イスラエル旅行記② ~イスラエル入国編~
ヨルダンのこの日の天気は晴れ,バスは空港を出発して一路西に進む.周辺には荒涼とした砂漠とところどころに生えているオリーブの木といういかにも中東的な景色が広がっていた.道はどんどん下り坂になっている.途中ゼロポイントと書かれた標識を通過,実はここ地中海を基点とした海抜ゼロメートル地点である.道はその後もどんどん下っていくからこれ以降はすべて海抜ゼロメートル地帯ということになる.以前南米のペルーやボリビアの高地帯を訪問して酸素の薄い世界を経験したわけだが,今度は逆に酸素分圧が高い(ハズな)世界,そういえば気のせいか酸素が濃くなった気がする(笑).
しばらく進んで付近は開けた盆地部に出た.まっすぐに伸びた道のはるか先に湖と町が見える.湖の方はどうやらあれが死海らしい.否応なく気分が盛り上がる瞬間だ(町の方は旧約聖書でおなじみのエリコ).そうこうしているうちにヨルダンとイスラエルの国境地帯に差し掛かった.
ヨルダンとイスラエルの国境ポイントはいくつかあるのだが,今回通過するのはアレンビー橋(キング・フセイン橋)である.ただここはヨルダンとイスラエルの国境というより,ヨルダンとパレスチナ自治区との国境である.ヨルダンはパレスチナを国として承認しているため,公式にはここをイスラエルとの国境とは見なしていない(とはいえ一般の観光客が通過するには問題はないが).自分は過去にヨーロッパで何度も陸路の国境越えを経験しているのだが,ウチのKは初体験ということでちょっと緊張していたらしい.
(左写真3) 海水浴グッツが…、(右同4) ヨルダン川の検問所の免税店
やがてバスはヨルダン側の検問所に到着,ここで出国審査となる.手続きの仕方はひとりひとりがブースに並んで審査を受ける形ではなく,係員全員分のパスポートを預かって事務所に行き,そこで手続きをした後パスポートを返却して完了というちょっと斬新(?)な方法だった.
駐車場に入りバスが停まる.待っていたら係員が乗りこんできた.指示されたとおりにパスポートの顔写真が写ったページを開いた状態で手渡す.添乗員さんによると,この時ヨルダンの出国税を取られる可能性があるので,各自現金15USドルを用意しておくようにとのことだったが結局取られることはなかった.
審査にはちょっと時間がかかるとのことで,この間にトイレを済ませようと一同バスを降りて建物の中へ.ここには簡単なお土産物屋などもあった.
で,トイレを済ませてバスに戻ったのだが,ふと見ると最前列の座席にパスポートが山積みになっている! どうやら審査が早く終わったためここに置いていったらしい.セキュリティは大丈夫か(;゚Д゚)! ちょっと不安になったが幸い全員分ちゃんとあった(こんな感じだと,過去にはどさくさに紛れて無くなったというケースがあるんじゃないかと思ったが,そういう例はないらしい).
全員そろったところでバスは出発,いよいよ国境に差し掛かる.両国の国境となっているのがヨルダン川だ.ニュースなどにも頻繁に登場する有名な川であるが,実はあまり大きくはなく国境の橋はあっさりと通過してしまった.しばらく走りやがてイスラエル側の検問所に到着した.
イスラエル側の審査はヨルダン川に比べて格段に厳しく,ここでは係員がまとめてなんてことはなく,荷物を含め各自がチェックを受けなければならない.しかもやってくる車両1台ずつ,係員の指示があるまで下車することはできないという徹底ぶりだ(さすがに徒歩や自転車で国境を越えてくる人はいない模様).
しばらく待っていると指示があり一同バスを降り,各自のスーツケースを手に建物の中へ.外は暑かったが中は一転して冷房がガンガン効いており寒いくらいだ.手続きはまずパスポートのチェック,ここはみんなあっさり通過だったが,ウチのKのみ名前を言わされていた(風貌が怪しかったのか 笑).続いては荷物検査,そして入国審査本番となる.審査ではいろいろ聞かれる可能性があると言われていたが,たいしたことはなかった.2016年現在イスラエルへの入国にあたって,パスポートにスタンプは押されないが,かわりに小さな青いカードが手渡される.これにはなんと!自分の顔写真が… どうやら先ほどのパスポートチェックの際に読み取ってコピーしているらしかった.
審査を抜けるとそこはもうイスラエル(パレスチナ自治区)である.ここからはさっきまでとは別なバスに乗りこむ.ここで今回の旅行に同行してくれるガイドさんが登場,1組は男性,我々の2組は女性のガイドさんだった(イスラエルに30年以上住んでいるらしい).
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