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2016年12月31日 (土)

2016年十大ニュース

 2016年も残すところわずかとなりました.というわけで,当ブログ大晦日恒例のビザンチン皇帝の10大ニュースの発表です.あくまでも趣味に限定してますので,仕事や世間的な事件は除きます.まずは10位から

第10位 東京マドリガル会コンサート一区切り

14440646_1254486727937186_906124480  東京マドリガル会は1929年(昭和4年)から英国マドリガルを演奏&研究する会として,第二次大戦中も休むことなく活動を続けてきた団体です.当初は昭和初期に英国に留学していた黒澤敬一氏が活動の中心になっていましたが,メンバーの移り変わりもあり,敬一氏の子息宏氏に受け継がれ現在に至っています.全部で1600曲ほど存在するといわれる英国マドリガルのうち400曲あまりを倶楽部のレパートリーに持っています.そんな88年の歴史を誇るクラブは今年をもって演奏会活動に区切りをつけることになりました.縁あって私も2008年以来参加させていただいております(関連記事).

第9位 第19回ひの新選組まつり参加

Cigvrdaviaauyxijpg_large  自分にとって春の大きなイベントであるひの新選組まつりに今年も参加してきました.思えば初参加が2006年の第9回でしたから,もう10年参加していることになります.以前はコンテストから参加するのが基本パターンでしたが,最近は世代交代の空気を感じている(笑)こともあり,パレードのみの参加となっています.今年は出会った人々枠で,新選組誕生のきっかけとなった庄内藩士清河八郎として参加しました.このお祭り,近年はアニメやゲームで新選組に入った若い人たちも多く,一部のコアな参加者以外は10年前とだいぶ様変わりしているんですが,可能な限り今後も参加したいイベントです(関連記事).

第8位 在京白堊会

Photo  今の自分の性格形成に大きな影響を与えていた(と思われる)高校時代,卒業から既に30年くらいたっているわけですが,主として首都圏い在住している同窓生による同窓会が毎年5月上旬に行われています.大体卒後30年程度の学年が幹事として働くことになっています.で,今年自分たちがその幹事学年に当たっていました.というわけで昨年の同窓会の後から月一くらいのペースで集まり準備をしていたのですが,その同窓会が無事に完了しました.幹事なので同窓会の宴会そのものはあまりはしゃぐことはできないんですが,その後の同期による懇親会では当時お世話になった先生をお招きして大いに盛り上がったのでした(関連記事).

第7位 帰って来たぞ!我らのウルトラマンスタンプラリー

Dsc_0828  昨年開催されて好評だったJR東日本と円谷プロのタイアップ企画,ウルトラマンスタンプラリーの第2弾が今年も1~2月にかけて首都圏のJR各駅で開催されました.子供の頃から大のウルトラマン好き,しかもこういった集める系のイベントに目がない私としては,参加しないという選択肢などあろうはずはなく,今年も参加しました.年はウルトラQから新マンまで全64スタンプでしたが,今年はQが外れてウルトラマンAとタロウが加わった全65スタンプでした.都内への出張のついでや,これだけのための(笑)遠征などで収集を行い,2月13日に無事終了,全スタンプ制覇証をゲットしたのでした.来年はいよいよウルトラマンレオの登場かと期待しているのでした().

第6位 三陸地方,かつて住んでいた地域への旅

Img_2580  現在神奈川県西部に在住している私ですが,2008年3月までは岩手県を中心に転勤を繰り返していました(いわゆる医局人事というやつ).特に県南&三陸地方は通算7年在住した思い出の地です.その後2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた地域ですが,今年の8月お盆休みを利用して自分がかつて勤務&住んでいた場所をめぐりました.具体的には一関市大東町,陸前高田市中心部,大船渡市中心部,久慈市中心部です.震災の爪痕を目の当たりにするとともに,かつての懐かしい光景が思い出され感動的な旅になりました.道中三陸の旨いモノも堪能したのは言うまでもありません(関連記事未作成).

第5位 長崎への家族旅行

P7150983  毎年のことですが,上位は旅行関係の話題になります(笑).5位は7月の家族旅行です.自分の父親の命日が7月ということで例年海の日が絡む3連休に家族旅行に出かけるのが近年の定番なんですが,今年は4泊5日の長崎旅行となりました.グラバー邸やオランダ坂,平和公園,坂本龍馬ゆかり風頭地区,日本3大夜景の稲佐山はもちろん,世界遺産の軍艦島や内山田洋とクールファイブゆかりのスポットなど市内散策を行いました.その後は雲仙地区に行って温泉に宿泊,最後は佐世保に移動して本土最西端の神崎鼻訪問とかなり密度の濃い旅行となりました.実は日本の47都道府県庁所在地のうち,自分が唯一未訪だったのが長崎市でした(これを言うとみんなが驚く 笑).今回の旅行によってついに空白県は無くなったのでした(関連記事).

