五次元世界のぼうけん
今日は大寒,二十四節気のひとつで暦の上でもっとも寒い日になります.その名に恥じぬ(?)よう,今日は全国的に荒れ模様で,関東地方でも雪が降るのではとウワサされています(お昼現在,当地は曇り空).現実にはこの大寒から2月初めの立春までの約2週間が1年でもっとも寒い時期で,有名な陸別町のしばれフェスティバルが開催されるのも2月頭です.
そんな寒い季節は何となく外に出るのも億劫になりがちですが,先日ネットで1冊の古書を発見し衝動買いしてしまいました.
タイトルは五次元世界のぼうけん,マデレイン・レングルによる1960年代のアメリカ児童文学です.少女メグとその弟チャールズが行方不明になった父親を探して宇宙に旅立つというSFタッチの小説です.
この作品と自分がどういう関係にあるのかというと,実は小学校4年生の時に学芸会でこのお話をやったからです.現実にはこの小説を基にした演劇用の脚本があって,それを当時取り上げたわけです(歌も登場する音楽劇だった).演劇用なので登場人物やストーリーも微妙に改変されていて,主人公のメグは眼鏡をかけているキャラだったことからメガネという名に,弟のチャールズはケンという日本人風の名前に変更されていました.
思えば当時の担任の先生の趣味だったんでしょうが,自分がSFに目覚めるきっかけとなったのがこの作品でした.そして,この後NHKの少年ドラマシリーズにハマっていくことになります.
ちなみに5次元とはこの作品によると,1次元=線,2次元=面,3次元=立体に加えて,4次元目は時間軸で,5次元とは空間を瞬時に跳躍する軸だと説明されています.劇中おばさんがそのことを説明するのですが,
「わたしのスカートの端から端を虫が歩いていくとするとこんなに遠くて時間がかかるわね.けどこうしてスカートの端と端をくっつけてしまえば,ほらすぐに着くでしょう」
といっていました.後の宇宙戦艦ヤマトにおけるワープ航法と同じ原理です(作品ではこの移動方法を五次元運動と呼んでいました).
メグとチャールズ(演劇ではメガネとケン)はこの五次元運動を利用して惑星カマゾッツに渡り,そこでその星を支配すると対峙することになるのです.すべてが中央センターによって計画され統治されるカマゾッツは宇宙でもっとも科学が進んだ星という設定になっており,自分たちがやった劇では「♪宇宙で,一番,優れている星カマゾッツ♪」という歌が出てきます.ちなみにこの劇で自分がやった役がカマゾッツの支配者でした(最後は主人公たちに倒されてしまう 笑).
そんな懐かしの五次元世界のぼうけん,寒い季節にゆっくりと懐かしさに浸りながら読んでいきたいと思います.
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