角館にも行ってきました
一週間以上たってしまいましたが,能代の寮歌イベントの翌日は,帰りの飛行機が夕方ということもあって,前日の男鹿半島に続き,少し観光して歩くことにしました.行先は角館,春は桜の名所としても名高い趣のある街です.
角館は秋田を本拠とする久保田藩の支城(角館城)があった場所です.城郭自体は後の一国一城令によって破却されたものの,当初は蘆名氏,その後は佐竹氏の分家筋の佐竹北家が支配していました.元々城のあった古城山の南麓,檜木内川の左岸に市街地が形成された.街は北側の武士の居住区である内町と南側の町人居住区の外町に分けられ,両者の間には火除け地が置かれています.
明治以降大きな災害がなかったことや,地域の政治経済の中心が隣の大曲に移ったことから市街地の大規模な再開発が行われず,このことが結果として昔ながらの町並みを保存する結果となります.昭和51年(1976年)に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されて以降観光客が増加,さらに平成9年(1997年)の秋田新幹線の開業によってその数は一気に増え現在では外国人観光客の姿も見られるようになっています.学生時代には桜の季節に訪問したこともありましたが,今回は6月の新緑時期の訪問となりました.
(写真3) 青柳家の薬医門,当時馬を繋いだとされる石もあります
まずは人力車にて武家屋敷地帯の散策,有名な青柳家や石黒家の外観や庭の木々を見学,樹齢300年の樅ノ木やしだれ桜が見事でした.角館のしだれ桜は藩政時代,佐竹家二代目義明の妻が京都から輿入れしてきた際に持ってきた苗木が枝分けされて増えて今に至っているといわれているそうです.
人力車の後は武家屋敷内部の見学です.青柳家は現在人は住んでおらず市が管理する施設となっています.内部は武家屋敷の他,各種の博物館的な要素も兼ね備えています.自分的に注目したのは昔のレコードがたくさん展示されていたコーナー,トスカニーニのベートーベンの英雄のレコードには感動しました(笑).
青柳家の見学の後は隣の石黒家へ.ここは現在も同家の方が住んでおり,屋敷の一部が一般公開されています.現在角館では座敷に上がれる唯一の武家屋敷となっており,係員の案内で見ることができます.建築から200年は経っているだろう重厚な屋敷は素晴らしいの一言ですが,面白いのは正面の玄関は殿様など偉い人が来た時しか開かず,当主でも横の入り口から出入りしていたらしいことです.当時の身分制度が伺える話です.身分といえば屋敷周囲の塀の高さも身分に寄るらしく,青柳家と石黒家の土塀の境も高さの違いがあり,両家の身分さを反映しているのだそうです.
その後もいくつかの武家屋敷を見学しました.ちなみにこの角館武家屋敷通りは日本の道100選に認定されているところでもあり,100選マニアの自分はもちろん顕彰碑を探したのでした.
夕方になったので秋田空港へ.フライトまで少し時間があったので,レストランに入って秋田の地酒やおつまみを堪能したのはいうまでもありません.
こうして今年の能代遠征も無事に終了したのでした.
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