第4位 八重山諸島旅行

Yonaguni2  第4位は3月の八重山諸島旅行です.沖縄県の中でも西に位置する八重山諸島は日本最西端の与那国島西崎と現実に行ける日本最南端の波照間島高那崎を擁するスポットで,さらに西表島には日本の滝100選最南端のマリユドゥの滝もあるなど,自分にとって日本国内で必ず行かねばならない場所筆頭でした.ただ域内での移動の問題と取れる休みの日数も勘案しながら慎重に計画を練り,3月の春分の日が絡む3連休に有給休暇を加えて4泊5日の日程で出かけてきました(与那国島に1泊,石垣島3泊).全体的にお天気は今ひとつだったんですが,心配していた時化による船の欠航(特に石垣-波照間の高速船が欠航しやすい)もなく,予定していた訪問地はすべて行くことができました.この旅行のひと月ちょっと前に行った,北海道の気温とのあまりのギャップに改めて日本は広いと実感しました(関連記事未作成).

第3位 第35回しばれフェスティバル

Shibare54  北海道生まれで北東北育ちの私,寒さには強いと思われている向きもあるんですが,実はかなりの寒がりです(笑).なので冬に休みが取れると南国に逃げるのが定番になっています(かつてはグアムやパラオなどのミクロネシアリゾートが多かったが,近年は東南アジアがマイブーム).ただ,毎年寒いことで町興しをしている北海道陸別町のしばれフェスティバルの人間耐寒テストだけは別格で,いつか行ってみたいイベントでした.で,今年の冬は当初演奏旅行があるかもしれないということで冬の南国旅行を計画していなかったこともあり,思いきって参加することにしました.実行委員会の方からは冬山登山のつもりで準備するようにという指示があり,各種防寒具を新調し臨みました.当日の最低気温はなんとマイナス26℃! いやぁ冗談でなく寒かったです.会場中央にある命の火という名の焚火の温かさは格別で,文明の始まりは火の使用からという説は絶対に正しいと確信しました(関連記事).

第2位 イスラエルへの聖書の旅

14440913_1078539982243366_474965684  第2位は9月のイスラエル旅行です.普段キリスト教の宗教曲に深い関心のある自分にとって,聖書の舞台であるイスラエルはいつか行ってみたい場所でした.ただ当初今年の夏の旅行は同じくまだ行ったことがない中央アジアを考えていました.しかし今年は盛岡の合唱団でヨハネ受難曲を勉強していることもあり,その舞台となったイスラエルを演奏会前に見てこようという気持ちが高まり,7月ごろに急きょ予定を変更しました.ただイスラエルは扱っている旅行会社が少なく,仮にあっても催行されないケースも多くて難儀し,最終的にクラブツーリズムと近畿日本ツーリストの共催で行われた7日間のツアーに参加しました.自分の夏の旅行としては短い日程でしたが,それでもイスラエル北部のガリラヤ地区を始め,死海,エルサレム,ベツレヘムなど聖書ゆかりのスポットはほぼ回ることができ(かなり駆け足でしたが 笑),充実した旅行となりました(、⑥以下は未完).

第1位 ドイツレクイエム演奏会

Img108  そして栄えある第1位は,旅行イベントではなく,今年3月に行われたドイツレクイエム演奏会です.これは岡山シンフォニーホールの企画制作による東日本大震災心の復興祈念コンサートで,岡山・盛岡・仙台・山形の4都市で行われたものですが,そのうちの3月6日の盛岡と3月8日の仙台公演に参加する機会を得ました.ドイツレクエムは一応レクイエムという名は付いているものの,カトリックの典礼文によるものとは異なり,ブラームス自身が聖書から言葉を選び作曲したものです.非常に素晴らしい曲で,自分もいつか参加してみたいと願っていた作品です.今回オケ版で参加できるという,まさに千載一遇のチャンスを得て何が何でも参加しようと頑張ってきたものです.本当に素晴らしい作品で,ステージ上でも泣きそうになりました.今年の10大ニュースも多くは自分の意志で実現できるものですが,この演奏会は自分の意志だけではなく企画してくださった方々がいたからこそ実現できたものです.その意味でも今年の第1位はこのドイツレクイエムなのでした(関連記事).

 その他ランクインするに至らなかった出来事です.

一 寮歌イベントに参加 深層心理で寮歌好きな私ですが,今年も6月に行われた能代寮歌を愛する会,8月開催の中央寮歌祭2016に参加しました.

二 しながわ宿場まつり 秋の扮装イベント,しながわ宿場まつりに今年も参加しました.今年は八丁堀の同心になって宿場を歩きました.

三 オペラ鑑賞 趣味の一部を占めるオペラ鑑賞,今年も新国立劇場を中心にいくつかの舞台を鑑賞しました.

四 北海道新幹線に乗る 今年3月に開業した北海道新幹線に乗りました.ウチのKの実家に行く際の利用でしたが,ちょうど満開を迎えた松前城の桜も見ることができました.

五 東京21合唱団の演奏会 6月24日に東京21合唱団の演奏会が行われました.メイン曲はラターのレクイエム,これも素晴らしい曲です.

六 小田原医師会合唱団定期演奏会 12月4日に小田原市民会館で開催されました.自分が所属している合唱団で唯一邦人曲をやる合唱団で貴重です.今年は新実徳英さんの作品でした.

