第57回能代寮歌を愛する会
さて,昨日一昨日と2日間年休を取って秋田県に出かけてきました.恒例となっている能代寮歌を愛する会に参加するためです.普段はクラシック音楽を愛好している自分ですが,深層心理には寮歌が潜んでいて,何かの折には無性に歌いたくなってくるのです.
寮歌とは呼んで字のごとく,寮の歌ですが,現実には旧制高等学校や大学の予科といった戦前の日本の高等教育機関の寄宿舎の歌を指し,作詞のみならず作曲も寮生自身によりなされたものが多いという特色があります.当時全国には官立私立合わせて50校近い高等学校や大学予科があり,作られた寮歌の総数は3000曲にもなると言われています.まさに当時の学生たちの青春の歌であったわけですが,戦後の学制改革や寄宿舎自身の衰退もあり新曲はほとんど作られなくなりました.ただ当時を知る人々によって全国各地で寮歌祭が盛んに行われてきました.
しかしながら,当時を知る人々の高齢化もあり近年各地の寮歌祭が規模縮小あるいは終了という流れになっているのは残念ではあります.ただ一方で戦後世代の中にも自分のように寮歌を愛好している人間もいるのはたしかで,近年の寮歌祭にはこうした若い人たちの姿も見られるようになているのはうれしいことです(この世界では自分は若い方です 笑).
私が能代の寮歌にお世話になったきっかけは,能代の会長さんの御子息がかつての勤務先の同僚だったというまったくの偶然からです.以来時々参加できなかった年もありましたが,ついに今年でめでたく10回目の参加と相成りました.例年10回参加者は別枠であいさつと何か1曲歌うという習慣があります.今年は自分が10回目ということで事前にその旨の打診がありました.
で,問題は何を歌うかです.自分は旧制弘前高等学校の関係者というわけで,当然歌うのは弘前高校の歌になります.同校の代表寮歌である「都も遠し」は当然のように一般枠で歌われるので除外されます.また同じく代表的な歌である「虚空に羽ばたき」も,実は同じく今年10回参加となる大先輩(リアルに旧制を過ごした方)が歌うということで除外されることに… さあどうしようと思った私,寮歌祭の大先輩とは違って実は知っている寮歌はそんなに多くないんです(各校の代表的な歌をちょこちょこ知ってる程度).悩んだ挙句,在寮時代にちょっとかじった「図南歌」という作品を選択したのでした.
6月14日(水)に空路で秋田入り,夕方に会場となる能代キャッスルホテルにチェックインしました.会は6時半にスタート,開会の言葉や檄文朗読等に続き,いよいよ高歌放吟の開始です.自分の図南歌も無事に終了し,全国各地の寮歌が歌われます.例によって料理やお酒を堪能して言ううちに,ちょっとお腹がキューンとなりました.そこで席を外してトイレに行って帰ってきたら…
ちょうど弘前高校の出番になっていました( ゚Д゚).
あわてて登壇しましたが,一番肝心な「都も遠し」が歌えませんでした(申し訳ございません<(_ _)>).
その後も会は続いていきます.こうしたイベントの場合,特にお酒が入ってくるとプログラムが押してくるいうケースが多いんですが,能代の寮歌では司会の会長さん直々に,「早く始めてください」,「あいさつ無しでお願いします」などダメ出しが出るので進行はスムーズでした.結局10時15分過ぎに予定通り会は終了,この日は市内のスナックでの二次会にもお誘いいただき,さらに楽しい時間を過ごしたのでした(相当飲んだはずなのに翌日具合が悪くならなかったことから,よっぽと体調がよくかつ楽しかったと思われた).
来年は秋に開催ということで,また参加したいイベントなのでした.
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