88周年マドリガルコンサート
今日10月10日は体育の日ですが,一方で芸術の秋真っ盛りでもあります.そんな今日は東京の浅草橋教会で開催された東京マドリガル会第88周年コンサートに参加してきました.
英国マドリガルというのは16世紀後半,いわゆるエリザベス朝時代のイギリスで盛んに作られた世俗的,無伴奏な合唱曲です.自分の学生合唱団時代にその片鱗にふれ,興味を持っている分野です.東京マドリガル会は1920年代に英国留学中にこのマドリガルを知り,慣れ親しんだ故・黒澤敬一氏が日本でもこれを歌い研究しようと,帰国後仲間たちと立ち上げたクラブです.最初のコンサートが開催されたのが1929年(昭和4年)で,以来一度も欠かすことなく毎年コンサートが開催されています.第二次大戦中も開催していたというから驚きです(当時同盟国だったドイツやイタリアの音楽ならともかく,英国マドリガルは当時の言い方をすれば完全なる敵性音楽ですから.大戦中は大学の教室でやっていたらしいです).
1980年頃からは子息の黒澤宏氏に受け継がれ,連綿と活動が行われてきました.自分も縁あって2008年に関東に転居してから参加するようになりました(8年になるのかぁ).
そんな東京マドリガル会のコンサート,諸事情あって定期的なコンサートとしては今回で一応の終止符を打つことになりました.今回は代表的な英国マドリガルを中心にオルガンやチェンバロの演奏などを交えながらのコンサートとなりました.
マドリガルは非常に魅力的な作品が多いんですがなんですが,大人数合唱団では取り上げられないこと,少人数でやるとなれば個々のメンバーに気合が入ってないと難しいことから,なかなかほかでやる機会のないジャンルです(なので学生合唱団の有志でやるというのがもっぱらだった).東京マドリガル会も活動自体は今後も継続するということなので,これからも取り組んでいきたいと考えています(まあマドリガル自体が人に聴かせるというより,自分たちで歌って楽しむ方がメインの世界ではある).
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コメント
はじめまして、
黒澤宏さんは、ご自宅で療養中でしたが、2月21日にいつものように昼食を召し上がり、その後、眠るように亡くなられたとのことです。
御年90才と伺いました。
遅れましたが、
私は黒澤さんと面識はないのですが、学生時代に所属していた、男声合唱団の後輩です。黒澤さんのことを調べていて、このブログにあたり、ご逝去をご連絡することとなりました。
ご逝去を悼み、心からご冥福をお祈りいたします。
投稿: 佃 靖彦 | 2021年2月25日 (木) 08:23
佃 靖彦さま
コメントいただきありがとうございました.
黒澤宏さんの訃報,東京マドリガル会関係からもうかがいました.
黒澤さんのもとで英国マドリガルの神髄をたくさん学ばせていただきました。
例会もすでに1年休止になっている中で、ワクチン接種の開始などやや明るい展望が見え始めていた時の訃報だっただけにとても残念です。
投稿: 管理人 | 2021年2月26日 (金) 08:17