Dsc_0994 Img_2232 14440703_1069809456448490_496873698 21ga_2 Img134 Img118  こうしてみると今年は10大ニュース常連だったしながわ宿場まつりや寮歌イベントが圏外に弾き飛ばされるほど旅行が多かった印象です.さあ来年はどんな年になるか楽しみです.それではみなさんよいお年を.

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2016年12月30日 (金)

新玉川温泉に来ています

 いよいよ年の瀬,みなさんいかがお過ごしでしょうか.自分は28日に仕事納めでその夜そのまま盛岡に帰省しました.そして翌29日お昼からお隣秋田県の新玉川温泉に来ています.

Tama7 (写真1) 田沢湖駅にて

 温泉大国の日本,それこそ各地に無数の温泉がありますが,その中でも酸性度日本一を誇るのが玉川温泉です.主成分は塩化水素で源泉のpHはなんと1.05!早い話が0.1規定の塩酸です(笑).分析化学の実験に登場する試薬並みの液体ということになります(ちなみにアルカリ性日本一は埼玉県にある都幾川温泉でpH 11.3).

Tama5 Tama6 (左写真2) バスに乗り込みます,(右同3) なんと最終派12時半!

 ただ玉川温泉本館は積雪のために冬季休業となるため,この時期にこの源泉に入れるのは同系列の新玉川温泉になります.今回はこちらへの訪問でした.11時24分の秋田新幹線で西へ,最寄りの田沢湖駅で路線バスに乗り換えます.この時期玉川温泉へのアプローチとなる国道341号線は冬季閉鎖になります.ただ新玉川温泉までは路線バスのみ通行が許されているので,これが冬期間唯一の交通手段になります.ただその最終バスはなんと!12時30分,このバスに乗り遅れるとその日温泉にたどり着くのは不可能になります(今回宿泊予約した際もホテル側からそう念を押された 笑).

Tama13 Tama12 (左写真4) 宝仙湖のゲート,(右同5) 係員が開けます

 幸い新幹線の遅延もなく無事にバスに乗ることができました.田沢湖駅を出発したバスは北上,どんどん山の中に入っていきます.途中の玉川ダムによって形成された人造湖である宝仙湖にゲートがあり,ここから一般車は通行止め,路線バスを含む許可車のみが中に入ります(係員が手でゲートを開け閉めしている).その後雪深い道を進み(除雪された幅員は狭いが対向車が来ないことがわかっているのでその辺は安心か)約1時間で終点の新玉川温泉に到着しました.

Pc310036 (写真6) 新玉川温泉の正面

 バスを降りてフロントへ.チェックイン手続きをして部屋に入ります.本来チェックインは15時なんですが,冬季間は最終バスがこんな早い時間に設定されているため,到着後すぐに部屋に入れるようになっています.玉川温泉というと自炊の湯治場のイメージが強いですが,こちらの新玉川温泉はリゾートの雰囲気で和室の他,シングルやツインの洋室もあります.

Tama9 (写真7) 浴室(新玉川温泉さんのサイトから拝借)

 少し休んでさっそく温泉へ.前述のように玉川温泉は源泉pH 1.05という強酸性泉です.いきなり源泉に入るのは体への刺激が強すぎるので,まず掛け湯をして,その後源泉を同量の水で割った50%の浴槽に入って体を慣らしていきます(それでも計算するとpH 1.3くらいで草津温泉以上です).50%泉に入浴,休息を何度か繰り返した後,いよいよ源泉100%に挑戦です.ゆっくり体を沈めていきますが,当初は特に何も感じません.むしろ源泉100%は体への刺激を弱めるために温度が低めに設定されていることもあって,より高温の50%の方が強いんじゃないかと思えるほどでした.しかし数分入っているうちに体のあちこちがピリピリして来ます.特に首回りがそうで,これは普段着ているワイシャツのカラー部分が擦れて首に微妙な傷が付いているためと思われました(そう考えるとこの源泉100%は傷発見装置として有用かも).なんにせよ,全国からたくさんの湯治客がやってくる温泉なのでした.

Tama3 Tama2 (左写真8) 食事はビュッフェスタイル,(右同9) 各種地酒もそろったお酒カウンター

 入浴後,しばらく部屋でくつろいでから夕食へ.ここの食事は朝夕ともにビュッフェスタイル.健康志向なのか各種野菜が充実しているほか,きりたんぽ鍋や天ぷらのコーナーもありました(もちろんお酒コーナーも 笑).見渡して感じたのは,年末の一般の温泉ホテルと比較して,① 平均年齢が高い(車いすや歩行器の人も結構いる.リハビリを兼ねた当時客だろう),② 子供連れが極端に少ない(ここの源泉は子供には刺激が強すぎる),③ 最近はどこに行っても必ずいる中国人観光客の姿がない(笑) といった特徴があるかなと思いました.あとはかつて見た情報ではテレビはBSのみとなってたんですが,今回はなぜか青森県の地上波が見られました(なぜ青森なのかは不明,別に青森県境に近いわけでもない).

