平家の隠れ里
一気に気温が上がり,湿度の高さも相まって冷房が欲しいんじゃないかと感じられる昨日今日です(先週までは暖房が欲しかったのに隔世の感 笑).
さて先日所用で九州に出かけてきました.で,業務の後せっかくここまで来たのだからとレンタカーを駆使して山の中へ(笑).やってきたのは五家荘,平家の隠れ里として知られる場所です.
壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平家の残党は自らの血統を残すため追手を逃れて全国に散りました.そんな彼らが隠れ住んだとされる地が平家の隠れ里で,四国の祖谷渓や大分県の平家山などと並んで有名なのが熊本県の五家荘です.元々は泉村という自他体だったんですが,合併により今は八代市の一部になっています.
この五家荘,隠れ里という言葉がぴったりくるような山奥の地です.東西南北どこからアプローチするにせよ,狭くて曲がりくねった道しかなく,訪問が大変だからです.車がすれ違ることができるポイントが少なく危険なため,この地域では昼間でも車のライトを点けることが奨励されています(山深くて昼でも薄暗いからというのもありますが,カーブミラーで対向車に自らの存在を知らせるためと思われます).
そんな五家荘の東部,樅木地区にあるのが「五家荘平家の里」です.ここには平安朝をイメージした史料館や能舞台,古い民家を利用した食堂などがあります.この日は食堂で地元の山菜そばをいただきました.そばはつなぎ無しのボソボソと切れるお蕎麦,いわゆる田舎そばです.同じ平家の里である祖谷渓にもこういうお蕎麦があったっけ,もしかして平家名物なのかと思ったのでした.
資料館と能舞台は食堂から少し登った高台にありました.岩手のえさし藤原の里にもありそうな白と朱色をベースにした平安チックな建物です.史料館は特に古文書が展示されているわけではなく,人形やレプリカを中心とした歴史の解説がメインでした.九州とはいえ,山奥のこの地はまだ桜が残っています.平安調と桜の組み合わせが素敵でした.それにしても,これらの建物の材料をどうやってここまで運んだんだろうと不思議に思いました(もしかしてヘリで運んだ?).
山深い五家荘は地形が厳しく,高低差も激しいため,地域の人々の道として吊り橋がたくさんあります.特に樅木の吊り橋は生活用の吊り橋としては日本一らしいです.渡ってみると下は見えるは,揺れるはでスリル満点です.
あと山深い五家荘にはたくさんの滝があります.代表的なのが100選にも入っている栴檀轟の滝ですが轟とはこの地域で滝を指す言葉だそうです.この日は近くの梅ノ木轟の滝を訪問しました.
とにかく山奥ということがぴったりしすぎる五家荘でした(紅葉が素晴らしいとのことなので,今度はその時期に来てみたい).
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