeポスター,右側が従来型の紙ポスターです.

 久しぶりの四国滞在,堪能いたしました.

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2017年11月 7日 (火)

ハンガリー国立歌劇場のルチア

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 気が付いたら11月になりました.10月はいろんなことがあって余裕がない1か月だったことあり,仕事以外での遠出もありませんでした(自分的には珍しいかも 笑).そんな10月の下旬にハンガリー国立歌劇場が来日していることに気づきました.今回の演目はJ. シュトラウスの「こうもり」とドニゼッティの「ランメルモールのルチア」です.オペラ好きの自分,しかも最近娯楽がなかったこともあり,こりゃ行くしかないと決意した次第です.で,鑑賞する演目ですが,「こうもり」も魅力的ですが,自分的にはやっぱり「ルチア」だろうということで,近郊で開催される「ルチア」の日程を調べてみました(こうもりは今後二期会と新国立で鑑賞予定あり).

 しか~し,ほとんどの日程が出張と被っています.唯一観に行けそうなのが,11月6日武蔵野市民文化会館での公演ということで,チケットを入手し行ってきました.

23172574_1518479641582729_791107611  ルチアの概要に関しては今年の3月に新国立劇場での公演の際に記事(新国立劇場のルチア )にしているので多くは語りませんが,19世紀イタリアで流行した狂乱オペラの傑作です.今回タイトルロールを歌うのはハンガリーのエリカ様(笑)こと,エリカ・ミクローシャさん,当たり役は魔笛の夜の女王とのことで,コロラトゥーラの名手です.この日のルチアでも後半の20分もの長大アリアを朗々と聴かせてくれました.

 ランメルモールのルチアといえば,タイトルロールのルチアの悲劇というイメージが強いんですが,自分的にはルチアの政略結婚の相手であるアルトゥーロ・バックロー卿の方がよっぽど悲劇じゃないかと感じます.なぜなら,アルトゥーロは単に金持ちだということでルチアの兄,エンリーコ・アシュトン卿によってルチアの政略結婚の相手にされ,彼女との結婚式に呼び出されました.まあ政略結婚のことは彼も認識はしていて,やってきた際には「自分が来たからにはこの家も大丈夫だ」的なことを言って歓迎されるんですが,肝心の花嫁(ルチア)には邪険にされ,さらに式にはルチアの彼氏だと名乗る男(エドガルド)が乱入してきます.極め付けには式の晩に発狂したルチアに無残にも殺されてしまうというのですから全く悲劇の一言です.しかも犯人のルチアは犯行時心神喪失状態にあり,今の裁判なら罪に問われない可能性が高いなどまったくもって浮かばれません.現代のワイドショーなんかだと,

「結婚式暗転!富豪のアルトゥーロ氏,花嫁に惨殺される.二人の間に一体何が?」

などと格好のネタにされることは間違いないでしょう.そんなことも感じたルチア公演でした.

Dsc_1772  ちなみに会場となった武蔵野市民文化会館でのコンサートを主管する武蔵野文化事業団は独特のチラシで一部の間で人気が高いんですが(笑),この日の会場入り口にもこうしたチラシ(武蔵野チラシ)がたくさん張られていましたが,その中にあって稲垣潤一のコンサートのみ普通のチラシでした.きっとこれは,武蔵のチラシにしてはまかりならぬという稲垣潤一の事務所の圧力があったのではと想像しています.

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