Tama4 (写真10) テレビの地上波はなぜか青森版,そして青森県はフジテレビ系列がないため代わりにBSフジが…(BSがあっても地上波の補完にはならないのではというツッコミは無しで 笑).

 今回はそんな新玉川温泉に2泊3日の滞在,強烈な温泉三昧に浸っているのでした.

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2016年12月27日 (火)

年賀状

 ここ数日忙しくてすっかり忘れていた来年の年賀状,ようやく出来上がりました.

 パターンは例年同様4パターン,自分基本版,K基本版,仕事用真面目版,そして母親版です.基本版はその年に活動した写真をたくさん載せるバージョンで,真面目版は真面目そうな写真を1枚だけ載せたものです(笑).

Img_2825  あとは印刷してちょこちょこっと書いて投函してきます(元旦に着くのは微妙だな 笑).

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2016年12月26日 (月)

新幹線と肉の日

 クリスマスの週末,みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか? 自分はというと,この時期に休みたい人の代わりに病院籠りをしていました(当直ともいう 笑).24日は自分の処,25日は静岡県沼津市の施設での泊まりでした.

 で,夜が明けた12月26日朝,出張先を出てバスで沼津駅へ向かいます.いつも7時発の東海道線上りに乗るんですが,今朝は道路が込んでいてバスが遅延,結局その電車には乗れませんでした (*ノωノ).後続の東京直通は7時32分までありません.まあその電車でも就業にぎりぎり間に合うので大丈夫なんですが,寒いところで30分近くも待つのは嫌だなと思い,三島駅まで行って新幹線に乗ることにしました(これだと余裕がありすぎるくらいですが,まあ早めに職場に入って悪いはずはない).

 というわけで7時12分の三島行きに乗って三島へ.そこから新幹線乗り場に向かい改めて改札をくぐり,そこからホームに上がっていきます.いつもは1~8号車と書かれた方向に上がっていくんですが,人が多く渋滞していたため反対側の12~16号車と書かれた方に登ります.東京行きこだま号は7時26分発,「こだま〇△号東京行きはグリーン車以外普通車全車自由席です」とアナウンスしています.7時23分くらいになって新幹線がやってきました.自分は一番空いているだろう16号車で待ってたんですが,やってきた電車の表記は指定席… 「あれっ?普通全車自由席じゃなかったっけ? 違ったのか? まあいいや」と隣の15号車に移動して乗り込みました.

 まもなく発車,幸い座れたのでスマホの位置ゲーアプリを開いて画面を見ていたら,なんと新幹線が西に向かってるじゃないですか! そして車内放送が…「この電車はこだま号名古屋行きです」

 乗り間違いに気づいた瞬間でした (゜o゜)

15727244_1179926242104739_330898309 (写真1) 新富士駅のホーム

 どうやら自分が乗ったのは7時24分発の下りだったようです.間違いの原因はすぐにわかりました.まず三島駅は上りと下りが同じ島式ホームにあること.いつもと違うエスカレーターで登ったために,上り下りの位置関係が逆になっていたこと(いつものコースなら向かって右手が上りホーム)です.16号車が指定席だったのも当然,ここで気づくべきだった(笑).

 仕方がないので次の新富士駅で下車,その後の上り電車に乗り換えて職場に向かいました(このロスのために定時に着けないのは確実なため職場に電話をして当直医に事情を話した.電話の向こうで笑っていたw).

 結局沼津駅で黙って後発の東京行きを待っていれば良かったというオチでした.

 そんな幸先の悪い12月26日でしたが,終業後はこの連休病院籠りをしていた自分へのご褒美とばかり,箱根湯本の焼肉スエヒロさんに行ってきました.学生時代なら焼肉といえば質より量で,食べ放題の店がひいきだったんですが,この年代人ると(笑),量は食べられないのでイイものを少しずついただくのがミソになっています.とても美味しい焼肉でした \(^o^)/.

15741318_1180285182068845_191633456Dsc_1258_2 Dsc_1256 (写真上左) 上ロース,(同上右) 上カルビ,(同左) タン塩 

 こうして英気を養った12月26日でした.

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2016年12月24日 (土)

クリスマスイブ

 今夜はクリスマスイブです.キリスト教においてイエスの誕生を祝うのがクリスマスで12月25日とされています.ただイエスが誕生したのは夜なので,その聖なる夜がクリスマスイブとなります.あれっ?クリスマスは12月25日なのにどうしてクリスマスイブは24日の晩なの?という疑問が湧きますが,これはキリスト教の元になったユダヤ教の暦にからくりがあります.実はユダヤ教の暦は日没から一日が始まるため,今の暦でいう12月24日の日没から25日が始まるからです.なので24日の日没からクリスマスイブが始まり,翌25日朝から日没までがクリスマスの昼?となります.25日の日没後は日付が変わるためもはやクリスマスではないことになります.時々世間では「クリスマスイブの夜」という表現を見かけますが,これは「アメリカに渡米する」,「馬から落馬する」と同様の重言になります(クリスマスイブという言葉自体が12月24日を指すわけではない).

 ただ聖書のどこを探してもイエスが12月25日に生まれたとは書いていません.これについては古代末期から中世にキリスト教を受け入れたゲルマン人の冬至を祝う習慣(冬至以降日が長くなるので太陽の復活の日と考えられていた)にキリスト教におけるイエスの誕生が結びついて作り上げられたものと言われています.そう考えるとモミの木飾りの習慣も,本来キリスト教が誕生した中東のものではなく,ヨーロッパの森を連想させます.

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 聖書の記述(ルカ福音書)によると,イエスが誕生した晩,野宿をしていた羊飼いのところに天使が現れることになっています.現実の聖書世界であるイスラエルは決して暑い国ではなく,特にイエスが生まれたとされるベツレヘム周辺は乾燥していて標高も高く,冬は寒くてとても野宿などできそうにないので,イエスの誕生は少なくとも12月ではなさそうです.

 ちなみにイエスの誕生後,星に導かれた東方の博士がやってきて捧げものをする場面があります.博士の人数については聖書に記載はないんですが,捧げものが「黄金」,「乳香」,「没薬」の3つであることから東方の3博士になっている絵も多いです.で,3博士といえば連想するのが,マジンガーZに登場する3博士(のっそり博士,せわし博士,もりもり博士)です.勇者マジンガーZの誕生と成長に大きくかかわったこの3博士こそ,東方の博士のイメージかもしれません(笑).

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 そんなことを考えた2016年のクリスマスイブでした.

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2016年12月23日 (金)

クリスマス・ソングの集い2016

 今年は12月23日が金曜日なので,土日が休みである場合クリスマスの3連休という人も多いと思います.自分の場合基本的に暦通りなので3連休になるハズだったんですが,24&25日は当直が入ってしまったため,フリーなのは23日のみです(まあクリスマスは休みたいという人が多いので,恩を売る絶好の機会ではある (^.^)).

 そんな23日は毎年恒例となっている医師会合唱団のクリスマス・ソングの集い(略してクリソン)に参加してきました.みんなで集まって出し物をしたり歌ったりという企画です.音楽ももちろん楽しいのですが,このイベントには料理の上手な団員製作のカレーやパスタ,他のドクターから差し入れられる美味い酒なども豊富にならび,そっちの方も楽しみなのでした.

Dsc_1255  13時に始まった会は各自が繰り出す出し物等(歌だけではなく楽器もあり)で盛り上がり,お開きとなったのは19時,実に6時間も続いたのでした.で,その間ひたすらに飲み続け,はしゃいでいた自分は予定通り夜は具合が悪くなっていたのでした ((+_+))(まあその辺までも含めてクリソンという).

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2016年12月21日 (水)

冬至

 今日12月21日は冬至,1年でもっとも昼が短い日である.国立天文台の暦によると,この日の東京の日の出は6時47分で日の入りは16時32分,計算すると太陽が出ている時間は9時間45分ということになる.昼夜のアンバランスは緯度が高いほど激しくなるため,同じ日本でも北海道では昼の長さは9時間を切り,高緯度で知られる北欧スウェーデンのストックホルムになると昼は6時間くらいしかない(さらに北に向かい北緯66度33分以北になるとこの日は日の出がなく一日中夜の極夜となる).

 そんなに夜が長いと気が滅入りそうになるのだが,逆に考えるとこの日を境に翌日からどんどん日が長くなっていくわけで,春に向かって進路を変える日ともいえる.実際にヨーロッパの高緯度地帯に住んでいたゲルマン人の間では,冬至は太陽が復活を始める日と位置付けられており,この太陽のお祭りとキリスト教が結びついて今のクリスマスになったともいわれている.同じような習慣は南米のインカ帝国にもあったのは興味深い(インティ・ライミ).

 日本では冬至というと柚子湯にとかぼちゃが有名である.柚子湯の方は健康を祈願するとともに,柚子=融通が利くという洒落だともいわれている(少なくとも柑橘の香りによるリラクゼーション効果は期待できそうだ).一方のかぼちゃは野菜が少ない冬は各種栄養不足になりがちな時期でもあり,そんな季節に栄養豊富なかぼちゃを食べて病気を防ぐという意味があると考えられている.

 そんな2016年の冬至,我が家でも柚子湯とかぼちゃをいただいた.

Pc210005  なお,冬至と全く関係ないがこの日は下弦の月が出ていた.同じ半月でも夕方に見られる上弦の月と異なり,夜半に姿を見せる大人的な半月である.自分的には柴咲コウさんがRUI名義で歌った月のしずくのテーマが下弦の月でその幻想的な雰囲気が好きなのだった(彼女が来年の大河ドラマの主人公).

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2016年12月20日 (火)

選挙人の裏切りその後

 報道によると,去る12月19日に全米各地で来年の1月に就任するアメリカ大統領選挙の本選が行われ,ドナルド・トランプ氏の当選が確実になったようだ.

 ドナルド・トランプ氏、大統領当選が正式に決まる

 以前ここにも書いたように,アメリカ大統領選挙というのは直接選挙ではなく,国民によって選ばれるのは特定の大統領&副大統領コンビに投票予定の選挙人であり,この選挙人の投票によって大統領が選出される形式をとっている.なので,先月8日に行われた選挙の結果はあくまでも,トランプ氏に投票を予定している選挙人が本番の選挙で当選するのに必要な人数を越えたということに過ぎない.この選挙人はもちろん,特定の候補者に投票することを宣言して出ているわけだが,実は彼らの投票行動を縛る法律は存在せず,仮に宣言していた人物以外に投票したとしても法で裁かれることはないらしい(あくまでも各人の良心に期待されているということのようだ.ただし法的にはフリーでも,選挙人を出した政党内での処分はあり得る模様).

 そういう状況であるから,選挙人が裏切って反対陣営の候補者に投票するなんてことも理屈の上ではありうることになる.私はこれを選挙人の裏切りと呼んでいるが,もちろん過去に選挙人の裏切りによって,国民の投票行動と異なる大統領が誕生した例はない.

 ただ,今回の大統領選挙に関しては,様々な発言等で話題となったトランプ氏が当選しそうだということで,俄然この選挙人の裏切りがクローズアップされていたわけである.例えば選挙後,なにか決定的な大スキャンダルや大失言が飛び出し,国民世論が選挙人の裏切りもアリだ(いや裏切ってくれなきゃ困る)なんて雰囲気になる可能性も想定されていたからだ.それを意識してるのかは不明だが,11月8日以降のトランプ氏は従来の過激発言を封印し,比較的無難な行動を取っていた(Twitterなどでは時々従来の主張をすることもあるようだが).

 結果,今回の本選挙ではトランプ氏が無事に大統領に選出されたということである.ちなみに選挙人の裏切りであるが,別の報道によると今回は7人の選挙人が本来とはことなる投票行動をしたらしい.ただしその内訳は共和党2人に対して民主党5人ということで,トランプ氏を裏切った選挙人よりもクリントン氏を裏切った選挙人の方が多かったということである.

 それにしても,アメリカ大統領選挙の本選(選挙人による投票)なんて,これまでの大統領選挙だったらニュースにもならなかったが,今回話題として取り上げられたのもトランプ効果なんだろうなと感じたのだった.

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2016年12月14日 (水)

南極の日

Utagawa_kunisadac1850horibe_yaheiho  今日12月14日は忠臣蔵で知られる元禄赤穂事件の日です.元禄15年12月14日の夜遅く,赤穂浪士47名が江戸本所の吉良上野介の屋敷を襲撃,その首を挙げた事件です.

 現代,とりわけ21世紀の感覚としては,法に基づかない武装勢力が計画的に大挙して個人の住宅を襲って殺害するなんて,まさにテロ事件そのものなんですが,そこに至る過程(前年の江戸城内における刃傷事件への処分など)などから,世論は赤穂浪士に味方し,結局幕府は彼らに切腹という名誉ある死(と当時はされていた)を与えたのでした.

 この事件は後に浄瑠璃や歌舞伎の題材として庶民の人気を呼びます.そして明治以後もその人気は続き、現在でも映画やドラマなど、これがテーマとなった作品はそれこそ星の数ほどもあります。

    このように日本では赤穂浪士の討ち入りの日として有名な12月14日ですが、世界に目を向けるとこの日はノルウェー人のアムンセンが人類で初めて南極点に到達した日として記憶されています(1911年)。

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    有名な話ですが、このアムンセンの南極点到達という栄光の陰には、イギリスのスコット隊の悲劇があります。当時アムンセンとスコットは南極点到達を争っていました。アムンセンの犬ぞりに対してスコットは技術大国イギリスらしく雪上車を投入していました。しかし南極の環境はあまりにも過酷で雪上車はすぐに故障してしまい、結局彼は徒歩で南極点に向かわざるを得なくなります。この差は大きく、スコットの南極点到達はアムンセンに遅れること1ヶ月の1912年1月17日でした。そして失意の中、帰路の途中悪天候などの不運も重なり、彼は遭難死してしまったのです。

    旅行好きであちこち出かけている私ですが、さすがに南極にはいったことがありません(笑)。ただ近年ではアルゼンチンから船で南極大陸を目指すツアーなども催行されているので、お金と時間があれば行くことは可能です。なので定年退職して退職金をもらった時がチャンスかなどと考えているのでした。

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    そんな私が訪問した最高緯度地点が北極海スバールバル諸島です(ほぼ北緯80度)。この写真は同諸島最大の島であるスピッツベルゲン島にあるエスマルヒ氷河です(2003年6月訪問)。

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2016年12月13日 (火)

昼下がりの情事

 今日のお昼に敷地内を歩いていたら,前方に猿が2匹いました.

Img_2814  あまり近づくのは危険と思い,迂回しようとしたら…

Img_2815  いきなり、始めました (゜o゜)

 こちらが ( ゚Д゚) となり焦っているうちに

Img_2816  どこかに走り去ってしまいました.そんなお猿さんの昼下がりの情事でした (^.^).

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2016年12月12日 (月)

この週末は

 12月は演奏会シーズン,もちろん聴衆として聴きに行くことも多いんですが,自分がステージにのる方の演奏会もあります.この週末もそんな「自分がのる」演奏会が2つありました.

Sumikko  ひとつ目は12月9日に東京港区の霊南坂教会で開催された第44回すみっこの石クリスマスチャリティーコンサート.これは静岡県にある”牧の原やまばと学園”支援のためのコンサートで,私が所属している東京21合唱団が毎年参加しているものです.今年は讃美歌と朗読とのコラボ的なステージがメインでした(これに器楽も加わる).語りが感動的でうるうるっときました.

 終演後は近くの中華屋さんで打ち上げ,その後終電ちょい前の電車で帰宅します(翌日何もなければ現地泊でもよかったんですが).

Charikon  で,翌12月10日は夕方から再び都内に繰り出します.今度は駒込の日本医師会館,翌11日に開催される第3回医師たちによるクリスマスチャリティーコンサートのリハーサル&懇親会のためです.このコンサート(仲間内ではチャリコンと呼ばれている)は日本医師会の主催で,全国から参加する10組のユニットによるコンサートです(モダン系5組,クラシック系5組 一応事前審査あり).私も参加している小田原医師会合唱団は第1回から参加していて今回が3回目です.17時半ごろからリハーサルに臨み,その後懇親会に流れます.懇親会は外のお店ではなく,医師会館内の大会議室みたいなところでの立食パーティー,料理は神田駿河台の山の上ホテルのケータリング,さすがに美味でした\(^o^)/(さすが日本医師会,普段高い会費を取っているだけあって太っ腹だ(笑).

Rese1 Rese3  この日はこちらに宿泊して,翌11日コンサート本番のステージで演奏したのでした(司会が元NHKの濱中博久アナウンサーだったんですが,最後合唱に混ざってもらうという無茶振りもありました 笑).

 そんな感じで趣味の週末が完了したのでありました.

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2016年12月 8日 (木)

セリ鍋の会

 12月は忘年会シーズン,しかも鍋が美味い季節でもあります.そんなわけで昨夜は東京都内で開催された,大学合唱団時代の世代が近い仲間によるセリ鍋の会に参加してきました.会場は有楽町駅にほど近い塩釜おでん仙台牛タン三代目文治さんです.

 セリ鍋は仙台地方の隠れた名物です.仙台市の隣りの名取市がセリの大生産地だからだそうです.

Dsc_1214  セリ鍋は葉っぱ部分だけではなく,根っこまで食べるのがポイントで,この根っこの部分がシャリシャリして美味なのです.

 醤油味の沸騰した出汁にまずは鶏肉と揚げを入れ,その後セリを投入します.根っこは60秒,葉っぱは30秒が食べごろとのことで,みんなで時間を計っていただきます.

Dsc_1216  いやぁ~ 本当に美味しい \(^o^)/.

セリのシャリシャリした歯ごたえと香りが最高です.結局みんなお代わりまでしてしまいました(それでもあっという間に無くなった).この日は他に牛タンや炙りしめさばも出てきました.お酒はもちろん宮城のお酒,一ノ蔵や浦霞です.

 今回は忘年会時期ということで2時間限定のコースだったんですが,ちょっと時期をずらすとより長い時間楽しめるとのこと.来年は11月ごろにやろうという話になりました.

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2016年12月 6日 (火)

晩秋

 ふと気が付いたらもう12月,あと3週間ちょっとで2016年もおしまいという季節になってしまいました.私が生まれ育った北海道&北東北では12月といえば,もう雪が当たり前のように降る季節であり,山の木々もすっかり葉が落ちて,世界はすっかりモノトーンの風景が広がります.

 ただ,関東以西では12月(特に上旬)はまだまだ秋の延長であり(晩秋と呼ぶべきか),標高の高いところはともかく,下界では紅葉真っ盛りという感じです.職場周辺の木々もいよいよ色づき,まさに秋の終わりを感じさせてくれるのでした.

Dsc_1206 Dsc_1207  で,そんな12月6日は出入りの業者さんから毎年恒例のカレンダーをいただきました.

 その名も,世界の美女カレンダー \(^o^)/

Img_2797  目の保養になるのはもちろんなんですが,予定などを書き込むスペースもあって毎年重宝しているカレンダーです.

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2016年12月 5日 (月)

小田原医師会合唱団第8回定期演奏会

Img134  12月は演奏会シーズン,その先駆け(?)として昨日は表題の小田原医師会合唱団第8回定期演奏会に参加してきました.

 この合唱団は小田原医師会の会員を中心に当地の薬剤師,歯科医師,看護学校職員等,医療や福祉に携わる人たちで構成されています.その結成は2008年春で奇しくも自分が当地に越してきたタイミングでした(これはまったくの偶然で,自分が合唱団結成に関わっていたわけではありません (^。^)).たまたま自分のところの当時の院長が音楽好きで,「自分は行けないけど面白そうな企画があるから行ってみたら」と勧められて参加したのが始まりです.

 同年夏に結成コンサートが行われ,翌2009年から定期演奏会となり数えて今年8回目を迎えたというわけです.徐々にメンバーも増えて,演奏会の内容もバラエティ豊かになり年々充実している感じです.

Dsc_1203 (写真) 会場にはたくさんのお祝いのお花が

 趣味が合唱の自分は現在いくつかの合唱団に所属しているんですが,この医師会合唱団は唯一邦人作品を取り上げる団体なので(他は基本的に洋モノメイン)貴重な存在です(あとは打ち上げでカラオケに行くのも唯一の団体だ 笑).

 今回は邦人作品として新実徳英さんの作品を,企画ステージとして三沢治美さん編曲の混声合唱のためのヒットメドレー COLORS も取り上げました.自分の職場の職員や患者さんも聴きに来てくれました.患者さんの感想はこれから徐々に外来でなんですが,職員の方は今日さっそく「よかったよ」と言ってもらえたのでうれしかったです.

 演奏終了後は打ち上げへ.一次会の中華料理の後はカラオケに繰り出し痛飲したのでした(副団長の某女医先生が「明日の診療に影響しない程度に飲んでください」とおっしゃってたんですが,ちょっと影響あったかも… すみません m(__)m).

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2016年12月 2日 (金)

歌劇 セビリアの理髪師

Img142  久しぶりの更新です.

 最近音楽系の話題ばっかりになっている気がしますが,昨夜新国立劇場のセビリアの理髪師公演を鑑賞してきました.セビリアの理髪師はポーマルシェのいわゆるフィガロ3部作の最初の物語をロッシーニがオペラ化した作品で,その初演は1816年,奇しくも今年(2016年)は初演から200年の記念イヤーということになります(ちなみに日本で初演されたのは1917年のことで,こちらは来年で100年).現在ではロッシーニの代表作であるばかりか,イタリアの喜歌劇であるオペラ・ブッファの最高傑作と目されるほど有名な作品となっています.

 物語のあらすじは,美しい娘ロジーナに恋をした若きアルマヴィーヴァ伯爵が,理髪師兼何でも屋のフィガロの協力を得て,ロジーナの後見人の医師バルトロやずる賢い音楽教師バジーリオの妨害を乗り越えて結婚に至るというものです.今回の新国立劇場の舞台はケップリンガーによる演出で,2005年が初出であり,その後2006年,2007年,2012年のシーズンに続き,今回が4回目の再演ということになります.自分も2012年のシーズンに観劇していますから,演出そのものは知っている舞台ですが,今回の注目はなんといっても大抵の公演ではカットされることの多い,第2幕終盤の伯爵のアリアが演奏されるこということでした.

 この2幕の伯爵のアリアは,バルトロたちに自分がアルマヴィーヴァ伯爵であることを明かし,逆らうのをやめろと宣言する場面の歌です.長大なコロラトゥーラの超絶技巧を要求される難アリアで,初演の歌手だったマヌエル・ガルシアの力量を前提に作曲されたといわれています.ただ裏を返すと最高クラスの歌手でないと歌いこなせないということでもあり,このアリアは初演からほどなくカットされて歌われることが無くなってしまいました(もっとも,出演する歌手に合わせてアリアなどを改変するのはこの時代では至って普通のことでした).

 そうした状況は20世紀末のいわゆるロッシーニ・ルネサンスと呼ばれる時期まで続き,近年ようやく技術を持ったテノールによって歌われることも出てきました.今回の公演で伯爵役として起用されたマキシム・ミロノフはこのアリアを歌える技量を持つ歌手ということで,歌われることになったと思われました.

 今回実際に鑑賞してみて,改めてすごい曲だと実感,たしかにこれは下手な歌手じゃ歯が立たないだろうなと思いました.

Img_2786  で,このアリアが挿入されたセビリアの理髪師を見て,ようやく納得がいったこともあります.それは,1幕からあれだけロジーナとの結婚に執着していたバルトロがなぜ引き下がったのかということです.このアリアがなければ,単にフィガロの策略で伯爵とロジーナの結婚証書が作られてしまったために諦めたということになり,それまでの執着ぶりから考えてあっさりしすぎていると感じるからです.バルトロほどの地位と財産を持った人物なら,証書を破り捨てるとか,「こんな結婚は違法だ」と訴えるとか,まだまだ対抗策はありそうなものです.しかし,この伯爵のアリアを挟むことによって,領主である伯爵自身の叱責を受けてバルトロが引き下がるという構図が見えてきます.伯爵が自ら正体を現して,「逆らうのをやめろ」と歌い,バルトロたちが「恐れ入りました」と降参するこの場面は,時代劇でいえば水戸黄門が印籠を出す場面遠山の金さんが桜吹雪を見せる場面に相当する,(本来なら)2幕最大の山場です.この重要場面がこれまでほとんど上演されてこなかったことは,私たちはこうしたクライマックスのない水戸黄門や遠山の金さんを見て来たんだなと,妙な気分になったのでした.

 そんなミロノフの超絶アリアが聴けるセビリアの理髪師,12月4日,7日,10日とあと3回公演があります.この機会にぜひどうぞ (^.^).

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